営業利益とは、会社が、本業で、どれだけもうけたかを、あらわす数字です。売上から、商品の原価を引き、さらに、人件費や家賃などの、売るためにかかった費用を引いた、残りです。会社の「かせぐ力」を見るとき、いちばんよく使われる、利益です。
先に、書いておきます。私は、中古のブランド品を売っていたころ、月に、80万円から200万円の利益を、出していました。ところが、そこから人件費を引いて、自分の給料を引くと、赤字になる月が、ありました。「もうかっている」と「営業利益が出ている」は、べつの話です。とくに、個人で商売をしている人は、「自分の給料を、引いたか」で、数字が、まったく、変わります。この記事は、そこを、書きます。
この記事では、意味と計算のしかたを先に書いて、そのあとで、計算機、私の例、見るときの注意を書きます。
1. 営業利益とは
1-1. 計算のしかた
営業利益 = 売上高 − 売上原価 − 販売費及び一般管理費(販管費)
| 言葉 | 中身 |
|---|---|
| 売上高 | 商品やサービスを売って、入ってくる金額 |
| 売上原価 | 売れた商品の、仕入れ値や、作るのにかかった費用 |
| 販管費 | 売るため、会社を回すための費用。給料、家賃、広告費、送料、手数料、通信費など |
1-2. 5つの利益の中の、位置
会社の成績表(損益計算書)には、利益が、5つ、出てきます。上から順に、費用を引いていきます。
| 順番 | 利益 | 計算 | 何が分かるか |
|---|---|---|---|
| 1 | 売上総利益(粗利) | 売上高 − 売上原価 | 商品そのものの、もうけ |
| 2 | 営業利益 | 粗利 − 販管費 | 本業の、かせぐ力 |
| 3 | 経常利益 | 営業利益 + 本業以外の収益 − 本業以外の費用(利息など) | ふだんの活動ぜんたいの、もうけ |
| 4 | 税引前当期純利益 | 経常利益 + 特別な利益 − 特別な損失 | その年だけの出来事を入れた、もうけ |
| 5 | 当期純利益 | 4 − 税金 | 最後に、会社に残る、もうけ |
粗利が大きくても、販管費が大きければ、営業利益は、残りません。営業利益が出ていても、借入の利息が大きければ、経常利益は、へります。営業利益は、「借入や、たまたまの出来事を、のぞいた、商売そのものの実力」を、見る数字です。
1-3. 営業利益率
営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100
売上が大きくても、率が低ければ、少しの値下がりや、費用の増加で、赤字に、変わります。率の目安は、業種で、大きく、ちがいます。仕入れて売る商売は、低く、自分の知識や技術を売る商売は、高く、なりやすい。ほかの業種とくらべるのでは、なく、同じ業種と、自分の過去と、くらべてください。
2. 計算機:自分の給料を引く前と、引いたあと
1か月の売上高 円 売上原価 円
人件費(自分以外) 円 家賃、送料、手数料など、その他の販管費 円
自分の給料(自分が、同じ時間、よそで働いたら、もらえる金額) 円
粗利 / 粗利率:
営業利益(自分の給料を、引く前) / 率:
営業利益(自分の給料を、引いたあと) / 率:
はじめの数字は、仮の数字です。形は、3章の私の例に、近づけてあります。粗利は、140万円。人件費と、その他の費用を引くと、82万円。ここまでは、黒字です。ところが、自分の給料を、100万円と置いて引くと、マイナス18万円に、なります。
会社なら、社長の給料(役員報酬)は、販管費に、入ります。だから、営業利益は、社長の給料を引いた、あとの数字です。個人で商売をしている人には、自分への給料という費用が、ありません。残ったお金が、そのまま、自分の取り分です。だから、個人の「利益」は、会社の営業利益より、ずっと大きく、見えます。会社とくらべるとき、事業を人にまかせられるかを考えるときは、下の数字を、見てください。
3. 私の例:月に80万〜200万円の利益でも、赤字の月が、あった
3-1. 数字
2019年から2022年ごろ、私は、中古のブランド品を、業者向けの市場で仕入れて、直して、売っていました。仕入れに使うお金は、月に、600万円以上。利益は、人件費を引く前で、月に、80万円から200万円ぐらいでした。月によって、大きく、ふれます。
人件費は、社員(当時は、家族を雇っていました)に、月35万円。アルバイトに、月10万円から15万円。合わせて、45万円から50万円です。
| 利益が80万円の月 | 利益が200万円の月 | |
|---|---|---|
| 人件費を引く | 30万〜35万円 | 150万〜155万円 |
| 自分の給料100万円を引く | マイナス65万〜70万円 | 50万〜55万円 |
200万円をこえる月なら、残ります。けれど、いつも、そうでは、ありません。低い月は、自分の給料を、取れません。数字に追われるのは、強いストレスでした。
3-2. 事業として、成り立っていたのか
「月に200万円の利益」と聞くと、もうかっているように、聞こえます。けれど、それは、1章の表の、1番目(粗利)に近い、数字です。2番目の営業利益は、人件費と、自分の給料を引いた、あとです。そこで見ると、この事業は、低い月には、「自分の給料を、取らないことで、黒字に見えている」形でした。
自分と、アルバイトだけの、小さな形なら、こわれなかったと、私は、考えています。会社の形にして、人をふやし、倉庫を借りようとすると、私の場合は、むりでした。倉庫や事務所を借りると、月に30万円から50万円以上が、販管費に、のります。上の表に、その行を足すと、200万円の月でも、ほとんど、残りません。
3-3. いまの仕事との、ちがい
いま、私が売っているのは、知識と、個別の指導です。売上原価は、ほとんど、ありません。在庫も、ありません。1章の3つ目で書いたとおり、仕入れて売る商売と、知識を売る商売では、営業利益率が、まったく、ちがいます。私が、物を売る側をやめた理由は、いくつもあります。その1つは、「1個売って残る利益が、浅い」ことでした(限界利益の記事)。
4. 営業利益を、見るときの、注意
- 個人の「利益」は、自分の給料を、引いてから、見る:2章の計算機です。引いた数字がマイナスなら、それは、事業では、なく、「自分で自分を、安く雇っている」状態です。
- 営業利益と、現金は、べつ:営業利益が出ていても、在庫や、入金まちに、お金がねていれば、支払いは、できません(黒字倒産の記事)。
- 固定の費用が、どこまで、ふえるかを、先に、見る:人をふやす、場所を借りる。販管費は、1度ふえると、売上が落ちた月にも、同じ額が、出ていきます(損益分岐点の記事)。
- 率を、同じ業種、自分の過去と、くらべる:額だけを見ると、売上を追って、率を、落とします。
- 1年で、ならして、見る:私の例のように、月ごとのふれはばが大きい商売は、よい月の数字で、判断しないでください(平均への回帰の記事)。
5. まとめ
- 営業利益とは、売上高から、売上原価と、販管費を引いた、本業のもうけです。
- 5つの利益の、2番目。借入の利息や、その年だけの出来事を、のぞいた、商売の実力を、あらわします。
- 会社の営業利益は、社長の給料を、引いたあとの数字です。個人の「利益」は、引く前の数字です。くらべるときは、そろえてください。
- 私の事業は、人件費を引く前で、月に80万〜200万円の利益が、ありました。人件費と、自分の給料100万円を引くと、低い月は、マイナス65万円以上です。
- 見るべきは、「いくら、もうかったか」では、なく、「自分の給料を引いても、残るか」です。

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