アップセルとは、客が買おうとしている物より、上の物を、すすめることです。クロスセルとは、客が買おうとしている物に、別の物を、合わせてすすめることです。どちらも、「1人の客から得る売上を、ふやす」ための売り方です。
この記事では、まず、2つの意味と、ちがいを、説明します。次に、計算機で、「入口の商品で利益が出なくても、商売が成り立つか」を、出します。最後に、29,800円の教材と、98万円の個別指導を売っている、私の実測を、書きます。私は、売る側の人間です。利害のある立場であることを、先に、書いておきます。
1. アップセルと、クロスセルとは
1-1. 意味と、ちがい
| 名前 | 中身 | 例 |
|---|---|---|
| アップセル | 同じ種類の、上の物を、すすめる | Mサイズを注文した客に、Lサイズを、すすめる。入門の教材を買った人に、個別の指導を、すすめる |
| クロスセル | 別の種類の物を、合わせて、すすめる | ハンバーガーを注文した客に、ポテトを、すすめる。カメラを買った客に、メモリーカードを、すすめる |
| ダウンセル | ことわられたときに、下の物を、すすめる | 年払いをことわった客に、月払いを、すすめる |
1-2. なぜ、どの会社も、やるのか
理由は、費用です。新しい客を1人つれてくるには、広告費が、かかります。すでに買ってくれた客に、もう1つすすめるのに、広告費は、かかりません。だから、入口の商品は、安くして、広告費と同じくらいで、売る。利益は、そのあとの商品で、出す。この形を取る会社が、多くなります。
1-3. 客にとって、よいアップセルと、悪いアップセル
すすめること自体は、悪いことでは、ありません。メモリーカードのないカメラは、使えません。客が、必要なのに気づいていない物を、すすめるのは、助けです。悪いのは、客に必要のない物を、売る側の都合で、すすめることです。すすめる人の報酬が、成約の数で決まるとき、この線は、くずれやすくなります(利益相反の記事に、書きました)。
2. 計算機:入口の商品で、利益が出なくても、成り立つか
入口の商品だけの利益:
上の商品の売上:
合計の利益:
入口の客、1人あたりの利益:
はじめに入っている数字のうち、2.98万円、98万円、1%は、3章に書く、私の数字です。広告費の3万円と、100人は、例として入れた数字です。私の実際の数字では、ありません。答えは、入口だけならマイナス2万円、上の商品の売上が98万円、合計の利益が96万円、1人あたり0.96万円です。
割合を、1から3.3に、変えてみてください。合計は、321.4万円に、なります。入口の商品も、広告費も、同じです。変わったのは、「上の商品に進む人の割合」だけです。この形の商売は、この1つの数字に、大きく、左右されます。この計算には、指導にかかる時間や、経費は、入っていません。
3. 私の例:29,800円の教材から、98万円の指導へ
3-1. 私が売っている、2つの商品
- 入口の商品:29,800円の、メールの講座。72通。買ってから90日間、質問に、答えます。
- 上の商品:98万円の、個別の指導。期間は、6か月。月に2人、1年に24人までと、上限を、決めています。
人を集める主な入口は、広告です。入口の商品は、広告費で消えるので、まったく、利益が、出ません。利益は、上の商品で、出す設計です。1-2に書いた、よくある形と、同じです。
3-2. 上の商品に進んだ人の、割合
入口の商品を買った人に、メールで、上の商品を、案内してきました。進んだ人の割合は、教えていた内容で、大きく、ちがいました。
| 教えていた内容 | 上の商品に進んだ人 |
|---|---|
| 在庫を持たずに売る方法 | 30人に、1人くらい |
| ブランド品の転売、修理して売る方法 | 100人に、1人くらい |
3倍以上の、差です。2章の計算機で、1%と3.3%を、くらべた差が、これです。在庫を持たずに売る方法は、売り場の規約に反するので、私は、いまは、教えていません。
3-3. 値段は、どう決めたか
はじめは、5万円と、50万円くらいで、考えていました。自分が使える時間、市場の大きさ、くらしたい生活の水準から、逆に計算すると、1年に800万円以上の収益が、必要でした。そこから計算しなおして、29,800円と、98万円に、なりました(商品の作り方の記事に、計算機を、置いています)。
3-4. 私が、決めている、アップセルの決まり
- 案内は、回数を決める。メールの講座の中で、あらためて案内するのは、合計2回です。2回で買わなければ、追いません。
- 面談を通した人にだけ、売る。泥くさい作業をいやがる人、一発逆転をもとめる人、家族に反対されている人には、売りません。この形にしてから、致命的なクレームは、起きていません。
- 成果は、約束しない。契約書で約束しているのは、指導を提供することだけです。返金の保証は、つけていません。
- 人数の上限を、先に決める。売れるだけ売る形に、していません。
案内のメールの作り方は、ステップメールの作り方の記事に、上の商品の中身は、個別指導の記事に、書きました。
3-5. 物を売っていたころの、クロスセル:取りつけ業者を、無料で、紹介した
物を売っていたころの例も、1つ、書きます。私は、中国から仕入れた、車用のナビを、売っていました。この商品は、取りつけてくれる業者を見つけるのが、むずかしい。「買っても、取りつけられないなら、使えない」。客は、ここで、止まります。
私は、自分で営業をして、取りつけができる業者を、地域ごとに、調べておきました。買ってくれた人には、住んでいる地域の業者を、無料で、紹介しました。紹介で、お金は、取っていません。けれど、形は、クロスセルと同じです。本体に、「それを使えるようにする物」を、合わせる。客が買わない理由を、先に、つぶす。売上をふやすクロスセルの前に、買えない理由をなくすクロスセルが、あります(くわしくは、中国輸入の記事に、書きました)。
4. アップセルと、クロスセルを、自分の商売で使う
- まず、「客が、次に、こまること」を、書き出す。カメラなら、メモリーカード。ナビなら、取りつけ。こまることに合わせた商品が、クロスセルです。
- 上の商品は、入口の商品の、「その先」に、置く。入口で学んだ人が、次にぶつかる壁を、こえるための物に、します。入口と関係のない高い物を、ならべても、進む人は、いません。
- 計算機で、割合が半分になっても、成り立つかを、見る。私の数字は、内容を変えただけで、3分の1に、なりました。
- 高い物を先に見せると、次の物が、安く見える。この仕組みは、アンカリングの記事に、書きました。使うなら、客に必要な物をすすめるときだけに、します。
- 1つ売るごとに、いくら残るかは、限界利益の記事の式で、出せます。
5. まとめ
- アップセルは、上の物をすすめること。クロスセルは、別の物を、合わせてすすめること。
- 新しい客を集めるには広告費がかかる。だから、入口は安く、利益はそのあとで出す形が、多い。
- 私の入口は29,800円、上は98万円。上に進んだ人は、内容によって、30人に1人から、100人に1人まで、変わった。
- この形の商売は、「上に進む人の割合」という、1つの数字に、大きく左右される。
- 案内の回数、面談、人数の上限を、先に決めておく。

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