45歳の転職は厳しい?年収は下がるか、何割が転職しているか、失敗した場合を統計で確かめた(計算機つき)

45歳の転職は難しい?年収は下がる?結論はできない決まりはない、マーケットバリュー次第 生き方・キャリア

「45歳 転職」「40代 転職 難しい」「転職 年収 下がる」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。

45歳から転職できないという決まりはありません。募集・採用で年齢を制限することは、法律で原則として禁止されています(労働施策総合推進法9条)。ただし例外があり、経験を問わず新卒と同じように長く育てる正社員の募集では、上限年齢を設けることが認められていて、厚生労働省は事業主向けの資料で、その上限を「おおむね45歳未満を目安」としています(法律に書かれた一律の上限ではありません)。令和7年の雇用動向調査で、1年間に転職して入職した人の割合(転職入職率)は、男性で40〜44歳7.3%、45〜49歳6.0%、50〜54歳4.7%でした。令和7年に転職した45〜49歳のうち、前の職場より賃金が増えた人は41.1%、変わらない人は28.0%、減った人は30.1%で、増えた人のほうが減った人より多くなっています。50〜54歳では、増えた29.4%、減った42.0%と逆になりました(前年は55〜59歳から逆でした)。私の考えは「マーケットバリュー次第」です。転職すると65歳までの年収の期待値が上がるか、うまくいかなかったときに生活が持つかを出す計算機を9章に置きました。

この記事は、会社員が別の会社に移る転職の話です。独立・起業や副業は扱っていません。早期退職に応募したあとの再就職は早期退職のその後の記事に書きました。

知りたいこと 答え 章
45歳で年齢制限されるのは違法か 原則違法。ただし例外があり、経験不問の長期育成の正社員募集では、厚生労働省の資料が「おおむね45歳未満を目安」に上限を認めている 2章
45歳で転職している人はどれくらいか 転職入職率は男性45〜49歳で6.0%、女性で10.0%(令和7年)。転職できる確率の統計はない 3章
年収は下がるか 令和7年は、45〜49歳が増えた41.1%・変わらない28.0%・減った30.1%。50〜54歳は増えた29.4%・減った42.0% 4章
何で給料が決まるか 転職者の賃金で考慮した要素は「これまでの経験・能力・知識」が59.2%で最多 4章
失敗したらどうなるか ある時点の45〜54歳の失業者のうち、失業期間が1年以上の人は約3割。失業給付は45〜59歳の自己都合で90〜150日 5章

1. 先に、立場を書きます

私は会社に勤めたことがなく、転職したこともありません。周りで40代以降に転職した人を見聞きしたこともありません。ですから、転職の法律と数字は、厚生労働省と総務省統計局の資料で書きます。

この記事のために、私は次のように答えました。

問い 私の答え
40〜50代の会社員が転職で会社の外に出ることを、どう見るか マーケットバリュー次第
マーケットバリューは何で測れるか(選んだもの) 外からの提示年収・スカウト/会社の外から仕事の依頼が来るか/実績を外に示せるか/どの会社でも使える技能か
計算機に何を出させたいか 期待値が上がるか?次でダメでもリカバリーできるか一撃あの世行きなのか
「一撃あの世行き」とはどうなった状態か(選んだもの) 次が決まらず無職が長引く/ローンや教育費が払えなくなる/戻れる場所がなくなる
周りで40代以降に転職した人を見聞きしたことは ない

2. 「45歳の壁」は法律にあるか

2-1. 年齢制限は原則として禁止

労働施策総合推進法9条は、会社に、労働者の募集・採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えることを求めています。2007年10月から義務になりました。厚生労働省の事業主向けの資料は、年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決めたりすることも法の規定に反すると書いています。求人に「年齢不問」と書くだけでは足りない、ということです。

2-2. 例外のひとつが「おおむね45歳未満」

例外は省令(施行規則1条の3)で決まっています。

例外 中身
1号 定年年齢を上限に、期間の定めのない労働契約で募集する
2号 労働基準法など、法令で年齢制限がある
3号イ 長期勤続によるキャリア形成のために、若年者等を期間の定めのない労働契約で募集する
3号ロ 技能・ノウハウの継承のために、特定の職種で人数が少ない年齢層に限る
3号ハ 芸術・芸能で表現の真実性などが必要
3号ニ 60歳以上や、国の施策の対象になる特定の年齢層に限る

出典:厚生労働省「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」

3号イの「若年者等」は、基本的には35歳未満を想定していますが、35歳未満に限られるものではありません。ただし、定年を定めている場合、勤続できる期間が極端に短くなるような上限年齢は認められず、資料は「おおむね45歳未満を目安」としています。3号イを使えるのは、職業経験を問わないこと、新卒者以外も新卒者と同等の処遇にすることが条件です。厚生労働省のQ&Aは、経験不問で新卒と同等の条件なら「40歳未満を募集」も認められる場合があり得る、としています。

「おおむね45歳未満」は行政の資料が示す目安で、法律に書かれた一律の上限ではありません。年齢制限が認められる場合は、ほかに定年年齢を上限とする募集(1号)や技能継承のための募集(3号ロ)などもあります。そのうえで、経験を問わない長期育成の正社員募集では、45歳前後から年齢で応募の対象外にされることがある、ということです。経験者を採る募集で、例外に当たらないのに年齢制限をすることはできません。ただ、法律どおりに運用されているか、選考で年齢がどれだけ影響しているかは、公的な統計では分かりません。

3. 45歳で転職している人はどれくらいいるか

年齢 男性 女性 男性(一般労働者) 女性(一般労働者)
35〜39歳 7.8% 9.3% 7.3% 7.4%
40〜44歳 7.3% 10.5% 6.7% 9.8%
45〜49歳 6.0% 10.0% 5.7% 7.1%
50〜54歳 4.7% 7.9% 4.1% 6.5%
55〜59歳 5.8% 7.6% 4.7% 5.1%

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」図4-1〜図4-3(転職入職率=2025年1年間の転職入職者数÷6月末日現在の常用労働者数。一般労働者はパートタイム労働者を除く人)

男性の転職入職率は、40〜44歳の7.3%から、45〜49歳6.0%、50〜54歳4.7%と下がっていきます。女性の率が高いのは、パートタイム労働者の転職入職率が高いことも含んだ数字だからで(女性45〜49歳のパートタイム労働者は14.8%)、一般労働者に限ると45〜49歳は男性5.7%、女性7.1%です。男女の差を、同じ条件での転職のしやすさの差と読むことはできません。総務省の労働力調査(2025年平均)でも、就業者に占める転職者の割合は、男性で35〜44歳3.5%、45〜54歳2.5%でした(調査の仕組みが違うので、雇用動向調査とは数字が合いません)。男性45〜54歳の転職者の割合は、2015年の2.1%から上がっています。

ただし、これは「その年齢層で1年間に転職した人の割合」で、「転職しようとした人のうち何割が決まったか」ではありません。転職を希望している人は1,023万人、1年間の転職者は330万人ですが(2025年平均、全年齢)、希望者が全員活動しているわけではないので、割り算しても成功率にはなりません。「45歳で転職できる確率」を示す公的な統計は見つけられませんでした。

4. 年収は下がるか

4-1. 45〜49歳は増えた人が多く、50〜54歳で逆になる

年齢 増えた うち1割以上 変わらない 減った うち1割以上 増えた−減った
35〜39歳 43.5% 32.8% 28.1% 23.9% 16.1% +19.6
40〜44歳 44.9% 29.9% 24.6% 27.4% 17.6% +17.5
45〜49歳 41.1% 30.0% 28.0% 30.1% 16.1% +11.0
50〜54歳 29.4% 18.4% 26.7% 42.0% 28.3% −12.6
55〜59歳 25.5% 16.8% 33.0% 38.9% 30.6% −13.4
60〜64歳 21.1% 11.0% 24.2% 54.3% 47.6% −33.2

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」表6(転職入職者のうち前職が雇用者で調査時に在籍している人。前職の賃金と比べた変化)

令和7年は、45〜49歳までは賃金が増えた人のほうが多く、50〜54歳で減った人のほうが多くなりました。ただ、この境目は年によって動きます。前年の令和6年は、45〜49歳が+22.6ポイント、50〜54歳が+10.8ポイントで、減った人のほうが多くなるのは55〜59歳(−9.2ポイント)からでした。「45歳を過ぎると年収が下がる」とまでは、この統計からはいえません。逆に、50歳になった人の転職の条件が必ず悪くなる、という意味でもありません。年齢層ごとに別の人たちを集計した数字です。

なお、この数字には、正社員から正社員への転職も、パートへの転職も含まれます。前の職場と比べた賃金の増減で、賞与を含む年収や65歳までの収入を比べたものでも、同じ人が転職しなかった場合と比べたものでもありません。会社の規模や業種で賞与がどれだけ違うかはボーナスの平均の記事にまとめました。

4-2. 転職者の給料は何で決まるか

令和7年の転職者実態調査(2026年9月公表)で、転職者がいる事業所に、転職者の賃金を決めるときに考慮した要素を聞いた結果です。

考慮した要素(複数回答) 事業所全体 1,000人以上の事業所
これまでの経験・能力・知識 59.2% 85.2%
年齢 35.3% 54.0%
賃金の世間相場 34.2% 25.7%
免許・資格 30.6% 33.2%
前職の賃金 27.0% 48.1%
学歴 12.0% 45.1%

出典:厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」表5

最も重視した要素も「これまでの経験・能力・知識」が38.4%で最多でした。転職者を採用した理由(3つまで)は、専門的・技術的な仕事で「経験を活かし即戦力になるから」64.1%、「専門知識・能力があるから」51.2%、管理的な仕事で60.7%、50.2%です。専門的・技術的な仕事の1,000人以上の事業所では、どちらも8割を超えていました(86.2%、86.1%)。

一方で、1,000人以上の事業所の54.0%は、賃金を決めるときに年齢も考慮しています。年齢が給料にまったく関係しないわけではありません。どれも、採用した転職者の賃金や採用理由を事業所に聞いたもので、応募した人が採用される確率や、個人の市場価値を測ったものではありません。今の会社に残った場合の昇給の平均(2025年は月13,601円・4.4%)は、昇給の平均の記事に書きました。

今の年収が40代の中でどのあたりかは、40代の年収の平均の記事の計算機で出せます。

5. うまくいかなかったらどうなるか

5-1. 無職の期間

労働力調査(2025年平均)で、45〜54歳で過去1年間に仕事を変え、その1年の間に今の仕事に就いた人は53万人でした。そのうち、前の仕事を辞めてから今の仕事に就くまでの期間が1か月以下の人は37万人(約7割)、2〜3か月が10万人、4〜5か月が4万人、6か月〜1年が3万人です。

ただし、これは仕事が決まった人だけの数字です。また、辞めてから次に就くまでの期間で、在職中に転職活動をした期間は入っていません。「40代でも7割は1か月で次が決まる」という意味ではありません。同じ調査で、45〜54歳の失業者は35万人で、失業期間が分かる34万人のうち、1年以上の人が11万人(約3割)いました。男性の45〜54歳では、失業者19万人のうち8万人が1年以上です(万人単位で丸めた数字なので、割合は目安です)。

45〜54歳の失業者の失業期間 人数
1か月未満 6万人
1〜3か月未満 8万人
3〜6か月未満 5万人
6か月〜1年未満 4万人
1〜2年未満 4万人
2年以上 7万人

出典:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年平均」第II-3表・第III-3表(男女計)

失業者の数字は、ある時点で失業している人の内訳です。失業が長引く人ほどこの内訳に残りやすいので、失業した人の3割が1年以上かかる、という意味ではありません。計算機の「次の仕事が決まるまでの月数」は、統計からの予測ではなく、自分で置く仮定です。

5-2. 失業給付

45〜59歳で辞めた場合、雇用保険の基本手当(失業給付)の日数は次のとおりです。

雇用保険に入っていた期間 自己都合など 会社都合(特定受給資格者)
1年未満 ―(原則として受けられない) 90日
1年以上5年未満 90日 180日
5年以上10年未満 90日 240日
10年以上20年未満 120日 270日
20年以上 150日 330日

出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」(障害者などの就職困難者は別の日数)

正当な理由のない自己都合で辞めた場合は、7日の待期のあと、2025年4月から原則1か月の給付制限があります。辞めた日からさかのぼって5年間に、正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格の決定を受けている場合は3か月です。2025年4月からは、リ・スキリングのための教育訓練などを受けた(受けている)場合に給付制限が解除される仕組みもできました。対象になるかはハローワークで確かめてください。基本手当日額の上限は、45〜59歳で9,110円です(2026年8月1日から)。会社を移っても、間が1年以内で、基本手当や再就職手当などを受けていなければ、雇用保険の期間は通算されます。また、基本手当は、就職しようとする意思といつでも就職できる能力があり、ハローワークで求職の申込みをした人が受けるものです。4週間に1回の失業の認定を受けた日の分が支払われるので(雇用保険法15条)、辞めてすぐまとめて受け取るものではありません。会社から退職を勧められて辞める場合の日数(年代別)と再就職手当は退職勧奨の記事にまとめました。自分で辞めた場合に、貯蓄と失業給付で何か月お金がもつかは、40代で仕事を辞めたいときの記事の計算機で出せます。失業給付の日額・日数・振込日だけを確かめるなら、失業保険の計算の記事です。

5-3. 退職金

退職金は、会社の規程によって、自己都合で辞めると減ることがあります。就労条件総合調査(令和5年)で、勤続20年以上かつ45歳以上で辞めた人(大学・大学院卒の管理・事務・技術職)の退職給付額の平均は、定年1,896万円、会社都合1,738万円、自己都合1,441万円、早期優遇2,266万円でした。退職給付額には、退職年金の現価額も含まれます。勤続年数や年齢が違う別の人たちの平均なので、同じ人が自己都合で辞めると455万円減る、という意味ではありません。自分の会社の退職金規程で、今辞めた場合と定年まで残った場合を計算してください。退職金の平均(会社の規模・勤続年数別)と手取りは退職金の平均の記事にまとめました。

5-4. 戻れる場所

転職したあと元の会社や業界に戻れる人の割合を示す公的な統計は、見つけられませんでした。参考までに、令和7年の転職者実態調査で、45〜49歳の転職者に今後の転職希望を聞くと、「今の職場で今後も働きたい」57.1%、「機会があれば転職したい」17.8%、「わからない」23.9%でした。

6. 私の考え:マーケットバリュー次第

私の考えは「マーケットバリュー次第」です。マーケットバリューは、外からの提示年収・スカウト、会社の外から仕事の依頼が来るか、実績を外に示せるか、どの会社でも使える技能か、で測れると考えています。

4章の転職者実態調査でも、転職者の賃金を決めるときに最も考慮されていたのは「これまでの経験・能力・知識」で、専門的・技術的な仕事の採用理由は「経験を活かし即戦力になるから」が最多でした。ただ、これは会社側が何を見たかの統計で、個人のマーケットバリューを測ったものではありません。スカウトや提示額も、内定や確定した条件とは限らないので、最後は書面の労働条件で比べることになります。

そして、転職するかは「期待値が上がるか?次でダメでもリカバリーできるか一撃あの世行きなのか」で考えます。私にとっての「一撃あの世行き」は、次が決まらず無職が長引くこと、ローンや教育費が払えなくなること、戻れる場所がなくなることです。次の章の計算機は、このうち数字にできる前の2つを出します。

転職のほかに、住む場所やライフプラン、仕事のコンセプトまで作り替えた私の経験は、ミッドライフクライシスの記事に書きました。

7. 研究職・技術職の人へ

研究職や技術職の40代の転職を年齢別に示した公的な統計は見つけられませんでした。4章のとおり、専門的・技術的な仕事で転職者を採った事業所の理由は「即戦力」「専門知識・能力」が中心です。今の会社でしか通じない知識か、ほかの会社でも使える技能かは、統計ではなく、自分の実績と外からの提示条件で確かめることになります。研究職の年収の水準は研究職の年収の記事に書きました。

8. 残った場合の年収も計算に入れる

転職と比べる「今の会社に残る」側も、ずっと同じ年収とは限りません。50代で役職定年がある会社では年収が下がり(役職定年の記事)、60歳の定年のあと再雇用で働くと、年収は60歳直前の約8割(2019年の企業調査で平均的な人)になります(定年は何歳かの記事)。計算機には、どちらも入れられるようにしました。昇格試験に落ちて転職を考えている場合の、落ちた理由の切り分け方は、昇格試験に落ちたときの記事に書きました。

9. 計算機:転職の期待値と、失敗した場合に生活が持つか

今の年収と、転職先の提示年収、うまくいかなかった場合の条件を入れると、65歳までの年収の合計を「今の会社に残る」「転職してうまくいく」「転職してうまくいかない」の3つで出し、損益分岐になる見込みと期待値を出します。あわせて、うまくいかなかった場合に、貯蓄と失業給付で無職の期間の生活費を払えるかを出します。比べるのは「65歳までうまくいく」と「入力した条件でうまくいかない」の2つだけで、数年働いてから辞める、昇給・降給するといった、ほかの道筋は入っていません。損益分岐の見込みは、この2つを比べた境目です。生活費には、住宅ローン・教育費のほか、無職の間にかかる健康保険料・年金保険料・住民税も入れてください。

転職の期待値と、失敗した場合に生活が持つかの計算機

入力した数字は、このページの中で計算に使うだけで、どこにも送られません。年収はすべて税・社会保険料を引く前の額で、万円で入れてください。

今の会社

転職先

うまくいかなかった場合

9-1. 例で計算すると

45歳・年収800万円の人が、年収850万円(月給55万円)の会社に移る場合です。60歳以降は75%、雇用保険は20年、うまくいかなかった場合は2年後に自己都合で辞め、6か月無職で、次は年収680万円(転職先の80%)、生活費は月35万円、貯蓄500万円とします。

項目 65歳までの合計
今の会社に残る 1億5,000万円
転職してうまくいく 1億5,937.5万円(+937.5万円)
転職してうまくいかない 1億2,880.3万円(−2,119.7万円、失業給付130.3万円を含む)

この条件では、転職先で65歳まで働き続けられる見込みが69.3%を超えないと、期待値が残る場合を上回りません。年収が50万円上がるだけなら、うまくいかなかった場合の下がり方のほうが大きいからです。69.3%は、入力した2つの場合だけを比べた境目で、実際に転職がうまくいく確率の目安ではありません。一方、うまくいかなかった場合でも、6か月の生活費210万円は貯蓄500万円だけで払えるので、この条件では無職の6か月で生活は詰みません。

同じ人でも、今の会社に55歳で年収が2割下がる役職定年があれば、残る場合の合計は1億3,600万円に下がり、損益分岐の見込みは23.5%になります。ただし、転職先にも同じ役職定年があるとすれば、転職する側の合計も下がり、損益分岐は69.2%に戻ります。片方の会社にだけ不利な条件を置くと、比べた結果が大きく動きます。

10. よくある質問

45歳で転職できる確率は?

公的な統計はありません。令和7年の雇用動向調査で、1年間に転職して入職した人の割合は、男性45〜49歳で6.0%、女性で10.0%でした。これはその年齢層で転職した人の割合で、転職しようとした人のうち決まった人の割合ではありません。女性の率が高いのはパートタイム労働者の転職も含んでいるからで、同じ条件で女性のほうが決まりやすいという意味でもありません。

45歳からの転職は厳しいですか?

賃金で見ると、令和7年は45〜49歳で転職した人のうち、賃金が増えた人41.1%、減った人30.1%で、増えた人のほうが多くなっています。減った人のほうが多くなるのは50〜54歳からでした(令和6年は55〜59歳から)。ただ、経験不問の長期育成の正社員募集では、例外として上限年齢を設けることが認められていて、厚生労働省の資料はその目安を「おおむね45歳未満」としています。

45歳で未経験の仕事に転職できますか?

年齢制限は原則として禁止なので、未経験歓迎の求人に45歳で応募することはできます。ただし、経験不問で新卒と同等に処遇して長く育てる正社員の募集は、例外として上限年齢を設けることができ(労働施策総合推進法施行規則1条の3第1項3号イ)、厚生労働省の資料はその上限を「おおむね45歳未満を目安」としています。

年齢を理由に書類選考で落とすのは違法ですか?

厚生労働省の資料は、例外に当たらないのに、年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決めたりすることは法の規定に反するとしています。ただし、例外に当たる募集もあり、実際に年齢で落とされたかを外から確かめるのは難しいです。

転職して年収は下がりますか?

令和7年の雇用動向調査で、45〜49歳の転職者は、増えた41.1%(1割以上30.0%)、減った30.1%(1割以上16.1%)でした。50〜54歳は増えた29.4%、減った42.0%(1割以上28.3%)です。

転職をやめたほうがいい人は?

公的な基準はありません。9章の計算機で、うまくいかなかった場合に無職の期間の生活費を貯蓄と失業給付で払えない人や、次の仕事の年収が生活費の年額を下回る人は、私の考える「一撃あの世行き」に近い条件です。

転職先を短期間で辞めたら失業給付はどうなりますか?

間が1年以内で、基本手当や再就職手当などを受けていなければ、前の会社の雇用保険の期間と通算されます。正当な理由のない自己都合で辞めれば、45〜59歳で加入20年以上なら150日、給付制限は原則1か月です。会社都合(解雇・倒産など)で特定受給資格者になれば、加入20年以上で330日です(就職困難者は別の日数)。人事異動を断って辞める場合の給付は人事異動の拒否の記事に書きました。

11. まとめ

  • 募集・採用の年齢制限は原則禁止(労働施策総合推進法9条)。例外の「長期育成の若年者等」の上限は、厚生労働省の資料で「おおむね45歳未満を目安」(法律の一律の上限ではない)。
  • 転職入職率は男性40〜44歳7.3%、45〜49歳6.0%、50〜54歳4.7%(令和7年)。転職できる確率の公的な統計はない。
  • 45〜49歳の転職者は賃金が増えた41.1%、減った30.1%。50〜54歳で逆になる(令和7年。境目は年によって動く)。
  • 転職者の賃金で最も考慮されたのは「これまでの経験・能力・知識」。
  • 45〜54歳で仕事が決まった人の約7割は離職期間1か月以下(決まった人だけの数字)。一方、ある時点の45〜54歳の失業者の約3割は失業期間1年以上。
  • 失業給付は45〜59歳の正当な理由のない自己都合で90〜150日、給付制限は原則1か月。認定を受けた日の分があとから支払われる。
  • 私の考えは「マーケットバリュー次第」。期待値と、うまくいかなかった場合に生活が持つかを、計算機で確かめる。

12. 出典

 

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