固定費とは、売上がふえても、へっても、毎月ほぼ同じ金額が出ていく費用のことです。家賃、人件費、倉庫代、道具の月額料金などです。反対に、売上や販売数に合わせてふえたりへったりする費用を、変動費と、言います。仕入れ値、売り場の手数料、送料などです。
この記事では、まず、固定費と変動費の分け方を、説明します。次に、計算機で、「固定費を月1万円ふやすと、売上をいくらふやさないといけないか」を、出します。最後に、倉庫を借りるのをやめた計算と、家賃で住む場所をえらんできた、私の例を、書きます。
1. 固定費とは
1-1. 固定費と、変動費
| 固定費 | 変動費 | |
|---|---|---|
| 意味 | 売上に関係なく、毎月ほぼ同じ額が出ていく | 売上や販売数に合わせて、ふえたりへったりする |
| 商売の例 | 家賃、正社員の給料、倉庫代、道具の月額料金、借入の返済 | 仕入れ値、売り場の手数料、送料、梱包材 |
| 家計の例 | 家賃、通信費、保険料、サブスク | 食費、日用品、娯楽 |
| 売れない月 | そのまま出ていく | ほとんど出ていかない |
1-2. どちらにも、入れにくい費用
アルバイトの時給は、働いた時間だけ出ていくので、変動費に近く見えます。けれど、「週3日は来てもらう」と決めていれば、売れない週にも出ていきます。電気代のように、基本料金と使った分に分かれる費用も、あります。迷ったら、「売上が0の月にも、出ていくか」で、分けます。出ていくなら、固定費です。
1-3. 固定費が、こわい理由
売上がゆれる商売では、固定費は、売れない月に、そのまま赤字として、のしかかります。変動費は、売れなければ、出ていきません。だから、同じ利益でも、固定費が大きい商売ほど、ゆれに弱くなります。いくら売れば赤字にならないかは、損益分岐点の記事の式で、出せます。
2. 計算機:固定費を、ふやす前に
固定費がふえると、その分を、粗利でまかなう必要があります。どれだけ売上をふやせばよいかは、「ふえた固定費 ÷ 粗利率」で、出ます。
同じ利益を残すのに、ふやす売上(月):
いまの売上の、何%ふやすことになるか:
1年でふえる固定費:
はじめに入っている数字のうち、30万円は、3章に書く、倉庫の見積もりの下の数字です。粗利率30%と、売上300万円は、例の数字です。答えは、ふやす売上が月100万円、いまの売上の33%増し、1年でふえる固定費は360万円です。
月30万円の倉庫を借りるなら、売上を、月に100万円ふやさないと、前と同じ利益には、なりません。粗利率を、15%にしてみてください。ふやす売上は、200万円に、なります。粗利率が低い商売ほど、固定費1円あたりの重さは、大きくなります(粗利率の見方は、粗利率の記事に、書きました)。
3. 私の例
3-1. 倉庫を、借りなかった
中古のブランド品を売っていたころ、作業の場所は、自宅でした。在庫が、家を、うめていきました。広げるには、倉庫か事務所が、いります。見積もると、月に30万円から50万円以上、かかりました。人件費は、すでに、月に45万円から50万円、出ていました。
当時の利益は、人件費を引く前で、月に80万円から200万円と、大きく、ゆれていました。ゆれる利益に、固定費を、さらに30万円以上、足す。私は、この負担が重いと見て、広げるのを、やめました。売上がゆれる商売で、固定費をふやすのは、売れない月の赤字を、先に約束するのと、同じです(営業利益の記事に、くわしく書きました)。
3-2. 家賃が、いらなかった時期
私が、古本を売る仕事を始めたころは、親が買った家に住んでいて、家賃が、かかりませんでした。倉庫を借りても、月5万円クラスで、ふつうの家賃より、安いくらいでした。はじめて人に教えたやり方は、ランキングの低い本や、季節の商品を、長く持つやり方でした。教えた人からは、達成者が出ませんでした。お金が回らなかったからです。
ここからは、私の整理です。私のやり方が回ったのは、家賃という、いちばん大きい固定費が、0だったことが、大きかった。同じやり方でも、家賃をはらっている人がやると、固定費の重さが、まるで、ちがいます。教えてはじめて、それが、わかりました。
3-3. 住む場所は、差し引きで、えらぶ
住まいの家賃は、個人にとって、いちばん大きい固定費です。私が住んだ部屋の、月の支払い(家賃、管理費、駐車場)です。
| 場所 | 広さ | 月の支払い |
|---|---|---|
| 東戸塚(民間の物件、築36年) | 3LDK・83㎡ | 15万円 |
| 海浜幕張(住宅供給公社、築28年) | 2LDK・70㎡ | 13.5万円 |
東戸塚は、得るものがなく、家賃も駐車場も高かったので、1年で出ました(違約金をはらって、退去しています)。海浜幕張は、不満もありますが、このエリアでは最安の家賃なので、出ていません。私は、住まいを、満足度ではなく、差し引きで、決めています。
3-4. 固定費を、小さく保つ
いま、私の商売の固定費は、小さく保っています。
- メールの配信の道具は、いちばん安いプラン(月3,300円)を、使っています。上のプランも使いましたが、それが原因で問題が起き、いまは、安いプランで、不自由なく回っています(マイスピーの記事)。
- 携帯は、乗りかえの特典で、通信費が、0円になっています(携帯の乗りかえの記事)。
- 在庫を持たないので、倉庫も、在庫の置き場所も、いりません。
- 個別の指導は、月に2人までです。人を雇って、広げていません。
4. 固定費を、決めるときの手順
- 「売上が0の月にも、出ていくか」で、分ける。出ていくものは、全部、固定費として、数えます。
- ふやす前に、2章の計算機を、使う。「ふやす固定費 ÷ 粗利率」の売上を、本当に上乗せできるかを、見ます。
- 変動費に、かえられないかを、考える。倉庫を借りる前に、外に出す(1個いくらで払う)方法。正社員の前に、外注。
- 1年分で、見る。月30万円は、1年で360万円です。
- 売上がゆれる商売ほど、固定費を、小さくする。毎月かならず出ていくお金は、手元のお金も、へらします(運転資金の記事)。
5. まとめ
- 固定費は、売上に関係なく、毎月ほぼ同じ額が出ていく費用。変動費は、売上に合わせて、ふえたりへったりする費用。
- 迷ったら、「売上が0の月にも、出ていくか」で、分ける。
- 固定費をふやすと、「ふやした固定費 ÷ 粗利率」の売上が、上乗せで必要になる。粗利率30%で月30万円なら、月100万円。
- 私は、月30万〜50万円の倉庫を借りず、広げるのを、やめた。家賃が0だった時期のやり方は、家賃をはらう人には、回らなかった。
- 売上がゆれる商売ほど、固定費を小さく保つ。

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