与信(よしん)とは、相手を信用して、お金や、商品を、先にわたすことです。「あとで、はらってくれる」と見こんで、後ばらいを、ゆるす。お金を、貸す。カードの利用枠を、あたえる。どれも、与信です。「どこまで、信用してよいか」を決めて、見はることを、与信管理と、言います。
この記事では、まず、意味と、身近な例を、説明します。次に、計算機で、「後ばらいで売るとき、はらわない人が何%までなら、利益が残るか」を、出します。最後に、与信をあたえる側と、受ける側の、両方をやってきた、私の例を、書きます。
1. 与信とは
1-1. 意味
商売では、商品をわたす時と、お金を受け取る時が、ずれることが、多くあります。会社どうしの取引は、「月末にしめて、翌月末に、はらう」のような、後ばらいが、ふつうです。このとき、売る側は、買う側に、「1か月分の代金を、貸している」のと、同じです。これが、与信です。
1-2. 身近な与信
| 場面 | だれが、だれに、与信しているか |
|---|---|
| クレジットカード | カード会社が、利用者に。「利用枠」が、与信の上限 |
| スマホ本体の、分割ばらい | 通信会社が、契約者に。だから、審査がある |
| 会社どうしの、後ばらい(掛け売り) | 売る会社が、買う会社に |
| 卸の仕入れサイトの、登録の審査 | 卸の会社が、仕入れる側に |
| オークションで、落札されてから、入金を待つ | 出品者が、落札者に。商品を、その人のために、取りおいている |
1-3. 与信管理で、やること
- 相手を、調べる。これまで、きちんと、はらってきたか。個人なら、信用情報機関の記録(自分の記録の見方は、信用情報の開示の記事に、あります)。会社なら、決算や、取引の年数。
- 上限を、決める。この相手には、いくらまで。これが、与信限度額です。
- 見はる。支払いが、おくれはじめていないか。
- 与信しない形も、持つ。先ばらい、代引き、保証金。
与信をあまくすると、売上は、ふえます。けれど、回収できないお金が、ふえます。売ったのにお金が入らない状態が続くと、利益が出ていても、支払いが、できなくなります(黒字倒産の記事に、書きました)。
2. 計算機:はらわない人が、何%までなら、利益が残るか
商品を先にわたして、あとで代金をもらう形の、計算です。はらわれなかった場合、商品は、もどらないと、します。
全員がはらう場合の、1件の利益:
はらわない人をふくめた、1件の利益:
1か月で、消える利益:
利益が0になる、はらわない人の割合:
はじめに入っている数字は、1万円、7,000円、5%、100件です。例の数字です。答えは、全員がはらえば1件3,000円、はらわない人をふくめると2,500円、1か月で消える利益が5万円、利益が0になる割合は30%です。
利益が0になる割合は、粗利の割合と、同じです。粗利が3割の商売は、3割の人がはらわなければ、利益が、なくなります。粗利が1割なら、10人に1人で、終わりです。利益のうすい商売ほど、与信を、きびしくしなければ、なりません。
3. 私の例:与信をあたえる側と、受ける側
3-1. あたえる側:評価が0の入札は、取り消す
オークションに出品するとき、私は、入札者の評価を、見ます。評価が悪すぎる人と、評価がまったくない人の入札は、取り消すことが、よくあります。与信の言葉で言えば、これは、審査です。
落札されてから、入金を待つあいだ、私は、その商品を、ほかの人に、売れません。落札したのに、はらわない人は、一定の数、います。1円から始めた出品に、特に、多い。最近売ったパソコンの部品は、3件つづけて、はらわれませんでした。私は、24時間たっても入金がなければ、落札者の都合として、取り消します。売れた次の日には、発送を終えていたいからです。与信の言葉で言えば、これが、期限です(ヤフオクの未払いの記事に、くわしく書きました)。
逆に、いちばん安心できる相手も、います。海外の客のかわりに買う、代行の業者です。ブランド品を売っていたころ、何百回も、買ってもらいました。トラブルは、0回。支払いは、当日か、翌日でした。業者は、海外の客から、先にお金を受け取っているので、すぐに、はらいます。相手の支払いが、どういう仕組みで約束されているか。評価の数より、こちらのほうが、たしかです(Buyeeの記事に、書きました)。
3-2. あたえない形:修理の受注は、前ばらい
修理の仕事を受ける形を、人に教えるとき、私は、料金は前ばらいに、と伝えています。契約書のような書類を作ると、トラブルを、さけられます。前ばらいは、与信を、あたえない設計です。2章の計算機の、はらわない人の割合を、0にするのと、同じです。小さな商売は、回収に使える時間も、人も、ありません(修理の受注の記事に、書きました)。
3-3. 受ける側:携帯の審査に、落ちた
私は、携帯の乗りかえで、特典を受け取ることを、つづけています(携帯の乗りかえの記事)。いま、審査に通らない契約が、あります。ある会社は、1回線めは契約できますが、2回線めで、審査に落ちます。別の会社は、本体の分割は、おそらく、通りません。SIMだけの契約なら、通ります。短い期間に、何度も契約をしてきたためだと、私は、見ています。
本体の分割は、与信です。SIMだけの契約は、毎月の料金だけなので、会社が負うリスクが、小さい。だから、同じ私でも、片方は通り、片方は落ちます。与信は、「この人は、信用できるか、できないか」の、2つに分かれるものでは、ありません。「この人に、いくらまでなら」という、金額の話です。
3-4. 受ける側:卸の会社には、法人にしてから、行った
私は、2015年に、卸の会社を、1週間で100社、開拓しました。卸の仕入れサイトに登録したのは、会社を作ったあとです。ほぼすべての会社が、返事をくれました。法人だったことが、その理由の1つかもしれません。個人だと、相手にされない、審査に通らない、という話も、聞きます。これは、私がたしかめたことではなく、聞いた話です。
卸の会社から見れば、はじめての相手に商品を出すのは、与信です。相手が法人かどうかは、いちばん手早く見られる、材料の1つです(スーパーデリバリーの記事に、書きました)。
3-5. 自分で、自分に、与信しすぎる:カード仕入れ
もう1つ、教える側で、何度も見てきた形が、あります。クレジットカードで仕入れて、引き落としの日までに、売上が間に合わず、行きづまる形です。カードの枠は、カード会社が、あたえた与信です。けれど、「その枠を、どこまで使うか」を決めるのは、自分です。枠があるから使う、では、自分への与信管理が、ありません。お金が出てからもどるまでの日数の見方は、運転資金の記事と、キャッシュフローの記事に、書きました。
4. 小さな商売の、与信管理
- まず、前ばらいに、できないかを、考える。できるなら、それで、終わりです。
- 後ばらいにするなら、計算機で、「利益が0になる割合」を、出しておく。粗利の割合が、そのまま、たえられる上限です。
- 期限を、数字で、決める。私は、24時間です。決めていないと、待ちつづけることに、なります。
- 相手の「評価」より、相手の「支払いの仕組み」を、見る。先にお金を受け取っている業者は、はらいます。
- 受ける側のときは、相手が手早く見られる材料を、そろえる。法人であること、取引の実績、きちんとした連絡先。
- 売る側だけが、相手の中身を知らない、という問題は、レモン市場の記事に、書きました。
5. まとめ
- 与信は、相手を信用して、お金や商品を、先にわたすこと。カードの枠、スマホの分割、会社どうしの後ばらい。
- 後ばらいで売るとき、利益が0になる「はらわない人の割合」は、粗利の割合と、同じ。
- 私は、出品者として、評価が0の入札を取り消し、24時間で、入金を見切る。修理の受注は、前ばらいを、すすめている。
- 受ける側では、携帯の審査に落ちた。本体の分割は通らず、SIMだけなら通る。与信は、金額の話。
- カードの枠を、どこまで使うかは、自分で自分にする、与信管理。

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