職業訓練(ハロートレーニング)の給付金はいくら?失業保険をもらいながら受けると延びる日数と手当、もらえない人の月10万円の条件・審査(計算機つき)

職業訓練の給付金・失業保険はいくらもらえる?月10万円・受講料無料・延長給付も 生き方・キャリア

「職業訓練」「職業訓練 給付金」「職業訓練 失業保険」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。

ハローワークの職業訓練(ハロートレーニング)は受講料が無料(テキスト代などは自己負担)で、主に失業保険を受ける人が受ける公共職業訓練(離職者訓練、概ね3か月〜2年)と、主に失業保険を受けられない人が受ける求職者支援訓練(2〜6か月)があります。失業保険を受ける人がハローワークの「受講指示」で訓練を受けると、自己都合で辞めても給付制限が解除され、受講手当(日額500円、2万円まで)と通所手当(月42,500円まで)が出て、所定給付日数が途中で尽きても訓練が終わる日まで失業保険が続きます(訓練延長給付)。42歳・自己都合・雇用保険12年・月給30万円(日額6,307円・120日)の人が、支給開始から38日後に始まる6か月の訓練を受けると、基本手当は120日分の75万6,840円から221日分の139万3,847円に増え、手当を含めた差は約72万円です。受講指示を受けるには、失業保険の残り日数が一定以上あるうちに始まる訓練を選ぶ必要があり(ハローワークの運用で、所定給付日数の3分の2を受け終わるまでが目安)、募集の締切は開講の約1〜2か月前です。失業保険を受けられない人は、求職者支援制度の職業訓練受講給付金で月10万円と通所手当を受けられますが、本人の収入が月8万円以下、世帯の収入が月30万円以下、世帯の金融資産が300万円以下など8つの条件をすべて満たす必要があり、理由のない欠席が1日でもあると、原則としてその1か月分は出ません(基礎コースと育児・介護中の人には、減らして出す特例があります)。2つの道の額、月10万円を受けられるかの判定、受講中の月の収支と貯金、申込みの期限を出す計算機を10章に置きました。

知りたいこと 答え 章
職業訓練の種類 公共職業訓練(離職者訓練):主に失業保険を受ける人、概ね3か月〜2年。求職者支援訓練:主に失業保険を受けられない人、2〜6か月。どちらも受講料は無料 2章
失業保険をもらいながら受けられるか 受けられる。受講指示で受けると、給付制限の解除・受講手当・通所手当・訓練延長給付 3章
いくら増えるか 訓練が所定給付日数を超える分だけ日数が延びる。日額6,307円・6か月の訓練で約72万円の差の例 3章
いつまでに始まる訓練なら延びるか 所定給付日数の3分の2を受け終わるまでに始まる訓練が目安(日数の表あり) 4章
失業保険がもらえない人の月10万円 求職者支援制度の職業訓練受講給付金。月10万円+通所手当。8つの条件 5章
審査は厳しいか 収入は税引前・世帯で数え、資産に株式も入る。理由のない欠席が1日でその月は出ない 5章
申込みの締切 開講の約1〜2か月前。事前にハローワークで相談 6章
アルバイト・就職したとき 失業保険は4時間以上働いた日は出ない。延長給付に入った後の就職は再就職手当の対象外 7章
受講中に払うお金 健康保険料・国民年金(2026年度は月17,920円、2027年度は月18,290円)・住民税は自分で払う 8章
就職率 施設内86.0%、委託72.8%、求職者支援訓練は基礎60.9%・実践62.4%(2024年度) 9章
自分の場合 辞め方・月給・訓練の日程・収入と資産・生活費から計算 10章

1. 先に、この記事の数字について

この記事の決まりと数字は、雇用保険法の条文(厚生労働省の法令等データベース)、厚生労働省・ハローワーク・各労働局・高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)のページとリーフレット、求職者支援制度の「訓練受講のしおり」(2025年4月版)、雇用保険の業務取扱要領(2026年4月版)、中央職業能力開発促進協議会の資料(2026年1月29日)から取り、計算機にしています。失業保険の日額の上限・下限は毎年8月1日に変わり、この記事は2026年8月1日〜2027年7月31日の額で計算しています。受講指示を受けられる時期(失業保険の残り日数)の条件は、全国の通達の原文が公開資料で見つからず、愛知・北海道・青森のハローワークの資料と厚生労働省のFAQにある運用の目安を使っています。このように一部の地域の資料でしか確かめられなかったことは、本文でそう書いています。受講指示を出すか、給付金を出すかを決めるのはハローワークなので、最後はハローワークで確かめてください。

2. 職業訓練(ハロートレーニング)は2種類:公共職業訓練と求職者支援訓練

2-1. 違いは「失業保険を受けるか」

ハロートレーニングは、公的職業訓練(公共職業訓練と求職者支援訓練)の愛称です。仕事を探している人向けの訓練は、次の2つに分かれます。

区分 公共職業訓練(離職者訓練) 求職者支援訓練
主な対象 主に雇用保険(失業保険)を受給している求職者 主に雇用保険を受給できない求職者
訓練期間 概ね3か月〜2年 2〜6か月(基礎コースは2〜4か月。実践コースは原則3〜6か月で、資格の取得に役立つコースは2か月から)
実施するところ 国(JEEDのポリテクセンターなど)と都道府県の職業能力開発校(施設内訓練)、都道府県から委託を受けた民間の教育訓練機関(委託訓練) コースごとに厚生労働大臣の認定を受けた民間の教育訓練機関
受講料 無料(テキスト代などは自己負担) 無料(テキスト代などは自己負担)
受講中のお金 失業保険。受講指示なら受講手当・通所手当・訓練延長給付も(3章) 条件を満たせば職業訓練受講給付金(月10万円+通所手当)(5章)

求職者支援訓練は、原則として1か月に100時間以上、1日5〜6時間の訓練です。在職中の人などに配慮した、1か月60時間以上・1日2〜6時間のコースもあります(JEEDの認定基準)。東京労働局の案内では、施設内訓練の主な入校時期は4月・7月・10月・1月で、委託訓練と求職者支援訓練の基礎コースは毎月始まります。同じ案内には、1年以上の公共職業訓練の一部の科目は有料と書かれています。

自己負担の目安は、ポリテクセンター宮崎の案内で、個人で持つテキストなどが「コースにより1万円〜2万円程度」です。企業実習付きの訓練では、職業訓練生総合保険への加入が条件で、6か月の訓練で4,900円です。

2-2. 失業保険を受ける人も求職者支援訓練を受けられる

失業保険を受けている人も、ハローワークが適当と認めれば求職者支援訓練を受けられます(厚生労働省のFAQ)。2022年7月1日からは、求職者支援訓練もハローワークの受講指示の対象になり、受講指示で受ければ公共職業訓練と同じように訓練延長給付や受講手当を受けられます。

2-3. ハローワークの「あっせん」で受け取るお金が変わる

訓練に合格すると、ハローワークが受講をあっせんします。北海道のハローワークの資料では、あっせんの種類で受け取るお金が次のように変わります。

あっせんの種類 受け取るお金
受講指示 失業保険に加えて受講手当・通所手当。訓練期間中に所定給付日数分を受け終わっても、訓練の修了まで失業保険が延びる(訓練延長給付)
受講推薦 受講手当・通所手当・訓練延長給付はない。受講中も認定日にハローワークへ行く
支援指示 雇用保険の受給資格がない人など。職業訓練受講給付金(月10万円)

どのあっせんになるかを決めるのはハローワークです。受け取るお金に大きな差があるので、申し込む前に「この訓練は受講指示になるか」を窓口で確かめておくと、計算が立ちます。

3. 失業保険をもらいながら受ける場合:お金が増える4つの仕組み

3-1. 条件は「受講指示」で受けること

訓練延長給付(雇用保険法24条)、給付制限の解除(同法33条)、受講手当・通所手当などの技能習得手当と寄宿手当(同法36条)は、どれも「公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等」を受けることが条件です。反対に、受講指示を正当な理由なく拒むと、拒んだ日から1か月間は失業保険が出ません(同法32条)。

3-2. 自己都合でも給付制限が解除される

正当な理由のない自己都合で辞めた人の給付制限は、2025年4月1日以降に辞めた人は原則1か月です。辞めた日からさかのぼって5年の間に2回以上、正当な理由のない自己都合で辞めて受給資格の決定を受けている人(今回が3回目以上)と、自分の重大な理由で解雇された人(重責解雇)は3か月です。

受講指示で訓練を受けると、訓練を受ける期間と受け終わった後の期間は給付制限がかかりません(雇用保険法33条1項ただし書)。給付制限の期間中に訓練が始まると、制限は訓練開始日の前日までになります(青森・兵庫のハローワークの資料)。

2025年4月1日からは、教育訓練給付の対象講座や公共職業訓練などを離職日の前1年以内に受けていた人(途中でやめた人は除く)か、離職日の後に受けている人も、給付制限が解除されるようになりました。対象は2025年4月1日以降に受講を始めたものに限り、重責解雇は対象外です。解除を受けるには、受給資格の決定の日や初回の認定日などまでにハローワークへ申し出る必要があり、遅れると、その前の分はさかのぼって受け取れません。受講指示のない受講(受講推薦)がこの「公共職業訓練など」に入るかは、リーフレットに書かれていないので、ハローワークに確かめてください。教育訓練給付の講座で学ぶ場合の決まりは教育訓練給付金の記事にまとめています。

3-3. 受講手当・通所手当・寄宿手当

受講指示で訓練を受けると、失業保険に加えて次の手当が出ます(雇用保険法36条、同法施行規則57条・59条、ハローワークインターネットサービス)。

手当 額 条件・上限
受講手当 日額500円 上限20,000円(40日分)。失業保険の支給の対象になる日のうち、訓練を受けた日
通所手当 交通費の実費に相当する額 月42,500円まで。支給の対象にならない日がある月は日割りで減る
寄宿手当 月10,700円 生計を維持している同居の親族と別に暮らして訓練を受ける場合

通所手当は、札幌圏のハローワークの案内では片道2km以上の場合に出ます。

3-4. 訓練延長給付:訓練が終わるまで失業保険が続く

失業保険は、ふつうは所定給付日数(90〜360日)を受け終わると終わります。受講指示で訓練を受けると、訓練の間に所定給付日数を使い切っても、訓練が終わる日まで失業保険が続きます。これが訓練延長給付で、延びる場面は3つあります(雇用保険法24条、業務取扱要領52351〜52358)。

延びる場面 延びる日数 条件
訓練の開始を待つ間 受講開始日の前日までの、引き続く90日間のうち失業している日 受講指示を受けた後、訓練が始まる前に所定給付日数を受け終わった場合
訓練の間 訓練を受け終わる日まで 訓練の間に所定給付日数を受け終わった場合
訓練が終わった後 30日から、終了日の支給残日数を引いた日数まで 訓練終了日の支給残日数が30日未満で、訓練した職種で就職するのがかなり難しいとハローワークが認めた場合(終了前4週間に同じ職種へ応募して内定がないことなど、すべての要件)

訓練延長給付の対象は、受講指示の日に受給資格者であることと、期間が2年以内の訓練であることです。失業保険を受けられる期間(受給期間)は、ふつうは離職日の翌日から1年ですが、訓練がその後まで続くときは、訓練を受け終わる日まで延びます(雇用保険法24条3項)。

訓練のない土日・祝日も、失業の認定の対象になります。業務取扱要領は、訓練と訓練の間の訓練を受けない日を「やむを得ない理由がある場合」として失業の認定をするとしていて、大阪労働局の資料も、訓練が行われなかった土日・祝日の基本手当を「支給可能」としています。一方で、訓練を欠席した日は原則として出ません。受講中の失業の認定は、認定日ごとに「公共職業訓練等受講証明書」を出して行います。

3-5. いくら増えるか

延びる日数は「訓練開始の前日までに受けた日数+訓練の日数-所定給付日数」で、マイナスなら延びません。月給30万円・30〜44歳の人(基本手当日額6,307円)が、失業保険の支給が始まってから30日後に始まる訓練を受けた場合です。

所定給付日数 訓練3か月(91日) 訓練6か月(183日) 訓練1年(365日) 訓練2年(730日)
90日(自己都合・加入10年未満) 31日・195,517円 123日・775,761円 305日・1,923,635円 670日・4,225,690円
120日(自己都合・加入10年以上20年未満) 1日・6,307円 93日・586,551円 275日・1,734,425円 640日・4,036,480円
150日(自己都合・加入20年以上) 0日(訓練の後も所定の日数が残る) 63日・397,341円 245日・1,545,215円 610日・3,847,270円
240日(会社都合・35〜44歳・加入10年以上20年未満) 0日(訓練の後も所定の日数が残る) 0日(訓練の後も所定の日数が残る) 155日・977,585円 520日・3,279,640円

所定給付日数が長い人や訓練が短い人は、訓練が終わっても所定給付日数が残るので、日数は延びません。その場合も、受講手当・通所手当と、自己都合なら給付制限の解除は受けられます。所定給付日数と日額は、失業保険の計算の記事で年齢・加入期間・辞め方から出せます。

4. 受講指示を受けられる時期:失業保険の残り日数の条件

受講指示は、いつ始まる訓練でも出るわけではありません。愛知・北海道・青森のハローワークの資料と厚生労働省のFAQでは、原則として、所定給付日数の3分の2を受け終わる日までに始まる訓練が対象です。例外として、所定給付日数が240日以上の人は150日分まで、給付制限のない人で90日の人は90日分まで、120日・150日の人は120日分まで受け終わるうちに始まる訓練が対象です。これを「訓練開始日の前日までに受けた後、何日残っている必要があるか」に直すと、次の表になります。

所定給付日数 給付制限あり(自己都合など):開講前日に残っている必要がある日数 給付制限あり:支給開始から開講前日までに受けてよい日数 給付制限なし:開講前日に残っている必要がある日数 給付制限なし:支給開始から開講前日までに受けてよい日数
90日 31日以上 59日まで 1日以上 89日まで
120日 41日以上 79日まで 1日以上 119日まで
150日 51日以上 99日まで 31日以上 119日まで
180日 61日以上 119日まで 61日以上 119日まで
210日 71日以上 139日まで 71日以上 139日まで
240日 91日以上 149日まで 91日以上 149日まで
270日 121日以上 149日まで 121日以上 149日まで
300日 151日以上 149日まで 151日以上 149日まで
330日 181日以上 149日まで 181日以上 149日まで
360日 211日以上 149日まで 211日以上 149日まで

たとえば自己都合・所定給付日数120日の人は、失業保険の支給が始まってから79日分を受けた日の翌日までに始まる訓練でないと、受講指示の対象外になる目安です。給付制限の期間中に始まる訓練なら、まだ1日も受けていないので、残り日数は減りません。

この「3分の2」の基準は、全国の通達の原文が公開資料で見つからず、ハローワークごとの資料で確かめたものです(業務取扱要領の訓練延長給付の項目には、残り日数の数値は書かれていません)。自分が受けたい訓練が対象になるかは、申し込む前にハローワークで確かめてください。

5. 失業保険がもらえない人:求職者支援制度の月10万円

5-1. 対象になる人

求職者支援制度の対象(特定求職者)は、ハローワークに求職の申込みをしていて、雇用保険の被保険者でも受給資格者でもなく、働く意思と能力があり、ハローワークが職業訓練などの支援が必要と認めた人です。失業保険を受け終わった人や、雇用保険に入っていなかった人がこれに当たります。失業保険を受けられる人は、まず3章の道になります。

5-2. 受け取れる額

手当 額
職業訓練受講手当 月10万円
通所手当 定期乗車券などの額。月42,500円まで
寄宿手当 月10,700円(住む所を変える必要があるとハローワークが認めた場合)

給付金は、訓練開始日から1か月ごとに区切った「支給単位期間」ごとに、条件を満たしているかを見て出ます。申請は月1回の指定来所日にハローワークで行います。支給単位期間が28日未満のときは額を別に計算すると、しおりに書かれています。

5-3. 8つの条件(すべて満たす)

条件 中身
1. 本人の収入 月8万円以下(税引前)
2. 世帯の収入 月30万円以下
3. 世帯の金融資産 300万円以下(現金・預貯金・債券・株式・投資信託など)
4. 土地・建物 いま住んでいる所のほかに持っていない
5. 出席 すべての訓練実施日に出席(やむを得ない理由の欠席で証明できる場合でも、8割以上の出席が必要)
6. 世帯で同時に受けない 世帯の中に、同時にこの給付金を受けて訓練を受けている人がいない
7. 不正受給 過去3年以内に、偽りその他不正の行為で特定の給付金を受けていない
8. 前回の受給 過去6年以内に職業訓練受講給付金を受けていない(前回の最初の支給単位期間の初日から6年。やむを得ない理由で途中で退校した人は、受けたとみなさない)

収入は「手取り額の収入ではありません」とされていて、税引前の給与(賞与を含む)、事業収入、役員報酬、不動産の賃貸収入、年金、仕送り、養育費など全般が入ります。世帯は、本人のほか、同居しているか生計を一つにしている別居の配偶者・子・父母で、内縁の相手も配偶者とみなされます(訓練受講のしおり)。これらの条件は、支給単位期間ごとに確かめられます。

5-4. 「審査が厳しい」と言われるところ

条件の中で、受けられるかを分けやすいのは次の点です。

  • 世帯で数える:実家で親と暮らしていれば、親の収入と金融資産も合わせて月30万円・300万円と比べます
  • 資産に株式・投資信託も入る:預貯金だけではありません
  • 欠席:やむを得ない理由のない欠席が1日でもあると、その支給単位期間(1か月分)は全額出ません。やむを得ない理由(本人の病気やけが、天災、求人者との面接、資格試験、親族の看護・介護・葬儀など)も証明書類が要り、自己申告だけでは認められません
  • 遅刻・早退:その時限(コマ)は欠席になります。やむを得ない理由で1日の半分以上を受けた日は、半日分を受けたものとして扱います
  • 指定来所日:正当な理由なくハローワークに行かないと、その期間は出ません。ハローワークの就職支援を拒んでも出ません
  • 不正受給:受け取った給付金の最大3倍の返還・納付が命じられます

基礎コースを受ける人と、育児・介護をしている人には特例があり、証明できない欠席も訓練実施日の2割までは認められ、その場合は受けなかった日数(時間数)に応じて減らした額が出ます。減らし方の計算式は公開資料に書かれていません。

5-5. 通所手当だけ受けられる場合

本人の収入が月8万円を超えても、月12万円以下で世帯の収入が月34万円以下なら、ほかの条件を満たせば通所手当だけ受けられます。2023年4月以降に始まる訓練からの決まりです。新型コロナの特例だった本人12万円・世帯40万円などの要件は、2023年3月末で終わっています。

5-6. 求職者支援資金融資

給付金だけでは生活費が足りない人のために、労働金庫の融資があります。給付金の支給決定を受けた人が、ハローワークで「求職者支援資金融資要件確認書」の交付を受けて申し込みます。

項目 中身
借りられる額 配偶者・子・父母がいる人は月10万円、単身者などは月5万円 × 受講予定の訓練月数(申し込んだ時点で支給・不支給が決まっていない支給単位期間の数。1回の手続きで最大12か月分。12か月を超える訓練は、最初の12か月が経つまでに再手続きすると最大24か月分)
利率 年2.0%(信用保証料0.5%を含む)
担保・保証人 不要(労働金庫が指定する信用保証機関を使う)
返済 訓練終了月の3か月後の末日までは利息のみ。返済期間は貸付日から5年以内(50万円以上は10年以内)
一括返済になる例 就職支援を拒んで不支給になった、理由のない欠席を繰り返した、不正受給、規律違反での退校処分など

6. 申込みから受講まで:締切は開講の約1〜2か月前

流れは、ハローワークで求職の申込みと職業相談→受講の申込み→面接・筆記試験など→合格→受講のあっせん(受講指示など)→訓練開始です。求職者支援訓練の申込書は、ハローワークに出した後に訓練施設にも出します(青森のハローワークの資料)。東京労働局は、受講の申込みの前に複数回の相談が必要で、事前に相談していないと締切当日は受け付けられないことがあるとしています。公共職業訓練は、合格者が定員を超えると抽選になり、応募が最少の開講人数に満たないと開講しないことがあります(愛知労働局)。

締切から開講までの日数は、公式の日程の例で次のとおりです。

訓練 募集の締切 選考 開講 締切から開講まで
東京の求職者支援訓練(2026年12月開講分) 11月11日 11月26日(結果の発送は12月2日) 12月15日 34日
大阪府の委託訓練(2026年12月開講分) 11月4日 個別面接(結果は府のホームページで公開) 12月1日 27日
ポリテクセンター佐世保の施設内訓練(2026年12月入所) 10月26日 11月4日(合格発表は11月13日) 12月2日 37日

札幌圏のハローワークは「募集期限は訓練開始の約2か月前」と案内しています。ポリテクセンター君津の選考は、筆記(言語・文章力、計算力、形状把握力、安全に係る注意力)と面接です。待期と給付制限の間に訓練を探して申し込むと、4章の残り日数の条件に間に合いやすくなります。

7. 受講中のアルバイトと、就職が決まったとき

7-1. 失業保険を受けている人

失業保険を受けている間は、1日4時間以上働いた日は「就職・就労」としてその日の分は出ず、後ろに送られます。4時間未満の日は「内職・手伝い」として認定日に申告し、収入に応じて減り、減った分は所定給付日数から引かれます。週20時間以上の続く仕事は就職として扱われます(渋谷・厚木のハローワークのQ&A)。訓練の期間中も、働いた日は原則としてその日の分は出ず、働いた日は訓練施設に申告します。北海道のハローワークの資料では、訓練の開始日に週20時間以上働いている人(在職中の人)は受講できないとしています。減額の計算は失業保険中のアルバイトの記事で出せます。

7-2. 職業訓練受講給付金を受けている人

アルバイト代は本人の収入に入るので、月8万円を超えるとその月の受講手当は出ません(12万円以下なら通所手当だけ出る場合あり)。アルバイトで訓練を休めば「やむを得ない理由」に当たらず、その1か月分が出ません。雇用保険の被保険者になると、特定求職者の条件から外れます。

7-3. 就職が決まったとき

失業保険を受けている人が、所定給付日数の3分の1以上を残して就職すると、再就職手当の対象になり得ます(残り3分の2以上なら残りの70%、3分の1以上なら60%)。ただし、訓練延長給付で延びた分の残り日数は再就職手当の残り日数として数えないので、所定給付日数を使い切った後の就職は対象外です。訓練などで給付制限が解除されていても、待期が終わった後1か月以内の就職は、ハローワークなどの紹介でないと再就職手当の対象になりません(ハローワークの再就職手当のリーフレット、2026年8月版)。条件の全体は再就職手当の記事にまとめています。

求職者支援の給付金を受けている人は、就職したら次の指定来所日に申告し、就職状況報告書を出します。途中で退校した場合は、退校日までがその支給単位期間です。

受講指示で受けている人が就職以外の理由で途中でやめると、退校日の後の受講手当・通所手当・訓練延長給付は出ません。北海道のハローワークの資料では、所定給付日数が残っていれば、退校日の翌日から1か月の給付制限の後に失業保険が再開します。

8. 受講中に払うお金:保険料と住民税

会社を辞めると、受講中も健康保険料・国民年金・住民税は自分で払います。

  • 健康保険:任意継続(資格を失った日から20日以内)か国民健康保険(14日以内)か家族の扶養。保険料は退職後の健康保険の記事で計算できます
  • 国民年金:2026年度は月17,920円、2027年度は月18,290円(厚生労働省が2026年1月に公表)。退職を理由にした特例の免除を申請できます。手続きは退職後の国民年金の記事にまとめています
  • 住民税:前の年の所得にかかるので、辞めた後も払います。払い方は退職後の住民税の記事にまとめています

求職者支援の給付金は月10万円なので、2026年度の国民年金を払うと手元に残るのは82,080円です。そこから健康保険料と住民税、家賃や食費を払うことになります。10章の計算機では、毎月出ていくお金と貯金を入れると、訓練の間に貯金がいくらになるかを1か月ずつ出します。

9. 就職率と「やめたほうがいい」と言われる点

9-1. 公式の就職率

区分 2024年度 2023年度
公共職業訓練(離職者訓練)・施設内訓練 86.0% 86.4%
 うち国(JEED) 87.3% 87.7%
 うち都道府県 82.1% 82.7%
公共職業訓練(離職者訓練)・委託訓練 72.8% 73.6%
求職者支援訓練・基礎コース 60.9% 60.1%
求職者支援訓練・実践コース 62.4% 60.6%

出典は、2026年1月29日の中央職業能力開発促進協議会の資料(2024年度は確報値)です。数え方が違うので、横に並べて比べるときは注意が要ります。離職者訓練は、その年度に訓練を修了した人の3か月後の就職の状況です。求職者支援訓練は、雇用保険に入る形で就職した人の数を、修了者などの数で割ったもので、訓練終了日に65歳以上の人は除きます。雇用保険に入らない形の就職も入れた「従前の就職率」では、2024年度の求職者支援訓練は基礎76.2%・実践78.2%です。2024年度の求職者支援訓練の受講者は38,945人(基礎6,129人・実践32,816人)でした。

9-2. 「やめたほうがいい」と検索される点を、制度から見ると

「職業訓練はやめたほうがいい」という検索がありますが、制度の決まりから確かめられるのは次の点です。

  • 開講日が決まっていて、締切は開講の約1〜2か月前です。施設内訓練は入校の時期が年4回の地域もあり、すぐには始められないことがあります
  • 求職者支援訓練は原則1日5〜6時間・月100時間以上で、働ける時間が限られます。給付金を受けるなら、理由のない欠席は1日で原則その月の分が出ません
  • 求職者支援訓練は、修了から1年たつ前に次の訓練を受けることは原則できません(基礎コースから実践コースや公共職業訓練へ進む場合など、ハローワークが必要と認めたときは例外)。公共職業訓練も、受講開始日からさかのぼって1年以内に受けていないことを条件にしている施設があります(JEED君津・神戸のハローワークの資料)
  • 年齢の上限は原則ありませんが、企業実習付きのコースはおおむね55歳未満が対象です(ポリテクセンター宮崎・佐世保)
  • 就職率は訓練の種類で20ポイント以上違い、数え方も違います(9-1)

一方で、失業保険を受ける人にとっては、受講指示で受ければ3章のとおり受け取る額が増えます。受けるかどうかは、増える額と、拘束される時間・出席の条件・貯金の減り方を並べて決めることになります。

10. 計算機:総額の差・月10万円の判定・月の収支と貯金・申込みの期限

失業保険を受けるか、退職日、年齢、辞めた理由、雇用保険に入っていた期間、月給、ハローワークで手続きする日、訓練の開始日と終了日、交通費、本人と世帯の収入・金融資産、生活費・保険料・住民税・貯金を入れると、次を出します。

  • 失業保険をもらいながら受講指示で訓練を受けた場合と、受けない場合の総額の差(給付制限の解除・受講手当・通所手当・訓練延長給付を含む)
  • 受講指示の対象になる残り日数があるか(4章の目安)と、間に合う開講日・申込みの時期の逆算
  • 求職者支援制度の月10万円を受けられるか(条件ごとの○×)、受けられる額、通所手当だけになるか、融資の上限
  • 退職日の翌日から1か月ずつの、入るお金・出るお金・貯金の残り

失業保険をもらいながら訓練を受けると総額はいくら増えるか、月10万円の給付金を受けられるか、受講中の月の収支と貯金、申込みの期限

入れた数字は、このページの中で計算に使うだけで、どこにも送られません。初めから入っている数字は入力の例です。自分の数字に置き換えてください。

辞め方と失業保険

受けたい訓練

月10万円の給付金の判定(失業保険を受けられない人。受けられる人は受け終わった後の判定になります)

受講中の月の収支

初めから入っている例は、42歳・自己都合・雇用保険12年・月給30万円で2026年12月31日に辞め、2027年4月1日〜9月30日の6か月の訓練を受ける人です。失業保険の支給は2027年2月22日からで、訓練開始の前日までに38日分を受け、残り82日(120日・給付制限ありの人に必要な41日以上)なので受講指示の対象になる目安です。基本手当は受けない場合の120日・756,840円から、受ける場合は221日・1,393,847円になり、受講手当2万円と通所手当6万円を合わせた差は717,007円です。受講指示の対象になる開講日は2027年5月12日までで、申込みは3月中旬〜4月中旬に締切が来る訓練が目安です。生活費15万円・健康保険料3万円・国民年金・住民税年20万円で毎月約21万5千円出ていくと、訓練の間も1か月あたり約1万6千円足りず、150万円の貯金は訓練が終わった翌月に約83万円になる計算です。開講の期限と申込みの時期は、入れた日付から出した目安で、支給開始日が変われば変わり、締切は訓練ごとに決まります。

11. よくある質問

職業訓練の給付金をもらえる条件は?

失業保険を受けられない人の職業訓練受講給付金(月10万円)は、本人の収入月8万円以下、世帯の収入月30万円以下、世帯の金融資産300万円以下、住んでいる所のほかに土地・建物がない、すべての訓練日に出席、世帯で同時に受けていない、過去3年以内に不正受給がない、過去6年以内に受けていない、の8つをすべて満たすことです(5章)。失業保険を受ける人は、給付金ではなく失業保険と受講手当・通所手当になります(3章)。

職業訓練で10万円もらえるのは何か月?

訓練の期間中、1か月ごとの支給単位期間ごとに条件を満たした分です。求職者支援訓練は2〜6か月なので、その月数分が目安です。条件を外れた月や、理由のない欠席があった月は原則として出ません。

失業保険をもらいながら職業訓練は受けられる?

受けられます。ハローワークの受講指示で受けると、失業保険に加えて受講手当(日額500円、2万円まで)と通所手当(月42,500円まで)が出て、訓練の間に所定給付日数を使い切っても訓練が終わる日まで失業保険が続きます(3章)。

職業訓練を受ければ失業保険はすぐもらえる?

待期の7日間は、訓練を受けても支給されません。自己都合の給付制限は、受講指示で受ければ訓練開始日から解除されます。振込は失業の認定の後なので、最初の振込は認定日を待ってからです。

職業訓練が終わった後、失業保険はどうなる?

所定給付日数が残っていれば、訓練の後も残りの日数を受けられます。使い切っていれば訓練の終了日で終わりです。終了日の残り日数が30日未満で、訓練した職種で就職がかなり難しいとハローワークが認めた場合は、最大30日まで延びることがあります(3-4)。

何回受けられる?年齢制限は?

求職者支援訓練は、修了から1年たつ前の次の訓練は原則受けられず、給付金は前回から6年あける必要があります。公共職業訓練も、1年以内の再受講を認めないとしている施設があります。年齢の上限は原則ありませんが、企業実習付きのコースはおおむね55歳未満です(9-2)。

働きながら受けられる?

北海道のハローワークの資料では、訓練の開始日に週20時間以上働いている人(在職中の人)は受講できないとしています。求職者支援制度は2023年4月から、働きながらスキルアップを目指す人も対象にしていて、在職中の人などに配慮した月60時間以上・1日2〜6時間のコースもあります(JEEDの認定基準)。ただし雇用保険の被保険者は対象外です。受けられるかは、ハローワークで確かめてください。

職業訓練の給付金の審査は厳しい?

収入は税引前で年金・仕送りも入り、世帯(同居か生計が同じ配偶者・子・父母)で数え、資産には株式・投資信託も入ります。出席は、理由のない欠席1日で原則その月の分が出ず(基礎コースと育児・介護中の人は、2割までの欠席を減額して出す特例あり)、理由のある欠席も証明書類が要ります(5-4)。

12. まとめ

  • 職業訓練は受講料無料(テキスト代などは自己負担)。公共職業訓練は主に失業保険を受ける人で概ね3か月〜2年、求職者支援訓練は主に受けられない人で2〜6か月
  • 失業保険を受ける人は受講指示で受けると、給付制限の解除、受講手当(日額500円・2万円まで)、通所手当(月42,500円まで)、訓練が終わるまでの訓練延長給付。受給期間も訓練終了日まで延びる
  • 受講指示の対象は、所定給付日数の3分の2を受け終わるまでに始まる訓練が目安(ハローワークの運用)。締切は開講の約1〜2か月前
  • 失業保険を受けられない人は、職業訓練受講給付金の月10万円+通所手当。本人8万円・世帯30万円・資産300万円など8つの条件、理由のない欠席1日で原則その月は出ない(基礎コース・育児介護の特例あり)
  • 延長給付に入った後の就職は再就職手当の対象外。受講中も健康保険料・国民年金・住民税は自分で払う

13. 出典

14. あわせて読む

 

── 無料メール講座(全6章・14通)──
真面目に働いても給料が上がらないのは、
あなたの能力ではなく
買い手が一社しかいないからです。
売り手が多数いて、買い手が一者しかいない市場では、
価格は買い手の内部規則で決まります。
転職しても、買い手が別の一社に変わるだけ。
構造は変わりません。
必要なのは努力の量でも我慢でもなく、
会社以外に
「自分の判断にお金を払う相手」
を一つ持つこと。
月3万円で構いません。
それだけで、組織との距離の取り方が変わります。
動かない録画機器を1,000円以下で仕入れ、
中古ドライブ(部品代2,000円)に交換。
ついでに容量を増やして15,000円で販売。
── 20年の現場から、実例の一部
この無料講座で扱う内容
  • 壊れた商品のどこに価格差が眠るのか
    「歪みの4類型」
  • 手数料・送料・作業時間まで含めた
    「1件の利益計算式」
  • 絶対に手を出してはいけない
    「除外リスト7項目」
  • 6日目には、元手ゼロで
    今週できる実践ワーク(約70分)
※手を動かさずに稼ぐ方法をお探しの方には向きません。
そのことも講座内で明記しています。
20年
現場での実践
全14通・2週間。
1通3〜5分で、通勤中にも読み切れる分量です。
まずは14通の無料講座で、
「第二の買い手」という考え方を確認してください。
登録30秒・無料・いつでも解除できます


「第二の買い手」を作る14通を無料で読む →

※後半に有料商品のご案内があります。
第1通の冒頭で明記します。

にほんブログ村の「せどり」ランキングに参加しています

にほんブログ村 小遣いブログ せどりへ PVアクセスランキング にほんブログ村
生き方・キャリア

コメント