再就職手当はいくらもらえる?条件8つと計算方法、いつ振り込まれるか、満額とどちらが得か(計算機つき)

失業保険の再就職手当はいくら?条件は?計算方法・申請期限・満額との比較 月給30万円で約39.7万円 生き方・キャリア

「再就職手当」「再就職手当 条件」「再就職手当 計算」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。

再就職手当は、失業保険(雇用保険の基本手当)を受けられる人が、所定給付日数を3分の1以上残して安定した仕事に就いたときに出る一時金です。額は「基本手当日額×支給残日数×70%(残りが3分の2以上)または60%(3分の1以上)」で、再就職手当に使う日額には上限があり、2027年7月31日までは60歳未満6,745円、60〜64歳5,454円です。たとえば40歳・月給30万円(基本手当日額6,307円)で自己都合(所定給付日数90日)なら、給付制限中に就職して90日残せば約39.7万円、会社都合で加入10〜20年(240日)なら待期明けすぐの就職で約106.0万円です(月給から出したモデル値)。条件は8つあり、待期7日が終わった後の就職、1年を超えて勤めることが確実、前の会社や関連会社ではない、求職の申込みより前の内定ではない、過去3年に受けていない、原則として雇用保険に入ることなどで、給付制限がある人は、待期が終わってから1か月の間は、ハローワークか職業紹介事業者の紹介による就職でないと対象になりません。申請は就職日の翌日から1か月以内です。再就職後の給料が前より下がり、同じ会社に6か月以上勤めた場合は就業促進定着手当が上乗せされますが、上限は2025年4月から支給残日数の20%に下がりました。手当だけを比べると満額の方が多くなりますが、早く働けばその間の給料が入ります。2025年度(速報値)は38万2,677人が受け、支給額は1,726億円でした。再就職手当を取りに行くか、満額を受けるかは、その人の立ち位置に依存している、と私は考えています。額・条件の判定・就業促進定着手当・満額との比較・60歳以上の高年齢再就職給付金との比較を出す計算機を13章に置きました。

知りたいこと 答え 章
いくらもらえるか(計算方法) 基本手当日額(上限6,745円、60〜64歳5,454円)×支給残日数×70%または60% 2章
もらえる条件 待期後の就職、残り3分の1以上、1年超の雇用、前の会社でない、内定が求職の申込みの後など8つ 3章
月給ごとの額 40歳・月給30万円で、自己都合90日を全部残せば約39.7万円、会社都合240日なら約106.0万円 4章
手取り20万・25万・30万円なら 額面に直すと約25.6万・32.1万・38.7万円(40〜44歳)。自己都合90日を全部残して約36.9万・40.7万・42.4万円 5章
いつ振り込まれるか 申請は就職日の翌日から1か月以内。支給の決定から7日以内に振込。決定までの全国共通の目安は公表されていない 6章
給料が下がったら 就業促進定着手当。上限は基本手当日額×支給残日数×20%(2025年4月から) 7章
満額とどちらが得か 手当だけなら満額。給料を足せば、同じくらいの給料ですぐ決まるなら早い方が多い 8章
もらった後に辞めたら 受給期間のうちなら、支給残日数から再就職手当の分を引いた日数の基本手当を受けられる 9章
60歳以上 高年齢再就職給付金とどちらか一方。計算機で比べる 10章

1. 先に、立場を書きます

私は会社員として雇用保険に入って働いたことがなく、失業保険も再就職手当も受けたことがありません。なので、この記事の数字と仕組みは、ハローワークのリーフレット、厚生労働省の資料、雇用保険法と施行規則から取り、自分で計算機にしています。

金額は2026年8月1日からのものです。基本手当日額と、再就職手当に使う日額の上限は毎年8月1日に変わることがあるので、2027年8月以降に読む方は、ハローワークの最新の額を確かめてください。労働局やハローワークの個別のページには、前の年度の上限額が残っているものがあります。

2. 再就職手当とは:いくらもらえるか

再就職手当は、雇用保険の就職促進給付の一つ(就業促進手当)で、失業保険(基本手当)を受けられる人が、所定給付日数を残して早く安定した仕事に就いたときに出ます。額は次の式です。

  • 支給残日数が所定給付日数の3分の2以上:基本手当日額×支給残日数×70%
  • 3分の1以上3分の2未満:基本手当日額×支給残日数×60%
  • 3分の1未満:出ない(障害のある方など就職が困難な方は、常用就職支度手当の対象になることがある)

1円未満は切り捨てです。支給残日数は、就職日の前日までの失業の認定を受けた後に残っている日数で、延長給付の日数は入りません。受給期間(原則として辞めた日の翌日から1年)の残りの方が短い場合は、その日数までになります。

再就職手当に使う日額の上限

基本手当日額そのものの上限(年齢により7,450〜9,110円)とは別に、再就職手当の計算に使う日額には上限があります。

辞めたときの年齢 再就職手当に使う日額の上限 この上限にかかる人の目安
60歳未満 6,745円 賃金日額13,490円(月給約40.5万円)を超える人
60〜64歳 5,454円 賃金日額12,120円(月給約36.4万円)を超える人

(2026年8月1日から2027年7月31日までの額。基本手当の給付率が50%(60〜64歳は45%)になる賃金日額の境目に、その率をかけた額です)

再就職手当は非課税です。雇用保険法12条は、失業等給付として受けたお金に税金をかけないと定めていて、再就職手当(就業促進手当)は失業等給付の一つです。年末調整や確定申告で所得に入れる必要はありません。

3. もらえる条件8つと、もらえない例

ハローワークのリーフレット(2026年8月版)は、次の8つを全部満たすことを条件にしています。

条件 もらえない例
① 受給手続きの後、7日間の待期が終わってから就職した(事業を始めた) 手続きから7日以内に働き始めた。待期中に働いた日は待期に数えない
② 就職日の前日までの失業の認定を受けて、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある 所定90日で、残り29日で就職した
③ 前の会社に再び就職したのではなく、前の会社と資本・資金・人事・取引で密接な関係のない会社に就職した 前の会社の子会社など、前の会社と密接な関係のある会社に入った
④ 給付制限がある人は、待期が終わってから1か月の間は、ハローワークか職業紹介事業者の紹介で就職した 自己都合で辞め、手続きから3週間後に、求人サイトで自分で応募した会社に入った
⑤ 1年を超えて勤めることが確実 1年以下の契約で、更新に目標の達成が条件になっている。更新の見込みのない派遣
⑥ 原則として、雇用保険の被保険者になる 週の所定労働時間が短く、雇用保険に入らない働き方
⑦ 過去3年以内の就職で、再就職手当か常用就職支度手当を受けていない(事業開始の分も含む) 2年前の転職でも再就職手当を受けた
⑧ 受給資格の決定(求職の申込み)の前から、採用が内定していた会社ではない 辞める前に次の会社の内定をもらっていた

④の「給付制限」は、自己都合で辞めた人などに、待期の後で基本手当が出ない期間です。2025年4月から原則1か月になりました(5年以内に3回目以降の自己都合などは3か月)。給付制限の間に就職しても、再就職手当は受けられます(厚生労働省の雇用保険部会の資料にも明記されています)。ただし、待期が終わってから1か月の間に限っては、ハローワークか職業紹介事業者の紹介による就職でないと対象外です。教育訓練を受けたことなどで給付制限が外れた人も、この1か月の条件はかかります。

職業紹介事業者は、厚生労働大臣の許可や届出を受けて職業紹介をする事業者で、転職エージェントの多くはこれに当たります。求人サイトに載っている求人に自分で応募するのは「紹介」ではありません。自分が使ったサービスが職業紹介に当たるかは、そのサービスか、ハローワークで確かめてください。

事業を始めた場合も対象になりますが、その事業で自立できるとハローワークの所長が認めたものに限られ、登記事項証明書など、事業を始めたことを証明する書類が要ります。給付制限がある人が事業を始める場合は、待期が終わってから1か月を過ぎた後に始めたものでないと対象になりません(会社への就職のような紹介による例外はありません)。

このほか、ハローワーク札幌のページは、申請書を出した後にハローワークが調べる時点で、再就職先を辞めていないことも挙げています。

公共職業訓練を受講指示で受け、所定給付日数を使い切って訓練延長給付に入った後に就職した場合は、延長分の残り日数が再就職手当の残り日数として数えられないので、対象外です(ハローワークの再就職手当のリーフレット)。訓練中の失業保険と再就職手当の関係は、職業訓練の記事にまとめています。

4. 計算方法と、月給ごとの早見表

再就職手当は、次の順番で出します。

  1. 基本手当日額を出す:辞める前6か月の額面の月給(賞与を除く)×6÷180=賃金日額。賃金日額×給付率(およそ50〜80%)=基本手当日額。受給資格者証に書いてある額があれば、それを使います
  2. 支給残日数を出す:所定給付日数-就職日の前日までに基本手当の支給の対象になった日数。給付制限中や待期中は日数が減りません。受給資格者証などで実際の残日数が分かれば、それを使います
  3. 率を決める:支給残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%
  4. かける:基本手当日額(上限6,745円、60〜64歳5,454円)×支給残日数×率

40歳(30〜44歳の基本手当日額)で、月給だけを変えた早見表です。

月給(額面) 基本手当日額 自己都合90日・残90日(70%) 自己都合90日・残30日(60%) 会社都合240日・残240日(70%) 会社都合240日・残80日(60%)
20万円 5,036円 31.7万円 9.1万円 84.6万円 24.2万円
25万円 5,775円 36.4万円 10.4万円 97.0万円 27.7万円
30万円 6,307円 39.7万円 11.4万円 106.0万円 30.3万円
35万円 6,629円 41.8万円 11.9万円 111.4万円 31.8万円
40万円 6,744円 42.5万円 12.1万円 113.3万円 32.4万円
45万円 7,500円(再就職手当には6,745円) 42.5万円 12.1万円 113.3万円 32.4万円
50万円 8,270円(再就職手当には6,745円) 42.5万円 12.1万円 113.3万円 32.4万円

(40歳、辞める前6か月の月給が毎月同じとしたモデル値。会社都合の240日は、40歳で雇用保険に10年以上20年未満入っていた場合。月給45万円以上は、基本手当日額は高くなっても、再就職手当に使う日額は6,745円で頭打ちになります)

3分の2の境目で、率が70%から60%に変わります。40歳・月給30万円の会社都合240日では、160日残して就職すると6,307円×160日×70%=約70.6万円ですが、159日だと6,307円×159日×60%=約60.2万円で、1日の差で約10.5万円変わります。自己都合90日の場合は、60日残せば70%、59日なら60%です。

自己都合で辞めた人は、所定給付日数が90〜150日と短いうえに、待期の後の給付制限の間は日数が減らないので、給付制限の間に就職すれば、所定給付日数を全部残したまま70%を受けられます。ただし④の紹介の条件に注意してください。

5. 手取り20万・25万・30万円なら、いくらか

基本手当日額は手取りではなく額面の月給から出すので、手取りから額面に直す必要があります。協会けんぽ(東京)・40〜44歳(介護保険あり)・扶養なし・賞与なし・前の年も同じ月給だったとしたモデル値です。

手取り(月) 額面の目安(40〜44歳) 基本手当日額 自己都合90日・給付制限中に就職(残90日・70%) 自己都合90日・支給開始から30日分受けて就職(残60日・70%) 会社都合240日・待期明けすぐ就職(残240日・70%)
18万円 約22.7万円 5,461円 34.4万円 22.9万円 91.7万円
20万円 約25.6万円 5,850円 36.9万円 24.6万円 98.3万円
22万円 約28.1万円 6,129円 38.6万円 25.7万円 103.0万円
25万円 約32.1万円 6,468円 40.7万円 27.2万円 108.7万円
28万円 約36.1万円 6,673円 42.0万円 28.0万円 112.1万円
30万円 約38.7万円 6,735円 42.4万円 28.3万円 113.1万円

(額面は、健康保険9.85%+介護保険1.62%、子ども・子育て支援金0.23%、厚生年金18.3%、雇用保険0.5%の本人負担、2026年分の源泉所得税、住民税(所得割10%+5,000円)を引いて手取りが届く額を探した目安です。会社の手当の内訳、住んでいる地域、扶養する家族で変わります)

6. いつ振り込まれるか:申請の期限と流れ

  1. 就職日の前日:ハローワークに行き、就職日の前日までの失業の認定を受けます(前日が土日祝なら、その前の平日。ハローワーク府中の案内)
  2. 採用証明書を出す:受給資格者のしおりに付いている採用証明書に、新しい勤め先の証明をもらいます
  3. 申請書を出す:再就職手当支給申請書に勤め先の証明をもらい、受給資格者証と一緒に、就職日の翌日から1か月以内に出します。郵送や代理人でも出せます
  4. ハローワークが調べて決める:支給するかどうかを調べて決めます
  5. 振込:支給を決めた日の翌日から7日以内に支給します(雇用保険法施行規則83条)

申請から振込までの日数は、全国共通の目安が公表されていません。ハローワーク札幌のページは「おおむね1か月」の調査期間があり、申請から入金まで「1カ月半~2カ月程度」と案内しています(同じページの上限額は古いままなので、日数も目安として読んでください)。

1か月の申請期限を過ぎても、2年の時効の範囲内なら申請できると、厚生労働省が案内しています(雇用保険法74条)。

7. 就業促進定着手当:再就職後の給料が下がったら

再就職手当を受けた人が、同じ会社に6か月以上、雇用保険に入って勤め、その6か月の賃金の1日分が、辞める前の賃金日額より下がった場合は、就業促進定着手当が出ます。

  • 額:(辞める前の賃金日額-再就職後6か月の賃金の1日分)×再就職後6か月の賃金の支払いの基礎になった日数(月給制なら暦の日数)
  • 1日分:月給制なら、6か月の賃金の合計÷180。日給・時給は、合計÷180と、合計÷支払いの基礎になった日数×70%の高い方
  • 上限:基本手当日額(上限は再就職手当と同じ6,745円・5,454円)×支給残日数×20%。2025年3月31日以前に再就職した人は、再就職手当が70%なら30%、60%なら40%でした
  • 申請:再就職した日から6か月たった日の翌日から2か月の間に、出勤簿と給与明細の写しなどを付けて出します
  • 出ない場合:辞める前の賃金日額が下限額(3,203円)の人、事業を始めて再就職手当を受けた人、6か月より前に辞めた人(グループ内の出向で被保険者でなくなった場合も含む)

40歳・月給30万円(賃金日額1万円)で、45日目に就職して83日残し、再就職後の月給が27万円(1日分9,000円)なら、(10,000円-9,000円)×183日=18.3万円ですが、上限が6,307円×83日×20%=約10.5万円なので、約10.5万円で頭打ちです。6か月の暦の日数は181〜184日なので、ここでは183日とした概算です。就職日が賃金締切日の翌日でないときは、就職後最初の締切日の後の6か月の賃金で計算します。

2025年4月の改正で、就業手当(安定した職業以外に就いたときの手当)は廃止され、就業促進定着手当の上限は20%に下がりました。2025年度(速報値)の就業促進定着手当の支給額は149.6億円で、前の年度より12.1%減っています。

8. 再就職手当と満額、どちらが得か

手当だけを比べると、満額の方が多くなります。再就職手当は支給残日数の70%か60%で、満額は残り全部だからです。ただし、早く就職すれば、その間の給料が入ります。

40歳・月給30万円・自己都合(90日、日額6,307円)で、手続きから45日目に、月給27万円の会社に就職した場合の計算です(計算機の初めの例)。

  • 満額:6,307円×90日=約56.8万円(給付制限の後、127日目まで受けた場合)
  • 45日目に就職:基本手当7日分約4.4万円+再就職手当約36.6万円=約41.1万円。満額との差は約15.7万円で、再就職後の月給の約17.4日分
  • 127日目までの給料(額面)約74.7万円を足すと約115.8万円で、満額より約59.0万円多い
  • 同じ会社に6か月以上勤めて給料が下がったままなら、就職から6か月たった後に就業促進定着手当(約10.5万円)が加わり、手当だけの差は約5.2万円に縮む

会社都合(240日)なら、15日目に就職して手当は約107.3万円、満額は約151.4万円で、差は約44.1万円です。それでも、満額を受け終わる247日目まで月給30万円で働ければ、給料は約233.0万円です。

つまり、同じくらいの給料ですぐ決まるなら、早く就職した方が受け取るお金は多い計算です。逆に、決まるまでに時間がかかる人、給料が大きく下がる人は、この差が縮むか、逆転します。これは額面の給料と給付を単純に足した比較で、給料から引かれる税金・社会保険料や、失業中の国民健康保険・国民年金の保険料は入れていません。また、満額は、求職活動をして全部の日数で失業の認定を受けた場合の最大です。

厚生労働省の雇用保険部会の資料(2026年9月)は、2025年度の平均の給付日数を見て、特定受給資格者・特定理由離職者は「平均して所定給付日数の5~8割が受給されている」、それ以外の人は「平均して所定給付日数のうち7~9割を受給している」と書いています。

9. 再就職手当をもらった後に辞めたら

再就職手当を受けた後に再就職先を辞めて失業した場合、受給期間(原則として前の会社を辞めた日の翌日から1年)のうちなら、残りの基本手当を受けられる可能性があります。雇用保険法56条の3第4項で、再就職手当を受けた分は、その額を基本手当日額で割った日数分の基本手当を受けたものとみなすからです。

厚生労働省の業務取扱要領では、みなす日数は「支給残日数×70%(または60%)」の小数点以下を切り捨てた日数です。たとえば90日残して70%で受けた人は、63日分を受けたとみなされ、受給期間のうちに失業すれば、残りの27日分を受けられる計算です。受給期間が過ぎていれば受けられません。辞めたら、まずハローワークに相談してください。

ただし、再就職先で12か月以上(解雇・倒産などで辞めた場合は6か月以上)働いた後に辞めた場合は、新しい受給資格が生まれ、その受給資格で基本手当を受けることになります(就業促進定着手当のリーフレット)。

10. 60歳以上:高年齢再就職給付金とどちらを選ぶか

60〜64歳で再就職した人は、再就職手当の代わりに、高年齢再就職給付金を受けられることがあります。同じ就職で両方は受けられず、どちらかを受けると、もう一方は受けられません。

  • 条件:雇用保険の加入期間(算定基礎期間)が5年以上、基本手当を受けたことがある、就職日の前日の支給残日数が100日以上、再就職後の賃金が、基本手当の基準になった賃金日額×30の75%未満、雇用保険に入る
  • 額:再就職後の各月の賃金の最大10%(2025年4月1日以降に受給の要件を満たした人。2025年3月31日以前に満たした人は15%)。賃金が64%を超えると率は下がり、厚生労働省の支給率早見表では64.5%で9.47%、70%で4.16%、74%で0.79%、75%以上で0%
  • 期間:支給残日数が200日以上なら2年、100日以上なら1年。どちらも65歳になる月まで。各月の初日から末日まで被保険者であることが必要で、1日以外に就職した月は対象になりません
  • 限度:賃金が397,369円以上の月は出ず、計算した額が2,562円以下なら出ない(2027年7月31日までの額)
  • 年金との調整:特別支給の老齢厚生年金を受けている人は、高年齢雇用継続給付を受けると、年金が標準報酬月額の最大4%止まる(2025年4月以降の区分)

62歳・会社都合(240日)・月給50万円で辞め、20日目に月給32万円で再就職した場合、再就職手当は5,454円×228日×70%=約87.0万円、就業促進定着手当の上限が約24.9万円です。高年齢再就職給付金は、月給32万円が賃金月額49万9,980円の64.0%で、支給率は10%(早見表の値に丸めた場合)、1か月3.2万円、24か月あったとして約76.8万円です。この例では再就職手当の方が多くなります。どちらが多いかは、支給残日数と賃金の下がり方で変わるので、計算機で比べてください。

11. どれくらいの人が受けているか(統計)

厚生労働省「雇用保険制度の主要指標」(2026年9月4日、雇用保険部会)の数字です。

年度 再就職手当 受給者数 再就職手当 支給額 就業促進定着手当 受給者数 就業促進定着手当 支給額
2023年度 390,352人 1,602億円 94,817人 160.8億円
2024年度 387,366人 1,661億円 97,875人 170.2億円
2025年度(速報値) 382,677人 1,726億円 94,736人 149.6億円

(支給額は千円単位の公表値を億円に丸めた。就業促進定着手当は2025年4月から上限を40%から20%に引き下げ)

支給額を受給者数で割ると、2025年度の再就職手当は1人あたり約45.1万円、就業促進定着手当は約15.8万円です(私の計算で、公式の平均ではありません)。同じ年度に基本手当の受給資格の決定を受けたのは137万4,582件で、再就職手当の受給者数はその約28%にあたりますが、別々に数えた集団どうしの比なので、「受給資格者の何割が再就職手当を受けたか」とは同じではありません。

12. 私の考え

再就職手当を取りに行くか、満額を受けるかは、その人の立ち位置に依存している、と私は考えています。再就職が簡単ならすぐに抜けたほうが良いが、再就職が難しい状況なら可能な限り多くもらう戦略を組まないといけない。

これは失業保険の計算の記事に書いたのと同じ考えです。8章のとおり、同じくらいの給料ですぐ決まる人には、再就職手当と給料を合わせた方が多くなる計算で、決まるまでに時間がかかる人には、満額の方が残ります。どちらに当たるかは、年齢と職種、これまでの経験で変わります。年代別の転職のしやすさは、45歳の転職の記事に統計でまとめました。

なお、制度の前提として、基本手当は、働く意思と能力があり、求職活動をしている失業の状態に払われるものです。

13. 計算機:再就職手当はいくら、もらえるか、満額とどちらが得か

年齢・辞め方・雇用保険に入っていた期間・月給(額面)と、就職する日を入れると、支給残日数と再就職手当の額、8つの条件の判定、振込までの流れ、就業促進定着手当、満額との比較と就職日ごとの表、再就職手当を受けた後に辞めた場合の残りを出します。60〜64歳なら、高年齢再就職給付金とも比べます。受給資格者証の基本手当日額が分かれば、それを入れると、そちらで計算します。

再就職手当はいくら・もらえるか:支給残日数・就業促進定着手当・満額との比較・60歳以上の給付金

入れた数字は、このページの中で計算に使うだけで、どこにも送られません。初めから入っている数字は入力の例です。自分の数字に置き換えてください。

初めから入っている例(40歳・自己都合・加入8年・月給30万円・手続きまで14日・45日目に月給27万円で就職)では、支給残日数83日・70%で再就職手当は約36.6万円、就業促進定着手当は上限の約10.5万円、満額(約56.8万円)との差は約15.7万円(6か月勤めて就業促進定着手当を受ければ約5.2万円)です。

14. よくある質問

再就職手当はいくらもらえますか?月給30万円なら?

基本手当日額×支給残日数×70%(残り3分の2以上)または60%(3分の1以上)です。40歳・月給30万円(日額6,307円)なら、自己都合90日を全部残して約39.7万円、会社都合240日を全部残して約106.0万円です。日額の上限は60歳未満6,745円、60〜64歳5,454円です(2027年7月31日まで)。

自己都合で辞めても、再就職手当はもらえますか?

もらえます。給付制限の間に就職しても対象です。ただし、待期が終わってから1か月の間に就職する場合は、ハローワークか職業紹介事業者の紹介によるものに限られます。

求人サイトで見つけた会社に就職したら、もらえませんか?

給付制限がある人が、待期が終わってから1か月の間に就職する場合は、対象外です(ハローワークか職業紹介事業者の紹介に限られるため)。その1か月を過ぎてからの就職や、給付制限のない会社都合などの人は、見つけ方は問われません。

再就職手当がもらえないのはどんな場合ですか?

支給残日数が3分の1未満、待期中の就職、1年を超えて勤めることが確実でない、前の会社か関連会社への就職、求職の申込みより前の内定、過去3年以内に受けた、雇用保険に入らない、給付制限中の1か月に紹介以外で就職した場合などです。

パート・アルバイト・派遣・試用期間でも、もらえますか?

雇用形態の名前ではなく、条件で決まります。雇用保険の被保険者になり、1年を超えて勤めることが確実なら対象になり得ます。1年以下の契約で更新に目標の達成が条件になっている場合や、期間の決まった派遣で更新が見込まれない場合は、条件に当たらないとリーフレットに書かれています。試用期間について明記した公式資料は見つけていないので、ハローワークで確かめてください。再就職が決まるまでの間に、受給しながらアルバイトをする場合の減額・先送りと、就職扱いになる線は、失業保険中のアルバイトの記事で計算できます。就職先で雇用保険に入るか(週20時間以上・31日以上の見込み)は、雇用保険の加入条件の記事で確かめられます。

起業・フリーランスでも、もらえますか?

事業を始めた場合も対象ですが、その事業で自立できるとハローワークの所長が認めたものに限られ、登記事項証明書などの証明が要ります。給付制限がある人は、待期が終わってから1か月を過ぎた後に始めた事業でないと対象外です。事業を始めて再就職手当を受けた場合、就業促進定着手当は出ません。

いつ振り込まれますか?

申請は就職日の翌日から1か月以内で、支給の決定から7日以内に振り込まれます。決定までの全国共通の目安は公表されておらず、ハローワーク札幌は申請から入金まで1か月半〜2か月程度と案内しています。

申請の期限を過ぎたら、もらえませんか?

2年の時効の範囲内なら、申請期間を過ぎていても申請できると厚生労働省が案内しています。

再就職手当は損ですか?満額もらった方がいいですか?

手当だけなら満額の方が多くなりますが、その間に働けば給料が入ります。40歳・月給30万円・自己都合で45日目に月給27万円で就職した例では、手当の差は約15.7万円(6か月勤めて就業促進定着手当を受ければ約5.2万円)、満額を受け終わる日までの給料まで足すと、早く就職した方が約59.0万円多い計算です。すぐに同じくらいの条件で決まるかどうかで変わります。

再就職手当に税金はかかりますか?

かかりません。雇用保険法12条により、失業等給付に税金はかからず、再就職手当はその一つです。

再就職手当をもらった後、すぐ辞めたらどうなりますか?

受給期間のうちなら、支給残日数から再就職手当の分(支給残日数×70%か60%の日数)を引いた残りの基本手当を受けられる可能性があります。ハローワークに相談してください。

15. まとめ

  • 再就職手当=基本手当日額(上限6,745円、60〜64歳5,454円)×支給残日数×70%(残り3分の2以上)か60%(3分の1以上)。非課税
  • 条件は8つ。自己都合などで給付制限がある人は、待期が終わって1か月の間は、ハローワークか職業紹介事業者の紹介による就職に限る
  • 40歳・月給30万円なら、自己都合90日を全部残して約39.7万円、会社都合240日を全部残して約106.0万円(モデル値)。3分の2の境目で1日の差が約10万円になることがある
  • 申請は就職日の翌日から1か月以内。決定から7日以内に振込
  • 給料が下がったら就業促進定着手当。上限は支給残日数の20%に下がった(2025年4月から)
  • 手当だけなら満額が多いが、同じくらいの給料ですぐ決まるなら、早く働く方が受け取るお金は多い
  • 60〜64歳は高年齢再就職給付金とどちらか一方
  • 私は、再就職手当を取りに行くか満額を受けるかは、その人の立ち位置に依存していると考えている

16. 出典

17. あわせて読む

 

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