粗利率とは|計算式と原価率との関係をわかりやすく。ボッテガとシャネル、同じ45分で残る粗利は7倍以上ちがった

粗利率とは|計算式と原価率との関係をわかりやすく。ボッテガとシャネル、同じ45分で残る粗利は7倍以上ちがった 経済・経営の用語

粗利率(あらりりつ)とは、売上のうち、粗利(売上から、仕入れの原価を引いたもの)が、何%あるかをあらわす数字です。正式には、売上総利益率と、言います。原価率は、その反対で、売上のうち、原価が何%かをあらわします。2つを足すと、かならず100%に、なります。

この記事では、まず、式と、ほかの利益との、ちがいを、説明します。次に、計算機で、「値下げをすると、何個多く売れば、元の粗利にもどるか」を、出します。最後に、中古のブランド品を売っていた私の数字で、「率が高い商品」と「1個の粗利が大きい商品」の、どちらが得だったかを、計算します。

1. 粗利率とは

1-1. 式

粗利 = 売上 − 売上原価

粗利率 = 粗利 ÷ 売上 × 100

原価率 = 売上原価 ÷ 売上 × 100 = 100 − 粗利率

1万円で売った商品の、仕入れ値が7,000円なら、粗利は3,000円、粗利率は30%、原価率は70%です。

1-2. ほかの利益との、ちがい

名前 売上から、何を引いたか
粗利(売上総利益) 仕入れの原価だけ
営業利益 原価に加えて、人件費、家賃、広告費、手数料など、商売を回す費用
経常利益 営業利益に、利息などを足し引きしたもの
純利益 さらに、税金などを引いた、最後に残るもの

粗利は、いちばん上の段の、利益です。粗利が出ていても、そこから人件費や家賃を引くと、赤字になることは、よくあります(営業利益の記事に、私の数字を、書きました)。

1-3. 利益率との、ちがい

「利益率」は、どの利益を使うかで、意味が変わります。粗利率のことを言う人も、営業利益率のことを言う人も、います。数字を聞いたら、「何を引いたあとの率か」を、先に、たしかめます。仕入れて売る商売で、売り場の手数料や送料を「原価」に入れるかどうかも、人によって、ちがいます。この記事では、手数料と送料は、原価に入れずに、計算します。

1-4. 粗利率の、ふつうの高さ

粗利率は、業種によって、大きく、ちがいます。仕入れた物をそのまま売る卸や小売は低く、作る手間や、知識を売る商売ほど、高くなります。同じ業種の中で、くらべないと、意味が、ありません。

2. 計算機:値下げすると、何個多く売れば、もとにもどるか

粗利:

粗利率 / 原価率:

値下げしたあとの、1個の粗利:

もとの粗利にもどるのに、必要な販売数:

はじめに入っている数字は、1万円、7,000円、10%です。例の数字です。答えは、粗利3,000円、粗利率30%、原価率70%、値下げしたあとの粗利2,000円、必要な販売数は今の1.5倍です。

10%の値下げで、売る数を、1.5倍にしなければ、なりません。値下げの幅を、20%にしてみてください。粗利は1,000円になり、必要な数は、3倍です。30%では、粗利が0になり、どれだけ売っても、もどりません。

粗利率が低い商売ほど、少しの値下げで、大きく、くずれます。値下げの幅が、粗利率に近づくほど、必要な数は、急にふえます。値下げで客がどれだけふえるかは、価格弾力性の記事に、書きました。

3. 私の例:率が高い商品と、1個の粗利が大きい商品

3-1. ブランドごとの、仕入れ値と売値

中古のブランド品を売っていたころの、私の相場の感覚です。

ブランド 仕入れ値 売値 粗利率(計算) 1個の粗利(計算)
ボッテガ 3,000〜5,000円 1万円前後 50〜70% 5,000〜7,000円
プラダ 5,000円前後 1万円前後 50%前後 5,000円前後
ヴィトン 1万〜5万円 2万〜8万円 37.5〜50% 1万〜3万円
シャネル 5万〜30万円 10万〜50万円 40〜50% 5万〜20万円

粗利率と、1個の粗利は、仕入れ値と売値の、下どうし、上どうしで、私が計算した数字です。売り場の手数料と送料は、入っていません。

3-2. 1個にかかる手間は、ほぼ同じ

1個を売るのにかかる手間は、ブランドで、大きくは、変わりませんでした。撮影に20分、出品に15分、梱包に10分です。合わせて、45分です。

ここからは、表の数字を使った、計算です。45分で得られる粗利は、ボッテガなら5,000〜7,000円、シャネルなら5万〜20万円です。粗利率は、ボッテガのほうが、高いことが、あります。けれど、同じ45分で残る金額は、7倍から40倍、ちがいます。

もちろん、シャネルは、仕入れに、何倍ものお金が、いります。1個が売れるまで、そのお金は、寝ています(運転資金の記事に、書きました)。どちらが得かは、「手間」と「資金」の、どちらが、先に足りなくなるかで、決まります。

3-3. 直すと、粗利率は、上がる

財布の、引手の交換の例です。仕入れ値は3,000円、部品代は500円、売値は8,500円でした。交換は、10分ほどです。原価を3,500円とすると、粗利は5,000円、粗利率は、約59%です。同じ財布を、直さずに売れば、売値は、下がります。

直す工程は、多くの人が、さわりたがりません。だから、その分の粗利が、残ります。直す手間を、どの商品で、どこまでかけるかの目安は、利益率と回転率の記事に、3つの業態の実測で、まとめています。

4. 粗利率を、見るときの注意

  • 率だけで、商品をえらばない。3-2のとおり、1個の粗利の額と、1個にかかる手間を、いっしょに見ます。
  • 何を原価に入れたかを、そろえる。手数料、送料、部品代。入れ方がちがう数字どうしを、くらべても、意味がありません。
  • 値下げの前に、2章の計算機を、使う。粗利率30%の商品を10%下げるなら、1.5倍売れる見こみが、いります。
  • 粗利率は、回る速さとかけ算で、見る。率が高くても、売れるまで半年かかれば、お金は、ふえません(キャッシュフローの記事)。
  • 粗利から、固定費をまかなえるかを、見る。1個の粗利で、家賃や人件費を割ると、月に何個売ればよいかが、出ます(損益分岐点の記事、限界利益の記事)。

5. まとめ

  • 粗利率は、売上のうち、粗利が何%か。原価率は、原価が何%か。足すと100%。
  • 粗利は、原価だけを引いた、いちばん上の段の利益。人件費や家賃は、まだ引いていない。
  • 粗利率30%の商品を10%値下げすると、もとの粗利にもどすには、1.5倍売る必要がある。30%下げると、どれだけ売っても、もどらない。
  • 私の数字では、ボッテガとシャネルは、粗利率は近いが、同じ45分で残る粗利は、7倍から40倍ちがった。
  • 率だけでなく、額、手間、資金、回る速さを、いっしょに見る。

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