転職に失敗・後悔したら?賃金が下がる割合(年齢別の統計)、すぐ辞める場合の失業保険、出戻り・再転職・とどまるの比較、求人と違うとき(計算機つき)

転職の失敗:賃金が下がる割合と次の手(とどまる・出戻り・再転職) 生き方・キャリア

「転職 失敗」「転職 後悔」「転職 しなければよかった」「前の会社に戻りたい」「転職 すぐ辞める」「転職 年収下がる」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。

厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、前の勤め先で雇われていて転職した人のうち、前の勤め先より賃金が「減少」した人は31.0%(うち「1割以上の減少」21.9%)、「増加」した人は40.8%、「変わらない」は25.5%でした。この調査は、比べた賃金が月給か年収かなどの種類を公表資料に書いておらず、男女別の表もありません。年齢階級別では、令和7年は50〜54歳から上のすべての階級で「減少」が「増加」を上回り(令和6年は55〜59歳から上)、40〜44歳は減少27.4%・増加44.9%、45〜49歳は減少30.1%・増加41.1%でした。令和7年転職者実態調査では、入社から1年以内の時点で、今の勤め先の職業生活全体に「不満」「やや不満」と答えた人は10.7%、今後について「機会があれば転職したい」は20.6%でした。今の会社をすぐ辞める場合、失業保険は離職前2年に被保険者期間12か月が一般の条件です。前の会社の期間は、受給資格の判定では、前の会社を辞めたときに受給資格の決定を受けていなければ離職前2年の中にある分を数え(雇用保険法14条2項)、所定給付日数を決める算定基礎期間では、前の会社で資格を失ってから1年以内に今の会社で加入し、前の会社の分の基本手当などを受けていなければ通算します(22条3項)。前の会社を辞めて受給資格の決定を受けていた人は、新しい受給資格に届かなければ、前の受給資格の受給期間の中で残りの日数を受けられます。期間を満たしても、受けられるかや離職理由の区分はハローワークが判定します。前の会社に戻る「出戻り」の割合を示す公式の統計は見つからず、前の会社を辞めたときの受給資格で失業保険を受けている途中にその会社に再び就職しても、再就職手当の対象になりません。求人票と実際が違う場合、厚生労働省は求人票を「募集の際に提示する労働条件の目安」としていて、すぐに契約を解除できる労働基準法15条2項は、契約のときに明示された労働条件(労働条件通知書など)と事実が違う場合の決まりです。賃金の変化と同じ年齢の分布、すぐ辞めたときの失業保険と社会保険の期限、とどまる・戻る・再転職の単純な比較、求人と違うときに確かめることを出す計算機を9章に置きました。

知りたいこと 答え 章
転職で賃金が下がる割合 令和7年は「減少」31.0%(1割以上の減少21.9%)、「増加」40.8%。比べた賃金の種類(月給か年収かなど)は書かれていない 2章
40代・50代の転職 減少は40〜44歳27.4%、45〜49歳30.1%、50〜54歳42.0%。令和7年は50歳以上のすべての年齢階級で「減少」が「増加」を上回った 2章
転職した人の満足・不満 入社1年以内の時点で、職業生活全体の不満(不満+やや不満)10.7%、賃金の不満27.6%。「機会があれば転職したい」20.6% 3章
転職する人の数 2025年の転職者は330万人、就業者に占める割合は4.8% 4章
すぐ辞めたら失業保険は 離職前2年に12か月が一般の条件。前の会社の期間は、受給資格では前に受給資格の決定を受けていなければ数え、所定給付日数の算定基礎期間では1年以内に加入し前の分の基本手当などを受けていなければ通算。前の受給資格の残りを受けられる場合もある。判定はハローワーク 5章
辞め方と社会保険の期限 期間の定めのない雇用なら、申し入れから2週間。国民健康保険・国民年金は14日以内、任意継続は20日以内 6章
前の会社に戻りたい(出戻り) 割合を示す公式の統計はない。前の会社を辞めたときの受給資格で失業保険を受けている途中に、その会社に戻ると再就職手当の対象外。有給・退職金の通算は条件や会社の規程による 7章
求人と違う 求人票は「労働条件の目安」(厚生労働省)。15条2項の即時解除は、契約のときに明示された条件と事実が違う場合。ハローワーク求人の申出は令和6年度3,297件 8章
自分の場合 賃金の変化の位置、すぐ辞めた場合の失業保険と期限、3つの道の比較、求人と違うときの確認点を計算 9章

1. 先に、この記事の数字について

この記事の統計は、厚生労働省の雇用動向調査(令和7年・令和6年)、転職者実態調査(令和7年)、賃金構造基本統計調査(令和7年)と、総務省統計局の労働力調査(2025年平均)から取っています。決まりは、民法・労働基準法・同施行規則・職業安定法・同施行規則・雇用保険法・健康保険法・厚生年金保険法・地方自治法の条文(e-Gov法令検索、2026年10月24日時点の現行版)と、厚生労働省・ハローワーク・労働局・協会けんぽ・日本年金機構・区市町村の公式の資料から取りました。調査ごとに、対象の人と「賃金」の範囲が違うので、別の調査の数字を足したり割ったりはしていません。出典の数字から自分で計算した値には(計算)、条文や公式の説明を組み合わせて読んだところには(当てはめ)と書いています。失業保険の受給資格・区分・日数を決めるのはハローワーク、労働契約の解除が認められるかは個別の事実で決まり、争いになれば最後は裁判所が判断します。

2. 転職で賃金が下がる割合(令和7年雇用動向調査)

2-1. 全体:「減少」31.0%、「増加」40.8%

令和7年(2025年)雇用動向調査の表6「転職入職者の賃金変動状況別割合」では、前の勤め先と比べて賃金が「増加」した人は40.8%、「変わらない」は25.5%、「減少」は31.0%でした。「1割以上の増加」は28.2%、「1割以上の減少」は21.9%です。前年(令和6年)は「増加」40.5%、「変わらない」28.4%、「減少」29.4%で、「増加」は0.3ポイント、「減少」は1.6ポイント上がりました。「増加」と「減少」の差は9.8ポイントで、「増加」が上回っています。

区分(%) 令和7年 令和6年
増加 40.8 40.5
 1割以上の増加 28.2 29.4
 1割未満の増加 12.6 11.2
変わらない 25.5 28.4
減少 31.0 29.4
 1割未満の減少 9.2 7.6
 1割以上の減少 21.9 21.7

この数字を読むときの注意です。

  • 対象:2025年に常用労働者5人以上の事業所に入った人のうち、入職前1年間に働いた経験がある「転職入職者」で、さらに前の勤め先で雇われていて、調査の時点で今の勤め先にいる人です。自営業から転職した人や、調査の時点までにまた辞めた人は入りません。
  • 賃金の種類:調査の概要の調査事項は「転職による賃金変動状況」で、用語の定義にも、月給・年収・時給などのどれを比べたかは書かれていません。この記事では「賃金」と書きます。年収が下がった人の割合は、この統計からは直接分かりません。
  • 「変わらない」の幅:どのくらいの差までを「変わらない」としたかは公表されていません。
  • 合計:割合は、賃金の変化が分からない人(不詳)を含めた100%に対するものです。
  • 男女別:表6は年齢階級別だけで、男女別の表はありません。

2-2. 年齢別:50歳以上は「減少」が「増加」を上回る

年齢 増加 1割以上の増加 変わらない 減少 1割以上の減少 増加-減少(ポイント) 令和6年の減少
計 40.8 28.2 25.5 31.0 21.9 9.8 29.4
19歳以下 63.6 39.1 18.2 15.4 6.7 48.2 11.9
20〜24歳 55.2 44.2 19.9 17.5 10.2 37.7 16.8
25〜29歳 49.8 34.2 25.0 23.9 16.5 25.9 29.2
30〜34歳 48.6 32.8 20.8 29.0 19.0 19.6 24.2
35〜39歳 43.5 32.8 28.1 23.9 16.1 19.6 24.3
40〜44歳 44.9 29.9 24.6 27.4 17.6 17.5 29.0
45〜49歳 41.1 30.0 28.0 30.1 16.1 11.0 23.8
50〜54歳 29.4 18.4 26.7 42.0 28.3 -12.6 28.2
55〜59歳 25.5 16.8 33.0 38.9 30.6 -13.4 36.6
60〜64歳 21.1 11.0 24.2 54.3 47.6 -33.2 60.9
65歳以上 22.2 12.5 33.4 42.3 34.2 -20.1 40.5

単位は%(増加-減少はポイント)。令和7年の値と、右端だけ令和6年の「減少」です。

令和7年は、50〜54歳から上のすべての年齢階級で「減少」が「増加」を上回りました(令和6年は55〜59歳から上)。60〜64歳は「減少」54.3%、「1割以上の減少」47.6%です。

年齢階級別の値は、1年で大きく動くことがあります。たとえば50〜54歳の「減少」は令和6年28.2%、令和7年42.0%で、45〜49歳は23.8%から30.1%になりました(計算)。動いた理由の公式の説明と、年齢階級ごとの集計人数は概況にありません。1年分の値だけでなく、前年の値も並べて見ています。

2-3. 40代の転職で賃金が下がった人

40〜44歳では、賃金が「減少」した人は令和7年27.4%(令和6年29.0%)、「1割以上の減少」は17.6%(同21.2%)、「増加」は44.9%(同45.9%)でした。45〜49歳では「減少」30.1%(同23.8%)、「1割以上の減少」16.1%(同16.5%)、「増加」41.1%(同46.4%)です。どちらの年齢階級も、令和6年・令和7年とも「増加」が「減少」を上回っています。45歳前後の転職の数字は45歳の転職の記事に、40代の年収の平均と分布は40代の年収の記事にまとめています。

2-4. 雇用形態別:パートどうしの移動は「増加」が17.2ポイント上回る

表7は、前の勤め先と今の勤め先の就業形態・雇用形態の組み合わせ別です(令和7年)。

前の勤め先 → 今の勤め先 増加 1割以上の増加 変わらない 減少 1割以上の減少 増加-減少(ポイント)
一般労働者 → 一般労働者 42.0 29.5 25.0 31.5 21.8 10.5
(一般労働者のうち)雇用期間の定めなし → 雇用期間の定めなし 44.5 30.5 25.0 29.0 18.7 15.5
パートタイム労働者 → パートタイム労働者 39.0 21.9 34.2 21.8 11.4 17.2
雇用期間の定めなし → 雇用期間の定めなし 45.1 30.3 25.3 28.3 18.9 16.8
雇用期間の定めあり → 雇用期間の定めあり 34.9 23.5 31.1 27.9 18.6 7.0

単位は%。行の名前は表7のとおりです。どの組み合わせでも「増加」が「減少」を上回っていて、雇用期間の定めのある契約どうしの移動では、その差が7.0ポイントと小さくなっています。

3. 転職した人の離職理由・満足度・今後の転職希望(令和7年転職者実態調査)

3-1. 調査の対象

転職者実態調査は不定期の調査で、令和7年調査の結果が2026年9月25日に公表されました(前回は令和2年)。対象は、常用労働者5人以上の事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)で、雇用期間の定めがないか1年以上の期間で雇われ、雇われる前の1年間に他の会社で雇われていて、2024年10月1日〜2025年9月30日に今の会社に雇われた人です。調査の時点は2025年10月1日なので、答えは入社から1年以内の時点のものです。パートタイム労働者が入らない点で、2章の雇用動向調査とは対象が違います。

3-2. 前の勤め先を辞めた理由

直前の勤め先を辞めた主な理由は「自己都合」が81.3%で最も多く、令和2年(76.6%)より増えました。自己都合で辞めた人の理由(3つまで選ぶ)の上位は次のとおりです。

自己都合による離職の理由(3つまで) 割合
賃金が低かったから 25.5%
会社の将来に不安を感じたから 25.2%
満足のいく仕事内容でなかったから 24.7%

男性は「賃金が低かったから」29.6%、女性は「満足のいく仕事内容でなかったから」23.5%が最も多い理由でした。雇用動向調査にも前職を辞めた理由の表(表5)がありますが、パートを含む対象で、選び方も違うので、この表と数字を混ぜていません。辞めた理由の伝え方は退職理由の書き方と伝え方の記事に書いています。

3-3. 今の勤め先の満足度

今の勤め先についての満足度です。D.I.は「満足」と「やや満足」の割合から、「不満」と「やや不満」の割合を引いた値です。

項目 満足・やや満足 どちらでもない 不満・やや不満 D.I.(ポイント)
職業生活全体 54.7 34.3 10.7 44.0
仕事の内容・職種 68.7 19.8 10.9 57.8
賃金 49.8 22.4 27.6 22.2
労働時間・休日・休暇 65.6 16.5 17.7 47.9
福利厚生 53.2 31.3 15.1 38.1
安全や衛生等の職場環境 60.0 28.2 11.5 48.5
役職 39.7 52.6 7.1 32.6
人間関係 62.1 24.1 13.4 48.7
通勤の便 70.0 17.7 12.0 58.0
会社の規模・知名度 56.5 39.0 4.2 52.3
会社の将来性 49.1 36.6 13.8 35.3

単位は%(D.I.はポイント)。表にない残りは「不明」です。

職業生活全体のD.I.は44.0ポイント(男性45.8、女性42.2、正社員43.3、正社員以外50.5)でした。11の項目でD.I.が最も低いのは「賃金」の22.2ポイントで、「不満・やや不満」27.6%も11項目で最も高くなっています(計算)。「転職を後悔した」ことを直接たずねた項目はこの調査にありません。表にある公表の値は令和7年だけで、令和2年との比較は載っていません。

3-4. 今後も今の勤め先で働きたいか

区分 今の勤め先で今後も働きたい 機会があれば転職したい わからない
総数(令和7年) 55.1 20.6 22.9
総数(令和2年) 52.7 21.0 24.9
男 58.9 18.8 20.4
女 51.0 22.5 25.6
20〜24歳 53.2 15.4 29.3
25〜29歳 51.9 21.6 25.4
30〜34歳 56.2 24.9 18.3
35〜39歳 56.1 23.4 19.5
40〜44歳 43.1 27.9 28.6
45〜49歳 57.1 17.8 23.9
50〜54歳 58.8 14.0 25.6
55〜59歳 54.2 22.5 17.3
60〜64歳 60.7 19.5 18.7
65歳以上 65.7 9.1 23.4
正社員 54.5 20.5 23.6
正社員以外 60.7 20.9 17.2

単位は%。表にない残りは「不明」です。表を簡単にするため、15〜19歳の行は省いています。

40〜44歳は「機会があれば転職したい」が27.9%で、この表に載せた年齢階級の中で最も高く、「今の勤め先で今後も働きたい」は43.1%で最も低くなっています。

3-5. 前の勤め先に何年いたか

直前の勤め先の通算勤務期間 令和7年 令和2年
6か月未満 8.2 7.8
6か月以上1年未満 10.8 9.9
1年以上2年未満 13.8 17.1
2年以上5年未満 27.4 26.9
5年以上10年未満 19.3 17.7
10年以上 20.0 19.7

単位は%(残りは「不明」)。直前の勤め先を1年未満で辞めて転職した人は19.0%(8.2+10.8、計算)でした。中途採用で入った人が入社後どれくらいで辞めるかを示す公式の統計は見つかりませんでした。新しく学校を出て就職した人の離職の数字は試用期間中に辞める場合の記事に載せています。

4. 転職する人の数(労働力調査 2025年平均)

総務省統計局の労働力調査では、2025年の転職者は330万人で、前年より1万人減りました(4年ぶりの減少)。男性156万人、女性174万人です。転職者は「就業者のうち前職のある者で、過去1年間に離職を経験した者」で、就業者に占める割合(転職者比率)は4.8%でした。

年齢 転職者数 転職者比率 男性の比率 女性の比率
総数 330万人 4.8% 4.2% 5.6%
15〜24歳 57万人 9.9% 9.0% 10.8%
25〜34歳 82万人 7.1% 6.2% 8.0%
35〜44歳 55万人 4.4% 3.5% 5.2%
45〜54歳 57万人 3.5% 2.5% 4.7%
55〜64歳 55万人 4.2% 3.9% 4.6%
65歳以上 25万人 2.7% 3.1% 2.0%

年齢階級の合計は、四捨五入の関係で総数と合いません。

転職等希望者(今の仕事を辞めて別の仕事に変わりたい人と、今の仕事のほかに別の仕事もしたい人)は1023万人で、23万人増えました。副業を希望する人も入るので、転職したい人の数そのものではありません。労働力調査の転職者は自営業なども含む就業者の数で、2章の雇用動向調査(5人以上の事業所の常用労働者。令和7年の転職入職者は506万1,800人)とは定義が違います。

5. すぐ辞める場合:失業保険

5-1. 受給資格:離職前2年に12か月

失業保険(基本手当)を受けるには、離職の日以前2年に、被保険者期間が通算12か月以上要ります。解雇・倒産などの特定受給資格者や、正当な理由のある自己都合などの特定理由離職者は、離職の日以前1年に6か月以上でもかまいません(雇用保険法13条)。被保険者期間は、離職日から1か月ずつさかのぼって区切り、賃金の支払の基礎になった日が11日以上ある区切り(足りなければ80時間以上)を1か月と数えます(14条)。期間を満たしても、実際に受けられるかは、求職の申込みをして、働く意思と能力があるのに仕事に就けない失業の状態にあるかや、離職理由の判定などでハローワークが決めます。65歳以上で辞めた場合は、基本手当ではなく高年齢求職者給付金(一時金)で、離職前1年に6か月が条件です(雇用保険法37条の3。65歳以上の失業保険の記事)。

5-2. 前の会社の期間を数えられるか

前の会社の期間を数えられるかは、受給資格と所定給付日数で条件が違います。

何を決めるか 前の会社の期間を数える条件 条文
受給資格(12か月・6か月に届くか) 離職の日以前2年(1年)の中にある期間を数える。ただし前の会社を辞めたときに受給資格の決定を受けていたら、その離職より前の期間は数えない 雇用保険法14条2項1号
所定給付日数の算定基礎期間(何年入っていたか) 前の会社で資格を失った日から1年以内に今の会社で加入し、前の会社の分で基本手当などを受けていなければ通算する 雇用保険法22条3項

厚生労働省のQ&Aは、この2つをまとめて「1年以内に次の就職先に就職し雇用保険に加入した場合」は通算すると書いていますが、条文で「1年以内」が条件になっているのは算定基礎期間のほうです。受給資格は、前の会社の期間が離職前2年の中にあるかと、前の会社を辞めたときに受給資格の決定を受けたかで決まります。たとえば、受給資格の決定を受けたものの基本手当を1日も受けず、再就職手当も受けずに今の会社で加入した場合は、受給資格には前の期間を数えませんが、1年以内の加入なら算定基礎期間には通算されうることになります(当てはめ)。再就職手当を受けた場合は、再就職手当が基本手当を支給したものとみなされるので(56条の3第4項)、算定基礎期間にも通算しない扱いと読んでいます(当てはめ)。条文(14条2項1号)は受給資格を「取得したことがある」場合と書き、業務取扱要領は「受給資格の決定を受けたことがある」場合と書いています。最後はハローワークが、雇用保険の加入の記録や離職票で確かめて決めます。離職票が2枚以上あるときは全部出します。

自分から辞める一般の離職者(65歳未満)の所定給付日数は、算定基礎期間が10年未満なら90日、10年以上20年未満なら120日、20年以上なら150日です。特定受給資格者などの日数と日額の計算は失業保険の計算の記事に書いています。

5-3. 給付制限

正当な理由のない自己都合で辞めた場合は、7日の待期のあとに給付制限があり、2025年4月1日以降に辞めた場合は原則1か月です。辞めた日からさかのぼって5年間に、正当な理由のない自己都合で辞めて受給資格の決定を2回以上受けていれば、3か月になります(ハローワーク)。法律の文言は「一箇月以上三箇月以内」です(雇用保険法33条1項)。これは原則で、2025年4月1日以降に受講を始めた教育訓練などを、離職日前1年以内に受けたか離職日以後に受ける場合は、給付制限が解除される例外があります(厚生労働省)。特定受給資格者と判定されれば給付制限はありません。

5-4. 前の会社を辞めたときに受給資格の決定を受けていた場合

前の会社を辞めて受給資格の決定を受け、受給の途中で今の会社に就職してから辞めた場合、今の会社の期間だけで新しい受給資格に届かなければ、前の受給資格の受給期間(前の離職日の翌日から原則1年)の中で、残りの日数分を受けられます(北海道労働局・ハローワーク札幌、厚生労働省Q&A)。手続きには、就職前の受給資格者証と離職票(または再離職証明書)が要ります。新しい受給資格を得たら、前の受給資格の基本手当は受けられなくなります(雇用保険法20条3項)。

再就職手当を受けて入社していた場合は、再就職手当の額を基本手当日額で割った日数分の基本手当を受けたものとみなすので(雇用保険法56条の3第4項)、その日数を残りから引きます。引いた後の日数は、支給された再就職手当の額と基本手当日額が分からないと確定しません。すぐ辞めたら再就職手当を返す、という決まりは公式の資料で見つかりませんでした。再就職先を6か月未満で辞めると、就業促進定着手当の対象にはなりません。この再離職が正当な理由のない自己都合のとき、前の受給資格の残りに新たな給付制限がかかるかは、公式の資料で確かめられませんでした。再就職手当の条件は再就職手当の記事に書いています。

5-5. 3つの例

どの月も11日以上働いた前提で、計算機で出した目安です(計算)。

例 経歴 受給資格 受けられるもの
A 前の会社で手続きをしていない 前の会社で雇用保険に10年入っていて2026年3月31日に辞め(失業保険の手続きはしていない)、翌日4月1日に入社。11月30日に自己都合で辞める 離職前2年(2024年12月1日〜)の中に、今の会社8か月+前の会社16か月=24か月。一般の条件に届く目安 前の会社を辞めた翌日に今の会社で加入し、前の会社の分の基本手当を受けていないので、算定基礎期間は通算して約10.7年(22条3項)。120日。給付制限は原則1か月
B 受給中に再就職していた 前の会社を2026年3月31日に辞めて所定90日の受給資格の決定を受け、1日も受けずに再就職手当を受けて5月1日に入社。7月31日に自己都合で辞める 前の会社の期間は数えないので3か月。新しい受給資格には届かない目安 前の受給資格の受給期間(2027年3月31日まで)の中で、調整前の残り90日から再就職手当の分を引いた日数。調整後の日数は手当の額と基本手当日額で決まり、たとえば63日分(90日の70%)に当たれば27日分
C 前の会社から1年以上あいていた 前の会社を2024年12月31日に辞め(手続きはしていない)、2026年4月1日に入社。11月30日に自己都合で辞める 離職前2年の中にある前の会社の期間は1か月で、今の会社8か月と合わせて9か月。届かない目安 受けられない目安。特定受給資格者などと判定されれば、離職前1年に6か月で足りる

例Bの27日は、再就職手当の計算に使う日額の上限にかからない場合です。基本手当日額が上限より高い人は、引く日数が少なくなります。

6. すぐ辞める場合:辞め方・社会保険・有給

6-1. 辞め方

  • 期間の定めのない雇用:辞めると申し入れてから2週間で雇用が終わり、会社の承諾は要りません(民法627条1項)。辞める意思表示が会社に届いた日は数えずに2週間です(民法140条)。就業規則の「1か月前」などは、会社の合意を得て辞める合意退職では当てはまりえます。
  • 期間の定めのある契約:途中で一方的に辞めるには、原則としてやむを得ない事由が要ります(民法628条)。1年を超える契約なら、契約の初日から1年たった日以後は、申し出ればいつでも辞められます(労働基準法137条)。ただし、一定の事業の完了に必要な期間を定めた契約と、高度の専門的知識等を持つ労働者や満60歳以上の労働者との契約(労働基準法14条1項各号)は除かれます。
  • すぐに辞められる場合:会社が合意した場合、やむを得ない事由がある場合(民法628条)、契約のときに明示された労働条件が事実と違う場合(労働基準法15条2項、8章)です。
  • 違約金:辞めたら違約金を払う、賠償額は〇円、と前もって決めることは禁止されています(労働基準法16条)。

入社してすぐの退職の日程は試用期間中に辞める場合の記事に、退職届の文面は退職届の書き方の記事に書いています。

6-2. 社会保険と期限

手続き 期限・条件 根拠
国民健康保険の加入・国民年金(第1号)への切り替え 退職日の翌日から14日以内に区市町村で。期限が区市町村の休日なら翌開庁日。退職日の翌日から次の会社の健康保険・厚生年金に加入する場合は原則不要。次の会社で社会保険に入らない場合は必要 区市町村・日本年金機構、地方自治法4条の2第4項
家族の健康保険の被扶養者・国民年金の第3号被保険者になる 国民健康保険・国民年金(第1号)とは別の手続きで、家族(第3号は配偶者)の勤務先を通じて届け出る。被扶養者(異動)届は事実があった日から5日以内、第3号は14日以内 日本年金機構、国民年金法施行規則6条の2
健康保険の任意継続 資格を失った日の前日まで続けて2か月以上入っていた人。資格を失った日から20日以内(協会けんぽは20日目が土日・祝日なら翌営業日) 健康保険法3条4項・37条、協会けんぽ
入社した月に辞めた場合(同じ月に資格を得て失う) 健康保険はその月1か月分の保険料がかかる。厚生年金は、同じ月に次の会社の厚生年金か国民年金(第1号・第3号)に入れば、先に失った分の保険料は要らず、本人負担分は会社から返される 健康保険法156条3項(当てはめ)、厚生年金保険法19条2項、日本年金機構

任意継続の2か月は、今の会社だけで足りなくても、前の会社から1日も空けずに入社していれば、前の会社の期間と合わせられます(協会けんぽ)。1日でも間があけば、同じ月のうちに次の会社に入っても国民年金の加入の届出は要ります(千葉市。その月の国民年金の保険料はかからない)。保険料の比べ方は退職後の健康保険の記事に、手続きの順番は退職後にやることの記事にまとめています。

6-3. 有給

年次有給休暇は、入社の日から6か月続けて勤め、8割以上出勤するとつきます(労働基準法39条1項。通常の労働者は10日)。6か月より前に辞めると、その会社の有給は原則0日です(会社が早く与えている場合を除く)。退職前の有給の使い方は有給の記事に書いています。

7. とどまる・前の会社に戻る・再転職の比較

7-1. 出戻りの統計はない

いったん辞めた会社に戻る「出戻り」の人数や割合を示す公式の統計は、厚生労働省・総務省統計局の資料で見つかりませんでした。雇用動向調査の入職者には、元の社員が戻ったかどうかの区分がありません。転職者実態調査の今の勤め先を選んだ理由にある「前の会社の紹介」は、前の会社に紹介された別の会社のことで、出戻りではありません。

7-2. 前の会社に戻るときに変わること

項目 公式の資料の決まり 出典
再就職手当 要件の一つが「離職した前の事業主に再び就職したものでないこと」。ここでの前の事業主は、その受給資格の基礎となった離職をした会社。前の会社を辞めたときの受給資格で失業保険を受けている途中に、その会社に戻ると対象にならない。受給資格の決定(求職の申込み)の前から採用が決まっていた会社に入った場合も対象外 ハローワーク 再就職手当のリーフレット
有給の勤続年数 継続勤務は在籍期間で、勤務の実態に即して実質的に判断する。退職と再採用の間に相当の期間があり、労働関係が続いていないと認められる場合は通算しない(定年後の再採用についての説明。他の会社をはさむ出戻りを名指しした文は見つからなかった) 静岡労働局、厚生労働省リーフレット
退職金 退職金は法律で払うことが決まっているものではなく、会社が定める場合は就業規則に書く。前の勤続年数を通算するかも、その規程による(当てはめ) 労働基準法89条3号の2
失業保険の受給資格 戻った会社をまた辞めたときは、5章と同じ決まりで数える。出戻りだけの特例は見つからなかった 雇用保険法13条・14条

退職金の平均と勤続年数別の額は退職金の平均の記事に書いています。

7-3. とどまった場合の賃金の参考:勤続年数別の所定内給与

令和7年賃金構造基本統計調査の第7表(一般労働者、企業規模計、令和7年6月分の所定内給与、千円)です。

勤続年数 男女計 男 女
0年 274.5 294.0 252.0
1〜2年 285.3 305.8 259.6
3〜4年 297.0 320.2 266.8
5〜9年 312.5 338.3 276.6
10〜14年 333.6 362.8 285.8
15〜19年 370.8 405.1 305.4
20〜24年 400.4 434.7 327.4
25〜29年 433.6 463.9 346.2
30年以上 444.2 461.8 375.3

所定内給与は、毎月決まって払われる給与から残業代などの超過労働給与を引いた額(税込)で、賞与は入りません。これはある年の、別々の人の平均(断面)です。同じ人が勤め続けたら賃金がこう上がる、という数字ではなく、勤続0年には新しく学校を出た人も中途で入った人も入ります(当てはめ)。2章の雇用動向調査とは調査も「賃金」の範囲も違うので、この表と表6を組み合わせて「転職すると何円損」とは出せません。

7-4. 3つの道を単純に比べる

9章の計算機は、今の賃金でとどまる、前の会社に戻る、別の会社に再転職する、の3つを、入れた月額×月数だけで比べます。初めから入っている例(今の会社30万円、戻った場合34万円、再転職した場合32万円、辞めてから次に入るまで2か月あく)では次のとおりです(計算)。

道 1年 とどまるとの差 3年 とどまるとの差
とどまる(30万円×12か月) 3,600,000円 - 10,800,000円 -
前の会社に戻る(2か月あけて34万円) 3,400,000円 -200,000円 11,560,000円 +760,000円
再転職(2か月あけて32万円) 3,200,000円 -400,000円 10,880,000円 +80,000円

入れていないものは、賞与、昇給、残業代、退職金、社会保険料と税、空白の期間の失業保険です。戻った場合と再転職した場合の賃金は自分で入れる見込みの額で、決まった額ではありません。

8. 求人と違うとき

8-1. 求人票と労働条件通知書は別のもの

書いてあったもの 決まり 違ったとき 相談先
求人票・求人広告 募集する会社は業務の内容・賃金・労働時間などを明示する(職業安定法5条の3)。虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、正確で最新の内容に保つ(5条の4)。虚偽の広告や虚偽の条件で募集した場合などは罰則(65条9号・10号) 厚生労働省のFAQは、求人票は「募集の際に提示する労働条件の目安」で、労働基準法15条の明示とは別とする ハローワークの求人ならハローワーク
労働条件通知書・雇用契約書(契約のときの明示) 会社は契約のときに賃金・労働時間などを明示し、主な事項は書面(本人が希望すればメールなど)で示す(労働基準法15条1項、施行規則5条) 明示された労働条件が事実と違えば、すぐに労働契約を解除できる(15条2項)。仕事のために引っ越した人が14日以内に帰郷するなら旅費は会社が負担(15条3項) 労働基準監督署、総合労働相談コーナー
面接などで口頭で聞いただけ 書面で示す事項(契約の期間、就業の場所と業務、始業・終業の時刻や休日、賃金の決め方と支払い、退職など)は、書面で明示することになっている(施行規則5条3項・4項) 書面との違い、書面をもらっていないことを確かめる 労働基準監督署、総合労働相談コーナー

15条2項は「労働契約の締結に際し」明示された労働条件と事実が違う場合の決まりです。厚生労働省のFAQは、求人誌と実際の条件が違った場合について、求人票は目安で、15条の明示は「労働者個々人に対して書面で明示される労働条件」と分けて説明し、求人票と違う場合はまずハローワークに相談するよう案内しています。求人票と違ったことだけで、15条2項ですぐに辞められるとは書かれていません。入社のときに受け取った書面と実際を比べることになります。

8-2. 2024年4月から明示が増えたこと

2024年4月から、契約のときに明示する事項に、就業の場所と業務の「変更の範囲」(全ての労働者)と、有期契約を更新する場合の基準(通算契約期間や更新回数の上限)が加わりました(労働基準法施行規則5条1項1号の2・1号の3)。厚生労働省は「変更の範囲」を、雇い入れ直後にとどまらず、将来の配置転換などの見込みも含めた範囲と説明しています。募集のときに示す事項にも同じものが加わっています(職業安定法施行規則4条の2)。

面接などのあとで募集のときの条件を変える場合、会社は変える内容を明示することになっていて(職業安定法5条の3第3項)、指針は、変更前と変更後を対照できる書面を渡すか、労働条件通知書で変わった所に下線を引く・着色する・注記する方法を挙げています。明示した内容を安易に変えたり削ったりしてはならない、ともしています。

8-3. ハローワークの求人票と実際が違うという申出

ハローワークに寄せられた「求人票の記載内容と実際の労働条件の相違」の申出・苦情などは、令和6年度に3,297件(令和5年度3,761件)でした。

内容(主なもの) 令和6年度 令和5年度
賃金 929件 1,108件
就業時間 661件 711件
職種・仕事の内容 591件 644件
選考方法・応募書類 470件 642件
休日 320件 332件
雇用形態 274件 280件
就業場所 207件 219件
雇用期間 201件 215件
社会保険・労働保険 152件 169件

1件の申出に複数の内容があるときは、それぞれに数えています。要因別では「求人票の内容が実際と異なる」が1,478件(令和5年度1,609件)、「求人者の説明不足」932件、「言い分が異なる等により要因を特定できないもの」373件、「求職者の誤解」364件、「ハローワークの説明不足」59件でした。これはハローワークの求人についての件数で、民間の求人サイトや職業紹介会社を通した求人は入っていません。

8-4. 失業保険の区分

特定受給資格者の範囲には、「採用時に明示された労働条件が事実と著しく相違したこと」により辞めた場合があります。業務取扱要領は、その事由が起きてから1年を経過するまでの間に辞めた場合としています。特定受給資格者と判定されれば、受給資格は離職前1年に6か月で足り、給付制限はありません。求人票だけに書かれていた条件との違いがこれに当たるかを名指しした公式の文は確かめられませんでした。どの区分になるかはハローワークが、労働契約書などの資料を見て判定します。区分の決まり方は会社都合と自己都合の違いの記事に書いています。

8-5. 相談先

  • ハローワークの求人票と違う:最寄りのハローワーク、または「ハローワーク求人ホットライン(求職者・就業者専用)」03-6858-8609(8時30分〜17時15分、土日祝も受付、年末年始を除く)。
  • 労働条件通知書と違う・辞めさせてもらえない:労働基準監督署、総合労働相談コーナー(各労働局・労働基準監督署の中)。
  • 民間の求人サイト・職業紹介会社の求人と違う:公式の相談先は、この記事では確かめていません。

9. 計算機:賃金の変化・すぐ辞める場合・3つの道・求人と違うとき

年齢、前の会社と今の会社の賃金(月額)、前の会社を辞めた日と雇用保険の期間、前の受給資格の有無、今の会社の入社日と辞める予定日、辞め方、戻った場合と再転職した場合の見込みの賃金、求人・契約と違う項目を入れると、次を出します。

  • 賃金の変化の区分(入れた月額を比べた計算機独自の当てはめで、表6と同じ判定方法ではありません)と、同じ年齢階級の転職者の分布(令和7年・令和6年の表6)
  • すぐ辞めた場合の、民法の2週間の日、失業保険の受給資格の目安、前の受給資格の残り、所定給付日数と給付制限の目安、国民健康保険・国民年金・任意継続の期限、有給がつくか
  • とどまる・前の会社に戻る・再転職の1年と3年の単純な比較
  • 求人票・労働条件通知書・口頭のどれと違うかで変わる決まりと相談先

転職後の賃金の変化と同じ年齢の分布、すぐ辞める場合の失業保険・社会保険、とどまる・出戻り・再転職の比較、求人と違うときのチェック

入れた数字は、このページの中で計算に使うだけで、どこにも送られません。初めから入っている数字は入力の例です。自分の数字に置き換えてください。

1. 賃金の変化

2. すぐ辞める場合

3. とどまる・前の会社に戻る・再転職の比較

4. 求人・契約の条件と違うとき

初めから入っている例は、前の会社(雇用保険に10年加入、失業保険の手続きはしていない)を2026年3月31日に辞めて翌日の4月1日に入社し、賃金が月35万円から30万円になった40〜44歳の人が、11月30日に自分から辞める場合です(今日を2026年10月24日として)。賃金の差は-50,000円(-14.3%)で、計算機の区分(月額の比較による当てはめ)では「1割以上の減少」です。表6の40〜44歳の「1割以上の減少」は令和7年17.6%、令和6年21.2%です。今日、辞める意思表示が会社に届いた場合、民法では11月7日の終わりで雇用が終わります。失業保険は、今の会社の8か月と、離職前2年の中にある前の会社の16か月を合わせて24か月で一般の条件に届く目安で、通算した算定基礎期間(約10.7年)から所定給付日数は120日、給付制限は待期7日のあと原則1か月です。国民健康保険と国民年金の届出の期限は12月14日、任意継続の申出の期限は12月21日で、有給は10月1日に6か月を過ぎているので、出勤率の条件を満たしていればついています。とどまる・戻る・再転職の比較は7-4の表のとおりです。求人と違う項目は「賃金」で、労働条件通知書と違う場合の例です。

10. よくある質問

転職して賃金が下がる人はどれくらいいますか?

令和7年雇用動向調査では、前の勤め先より賃金が「減少」した人は31.0%、「1割以上の減少」は21.9%でした。比べた賃金が年収か月給かなどは公表資料に書かれておらず、年収が下がった人の割合は、この統計からは直接分かりません(2章)。

40代で転職すると賃金は下がりますか?

令和7年は、40〜44歳で「減少」27.4%・「増加」44.9%、45〜49歳で「減少」30.1%・「増加」41.1%で、どちらも「増加」のほうが多くなっています。50〜54歳から上は「減少」が「増加」を上回りました(2-2・2-3)。

転職を後悔している人はどれくらいいますか?

「後悔」を直接たずねた公式の統計は見つかりませんでした。近いものとして、令和7年転職者実態調査では、入社1年以内の時点で職業生活全体に不満(不満・やや不満)の人は10.7%、「機会があれば転職したい」は20.6%でした(3章)。

転職してすぐ辞めたら、失業保険はもらえますか?

離職前2年に被保険者期間が12か月要ります。前の会社の期間は、受給資格では、前の会社を辞めたときに受給資格の決定を受けていなければ離職前2年の中にある分を数えます。所定給付日数の算定基礎期間では、1年以内に今の会社で加入し、前の会社の分の基本手当などを受けていなければ通算します。受給資格の決定を受けていた人は、前の受給資格の受給期間の中なら残りの日数を受けられます。受けられるかはハローワークが判定します(5章)。

前の会社に戻る(出戻り)人はどれくらいいますか?

出戻りの人数や割合を示す公式の統計は見つかりませんでした。前の会社を辞めたときの受給資格で失業保険を受けている途中に、その会社に戻った場合は、再就職手当の対象になりません(7章)。

求人票と条件が違ったら、すぐ辞められますか?

厚生労働省は求人票を「募集の際に提示する労働条件の目安」としていて、すぐに契約を解除できる労働基準法15条2項は、契約のときに明示された労働条件と事実が違う場合の決まりです。入社のときの労働条件通知書と実際を比べ、ハローワークの求人ならハローワークに相談できます(8章)。

11. まとめ

  • 令和7年、転職で賃金が「減少」した人は31.0%(1割以上の減少21.9%)、「増加」40.8%。比べた賃金の種類は書かれておらず、男女別の表はない
  • 50歳以上のすべての年齢階級で「減少」が「増加」を上回った。年齢階級別の値は1年で大きく動くことがあるので、前年の値も並べて見る
  • 入社1年以内の時点で、職業生活全体に不満の人は10.7%、賃金に不満の人は27.6%、「機会があれば転職したい」は20.6%
  • すぐ辞めるときの失業保険は離職前2年に12か月。前の会社の期間を数える条件は、受給資格(受給資格の決定を受けたか)と算定基礎期間(1年以内の加入か、基本手当などを受けたか)で違う。前の受給資格の残りがあるかでも変わる。判定はハローワーク
  • 出戻りの公式の統計はない。前の会社を辞めたときの受給資格で失業保険を受けている途中に、その会社に戻ると再就職手当の対象外。有給・退職金の通算は条件や会社の規程による
  • 求人票は労働条件の目安。15条2項は契約のときに明示された条件との違い。ハローワークの求人ならハローワークに申し出られる

12. 出典

13. あわせて読む

 

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