ヤフオクの手数料計算|8.8%は2024年6月に終わりました。今は一律10%です

せどり

この記事は、私が以前に書いた同じURLの内容を全面的に書き直したものです。旧版は「LYPプレミアム会員なら8.8%、非会員は10%」という前提で組み立てていました。この差は、2024年6月4日になくなっています。

いまは個人出品なら一律10%です。そして旧版が触れていなかった構造がひとつあります。送料には手数料がかかりません。これは他の販売先とは逆の作りで、扱うものが大きいほど効いてきます。

1. 結論|一律10%で、送料には原則かかりません

1-1. 現行の手数料

項目 個人出品 ストア出品
月額費用 0円 0円
出品システム利用料 0円 0円
落札システム利用料 落札金額の10%(税込) 7.7%(税込)
出品取消システム利用料 1出品あたり550円(税込) 無料

出典はYahoo!オークション|ご利用料金Yahoo!オークションストア|料金プランです。

1-2. 計算の対象

落札システム利用料は、Yahoo!かんたん決済の「落札代金」に対して計算しています。送料として支払われた代金は含みません。

Yahoo!オークション|落札システム利用料について

落札者が送料として払った分は、手数料の計算に入りません。これが4章で扱う構造です。

1-3. サービス名が変わっています

時期 旧称 現在の名称
2023年11月1日 ヤフオク! Yahoo!オークション
2023年11月1日 PayPayフリマ Yahoo!フリマ

出典はLINEヤフー株式会社のニュースリリースです。この記事では、検索で使われている「ヤフオク」という言い方も併用します。

1-4. この記事で私が持っている一次体験

立場 この記事での使い方
個人アカウントで出品している 3〜5章(手数料が引かれる明細を見ている)
ストア(法人)でも出品している 6章(2つの手数料体系を並べて見ている)
LYPプレミアムに加入している 7章(何に払っているのか)
古物商の許可を持って仕入れている 13章

2. 旧版の前提は、2024年6月に消えました

2-1. 改定の内容

時期 落札システム利用料
2024年6月3日まで LYPプレミアム会員8.8%/非会員10%
2024年6月4日0時から 一律10%(特定カテゴリを除く)

出典はYahoo!オークション|利用料の改定についてです。現行のヘルプにも、会員向けの割引料率の記載はありません。

2-2. だから旧版の損益分岐点は成立しません

旧版では、LYPプレミアムの月額508円を手数料差の1.2%で割って「月商42,333円が分岐点」と書いていました。その1.2%が存在しなくなったので、この計算は前提から崩れています。

旧版の記載 現行
LYPプレミアム会員なら8.8% 会員でも非会員でも10%
月商42,333円で元が取れる 手数料の差では元が取れない(7章で別の見方を出します)
コンビニ支払い手数料100円 330円(税込)
有料オプションに太字テキスト・背景色 2019年9月30日に提供終了
出品取消の手数料は記載なし 入札があった出品を取り消すと550円(税込)
ストアの手数料は記載なし 7.7%(税込)で出品取消は無料

2-3. 私が確かめ直さなかったからです

この記事は2025年に一度更新しています。それでも8.8%が残っていました。改定は2024年6月なので、更新の時点ですでに古かったことになります。数字を書き写すときに公式ページを開き直していなかった、というだけの話です。

3. 落札システム利用料の計算方法

3-1. 計算のしかた

項目 公式ヘルプの記載
計算単位 落札単位で取引ごとの落札額に対し計算
端数処理 小数点以下を四捨五入し、消費税は切り捨て
税抜の料率 10%の税抜きの料率は9.09%で計算
引かれるタイミング Yahoo!かんたん決済の場合、出品者が商品代金を受け取る際に差し引かれる

3-2. キャンセルになった場合

落札後、キャンセルになったが、期限内に落札者削除(支払い後の場合は取引中止)を行った場合 落札システム利用料はかかりません

期限内に正規の手続きをした場合だけ無料になります。手続きをしないまま放置すると、落札者都合であっても課金されます。ここは手を動かさないと戻ってこない部分です。キャンセルの手順そのものは別に書きました。

3-3. 消費税の扱いについて

公式ヘルプは「落札代金に対して計算」としか書いておらず、落札価格に含まれる消費税相当分を除外するという記載は見つけられませんでした。事業者として税込価格で出品している場合、その税込価格全体が対象になると読むのが自然ですが、明文の確認はできていません。

4. 送料が対象外|他の販売先とは逆の作りです

4-1. 主要な販売先の比較

販売先 手数料 送料が手数料の対象か
Yahoo!オークション(送料落札者負担) 10% 対象外
Yahoo!オークション(送料出品者負担) 10% 落札価格に含まれるので対象になる
Yahoo!フリマ(おまかせ配送) 5% 販売価格から送料を除いた額に計算
Yahoo!フリマ(その他の配送) 5% 販売価格全体に計算
メルカリ 10% 販売価格全体に計算
minne 10.659% 作品価格+購入オプション+送料
eBay 13.6%+1.35% 送料も税も関税も含んだ総額

送料を手数料の対象から外しているのは、この中ではYahoo!オークションだけです。他の販売先の手数料の作りはハンドメイド系の記事eBayの記事に分けて書きました。

4-2. 落札者負担と出品者負担で、手残りが変わります

商品3,000円・送料800円(宅急便60サイズ相当)で、買い手が払う総額を3,800円に揃えて比べます。

設定 落札価格 手数料 送料の支払い 手残り
送料は落札者負担 3,000円 300円 落札者が負担 2,700円
送料込みで出品(出品者負担) 3,800円 380円 800円 2,620円

差は80円です。これは送料800円の10%そのものです。送料無料にすると、送料の10%を自分で払うことになります。

4-3. 送料が大きいほど、差が開きます

配送方法 送料 落札者負担での手残り 出品者負担での手残り
ネコポス 210円 2,700円 2,679円 21円
宅急便コンパクト 490円 2,700円 2,651円 49円
宅急便60サイズ 750円 2,700円 2,625円 75円
宅急便100サイズ 1,050円 2,700円 2,595円 105円
宅急便160サイズ 1,700円 2,700円 2,530円 170円

送料はおてがる配送(ヤマト運輸)の出品者負担時の全国一律料金です。商品価格は3,000円で固定しています。

大きいものほど、送料を落札者負担にする価値が上がります。これは他の販売先ではできない調整です。メルカリもminneも、送料を誰が持つかに関わらず、総額に手数料がかかります。メルカリにもオークション形式の出品がありますが、手数料の作りはフリマ側のままです。

4-4. 同じ商品でも、置く場所で手残りが変わります

商品3,000円・送料800円、買い手の総支払い3,800円で揃えた場合です。

販売先 手数料 手残り
Yahoo!フリマ(送料込み価格3,800円) 190円 2,810円
Yahoo!オークション(送料落札者負担) 300円 2,700円
Yahoo!オークション(送料込み出品) 380円 2,620円
メルカリ(送料込み価格3,800円) 380円 2,620円
minne(作品3,000円+送料800円) 405円 2,595円

最も高い置き方と最も安い置き方で215円の差があります(商品価格3,000円に対して7.2%)。ただしYahoo!オークションを選ぶ理由は手数料の安さではなく、入札で価格が上がる可能性のほうです。手数料だけで決める話ではありません。

5. 早見表|落札価格別の手数料と手取り

5-1. 個人出品(10%)

送料は落札者負担、オプションなしの前提です。いくらで売れるかの見当をつける手順は落札相場の調べ方に分けています。

落札価格 落札システム利用料 手取り
1,000円 100円 900円
3,000円 300円 2,700円
5,000円 500円 4,500円
10,000円 1,000円 9,000円
20,000円 2,000円 18,000円
30,000円 3,000円 27,000円
50,000円 5,000円 45,000円
100,000円 10,000円 90,000円

5-2. ここから引かれるもの

項目 発生する場合
出品者負担の送料 送料込みで出品した場合
オプション利用料 注目のオークション、あなたへのおすすめコレクションを使った場合
出品取消システム利用料 入札があった出品を取り消した場合(550円)
出金手数料 PayPay銀行以外の口座に振り込む場合(100円)
梱包資材 常に

ヤフオクに必ず払うのは落札システム利用料だけですが、残りの4つはすべて自分の設定と運用で変わります。

6. 個人とストアの差|2.3ポイントと、出品取消550円

6-1. 料金の比較

項目 個人 ストア
月額システム利用料 0円 0円 なし
落札システム利用料 10% 7.7% 2.3ポイント
出品取消システム利用料 550円/出品 無料 550円
出品可能商品数 —— 無制限 ——

ストアの参加基準は「Yahoo! JAPANが定める参加基準を満たした法人または個人事業主」で、代表者名や連絡先の住所・電話番号などを公開することになっています。

6-2. 落札価格別の差

落札価格 個人(10%) ストア(7.7%)
3,000円 300円 231円 69円
10,000円 1,000円 770円 230円
30,000円 3,000円 2,310円 690円
100,000円 10,000円 7,700円 2,300円

6-3. 月商別の年間差

月商 月あたりの差 年間の差
10万円 2,300円 27,600円
30万円 6,900円 82,800円
50万円 11,500円 138,000円
100万円 23,000円 276,000円

月額が0円なので、取引量に関係なく最初からストアのほうが安くなります。他のプラットフォームのように「月商いくらから元が取れる」という分岐点が存在しません。分岐点があるとすれば、法人または個人事業主であること、そして代表者名と住所・電話番号を公開することのほうです。

6-4. 出品取消の550円が効く場面

状況 個人 ストア
入札がない出品を取り消す 無料 無料
入札があった出品を取り消す 550円 無料

私は入札者の評価を見て入札を取り消すことがありますが、それは入札の取り消しであって出品の取り消しではないので、550円はかかりません。550円がかかるのは、入札が入っている出品そのものを取り下げた場合です。

6-5. ストアには、もうひとつの意味があります

ストアは「代表者名や連絡先の住所、電話番号、メールアドレスなど」を公開することが前提になっています。個人出品では、これを公開する仕組みが用意されていません。

項目 個人出品 ストア出品
落札システム利用料 10% 7.7%
氏名・住所・電話番号の公開 公式の仕組みを確認できず 公開が前提
特定商取引法の表示義務への対応 自分で商品説明に書くことになる ストアの情報が表示される

12章で扱いますが、仕入れて売っている時点で特定商取引法の販売業者に該当しうるので、氏名・住所・電話番号の表示義務が生じます。ストアの2.3ポイントは手数料の割引であると同時に、その表示義務の受け皿でもあります。私が両方を持っているのは、この2つが同じ判断だからです。

7. LYPプレミアムは、何のために払うのか

7-1. 料率は下がりません

プラン 月額(税込)
スタンダードプラン(ウェブ版) 508円
スタンダードプラン(アプリ版) 650円
ライトプラン(エンジョイパック) 290円

出典はLYPプレミアム|利用ガイドです。決済経路で金額が変わる点に注意してください。どのプランでも、落札システム利用料は10%のままです。

7-2. 会員でないと使えない出品機能

機能 非会員 会員
特定カテゴリへの出品 できない できる
商品説明のHTMLタグ入力 できない できる
個数の設定(1〜9個) できない できる
送料をあとから連絡・着払い設定 できない できる
配送方法の複数設定 できない できる
自動再出品の設定 できない できる
入札者認証制限 できない できる
有料オプションの利用 できない できる

出典はYahoo!オークション|LYPプレミアムについてです。払っているのは料率の割引ではなく、機能そのものです。

7-3. 私が価値を感じている部分

私は出品者として、評価が極端に悪い入札者と評価がまったくない入札者の入札を取り消すことがよくあります。これは1件ずつ手で処理する作業です。プロフィールと商品説明で先に選別する方法と組み合わせても、入札そのものは入ってきます。

入札者認証制限は、その手作業を事前の設定に置き換える機能です。私が月額を払っている理由は、この種の「手を動かす回数を減らす」機能のほうにあります。同じ考え方で出品の定型文を先に用意しておくと、1件あたりの作業が短くなります。

7-4. 率で見るなら、月商で割ってください

料率の差がない以上、508円は固定費です。売上に対する率で見ると、こうなります。

月商 508円が売上に占める率
1万円 5.08%
5万円 1.02%
10万円 0.51%
50万円 0.10%

月商1万円の人にとっては実質5%の追加コストで、月商50万円の人にとっては0.1%です。固定費は、売上が小さいほど率として重くなります。

7-5. 無料期間と解約の扱い

項目 公式の記載
ウェブ版の無料期間 最大2カ月無料(登録翌月の月末まで)
アプリ版の無料期間 1カ月無料(登録日から1カ月間)
途中解約 返金や日割り計算による精算は一切行われない

8. オプション・出品取消・特定カテゴリ

8-1. 現存する有料オプションは2つです

オプション 料金 課金の仕組み
注目のオークション 22円(税込)〜/日 1日あたりの設定金額 × 残り日数
あなたへのおすすめコレクション 1%以上・0.1%単位で自分が設定 そのオプション経由で落札されたときのみ課金

太字テキスト、背景色、目立ちアイコン、最低落札価格などは2019年9月30日に提供が終了しています。旧版にはこれらが残っていました(Yahoo!オークション|一部機能の提供終了について)。

8-2. 注目のオークションは、取り消しても返ってきません

状況 課金
オークションを取り消した 予定終了日までの料金が請求される
即決価格で早期終了した 予定終了日までの料金が請求される
ガイドライン違反で削除された 予定終了日までの料金が請求される
出品後に設定額を増額した 増額した金額 × 残り日数が追加で発生

公式の計算例では、1日20円で残り5日14時間なら20円×5.58日=111.6円、税込122.1円となっています。即決で早く売れても、日数分は満額かかります。

8-3. あなたへのおすすめコレクションは、下げられません

オプションの設定自体は無料ですが、あなたへのおすすめコレクション経由で入札された商品が落札されると、設定率に応じた金額がオプションの利用料としてかかります。

Yahoo!オークション|あなたへのおすすめコレクション

設定率は出品後に引き上げることはできますが、引き下げも設定の中止もできません。落札システム利用料の10%に上乗せされる形になります。

8-4. 特定カテゴリは定額です

カテゴリ 出品システム利用料 落札システム利用料 出品取消システム利用料
中古車・新車、トラック、バス、キャンピングカー、部品取り車 3,080円 3,080円 3,080円
オートバイ車体、水上オートバイ 公式に記載を確認できず 1,980円 550円
セーリングボート、バスフィッシング用ボート、モーターボート 公式に記載を確認できず 3,080円 550円

いずれも税込です。落札価格に関わらず固定額なので、高額なものほど率としては安くなります。100万円の車が売れても落札システム利用料は3,080円で、率にすると0.31%です。

なお、旧版では特定カテゴリに「不動産など」を含めて書いていましたが、公式の特定カテゴリ一覧に不動産は含まれていませんでした。一方でYahoo!かんたん決済の手数料ページは特定カテゴリの例示に不動産を挙げており、公式ページ同士で記載が食い違っています。不動産カテゴリの手数料体系は確認できませんでした。

9. 売上金の受け取りと出金

9-1. 売上金になるタイミング

落札者の受け取り連絡後、または支払いから15日経過すると取引が完了し、商品代金は売上金に反映されます

Yahoo!オークション|売上金とは

受け取り連絡をしない落札者は一定数います。その場合は支払いから15日待つことになります。

9-2. 出金手数料

振込先 手数料 最低金額
PayPay銀行 0円 1円から
その他の金融機関 1回につき100円(税込) 101円から

9-3. 年間でいくら違うか

振込の頻度 年間の回数 その他の金融機関 PayPay銀行
月1回 12回 1,200円 0円
月2回 24回 2,400円 0円
週1回 52回 5,200円 0円

週1回引き出す人なら、口座を変えるだけで年5,200円です。落札価格52,000円分の手数料に相当します。

9-4. 着金までの日数

振込先と申請のタイミング 着金
PayPay銀行 土日、夜間でも振り込まれる
その他・平日10時までの申請 翌営業日
その他・平日10時以降または休日の申請 翌々営業日
ゆうちょ銀行 上記からさらに2営業日

9-5. 拘束日数として見る

工程 日数
落札から支払いまで 落札者次第
支払いから売上金になるまで 受け取り連絡があれば即日、なければ15日
振込申請から着金まで PayPay銀行なら即日、他行なら1〜2営業日、ゆうちょはさらに2営業日

私はいつも、年利回り=1サイクルの利益率×年間の回転数で見ています。受け取り連絡が来ないだけで、この分母に15日が積まれます。金額としては出金手数料100円より、こちらのほうが効きます。仕入れ側でも同じ日数の問題が起きることは別に書きました

9-6. 売上金には保管期限があります

項目 内容
保管期間 売上金として受け取った日から5か月が経過した日が属する月の最終日まで
上限 200万円(超えると自動で振り込まれる)
PayPayへのチャージ 本人確認済みならPayPayマネー、未完了ならPayPayマネーライト

PayPayマネーライトは現金として出金できません。また、オートチャージは一度設定すると解除できないと公式に記載されています。ここは設定する前に読んでおく箇所だと思います。

10. 落札者が払う手数料

10-1. 通常のカテゴリ

支払い方法 手数料
PayPay残高 0円
クレジットカード 0円
PayPay銀行支払い 0円
銀行振込 0円(別途、金融機関の振込手数料)
コンビニ支払い 1回あたり330円(税込)

出典はYahoo!かんたん決済|手数料です。旧版では100円と書いていましたが、現行は330円でした。

10-2. 特定カテゴリの場合

振込金額 PayPay・コンビニ支払い クレジットカード
3,000円以内 151円 101円
3,001円〜6,000円 203円 206円
6,001円〜10,000円 304円 312円
10,001円以上 振込金額の5% 振込金額の5.5%

すべて税込です。特定カテゴリでは、出品者の手数料が定額になる代わりに、落札者側が従量で払う構造になっています。100万円の車なら、落札者はクレジットカードで55,000円を負担することになります。

11. Yahoo!フリマとの同時掲載|売れた場所では決まりません

11-1. 同時掲載の条件

条件 内容
出品者 個人のみ(ストア出品は対象外)
商品画像 1枚以上
個数 1
発送元 日本国内
送料負担 出品者
配送方法 おてがる配送を1つ以上設定
販売形式 定額(開始価格と即決価格が同じ)
価格 300円〜9,999,999円

11-2. 手数料は出品した場所で決まります

落札システム利用料は、Yahoo!オークションの利用料金で計算されます。

Yahoo!オークション|Yahoo!フリマへの同時掲載について

Yahoo!オークションから出品して、Yahoo!フリマ側で買われても、手数料は10%です。フリマの5%にはなりません。5%で売りたければ、Yahoo!フリマから直接出品する必要があります。

11-3. 同時掲載は、二重に不利になります

11-1の条件をもう一度見てください。送料負担が「出品者」で固定されています。つまり同時掲載を使うと、4章で見た「送料が手数料の対象外」という構造も使えなくなります。

出し方 手数料の率 送料は手数料の対象か
Yahoo!オークションから単独出品(送料落札者負担) 10% 対象外
Yahoo!オークションから同時掲載 10% 対象になる(出品者負担が条件)
Yahoo!フリマから直接出品 5% 対象になる

11-4. 実額で比べる

商品3,000円・送料800円、買い手の総支払い3,800円で揃えます。

出し方 手数料 送料の支払い 手残り
Yahoo!フリマから直接出品 190円 800円 2,810円
Yahoo!オークションから単独出品(送料落札者負担) 300円 落札者が負担 2,700円
Yahoo!オークションから同時掲載 380円 800円 2,620円

同じ商品が、同じ値段で、同じYahoo!フリマの画面で売れても、どこから出品したかで190円違います。190円は総額3,800円のちょうど5%で、フリマとオークションの料率差そのものです。

11-5. それでも同時掲載を使う理由

項目 単独出品 同時掲載
手数料 安い 高い
見られる場所 1つ 2つ
販売形式 オークション形式も選べる 定額のみ
管理する出品 1つ 1つ

手数料を5%にするには、Yahoo!フリマとYahoo!オークションに別々に出品して、片方が売れたらもう片方を取り下げることになります。その取り下げに、入札が入っていれば550円かかります。手間と550円のリスクを、190円の差と比べる話になります。

この判断はYahoo!フリマとメルカリの送料と手数料を比べたときと同じ形で、料率だけを見ると逆の結論が出ます。海外のプラットフォームでも、出品する区分によって手数料の対象が変わるという同じ構造があります。

12. どこから事業者になるのか|特定商取引法の数値基準

12-1. ヤフオクには、公的な数値基準があります

消費者庁の通達の別添として、オークション専用のガイドラインが出ています。他のプラットフォームには存在しない、この分野だけの基準です。

特定商取引法において、販売業者とは、販売を業として営む者の意味であり、「業として営む」とは、営利の意思を持って反復継続して取引を行うことをいう。営利の意思の有無は客観的に判断される。例えば、転売目的で商品の仕入れ等を行う場合は営利の意思があると判断される。

消費者庁|インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン

12-2. 全カテゴリ共通の数値

指標 基準
過去1か月の新規出品点数 200点以上
一時点の出品点数 100点以上
落札額の合計(過去1か月) 100万円以上
落札額の合計(過去1年間) 1,000万円以上

点数の基準には除外があります。トレーディングカード、フィギュア、中古音楽CD、アイドル写真等、趣味の収集物を処分・交換する目的の出品は、この限りではないと明記されています。ただし除外されているのは点数の基準だけで、金額の基準にこの除外はありません。

12-3. カテゴリ別の数値

カテゴリ 基準 「同一の商品」の意味
家電製品等 同一の商品を一時点で5点以上 同種の品目で足りる。メーカー・型番の一致は不要
自動車・二輪車の部品等 同一の商品を一時点で3点以上 同種の品目で足りる。ホイール等はセットごとに計数
CD・DVD・パソコン用ソフト 同一の商品を一時点で3点以上 メーカー・商品名・コンテンツが全て同一のもの
ブランド品 一時点で20点以上 ——
インクカートリッジ 一時点で20点以上 ——
健康食品 一時点で20点以上 ——
チケット等 一時点で20点以上 ——

ここは読み方に注意が必要です。家電は「カメラ5点」でも該当しうるのに対し、CDは「同じタイトルを3枚」でないと該当しません。点数だけを見ると家電のほうが緩そうに見えますが、実際は逆です。

12-4. これは「これ以下なら安全」という線ではありません

但し、これらを下回っていれば販売業者でないとは限らない。

一時点における出品数が上記を下回っていても転売目的による仕入れ等を行わずに処分する頻度を超えて出品を繰り返している場合などは、販売業者に該当する可能性が高く、上記に該当しなければ販売業者でないとは限らない。

そしてもうひとつ、決定的な記載があります。

インターネット・オークション以外の場(インターネット、現実の場を問わない)における事業者が、その事業で取扱う商品をオークションに出品する場合は、その数量や金額等にかかわらず原則として販売業者に当たる。

ヤフオクの外ですでに事業をしている人は、1点出しただけで販売業者です。点数の表は、その判定を補う線でしかありません。

12-5. 販売業者に該当すると、表示義務が生じます

第二十三条 法第十一条第六号の主務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号

特定商取引に関する法律施行規則 第23条|e-Gov法令検索

消費者庁のQ&Aは「個人事業者の場合は戸籍上の氏名又は商業登記簿に記載された商号を(中略)通称や屋号、サイト名のみを表示することは認められません」としています。IDや出品者名では足りません。

12-6. 住所を差し替える仕組みが、確認できませんでした

消費者庁のQ&Aは、3つの条件を満たせばプラットフォームの住所・電話番号を表示することでも要請を満たしうる、としています。その条件のひとつがプラットフォーム事業者との「合意」があることです。

プラットフォーム 住所・電話番号の差し替え
minne 個人のみ、運営会社の所在地・連絡先に差し替え可
BASE 個人区分のみ、BASE株式会社の住所・連絡先に差し替え可
Yahoo!オークション 公式ページで仕組みを確認できず

私が確認した範囲では、Yahoo!オークションの公式ヘルプに、個人出品者向けの特定商取引法に基づく表示の案内も、住所を差し替える仕組みも見つけられませんでした。出品者が一方的に運営会社の住所を書いても、Q&Aの3条件は満たしません。他のプラットフォームの実装はハンドメイドの記事に整理しています。

13. 古物商・消費税・所得税

13-1. いちばん早く発動するのは、古物営業法です

法令 発動する条件 数値基準
古物営業法 営利目的で反復継続して古物を買い取って売る なし(1点目から)
特定商取引法 営利の意思をもって反復継続 ガイドラインに例示あり
所得税 給与以外の所得が20万円超 20万円
消費税 基準期間の課税売上高 1,000万円

警察庁の解釈運用基準には、次の記載があります。

その行為が、その者が主として行う本業、本職である場合だけでなく、臨時的に行う副業、内職等というべき場合においても、それは法にいう営業と認められる。

警察庁|古物営業法等の解釈運用基準について(令和6年8月14日)

副業でも「営業」に当たります。そして同じ通達は、リサイクルショップについて「古物の買取りを行っている場合には、古物営業に該当する」としています。分岐点は規模ではなく、買い取っているかどうかです。買い取って売る側の構造は別に整理しました

13-2. 4つの法律が見ているのは、同じ一点です

やっていること 古物商許可 特商法の表示義務 所得税 消費税
自分の不要品を処分している 不要 原則なし 生活用動産は非課税 対象外
仕入れて売っている 必要 該当しうる 雑所得または事業所得 課税売上

点数でも金額でもなく、仕入れているか、処分しているかという同じ一点を、4つの法律がそれぞれの言葉で見ています。

13-3. 生活用動産の非課税には、例外があります

第二十五条 法第九条第一項第九号(非課税所得)に規定する政令で定める資産は、生活に通常必要な動産のうち、次に掲げるもの(一個又は一組の価額が三十万円を超えるものに限る。)以外のものとする。
一 貴石、半貴石、貴金属、真珠及びこれらの製品、べつこう製品、さんご製品、こはく製品、ぞうげ製品並びに七宝製品
二 書画、こつとう及び美術工芸品

所得税法施行令 第25条|e-Gov法令検索

売ったもの 所得税
古着、家具、家電などの生活用動産 非課税
1個または1組が30万円を超える貴金属・宝石類 譲渡所得として課税
1個または1組が30万円を超える書画・骨とう・美術工芸品 譲渡所得として課税

判定は1個または1組の価額で、合計額ではありません。30万円の指輪を1つ売れば課税、10万円の指輪を3つ売れば非課税、という読み方になります。

13-4. 古物台帳の1万円は、税抜です

「対価の総額」とは、一度に持ち込まれた物品の対価を全て足し合わせた額を基準とし、個々の物品単価を基準としないという意味である。

この1万円には、消費税を含まないと解される。そのため、消費税を除いた額が1万円以上の場合に相手方の確認義務等がある。

1点ずつの単価ではなく、一度の取引の合計額で判定します。そして税抜です。

13-5. 1万円未満でも義務が生じる7品目

品目
自動二輪車・原動機付自転車(汎用部品を除く部分品を含む)
エアコンディショナーの室外ユニット、電気温水機器のヒートポンプ
家庭用コンピュータゲームのプログラムを記録した物
光学的方法により音又は影像を記録した物(CD・DVD等)
電線
グレーチング(金属製)
書籍

根拠は古物営業法施行規則 第16条です。ヤフオクで中古のCDやゲームソフトや本を仕入れる場合、金額に関わらず相手方の確認と帳簿への記載が必要になります。CDゲームを扱う場合は、この行に当たっているかを先に確認することになります。

13-6. 買うときと売るときで、義務が違います

品目 買い取るとき(1万円未満) 売るとき
CD・DVD・ゲームソフト・書籍 確認・記録が必要 記録は不要
美術品類・時計宝飾品類 1万円未満なら不要 記録が必要
自動車・自動二輪車 自動二輪は1万円未満でも必要 記録が必要
上記以外の古物 1万円未満なら不要 記録は不要

同じ品目でも、買う側と売る側で要求が逆になっています。台帳まわりの実務は別に整理しました

13-7. インボイスの古物商特例と、1万円が連動します

対価の総額が1万円未満であれば、古物台帳に相手方の住所、氏名、職業及び年齢の記載は不要であるため、匿名で取引が行われていたとしても古物商等特例の適用は可能ですが、1万円以上の場合、それらの記載が必要となるため、これらの点について、古物営業法に規定された方法により相手方の確認を行う必要があります。

国税庁|インボイスQ&A 問106-2

仕入れの金額と品目 匿名のままで古物商特例が使えるか
1万円未満・7品目以外 使える
1万円未満・7品目(CD・書籍・ゲームソフト等) 本人確認が必要なので、匿名では使えない
1万円以上 本人確認が必要なので、匿名では使えない

CD・書籍・ゲームソフトを匿名のまま仕入れると、古物営業法にも消費税にも同時に引っかかります。

13-8. 落札システム利用料のインボイスは、確認できませんでした

確認したこと 結果
LINEヤフーが適格請求書発行事業者か 登録済み(登録番号T4010401039979)
落札システム利用料について適格請求書が交付されるか 公式ヘルプに記載を確認できず
Yahoo!ウォレットのインボイス対応請求書 Yahoo!オークションとYahoo!フリマの利用分は対象外とされている

課税事業者として落札システム利用料の仕入税額控除を考えるなら、ここは自分でLINEヤフーに確認するしかありません。私も確認できていません。

13-9. 帳簿がないと、雑所得になります

その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がない場合(その所得に係る収入金額が300万円を超え、かつ、事業所得と認められる事実がある場合を除く。)には、業務に係る雑所得(中略)に該当することに留意する。

所得税基本通達 35-2|国税庁

金額の大小より先に、帳簿をつけているかどうかが効きます。古物商として台帳をつけているなら、その延長で会計帳簿も揃うことになります。

14. 私の判定

14-1. 旧版から変えた点

項目 変更
LYPプレミアム会員8.8% 削除。2024年6月4日に一律10%
損益分岐点42,333円 削除。前提が消えたため
コンビニ支払い100円 330円に訂正
太字テキスト・背景色 削除。2019年9月30日に提供終了
特定カテゴリに不動産 削除。公式一覧に含まれていない
出品取消システム利用料 新設(550円)
ストアの手数料 新設(7.7%)
送料が手数料の対象外という構造 新設
Yahoo!フリマとの同時掲載 新設
事業者としての義務 新設

14-2. 判定

論点 判定
料率 個人は一律10%。会員かどうかでは変わらない
送料 落札者負担なら手数料の対象外。この作りはここだけ
送料無料 送料の10%を自分で払うことになる。大型ほど効く
ストア 月額0円で2.3ポイント安い。分岐点は月商ではなく、事業者かどうか
LYPプレミアム 払っているのは料率ではなく機能。率で見るなら月商で割る
同時掲載 フリマ側で売れても10%。しかも送料出品者負担が条件になる
出金 PayPay銀行なら0円。週1回引き出すなら年5,200円の差
事業者の線 点数でも金額でもなく、仕入れているかどうか

直して売る形で回している場合は、この上に修理の時間が乗ります(修理転売で時給が分かれる理由)。手数料の話でいちばん大きいのは、実は率ではなく送料を誰が負担する設定にしているかだと思っています。160サイズの商品なら1件170円で、落札価格3,000円に対して5.7%です。料率の2.3ポイントより大きい。

14-3. 書けなかったこと

項目 理由
落札システム利用料に消費税相当分が含まれるか 公式ヘルプに除外規定の記載を見つけられなかったため
不動産カテゴリの手数料 公式ページ同士で記載が食い違っているため
オートバイ・ボートの出品システム利用料 公式の一覧に記載がなかったため
ストアの入金サイクルを増やす場合のオプション手数料 料金ページに金額の記載がなかったため
落札者負担の宅急便の地域別料金 公式ページに具体額の記載がなかったため
落札システム利用料のインボイス交付 公式ヘルプに記載を確認できなかったため
Yahoo!オークションの特商法表示の住所差し替え 公式ページに仕組みを確認できなかったため

この記事の数字には、すべて出典のリンクを付けました。使う前に、その日のページを自分で開いて確かめてください。私は2025年に一度この記事を更新していながら、2024年6月に消えた8.8%をそのまま残していました。開き直していれば、1分で気づいた話です。

 

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せどり

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