「昇格試験 落ちた」「昇進試験に落ちた 退職」「昇格試験は時代遅れ」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。
昇格試験は、受けた人の半分近くが落ちることもある試験です。会社の昇格試験の合格率を全国で集めた公的な統計は見つけられませんでしたが、公開されている東京都の主任級職選考(令和6年度・種別A)では、受験した1,916人のうち合格は995人(51.9%)、不合格は921人(48.1%)でした。合否は試験だけで決まるとは限りません。東京都の要綱では、論文と「勤務評定」(業績評価にもとづく評定)を総合して合格者を決めています。従業員300人以上の会社の人事担当者など392人への調査でも、昇進昇格の審査で人事考課を使っているという回答が86.7%、上長推薦が81.4%で、面接(57.7%)や論文(45.7%)より多くなっています(それぞれが合否にどれだけ効くかまでは分かりません)。私の見方は、昇格試験は無意味ではない、枠が決まっている以上は落とすための試験がないと誰でも昇給してしまう、それが会社、というものです。落ちたら、試験の側か、評価や推薦の側かを、分かる範囲で切り分けます。評価・推薦の側で落ちているか、会社が理由を教えてくれないなら、損切り(転職も、社内で昇格をあきらめることも含む)は妥当だと考えています。対策は、会社の昇格のルールをAIに読ませて作らせるのが、私のすすめる方法です。上がるのが遅れた年に役職別の平均年収でどれだけ差がつくか、合格率を置いたら何回目までに受かるか(毎回同じ確率とした計算)を出す計算機を8章に置きました。
この記事は、会社の昇格試験(昇進試験・管理職試験)に落ちたあとの話です。論文や面接の書き方・例文は扱いません。出世そのものをするかどうかは出世したくない人の記事、課長・部長になれる確率は課長・部長になれる確率の記事に書きました。
| 知りたいこと | 答え | 章 |
|---|---|---|
| 落ちる人はどれくらいいるか | 東京都の主任級職選考では、受験者の48.1%が不合格(令和6年度・種別A)。会社の合格率の公的な統計は見つからない | 2章 |
| 落ちた理由は試験の出来か | 試験だけとは限らない。評価・推薦も合わせて見る仕組みがある | 3章 |
| 昇格試験は時代遅れか | 論文・面接はやや減り、多面評価・適性検査が増えている。私は、枠がある以上は必要な試験だと考える | 4章 |
| 落ちたら退職すべきか | 落ちた理由による。評価・推薦の側で落ちた、または理由を教えてくれないなら、損切りは妥当 | 6章 |
| 次に受かるには | 昇格のルールをAIに読ませて、要件と対策を作らせる | 7章 |
| 落ちた年の損はいくらか | 45〜49歳・大学卒・1,000人以上の会社の男性で、係長級と課長級の平均年収の差は1年で約310万円(同じ人が上がったときの増え方ではない) | 8章 |
1. 先に、立場を書きます
私は会社に勤めたことがなく、会社の昇格試験を受けたこともありません。受ける側の体験は書けません。書けるのは、社員やアルバイトを雇って給料を上げる・上げないを決めていた側の経験です。この記事は、その経験と、公開されている公的な資料で書きます。
この記事のために、私は次のように答えました。
| 問い | 私の答え |
|---|---|
| 昇格試験をどう見ているか | 昇進試験が無意味だとは思わない。枠が決まっている以上、落とすための試験がないと誰でも昇給してしまう。それが会社 |
| 「落とすための試験」とは | 枠に合わせて落とす |
| 受ける人について | 入社する時にわかっていたのだから、昇格したいなら逆算して準備すればいいだけ。逆算とは、要件を先に確かめること |
| 自分の会社ではどう決めていたか | 個人の成果・できる仕事で決めた。できる人は毎月昇給させて、他社に行けないようにした。人件費の枠はなかった |
| 落ちて退職を考える人について | 落ちた理由による。試験はOKで推薦がNGなら、社内政治がだめな可能性があるので損切りは妥当 |
| 落ちた理由を会社が教えてくれないとき | 教えてくれないなら損切りの対象で良い。対策ができないから |
| 損切りとは | 転職も、社内で昇格をあきらめることも含む |
| 落ちた人が求めているもの | 理不尽を感じていて、その不満を正当化したいか、もう少し生産的な解決策がほしいのではないか。それなら、昇格のルールをAIに学習させて試験対策を作らせればよい |
最後の答えのとおり、この記事は「落ちたのは力不足だけのせいではない」と言える部分と、次にどうするかの両方を書きます。
2. 昇格試験に落ちる人はどれくらいいるか
2-1. 会社の合格率の公的な統計は見つからない
会社の昇格試験の合格率を、全国で集めて公表している公的な統計は見つけられませんでした。昇格試験をするかどうか、何を試験にするか、何人を上げるかは会社ごとに違い、結果も社内でしか公表されないことが多いからです。
2-2. 公開されている実例:東京都の主任級職選考
結果が公開されている例として、東京都の職員の主任級職選考(主任に上がるための選考)があります。東京都人事委員会の資料(令和7年6月24日の第15号議案)に、前の年度の結果が載っています。
| 令和6年度 | 受験資格がある人 | 受験した人 | 合格した人 | 受験した人のうち合格 |
|---|---|---|---|---|
| 種別A 合計 | 3,498人 | 1,916人 | 995人 | 51.9% |
| うち女性 | 1,552人 | 687人 | 351人 | 51.1% |
| うちⅠ類・事務 | 1,906人 | 1,050人 | 605人 | 57.6% |
| 種別B 合計 | 1,783人 | 181人 | 93人 | 51.4% |
出典:東京都人事委員会「令和7年度主任級職選考の実施及び同実施要綱の決定について」(第15号議案、令和7年6月24日)。種別Aは本則が40歳未満、特例が40歳以上50歳未満、種別Bは本則が40歳以上の人が受ける区分です。女性の合格の割合は、表の受験者数と合格者数から計算しました
種別Aでは、受験した人の48.1%(921人)が落ちています。男性は1,229人が受けて644人が合格(52.4%)で、女性(51.1%)とほぼ同じでした。受験資格がある人のうち、実際に受けたのは種別Aで54.8%、種別Bでは10.2%です。
これは公務員の、ひとつの選考の数字です。会社の昇格試験の合格率がこれと同じとは限りません。ただ、仕組みのある選考でも、受けた人の半分近くが落ちることはあります。
2-3. 合格する人数の目安は、試験の前に決めている
同じ資料では、試験の前に「合格予定者数」を決めています。令和6年度は、種別Aが1,036人の予定に対して合格995人、種別Bが90人の予定に対して合格93人でした。令和7年度は種別Aが873人、種別Bが87人の予定です。要綱には「成績等により変更となる場合があります」とあります。
人数の目安(枠)を先に決めて、その中で選ぶ形です。ただし令和6年度は、種別Aで予定より41人少なく、種別Bで3人多い合格でした。決めた人数どおりに機械的に合否を決めているわけではありません。
3. 落ちた理由は、試験だけとは限らない
3-1. 東京都の選考は「論文+勤務評定」
東京都の主任級職選考の要綱では、合格者の決め方が次のように書かれています。
| 区分 | 合否の決め方 |
|---|---|
| 種別A・Ⅰ類 | 論文と勤務評定の成績を総合して決める(土木・建築・機械・電気・ICTは、教養記述が一定の基準に達した人が対象) |
| 種別A・Ⅱ類(看護以外) | 論文、専門知識評定、勤務評定の成績を総合して決める |
| 種別B | 論文と「日常の勤務成績に基づく推薦」を総合して決める |
勤務評定は、論文を受けた人について、業績評価にもとづいて任命権者が評定します。種別Bの推薦も、業績評価にもとづいて任命権者が行います。論文と勤務評定の配分は、要綱には書かれていません。
つまり、論文がよく書けても、勤務評定で届かなければ落ちることがありえます。
3-2. 会社でも、人事考課と上長推薦を見るという回答が8割以上
会社の昇格の審査で何を見ているかについて、公的な統計は見つけられませんでした。研修会社の日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が、2022年6月に従業員300人以上の会社の人事・教育・企画部門の担当者392人に行ったWebアンケートがあります。管理職への昇進昇格の審査で使っているものの割合です。
| 審査で使っているもの | 2022年 | 2018年からの増減 |
|---|---|---|
| 人事考課 | 86.7% | +3.6ポイント |
| 上長推薦 | 81.4% | -0.1ポイント |
| 本人の意思確認 | 67.3% | +14.4ポイント |
| 面接 | 57.7% | -4.7ポイント |
| 受験者の上司への人事部等による面接 | 45.9% | +24.7ポイント |
| 論文・レポート試験 | 45.7% | -6.2ポイント |
| 多面評価 | 40.1% | +18.4ポイント |
| 適性検査 | 40.1% | +12.1ポイント |
| アセスメントセンター | 35.5% | +13.3ポイント |
出典:日本能率協会マネジメントセンター「JMAM昇進昇格審査 実態調査2022」(2022年10月12日公表)。回答者は人事担当者などで、会社の数の割合ではありません。研修会社が行った調査で、全国の会社を代表する統計ではありません
試験(面接・論文)より、人事考課と上長推薦を使っているという回答のほうが多くなっています。ただし、この調査で分かるのは使っている手法の割合です。それぞれが合否にどれだけ効くかや、試験の前に受ける人を絞っているかは分かりません。昇格試験に落ちたとき、原因が試験の出来ではなく、評価や推薦の側にある可能性もある、というところまでが言えることです。
4. 昇格試験は時代遅れ・くだらないのか
4-1. 論文・面接はやや減り、別の物差しが増えている
3-2の調査では、2018年と比べて面接は4.7ポイント、論文・レポート試験は6.2ポイント減りました。代わりに、多面評価(+18.4)、アセスメントセンター(+13.3)、適性検査(+12.1)が増えています。同じ調査で、昇進昇格の審査で困っていることの1位は「審査に客観性を確保すること」(61.0%)でした。
数字で見ると、昇格試験がなくなっていく流れではありません。論文と面接に加えて、多面評価(上司・同僚・部下などからの評価)や適性検査、アセスメントセンターといった別の物差しを使うという回答が増えています。同じ会社を追いかけた調査ではないので、1社ずつの変化までは分かりません。
4-2. 私の考え:枠がある以上、落とす試験は要る
私は、昇格試験が無意味だとは思いません。上げる人数の枠を決めている会社では(2-3の東京都の例のように)、枠が決まっている以上、落とすための試験がないと、誰でも昇給してしまいます。それが会社です。ここで言う昇給は、上の等級や役職に上がって給料が上がることで、毎年の定期昇給とは別です。毎年の昇給の平均は、昇給の平均の記事に書きました。枠に合わせて落とすのが、昇格試験の役目だと考えています。
私の会社には、人件費の枠がありませんでした。できる人は毎月昇給させて、他社に行けないようにしました。上げるかどうかは、個人の成果とできる仕事で決めていました。人数の枠がある会社の昇格試験は、それとは違って、枠に合わせて落とすための仕組みです。
「出来レースだ」と感じる人もいると思います。評価と推薦が先にあって、試験は最後の確認という会社なら、そう見えるのは自然です。ただ、それも会社のルールです。入社したときにそのルールは分かっていたので、上がりたいなら、そのルールから逆算して準備するしかない、と私は考えています。ただし、規程は変わることがあります。確かめるのは、入社したときの規程ではなく、今の最新版です。
5. 落ちたことだけで、力が足りないとは言えない
ここまでの数字をまとめると、落ちたことだけで力が足りないとは言えない理由は次の3つです。
- 公開されている例では、受けた人の半分近くが落ちている(2章)。
- 合格する人数の目安を先に決めて、その中で選ぶ仕組みがある。目安の外になれば、一定の力があっても落ちることがある(2-3)。
- 合否は試験だけでなく、評価や推薦も合わせて決める仕組みがある(3章)。
一方で、合格した人のほうが、その会社の基準で高く評価されていた可能性もあります。あなたの不合格が妥当だったかどうかは、成績と評価の基準が分からなければ判断できません。枠も評価も会社のルールで、不満を言ってもルールそのものは変わりません。次にどうするかは、落ちた理由で分かれます。
6. 落ちたら、理由を切り分ける
6-1. 試験か、評価・推薦か
| 落ちた理由 | どう分かるか | 私の考え |
|---|---|---|
| 試験(論文・面接・筆記) | 試験の成績が知らされて、低かった | 対策ができる。7章のやり方で、要件から逆算して準備する |
| 評価・推薦 | 試験の成績は悪くないのに落ちた(ただし断定はできない)。または、そもそも推薦されない | 社内政治がだめな可能性がある。損切りは妥当 |
| 分からない | 会社が理由も成績も教えてくれない | 対策ができないので、損切りの対象で良い |
東京都の主任級職選考では、不合格の人に筆記考査の成績を知らせています(令和7年度は11月26日の予定)。知らせるのは論文などの筆記の成績で、勤務評定は含まれていません。論文の成績がよかったのに落ちたなら、勤務評定の側の可能性があります。ただ、合否は総合で決まるので、筆記の成績だけで原因は断定できません。勤務評定が低いのが、社内政治のせいなのか、実績の評価なのかも、外からは分かりません。
あなたの会社に成績や理由を知らせる仕組みがあれば、それで切り分けます。仕組みがなければ、上司や人事に理由を聞きます。聞いても答えてもらえないなら、要綱で分かる範囲(試験の形式や評価の観点)の準備はできても、何が足りなくて落ちたのかに合わせた対策はできません。
6-2. 損切りは、転職だけではない
私の言う損切りは、転職も、会社に残って昇格をあきらめることも含みます。その会社での昇格に、時間と気持ちを使うのをやめる、という意味です。社内で別の道を探すときの、異動希望の出し方と通らない理由は、異動希望が通らないときの記事に書きました。
どちらを選ぶか、そもそも損切りするかは、もう一度受ける場合、社内で別の道を探す場合、転職する場合を比べて決めます。お金の面では、上がらないまま定年までお金が回るかが分かれ目です。上がらない場合の計算は出世したくない人の記事の計算機で、転職した場合の年収の変わり方は45歳の転職の記事で確かめられます。会社に残って役職を目指さない働き方は、窓際族の記事にも書きました。
7. 昇格のルールをAIに読ませて、対策を作らせる
7-1. なぜAIなのか
1章で、逆算とは要件を先に確かめることだと答えました。ただ、昇格の規程や試験の要綱は長く、読み慣れていないと、何が合否を決めるのかを見落としやすくなります。私は、住む場所や投資、教育費の計算をAIでやってきました(ミドルエイジ・クライシスの記事)。昇格のルールも同じで、AIに読ませて、要件と対策を表にさせるのが早いと考えています。
7-2. 集めるもの
- 昇格(等級)の規程、等級ごとの要件(何年いれば受けられるか、評価の条件)
- 試験の要綱や案内(科目、時間、字数、評定の観点)
- 人事評価の評価項目、自分の過去の評価結果
- 過去の論文のテーマや面接で聞かれたこと(会社が公開していれば)
社内の規程は社外秘のことがあります。AIに入れてよいのは、公開されている資料と、会社が利用を認めた情報だけです。会社のAIの利用ルールを先に確かめてください。会社が外部のAIへの入力を認めていない資料は、会社名や個人名を消しても入れないでください。その場合は、会社が用意したAIを使うか、AIを使わずに自分で表を作ります。
7-3. AIへの頼み方
頼み方の例です。
添付は私の会社の昇格の規程と試験の要綱です。次の4つを表にしてください。①受験資格(年数・年齢・評価の条件)、②合否の決め方(試験と評価・推薦の組み合わせ、配点が書いてあれば配点)、③試験ごとの形式(時間・字数・選ぶ問題の数)と評定の観点、④規程に書かれていないこと(配点、評価の基準、推薦の決め方など、人事に聞くべきこと)。書かれていないことを推測で埋めないでください。各項目に、規程のどこに書いてあるか(ページや項番)を付けてください。
表ができたら、続けて「③の評定の観点ごとに、私の過去1年の仕事から使える例を聞き出す質問を10個作ってください」「試験日まで〇週間、週〇時間で、論文を何本書いて誰に見てもらうかの予定を作ってください」と頼みます。AIの答えは、必ず規程の原文と突き合わせます。
7-4. 実例:東京都の要綱をAIに読ませた
この記事を作るときに、公開されている東京都人事委員会の「令和7年度主任級職選考実施要綱」をAIに読ませ、7-3の頼み方で表を作らせました。種別A・Ⅰ類(事務)について、要綱と突き合わせて確かめた結果です。
| 項目 | 要綱に書かれていること |
|---|---|
| ①受験資格 | 令和8年3月末日に1級職にあること。本則は40歳未満で、Ⅰ類B採用なら1級職の在職が5年以上。特例は40歳以上50歳未満。基礎力確認テストに令和7年5月31日までに合格していること |
| ②合否の決め方 | 論文と勤務評定の成績を総合して決める。勤務評定は業績評価にもとづき任命権者が評定する |
| ③論文の形式と観点 | 2時間30分、2題から1題を選ぶ。テーマの基本的な認識を300〜500字程度、着眼点と具体的な取組を1,200〜1,500字程度。問題意識、問題解決力、論理性、表現力などを評定する |
| ④書かれていないこと | 論文と勤務評定の配分。勤務評定でどの期間の業績評価を使うか。合格予定者数を変える場合の基準 |
| 日程 | 筆記考査は令和7年9月28日、合格発表は11月14日、不合格の人への成績の告知は11月26日(いずれも予定を含む) |
この表から分かるのは、論文の対策だけでは足りないことです。勤務評定は業績評価にもとづくので、試験の日の出来だけでは準備できません。④は人事に聞く項目です。聞いても答えが返ってこなければ、6章のとおり、対策ができない部分として扱います。
7-5. AIでは対策できないこと
AIが手伝えるのは、ルールを読むことと、準備の整理です。評価や推薦そのもの、つまり上司や周りからどう見られているかは、AIでは変えられません。評価・推薦の側が原因らしいなら、試験対策を増やすより、評価項目と自分の実績を突き合わせて足りない所を書き出し、上司との面談で確かめるほうが先です。その書き出しにはAIを使えます。
8. 計算機:落ちた年の損と、何回目までに受かるか
年齢・性別・学歴・会社の規模・今の役職と受けた役職を入れると、賃金構造基本統計調査の役職ごとの年収から、上がるのが1年・2年…遅れた場合の年収の差を出します。合格率と、あと何回受けられるかを入れると、毎回同じ確率の抽選だとした場合に何回目までに受かる確率と、今年落ちたことで定年までの年収の合計が平均していくら少なくなるか(仮定の計算での期待値)を出します。上の役職の平均年収のほうが低い年齢層に入る場合は、差と期待値は出しません。
昇格試験に落ちた年の損と、何回目までに受かるかの計算機
入力した数字は、このページの中で計算に使うだけで、どこにも送られません。役職ごとの年収は、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(役職第1表)の平均です。金額は万円で入れてください。
あなたの条件
これから受ける場合
8-1. 例で計算すると
| 条件(男性・大学卒・1,000人以上・定年60歳) | 今の年齢層での平均年収の差(1年) | 合格率50%とした仮定の期待値 |
|---|---|---|
| 35歳・非役職→係長級 | 約95万円 | 出さない(50歳からは係長級の平均のほうが低いため) |
| 45歳・係長級→課長級 | 約310万円 | 約703万円 |
| 50歳・課長級→部長級 | 約141万円 | 約315万円 |
合格率を50%、あと5回受けられるとして計算しました。毎年1回受けて毎回50%の抽選だとすると、受かる確率は2回目までで75.0%、4回目までで93.8%です。45歳で係長級から課長級の場合、合格率が30%なら、5回目までに受かる確率は83.2%で、仮定の期待値は約1,415万円になります。合格率が低いほど、1回落ちることの重みは大きくなります。
この計算は、毎回同じ合格率で、前の結果に左右されないとする仮定の数学で、受かる見込みの予測ではありません。評価や推薦で落ちているなら、何回受けても確率は同じようには上がりません。また、年収は別々の人の平均を年齢順に当てはめたもので、あなたが上がった場合の年収の予測ではありません。会社の賃金規程で上がった後の年収が分かれば、計算機の「上がった場合の年収」に入れてください。
9. よくある質問
昇格試験に落ちたら退職すべきですか?
落ちた理由によります。試験の成績で落ちたなら、対策ができます。評価や推薦の側で落ちた、または会社が理由を教えてくれないなら、その会社での昇格に時間を使うのをやめる(損切り)のは妥当だと私は考えています。損切りには、転職も、残って昇格をあきらめることも含みます。
昇格試験の合格率はどれくらいですか?
会社の昇格試験の合格率を全国で集めた公的な統計は見つけられませんでした。公開されている東京都の主任級職選考(令和6年度・種別A)では、受験した人の51.9%が合格しています。あなたの会社の合格率は、人事に聞くか、社内の公表で確かめてください。
40代で昇格試験に落ちたら終わりですか?
終わりかどうかを決める統計はありません。確かめることは、あと何回受けられるかと、別の区分や道があるかです。東京都の主任級職選考は、種別Aの特例が50歳未満までですが、40歳以上が受ける種別Bもあります。あなたの会社に年齢や回数の上限、年齢の高い人向けの区分があるかは、規程で確かめてください。8章の計算機に、あと何回受けられるかと合格率を入れると、何回目までに受かる確率が出ます。
昇格試験は廃止されていくのですか?
3-2の調査では、論文・面接は2018年より少し減りましたが、4〜6割の回答で使われています。多面評価や適性検査を使うという回答は増えています。なくなっていくというより、物差しの組み合わせが変わってきていると見ています。
昇格試験は出来レースですか?
評価と推薦で受ける人が先に絞られる会社なら、試験の時点でほぼ決まっているように見えることはあります。3-2の調査では、人事考課を使うという回答が86.7%、上長推薦が81.4%でした(試験の前に絞っているかまでは分かりません)。それも会社のルールなので、推薦が出ない理由を確かめ、分からなければ損切りを考えます。
落ちて恥ずかしい、気持ちが落ち込みます
公開されている例では、受けた人の半分近くが落ちています。合格する人数の目安を先に決める仕組みもあるので、落ちたことだけで力がないとは言えません。気持ちの落ち込みが長く続くときは、会社の相談窓口や産業医、医療機関に相談してください。
10. まとめ
- 会社の昇格試験の合格率の公的な統計は見つからない。公開されている東京都の主任級職選考(令和6年度・種別A)では、受験した人の48.1%が不合格。
- 東京都の例では、合格する人数の目安を試験の前に決め、論文と勤務評定(業績評価)を総合して選ぶ。会社でも、人事考課(86.7%)と上長推薦(81.4%)を使うという回答が、面接(57.7%)や論文(45.7%)より多い(従業員300人以上の会社の担当者392人の調査)。
- 私は、昇格試験は無意味ではないと考える。枠が決まっている以上、落とすための試験がないと誰でも昇給してしまう。それが会社。
- 落ちたら、試験か評価・推薦かを分かる範囲で切り分ける。筆記の成績だけでは断定できない。評価・推薦の側で落ちた、または理由を教えてもらえないなら、損切り(転職も、社内での断念も)は妥当だと私は考える。
- 次に受けるなら、昇格のルールをAIに読ませて、要件・合否の決め方・試験の形式・書かれていないことを表にさせ、原文と突き合わせる。AIに入れるのは、公開資料と会社が利用を認めた情報だけ。
- 45〜49歳・大学卒・1,000人以上の会社の男性で、係長級と課長級の平均年収の差は1年で約310万円(別々の人の平均の差)。
11. 出典
- 東京都人事委員会「令和7年度主任級職選考の実施及び同実施要綱の決定について」(第15号議案、令和7年6月24日。別紙「選考区分別合格予定者数」、令和7年度主任級職選考実施要綱)
- 日本能率協会マネジメントセンター「JMAM昇進昇格審査 実態調査2022」(2022年10月12日)
- 厚生労働省(e-Stat)「令和7年賃金構造基本統計調査 役職第1表」

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