バンドワゴン効果とは、「多くの人が、えらんでいる」という理由だけで、その商品や意見の人気が、さらに高まる現象です。行列のできている店に、ならびたくなる。「売上No.1」と書かれた商品を、手に取る。流行に、乗りおくれたくない。どれも、バンドワゴン効果です。
先に、書いておきます。私は、この効果に乗って、もうけたことも、損をしたことも、あります。オークションでは、「いま売れている商品」をまねして出品して、回転を、取っていました。一方で、有名な人がすすめる仮想通貨を、ブームの中で買って、30万円以上、失いました。同じ「みんなが買っている」でも、乗っていい場面と、いけない場面が、あります。この記事は、その分け方を、書きます。
この記事では、意味としくみを先に書いて、そのあとで、計算機、私の例、使い方と守り方を書きます。
1. バンドワゴン効果とは
1-1. 名前の由来
バンドワゴンは、パレードの先頭を行く、楽隊を乗せた車のことです。19世紀のアメリカで、選挙の候補者が、人気のサーカスの楽隊車に乗って、人を集めました。そこから、「バンドワゴンに乗る」が、「勝ちそうなほうに、つく」という意味に、なりました。
経済学の言葉にしたのは、アメリカの経済学者、ハーヴェイ・ライベンシュタインです。1950年の論文で、「ほかの人が買うほど、自分もほしくなる」効果を、バンドワゴン効果と、名づけました。同じ論文で、反対の効果にも、名前をつけています。
| 効果 | 中身 |
|---|---|
| バンドワゴン効果 | みんなが持っているから、ほしくなる |
| スノッブ効果 | みんなが持っているから、ほしくなくなる。人とちがうものが、ほしい |
| ヴェブレン効果 | 値段が高いから、ほしくなる。見せびらかすための、消費 |
下の2つは、ヴェブレン効果・スノッブ効果の記事に、書きました。
1-2. なぜ、起きるのか
- 調べる手間を、はぶける:多くの人がえらんでいるなら、大きな外れでは、ないだろう。自分で全部くらべるより、速い。これは、だいたいの場面で、正しい近道です(社会的証明)。
- 仲間外れが、こわい:みんなとちがうものをえらぶのは、目立ちます(同調圧力)。
- 使う人が多いほど、本当に、便利になるものが、ある:連絡のアプリ、フリマの売り場。これは、思いこみでは、なく、実際の値打ちです(ネットワーク効果)。
- 乗りおくれるのが、こわい:値上がりしているものを見ると、「自分だけが、取りのこされる」と、感じます。
1-3. 反対の効果:アンダードッグ効果
選挙では、「負けそうだ」と報じられた候補に、同情の票が集まることが、あります。これを、アンダードッグ効果(負け犬効果。日本語の、判官びいきに近い)と、呼びます。「優勢」の報道は、バンドワゴンと、アンダードッグの、両方を起こします。どちらが強く出るかは、場面によります。
2. 計算機:本当にほしい人は、何%か
人気が人気を呼ぶとき、「その商品を、自分の好みで買う人」と、「まわりが買っているから買う人」が、まざります。かんたんな形で、その割合を、出します。次の回に買う人の割合を、「自分の好みで買う人 + 乗りやすさ × いま買っている人の割合」と、置きます。
まわりに関係なく、自分の好みで買う人の割合 %
乗りやすさ(まわりの普及率が1%上がると、買う人が、何%ふえるか)
5回くり返したあとの、普及率:
落ち着く先の、普及率:
落ち着いたときに、「まわりが買っているから」買っている人の割合:
これは、私が置いた、かんたんな形です。はじめの数字だと、自分の好みで買う人は、5%しか、いません。それでも、普及率は、25%で、落ち着きます。買っている人の80%は、「まわりが買っているから」買っています。乗りやすさを0.95にすると、落ち着く先は、100%です。1をこえると、好みで買う人がわずかでも、全員に、広がります。
この計算が教えてくれることは、2つです。「みんなが買っている」は、「みんなが、ほしがっている」とは、かぎらない。そして、まわりにつられて買った人たちは、まわりがやめれば、同じ速さで、やめます。上がるときの式と、下がるときの式は、同じです。
3. 私の例:乗って、もうけた場面。乗って、損をした場面
3-1. 売れている商品に、乗る
以前、私は、オークションで、在庫を持たずに、物を売っていました(いまは、規約に反するので、やっていません)。落札の記録を調べられるサイトで、同じ売り方をしている人の、直近の落札を見て、自分にも仕入れられるなら、同じものを、出していました。
これは、売る側の、バンドワゴンです。「みんなが売っていて、売れているもの」に、乗ります。ここでは、乗るのが、正解でした。売れた記録は、「実際に、お金を払った人がいた」という、事実だからです。ただし、乗る人がふえると、値段は、下がります。私は、回転は、ここで取り、利益は、売れた記録のない商品で、取っていました(くわしくは、レッドオーシャンの記事)。
3-2. ブームの仮想通貨に、乗る
2017年から2019年ごろの話です。私は、有名な人がプロデュースする仮想通貨を、買いました。売り出しの直後を天井にして、値段は、下がり始めました。損失は、30万円以上です。ビットコインも、持っていました。はじめのブームのときの暴落で、手ばなして、損失は、50万円以上でした。
3-1と、何が、ちがうのか。3-1の「売れた記録」は、その商品を使うために、買った人の記録です。仮想通貨のブームで買っていた人の多くは、「値上がりしているから」買っていました。計算機で言えば、「自分の好みで買う人」が、とても小さく、「乗りやすさ」が、とても大きい場面です。こういう場面は、上がるときも、下がるときも、速い。そして、自分が乗った時点で、列の、どのあたりにいるのかは、分かりません。
当時の私は、事業で、毎月100万円以上の収益が、ありました。だから、この損で、生活は、ゆらぎませんでした。乗ったことより、なくなってもこまらない大きさで乗ったことのほうが、結果を、決めました。
3-3. 自分のページでは、ひかえめに、使っている
売る側としての、私の立場です。販売のページで、「多くの人が買っています」という形の説得は、ひかえめにしか、使っていません。計算機の、2つ目の教えと、合わせて見てください。まわりにつられて買った人は、まわりの様子が変われば、同じ速さで、はなれます。私が売っているのは、6か月の、個別の指導です。長くつき合う商品ほど、人気で集めることの意味は、小さくなります。私は、代わりに、「こういう人は、買わないでください」と、書いています(カリギュラ効果の記事)。
4. 使い方と、守り方
4-1. 使う側
- 数字は、本当のものだけ:「No.1」「満足度◯%」は、いつ、だれが、何人に調べたかを、書きます。根拠のない表示は、景品表示法の、問題になります。
- サクラは、使わない:にせの行列、たのんだ口コミを、ふつうの口コミに見せること。2023年10月から、広告であることをかくす表示は、景品表示法の対象です。
- 使う人がふえるほど、値打ちが上がる商品なら、正面から、使う:会員の数、出品の数。これは、買う理由そのものです。
- つられて買った人は、はなれやすい:長くつき合う商品なら、人気より、合うかどうかを、先に、伝えます。
4-2. 乗る側
| 乗っても、よい場面 | 気をつける場面 | |
|---|---|---|
| みんなが買っている理由 | 使うため。使って、よかったから | 値上がりしているから。みんなが買っているから |
| 外れたときの損 | 小さい。昼ごはんの店、日用品 | 大きい。投資、高額の講座、住まい |
| 人がふえると | 本当に、便利になる | 値段が上がるだけで、中身は、変わらない |
- 「だれも買っていなくても、これを買うか」と、自分に聞く:答えが「いいえ」なら、ほしいのは、商品では、なく、列にならぶことです。
- なくなっても、こまらない大きさで:3章の2つ目の、教訓です。
- いそがされたら、止まる:「いま買わないと、乗りおくれる」は、判断の時間を、うばいます(希少性の原理)。
5. まとめ
- バンドワゴン効果とは、多くの人がえらんでいるという理由で、人気が、さらに高まる現象です。1950年、ライベンシュタインが、名づけました。
- 調べる手間をはぶく近道としては、だいたい、正しい。ただし、「みんなが買っている」は、「みんなが、ほしがっている」とは、かぎりません。
- 自分の好みで買う人が5%でも、乗りやすさが0.8なら、普及率は25%になります。そのうち80%は、つられて買った人です。
- 私は、売れている商品に乗って回転を取り、ブームの仮想通貨に乗って、30万円以上を、失いました。ちがいは、みんなが買っている理由でした。
- 乗るなら、「だれも買っていなくても、買うか」を自分に聞いて、なくなってもこまらない大きさで。
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【免責】この記事の仮想通貨の話は、私の経験の説明で、売買をすすめるものでは、ありません。仮想通貨は、元本を大きく失うことが、あります。

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