せどりで儲かるジャンルは全部|資金別の逆算表と4象限の配分設計

せどりで儲かるジャンル せどり

結論から書きます。せどりで儲かるジャンルは、全部です。

本も、ゲームも、カメラも、アパレルも、家電も、おもちゃも、実際に利益を出している人がいます。ジャンルそのものに「儲かる/儲からない」の区別はありません。

それなのに儲からないのは、自分の資金と、欲しい月利に対して、扱うものの配分を設計していないからです。そして設計をやってみると、ほぼすべての場合で同じ結論に行き着きます。

1つのジャンルに固定したままでは、その目標には届きません。

この記事は、その計算を最後までやります。

先に、この記事の前の版を取り下げます

このページには以前、「せどりで儲からないジャンル一覧」という記事を置いていました。25個ほどのジャンルを並べて、それぞれに「〇〇せどりが儲からない理由」と書き、その下に「〇〇で稼げない方へ」と続けるという構成でした。

あれは我田引水でした。取り下げます。

問題は2つあります。

旧版の問題 なぜ悪いか
ほぼ全ジャンルを「儲からない」と書いていた 全部が儲からないなら、その人が現に稼いでいる説明がつきません。実際には、私が挙げたどのジャンルにも稼いでいる人がいます
「儲からない」の直後に自分の入口を置いていた 読者の現在地を否定してから、自分のほうへ誘導する構造です。これは判断材料ではなく、営業の型です

「〇〇は儲からない」という言い方は、条件を落とすことで短くなっているだけです。正しくはこうなります。

「〇〇は、この資金とこの作業時間では、この月利に届きません」

条件を書けば、条件を変えれば届くことも同時に分かります。この記事は、その条件のほうを書きます。

知りたいこと 読む章
何が儲かるかを決めているのは何か 1章
自分の資金だと、何%必要なのか 2章(表があります)
4象限の分類とは何か 3章
いちばん美味しそうな象限の罠 4章
なぜ1ジャンルでは届かないのか 6章
では、どう配分するのか 7章
資金がない状態から、実際はどう進むのか 8章
新品と中古はどう違うのか 9章
自分がやっているジャンルはどこか 10章(一覧表)

1. 儲かるかどうかを決めているのは、2つの数字だけです

ジャンル名ではありません。次の2つです。

意味
利益率 1回転させたとき、投じたお金が何%増えて戻ってくるか
回転日数 投じたお金が、現金になって戻ってくるまでの日数

1-1. 利益率の定義に、注意点が1つあります

ここでいう利益率は、売上に対する利益率ではありません。仕入額に対する利益率です。

10,000円で仕入れて、手数料と送料を引いた手取りが13,000円だったとします。

見方 計算 数字
売上に対する利益率(一般によく使われる) 3,000 ÷ 13,000 23.1%
仕入額に対する利益率(この記事で使う) 3,000 ÷ 10,000 30.0%

資金効率を考えるときは、後者で見ます。動くのは自分が出した10,000円のほうで、13,000円ではないからです。売上比の利益率で資金計画を立てると、必要資金を実際より少なく見積もることになります。

1-2. 月利は、この式で決まります

この2つが決まれば、月にいくら利益が出るかは自動的に決まります。

月利 = 資金 × 利益率 × ( 30 ÷ 回転日数 )

後半の「30 ÷ 回転日数」が、1か月に何回まわせるかです。回転日数15日なら月2回転、30日なら月1回転、90日なら月0.33回転になります。

この式にジャンル名は出てきません。ジャンルは、利益率と回転日数の組み合わせに姿を変えて、この式に入ってくるだけです。

2. 自分の目標から、必要な数字を逆算する

さきほどの式を、知りたい形に変えます。

必要な利益率 = 目標月利 × 回転日数 ÷ ( 資金 × 30 )

これで、自分の資金で目標月利を出すには、何%の利益率が必要なのかが出ます。

2-1. 目標が月利10万円の場合

資金 回転15日 回転30日 回転60日 回転90日
30万円 16.7% 33.3% 66.7% 100%
50万円 10.0% 20.0% 40.0% 60.0%
100万円 5.0% 10.0% 20.0% 30.0%
200万円 2.5% 5.0% 10.0% 15.0%

2-2. 目標が月利30万円の場合

資金 回転15日 回転30日 回転60日 回転90日
50万円 30.0% 60.0% 120% 180%
100万円 15.0% 30.0% 60.0% 90.0%
300万円 5.0% 10.0% 20.0% 30.0%
500万円 3.0% 6.0% 12.0% 18.0%

太字にしたのは、単一のジャンルで安定して出し続けるのが現実的でない数字です。

資金30万円で月利10万円を狙い、回転が60日かかるジャンルを選んだ場合、必要な利益率は66.7%です。仕入10,000円のものを、手数料と送料を引いた後で16,670円で売り続ける必要があります。それを毎月、切らさずに。

これが「ジャンルの問題ではない」ということの意味です。そのジャンルが悪いのではなく、その資金・その回転日数・その目標という3つの組み合わせが成立していないだけです。

2-3. まず、自分の数字を1つ入れてください

上の表を眺めるより、自分の数字を入れるほうが早いです。

書き込む
いま自由に動かせる事業資金(カード未払いを引いた額)      円
ほしい月利      円
いまの平均回転日数(分からなければ推定で)      日
必要な利益率(=月利 × 回転日数 ÷ 資金 ÷ 30)      %

出た数字が30%を超えていたら、いまのやり方の延長では届きません。そして超えている人が、たぶん大半です。

なお、回転日数が分からない場合の出し方と、そもそも「増えているか」を確かめる方法はせどりでお金が残らない本当の理由に書きました。在庫の時価を計算するシートも置いてあります。

3. 商品を、4つの象限に分ける

1章で出した2つの数字を、そのまま縦軸と横軸にします。

すぐ売れる(回転が速い) 時間がかかる(回転が遅い)
利益が大きい A:即売れ・高利益
誰もが欲しい。競争過多
C:時間・高利益
資金が拘束される。入れる人が限られる
利益が小さい B:即売れ・薄利
消耗品・人気商品。回数で稼ぐ
D:時間・薄利
買ってはいけない

この2軸は、当サイトが全部の記事で使っている指標を分解しただけのものです。

利益 ÷ 拘束日数 の、分子が縦軸、分母が横軸です。

1つの数字で見ると「良いか悪いか」しか出ません。分子と分母に分けて2軸にすると、「なぜ良いのか」「なぜ悪いのか」が出ます。そして、組み合わせて設計できるようになります。この指標の出どころについては別の記事に書きました。

3-1. 4つの象限の性格

利益率の目安 回転日数の目安 制約になるもの 典型
A 30%以上 15日以内 競争 話題になった商品、限定品、供給が止まったもの
B 10〜15% 7〜20日 作業時間 消耗品、定番の日用品、売れ筋の新品
C 40%以上 60〜180日 資金 中古の専門品、ジャンク修理品、型番が特定しにくいもの
D 10%未満 60日超 季節外れのアパレル、値崩れした型落ち品

数字は目安です。自分の実測に置き換えてください。大事なのは数値そのものではなく、各象限で制約になるものが違うという点です。ここが、この記事のいちばんの要点になります。

4. A(即売れ・高利益)の罠

誰でもAが欲しい。当然です。すぐ売れて、利益も大きいのですから。

だから競争が起きます。そしてここに、多くの人が気づいていない性質があります。

Aは、象限として存在します。ただし、そこに留まる時間が短い。

4-1. 仕入れた時はA、売る頃にはCかDになっています

Aの商品を見つけたとき、それを見つけたのは自分だけではありません。同じツールを使っている全員に、同じ商品が表示されています。

すると何が起きるか。

時点 起きること 象限
仕入れた日 相場は高いまま。利益率30%、回転10日の見込み A
出品した日 同じことを考えた人が10人出品している A
1週間後 最安値を取り合って値下げ。利益率が15%に落ちる B
1か月後 それでも順番が回ってこない。10人で1つの需要を分けているから D

ここで効いてくるのが、「その商品が売れるまでの日数」と「自分の番が回ってくるまでの日数」は別物だということです。

月に10個売れる商品でも、最安値に5人並んでいれば、自分の取り分は月2個です。商品の回転日数は変わっていないのに、自分の資金の拘束日数は5倍になります。

つまり、Aの実効的な回転日数は、出品者の数で割られます。そして出品者の数は、その商品がAに見えるほど増えます。

4-2. だから、Aを主軸にした計画は立ちません

Aは存在します。実際に取れます。ただし、いつどれだけ取れるかを事前に計算できません。

計画に組み込めない収益を前提にすると、その月に取れなかったときに、資金繰りが破綻します。

Aは、BとCの上に乗る「臨時収入」として扱う。主食にはしない。

これが、私が20年やって出した結論です。Aだけを追いかけていた時期もありましたが、取れた月と取れなかった月の差を、自分で説明できませんでした。説明できないものは、事業計画に組み込めません。

5. C(時間がかかる・高利益)が空いている理由

Aの反対側にあるのがCです。売れるまで時間はかかるが、1点あたりの利益が大きい。

ここには、Aにはない特徴があります。

資金がない人は、そもそも入れません。だから競争が薄いままです。

90日寝る在庫を持つには、90日ぶんの資金が必要です。それが用意できない人は、利益率が40%あろうと、この商品を買えません。参入障壁が資金になっているということです。

5-1. Aとの決定的な違い

A(即売れ・高利益) C(時間・高利益)
参入障壁 ない(誰でも見つけられる) 資金(用意できない人は入れない)
時間がたつと 出品者が増え、象限が劣化する あまり変わらない
計画に使えるか 使えない 使える
必要なもの 速さ 資金と、目利き

当サイトが修理と買取を20年やってきたのは、ここが理由です。壊れているもの、型番が特定しにくいもの、状態の説明が難しいもの。これらは回転が遅く、だから多くの人が扱いません。扱わない人が多いほど、仕入値は下がります。

この構造については買取ビジネスは儲からないのか中古せどりの勝ち方で詳しく書きました。

5-2. ただし、Cには2つの前提があります

  • 資金が拘束されることを、あらかじめ計算に入れていること。「そのうち売れるだろう」で持つのは、Cではなく単なる塩漬けです
  • 相場が落ちない理由を、自分で説明できること。説明できないまま長く持つと、Cのつもりで買ったものがDに落ちます

私自身、この2つ目で失敗しています。ゲームのサントラを10枚買って、上がったのは1枚だけでした。「時間がかかるが利益が大きい」と「ただ売れないだけ」は、外から見ると同じ顔をしています。

6. なぜ、1つのジャンルでは届かないのか

ここが本題です。月利10万円を、それぞれの象限「だけ」で取ろうとすると何が起きるかを計算します。

以下の数値はすべて仮定です。自分の実測に置き換えてください。ここで見てほしいのは金額そのものではなく、どの象限も必ず何かに引っかかるという構造のほうです。

6-1. 月利10万円を、単一象限で取る

前提は、1章の式から出します。

  • 必要な月の仕入額 = 目標月利 ÷ 利益率
  • 必要な資金 = 月の仕入額 × ( 回転日数 ÷ 30 )
  • 必要な点数 = 目標月利 ÷ 1点あたりの利益
やり方 前提 必要な資金 必要な点数 作業時間 引っかかるもの
Bだけ
即売れ・薄利
利益率12%/回転15日
1点の利益500円/1点15分
約42万円 200点/月 約50時間/月 作業時間
Cだけ
時間・高利益
利益率40%/回転90日
1点の利益5,000円/1点30分
約75万円 20点/月 約10時間/月 資金
Aだけ
(計画上の数字)
利益率30%/回転10日
1点の利益3,000円
約11万円 34点/月 約9時間/月
Aだけ
(現実に起きること)
値下げで利益率15%
出品者5人で実効の回転50日
約111万円 67点/月 約17時間/月 競争

3行目と4行目を比べてください。計画では11万円で足りるはずだったものが、実際には111万円必要になります。10倍です。

理由は4章に書いたとおりです。値下げで利益率が半分になり、出品者が5人並んで自分の番が5倍待ちになる。この2つが同時に効くと、必要資金は10倍になります。

6-2. どの象限も、必ず何かに引っかかります

選んだ象限 足りなくなるもの
B に寄せる 時間。点数が増えるので、作業が破綻します
C に寄せる 資金。寝ている在庫のぶんを、全部自分で立て替えます
A に寄せる 競争。計画した数字が、売る頃には別の数字になっています
D に寄せる そもそも選びません

これが、「ほぼすべての場合で、1つのジャンルに固定したままでは届かない」の中身です。ジャンルが悪いのではありません。単一の象限に寄せると、3つの制約のどれかに必ずぶつかるという構造の問題です。

7. だから、配分を設計します

資金にも時間にも上限があります。その上限の中で、月利を最大にする配分を考えます。

7-1. 資金50万円・使える時間が月30時間の場合

6章と同じ前提で、BとCをどう混ぜるかを計算しました。

配分 使う資金 使う時間 月利
Bだけ 25万円 30時間(上限いっぱい) 6.0万円
Cだけ 50万円(上限いっぱい) 6.7時間 6.7万円
BとCを混ぜる
(Bから5.25万・Cから3.75万)
50万円 30時間 9.0万円

資金も時間もまったく同じです。それでも月利は1.35倍になります。

理由は単純です。Bだけだと資金が25万円余り、Cだけだと時間が23時間余っています。混ぜると、両方を使い切れる。

単一ジャンルの弱さは、資金か時間のどちらかを必ず余らせることです。

7-2. ただし、混ぜれば必ず届くわけではありません

正直に書きます。上の条件(資金50万・月30時間)では、どう混ぜても月利10万円には届きません。最大が9.0万円です。

届かせるには、3つのうちどれかを動かすしかありません。

動かすもの やること
資金を増やす Cの枠を広げる。ただし借入で増やすなら、回転日数の管理が先です
時間を増やす Bの枠を広げる。または外注して自分の時間を空ける
1点あたりの単価を上げる 同じ作業時間で、扱う金額を大きくする。いちばん効きます
目標を下げる これも判断です。9万円で足りるなら、無理に伸ばす必要はありません

3つ目が本命です。1点の利益が500円から1,500円になれば、同じ200点で月利は3倍になります。作業時間は変わりません。単価と回転の関係についてはせどりの利益率と回転率|20年3業態の実測値で出した目安に数字を出しています。

7-3. 低資本のときは、回転8:ロングテール2で組みます

私が資金の少ない方に指導するときの比率は、こう決めています。

回転商材を8、ロングテールを2。月に仕入れる金額の割合です。

ここでいうロングテールとは、すぐには売れないが、売れたときの利益が大きいもの。この記事でいうC象限です。回転商材がBにあたります。

この8:2を、6章と同じ前提で計算に当てはめてみます。

7-4. 8:2は、どのくらい正しいのか

資金(月30時間) 8:2でやった場合の月利 計算上の最大値
30万円 5.28万円 6.60万円 −1.32万円
40万円 7.04万円 7.80万円 −0.76万円
50万円 8.80万円 9.00万円 −0.20万円
70万円 9.43万円 11.40万円 −1.97万円
100万円 9.43万円 15.00万円 −5.57万円

資金50万円のあたりで、8:2はほぼ最適です。差は0.2万円しかありません。経験から決めた比率が、計算とほぼ同じ位置にありました。

そして、その上下で外れ方が違います。ここが読みどころです。

何が起きているか どうするか
50万円より少ない 計算だけなら、もっと回転に寄せたほうが月利は出ます それでも2割は残します(理由は下)
50万円より多い 8:2は作業時間を食うので、時間が先に尽きて資金が余ります ロングテールの比率を上げます

7-5. それでも、2割を残す理由

資金30万円のとき、計算上の最適解はほとんど回転商材です。8:2にすると、月利が1.3万円ほど落ちます。それでも私が2割を残すよう言うのには、理由があります。

その2割は、稼ぐ枠ではなく、検証する枠だからです。

今日の数字だけで最適化すると、答えは「回転商材だけ」になります。ですがその解には、明日の選択肢が入っていません。ロングテールを一度も触らなければ、自分にとってどの商材が回るのかを一生知らないままです。

月利1.3万円は、その授業料です。この2割の枠で何をどう試すかは、8章に書きました。

7-6. 基準を間違えると、逆になります

8:2は「月に仕入れる金額の割合」です。同じ配分でも、何で数えるかで見える数字がまったく変わります。資金50万円のときの内訳です。

何で数えるか 回転商材:ロングテール
月の仕入額(これが8:2) 82:18
拘束されている資金 44:56
点数 93:7
出てくる利益 58:42

点数で8:2にすると、まったく違うものになります。ロングテールは1点の金額が大きいので、点数では1割にも届きません。数えるのは金額です。

そして資金が増えたら、ロングテールの比率を上げていきます。Cは資金が参入障壁になっている象限なので、資金が増えるほど有利になります。これが、この設計でいちばん重要な性質です。

資金の段階 仕入額の比率
回転:ロングテール
やること
〜30万円 8:2 回転で現金を回しながら、2割の枠でロングテールを試す
50万円前後 8:2 この帯では8:2がほぼ最適です
70万円 7:3 時間が先に尽きるので、ロングテールを厚くする
100万円〜 5:5に近づく 作業時間あたりの利益が伸びます
いずれの段階でも Aは上乗せとして扱う。計画に入れない。取れたら前倒しになるだけ

この比率は、6章で置いた利益率・回転日数・作業時間の仮定から出したものです。自分の実測値が違えば、切り替わる資金の位置も変わります。覚えておいてほしいのは8:2という数字そのものではなく、資金が増えるほどロングテールを厚くするという方向のほうです。

7-7. ここまでを、自分の数字で計算する

ここまでの表は、すべて6章で置いた仮定の数字で計算したものです。あなたの数字ではありません。

下に、同じ計算をするものを置きました。資金・ほしい月利・月に使える時間の3つを入れると、回転商材とロングテールの配分と、そのときの月利が出ます。

そして、この記事でいちばん見てほしいものが出ます。

いま詰まっているのは、資金なのか、時間なのか。

何を仕入れるべきかは出しません。それは8-1に書いたとおり、私が決めることではないからです。出るのは「どこで詰まっているか」までです。そこから先は、自分で決めてください。

配分シミュレータ|どこで詰まっているかを出す

資金・目標月利・使える時間の3つを入れると、回転商材とロングテールの配分、そのときの月利、そして資金と時間のどちらで詰まっているかが出ます。何を仕入れるべきかは出しません。それは自分で決めるものです。

1. あなたの3つの数字
2. 回転商材の前提
3. ロングテールの前提
この条件で出せる月利の上限
配分
月利
使う資金
使う時間
回転商材だけ
ロングテールだけ
最適な配分
8:2でやった場合
資金の使用率
時間の使用率
仕入額の比率
回転:ロングテール
回転商材
点数/月
ロングテール
点数/月
月の仕入額
合計
資金に対する
月利率
時給
(月利÷時間)
数字を入れてください。

 

※ このシミュレータは「どこで詰まるか」を出すものです。何を仕入れるかは出しません。前提の8項目は、必ず自分の実測値に置き換えてください。初期値は記事の説明用に置いた仮定であり、実績値ではありません。計算はすべてこのページの中だけで行われ、入力した数字はどこにも送信・保存されません。

8. 資金がない人が、実際にたどる順路

ここまでは配分の計算でした。ここからは、計算では出てこない部分を書きます。

8-1. 先に、この記事の限界を書いておきます

私が個別に相談を受けるときは、相手が何を目指しているのか、いくら動かせるのか、週に何時間使えるのかが見えています。だから「あなたはもっと回転商材を増やしてください」と、名指しで言えます。

記事ではそれができません。読んでいる方がいくら持っていて、何を目指しているのかが分からないからです。

だからこの記事の主張は、「マトリクスを渡すので、自分の数字を入れて自分で設計してください」までです。ここから先は、私が決めることではありません。

そのうえで、順路として何が起きやすいかは書けます。多くの方に共通する部分だからです。

8-2. 資金がないなら、Bから始めるのは正しい

そもそも、資金が潤沢にある人はせどりに来ません。資金がないから、少ない元手で回せるこの商売に来ています。

その前提なら、最初にBを選ぶのは正しい判断です。理由は3つあります。

Bから始めるのが正しい理由 中身
少ない資金でも回る 回転が速いので、同じお金が月に2回働きます。5章のCは、同じ月利を出すのに資金が倍近く要ります
失敗しても傷が浅い 1点あたりの金額が小さいので、判断を間違えても致命傷になりません
実測データが早く貯まる 回転が速いということは、答え合わせが早いということです。2章の記入欄を埋められるようになります

3つ目が特に大きいです。自分の利益率と回転日数を知らないうちは、そもそも設計ができません。Bは、その数字を最短で手に入れる場所でもあります。

8-3. ただし、Bには出口の問題があります

Bは入口として正しい。しかし、居続ける場所としては厳しい。理由は、Aの罠(4章)と同じ構造です。

Bの参入障壁は、作業時間しかありません。そして作業時間は、誰でも払えます。

資金は、ない人には用意できません。技能は、身につけるのに時間がかかります。でも「たくさん動く」は、その気になれば誰でも今日からできます。だから人が入り続けます。

Aは短期間で劣化します。Bは、それがゆるやかに、しかし止まらずに起き続けます。結果として起きるのはこうなります。

段階 起きること
1 回転が速いので、最初は手応えがある
2 同じ商品を扱う人が増え、利益率が削れる
3 削れたぶんを、点数を増やして埋めようとする
4 作業時間が伸びる。7章の表でいう「時間の上限」に当たる
5 時給が下がっていることに気づく
6 消耗して、やめる

脱落する人の多くは、稼げなかったからではありません。3番と4番を繰り返した結果、割に合わなくなってやめています。

ここで効くのが、この記事で使っている指標です。利益 ÷ 拘束日数で見ていれば、2番の時点で数字が落ちるのが分かります。月商だけを見ていると、5番まで気づきません。

8-4. 出口は2つしかありません

出口 やること 変わるもの
①作業時間の上限を外す 外注する。仕組みにする Bのまま、点数の天井を上げる
②参入障壁が別のものになっている場所へ移る Cへ配分を移す そもそも競争する相手が減る

①は月1万円から始める外注化に手順を書きました。②が、5章で書いた「Cが空いている理由」の実践編にあたります。

どちらか一方ではありません。7章の表のとおり、資金が増えるにつれてCの比率を上げていく、というのが現実的な進み方です。

8-5. 私が選んだのは、競争しなくていい場所でした

ここからは私自身の話です。

私は、Bの消耗戦に乗り続けるのが割に合わないと判断しました。最安値を取り合う戦いは、勝っても利益率が削れているし、負ければ在庫が残ります。勝ち負けにかかわらず、体力だけが減っていきます。

そこで選んだのが修理でした。壊れているものを直して売る。この領域の参入障壁は、資金ではなく技能です。

Bの商材 修理品
参入障壁 作業時間(誰でも払える) 技能(払うのに時間がかかる)
同じ商品を扱う人 増え続ける 増えにくい
仕入値 取り合いで上がる 扱う人が少ないので下がる
時間がたつと 劣化する 技能が積み上がる

「壊れているから安い」というのは、直せない人にとっての価格です。直せる人にとっては、同じものが別の値段に見えます。この差額が、競争ではなく技能から出ているというのが、私が20年ここにいる理由です。

実際にどう直しているかはプリンターの修理ゲーム機の扱いに書きました。

8-6. ただし、修理なら何でもいいわけではありません

ここが、いちばん正直に書かなければいけないところです。

修理の中にも、回転の良い商材と悪い商材があります。そしてどちらなのかは、計算では出ません。

直せる、という時点で利益率は確保できます。しかしそれが何日で売れるかは別の問題です。直したはいいが半年動かない、ということが普通に起きます。そうなれば、それはCではなくDです。

相場表を見ても分かりません。過去に売れた記録は、その人がその状態でその説明文で売った結果であって、自分の場合の日数ではないからです。

ではどうするか。実弾を使って検証するしかありません。実際に仕入れて、直して、出して、何日で売れたかを記録する。これ以外に方法がありません。

8-7. 検証の予算は、先に決めます

「実弾で検証する」と書きましたが、無計画にやると資金が溶けます。順番はこうです。

# 決めること
1 全部外れても事業が続く金額を先に決める。これが検証予算の上限です
2 1商材あたり何点で試すかを決める。1点だとその個体の運か実力か分かりません
3 検証予算 ÷(1点の仕入値 × 点数)= 試せる商材の数
4 合格ラインの日数を先に決める。売れてから決めると、必ず甘くなります
5 日数を超えたものは合格させない。直せた事実と、回るかどうかは別です

何割が合格するかは、事前には分かりません。だから1番が先に来ます。全部外れる前提で金額を決めておけば、外れても次に進めます。

そして4番。ここでの「売れるまでの日数」は、その商品が売れた日数ではなく、自分の番が回ってくるまでの日数で見ます。4章で書いた、出品者の数で割られるという話がそのまま効いてきます。

書き込む
全部外れても事業が続く金額      円
1商材あたりの検証点数      点
1点あたりの想定仕入値      円
試せる商材の数      商材
合格ラインの日数      日

この検証を、Bで現金を回しながら並行してやるのが、資金の少ない人にとって現実的な進み方です。Bを止めて修理に賭けるのではありません。Bが生活と資金繰りを支えている間に、Cの候補を1商材ずつ潰していく。

回転で食いつなぎながら、競争しなくていい場所を実弾で探す。これが、資金がない状態から始めた場合の順路です。

そして見つかった商材は、他人には見えません。自分の実測でしか出てこないからです。これが、9章の一覧表を「傾向であって固定ではない」と書いている理由でもあります。

9. 新品と中古は、そもそも象限が違います

ここまで象限の話をしてきましたが、実務では新品と中古という分け方が、そのまま象限の分け方になっています。

新品 中古
寄りやすい象限 B(即売れ・薄利) C(時間・高利益)
商品の性質 同じものが複数ある 1点ずつ違う
価格の決まり方 最安値の取り合い 状態と説明で差がつく
作業の再利用 できる(同じ商品は同じ手順) できない(1点ずつ撮影・記述)
競合との関係 全員が同じ商品ページに並ぶ 個別に比較される

だから、「新品と中古の両方をやる」ことは、そのまま「BとCの両方を持つ」ことになります。これが、ジャンルを横断するということの実体です。

ここで注意点が1つあります。新品と中古では、必要な技能が違います。中古は検品・清掃・状態の記述が要り、1点あたりの作業時間が長くなります。6章でCの作業時間を1点30分にしたのは、そのためです。

「両方やる」は、作業の種類が2つ増えるということでもあります。いきなり両方を始めるのではなく、片方で回るようになってからもう片方を足すほうが現実的です。

10. 各ジャンルは、どの象限に入るのか

ここが、この記事の前の版で「儲からないジャンル一覧」として並べていた部分です。否定ではなく、座標として置き直します。

下の分類は傾向であって、固定ではありません。同じジャンルでも、扱う価格帯と自分の腕で象限は動きます。「このジャンルは自分にとってどの象限か」を、自分の実測で確かめてください。

ジャンル 寄りやすい象限 効いてくる制約 向いている人
本・古本 B(単価が低い) 作業時間 点数をさばける人。仕組み化できる人
ゲームソフト B寄り 作業時間 相場が頭に入っている人
カメラ・レンズ C 資金+返品対応 状態を正確に記述できる人
アパレル CとDの境界 資金+季節 季節を読める人。1点ずつの作業に耐えられる人
家電 B〜C 資金+規制 出品規制と法令を確認できる人
フィギュア・ガンプラ A〜C(商品による) 資金+競争 再販時期を追える人
おもちゃ(季節もの) C〜D 資金+保管 年末に売り切る設計ができる人
レゴなどの「寝かせ」 C(ただしDに落ちやすい) 資金+保管品質 相場が落ちない理由を説明できる人
消耗品・日用品の新品 B 作業時間 まず現金を回したい人
ジャンク・修理品 C 資金+技能 直せる人。参入障壁がいちばん高い
アウトレット・セール品 A〜B 競争 店舗を回れる人
輸出 C 資金(入金が遅い) 入金サイクルを計算に入れている人
中国輸入 B〜C 資金+リードタイム まとめて動かせる人

10-1. 象限以前の問題があるもの

次の2つは、利益率や回転日数の話をする前に確認することがあります。

先に確認すること
無在庫での販売 各サービスの規約。手元にない商品の出品を禁じているところがあります
携帯の乗り換え案件 継続性がありません。原資を作る手段であって、事業ではありません

この2つを「ジャンル」として並べていたのは、旧版の分類の誤りです。

11. 明日からの1手

順番があります。上から順にやってください。

# やること かかる時間
1 3つの数字を書く。動かせる資金・ほしい月利・月に使える時間 5分
2 必要な利益率を出す。目標月利 × 回転日数 ÷ 資金 ÷ 30 3分
3 出た数字が30%を超えていたら、いまのやり方の延長では届かないと確定します
4 直近に売れた10点を、4象限に置く。利益額と、出品から売れるまでの日数で分けるだけです 20分
5 10点がどこかに偏っていたら、そこが余らせている資源を確かめる(Bなら資金、Cなら時間) 5分
6 余っているほうの象限を、1点だけ試す

4番が要点です。ジャンル名で分けないでください。「本」「ゲーム」ではなく、「利益3,000円・28日」「利益600円・9日」という形で置きます。同じジャンルの中に、複数の象限が混ざっているのが普通です。

そして6番。いちばんやってはいけないのは、いま偏っている側をさらに厚くすることです。Bばかりの人が点数を増やすと、時間が先に尽きます。Cばかりの人が在庫を増やすと、資金が先に尽きます。

12. まとめ

  • 儲かるジャンルは全部です。ジャンルそのものに区別はありません。前の版で25ジャンルを「儲からない」と書いていたのは、我田引水でした。取り下げます
  • 決めているのは2つの数字だけです。仕入額に対する利益率と、現金が戻るまでの回転日数。月利=資金 × 利益率 ×(30 ÷ 回転日数)
  • 逆算すると、必要な利益率が出ます。目標月利 × 回転日数 ÷ 資金 ÷ 30。この数字が30%を超えたら、いまの延長では届きません
  • 商品は4象限に分かれます。A即売れ・高利益/B即売れ・薄利/C時間・高利益/D時間・薄利。この2軸は「利益 ÷ 拘束日数」を分子と分母に分けたものです
  • Aは滞在時間が短い象限です。誰でも見つけられるので出品者が増え、値下げと順番待ちが同時に起きます。計画では11万円で足りるはずが、実際には111万円必要になることがあります。Aは主食にせず、上乗せとして扱います
  • Cが空いているのは、資金が参入障壁になっているからです。だからAのように劣化しません。資金が増えるほど有利になります
  • どの単一象限も、必ず何かに引っかかります。Bは時間、Cは資金、Aは競争。これが「1ジャンル固定では届かない」の中身です
  • 混ぜると、資金と時間の両方を使い切れます。同じ資金50万円・同じ月30時間でも、Bだけなら6.0万円、Cだけなら6.7万円、混ぜれば9.0万円。1.35倍です
  • ただし、混ぜれば必ず届くわけではありません。上の条件では9.0万円が上限で、10万円には届きません。届かせるには資金・時間・単価のどれかを動かします。いちばん効くのは単価です
  • 新品はB、中古はCに寄ります。両方やるとは、BとCの両方を持つということです
  • 低資本のときの比率は、回転商材8:ロングテール2です(月の仕入額の割合)。この記事の仮定で計算すると、資金50万円あたりでこの比率がほぼ最適でした。資金が増えるほど、ロングテールを厚くします
  • 2割のロングテール枠は、稼ぐ枠ではなく検証する枠です。今日の数字だけで最適化した答えには、明日の選択肢が入っていません
  • 資金がないならBから始めるのは正しい判断です。少ない資金で回り、傷が浅く、何より自分の実測値が最短で貯まります
  • ただしBの参入障壁は作業時間だけで、それは誰でも払えます。だから人が入り続け、利益率が削れ、点数で埋めようとして時間が尽きます。脱落する人の多くは、稼げなかったのではなく割に合わなくなってやめています
  • 出口は2つです。作業時間の上限を外す(外注・仕組み化)か、参入障壁が別のものになっている場所へ移るか。私は後者を選び、参入障壁が技能である修理に移りました
  • ただし、修理なら何でもいいわけではありません。その中にも回転の良い商材と悪い商材があり、どちらなのかは計算では出ません。実弾を使って検証するしかありません
  • 検証は、全部外れても事業が続く金額を先に決めてから始めます。合格ラインの日数も先に決めます。売れてから決めると必ず甘くなります

最後に1つ書いておきます。この記事は「たくさんのジャンルに手を出せ」という話ではありません。むしろ逆で、いま自分が余らせている資源はどちらかを特定して、そこだけを埋めるという話です。

資金が余っているのに時間が足りない人と、時間が余っているのに資金が足りない人とでは、次にやるべきことが正反対になります。それを決めるのがジャンル名ではなく象限だ、というのが、この記事で言いたかったことの全部です。

ジャンル別のせどり記事

ジャンルごとの実測と、そのジャンルで残った型・抜けた型は個別の記事に分けています。この記事の配分表と合わせて読んでください。

家電・PC・修理

ゲーム・ホビー

本・CD・DVD

アパレル・ブランド・雑貨

消耗品・食品

大物・投資型

あわせて読むもの

知りたいこと 記事
回転日数の出し方と、増えているかの確認 せどりでお金が残らない本当の理由(在庫の時価評価シートつき)
なぜ分母が時間なのか 「続けていれば少しずつ増える」という助言を、撤回します
利益率と回転率の実測値 せどりの利益率と回転率|20年3業態の実測値で出した目安
C象限(中古)の入り方 中古せどりの勝ち方
C象限で参入障壁がいちばん高いもの 買取ビジネスは儲からないのか
参入障壁が技能になっている場所(8章の実例) プリンターを自分で修理する
同じ考え方をゲーム機でやる場合 ゲームせどりの組み立て方
「寝かせ」がDに落ちる場所 おもちゃ投資は稼げるのか
店舗仕入れで、行く店を減らす ブックオフの値札の読み方
作業時間を空ける(Bの上限を上げる) 月1万円から始める外注化
どこから始めるか決まっていない 初心者の館

この記事の数字について

本文中の利益率・回転日数・作業時間は、すべて計算のための仮定です。実際の数値は、扱う商品・価格帯・販売先・自分の作業速度によって変わります。必ず自分の実測に置き換えてください。

筆者の実績値として挙げているものは、筆者自身の取引記録に基づきます。当時の相場と条件のもとでの数字であり、同じ結果を保証するものではありません。本記事は特定の収益を保証するものではなく、税務・法務の個別の判断については有資格者にご相談ください。

最終更新:2026年8月30日

店舗別の攻略はブックオフハードオフ(神店舗と塩店舗の見分け方)に分けています。

 

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せどり

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