退職届の書き方と出す時期|何日前に出すか、退職願との違い、退職日の決め方(月末か前日か・賞与・失業保険)(文面を作る計算機つき)

退職届の書き方・いつまでに出す?法律は2週間前(14日前)、退職願との違いも 生き方・キャリア

「退職届 書き方」「退職届 いつまで」「退職 何日前」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。

退職届は「〇月〇日をもって退職いたします」と会社に伝える書面です。会社に決まった書式がなければ、表題、「私儀」、理由(自己都合なら「一身上の都合により」)、退職日、提出日、所属と氏名、宛名(会社の代表者)を書けば形になります。似た書面の退職願は「辞めさせてください」という合意の申込みで、会社が承諾するまでは撤回できますが、退職届は会社に届いた時点で撤回できません(どちらに当たるかは表題だけでなく中身と事情で判断されます)。期間の決まっていない雇用(正社員など)は、民法627条で申し入れてから2週間で終わるので、法律上は退職日の14日前までに会社に届けば足り、会社の承諾も要りません。ただ、就業規則で「1か月前」などと決めている会社も多く、どちらが優先するかは労働局の説明でも分かれているので、もめずに辞めるなら就業規則の期限が目安です。契約社員・パートといった呼び名ではなく、契約に期間の定めがある場合は、途中で辞めるには原則としてやむを得ない事由が要ります。退職日は、月末にするとその月の会社の健康保険・厚生年金がかかり、月末の前日にすると代わりにその月の国民年金と国民健康保険がかかります。月給30万円・42歳なら、会社の保険料(本人負担)は月45,000円、国民年金は17,920円で、月末に辞めて1か月多く入った分の老齢厚生年金は年に約1,644円です。賞与は、就業規則に「支給日に在籍している人に払う」決まりがあれば、支給日より前に辞めると受け取れません(最高裁も有効と判断)。失業保険は、雇用保険に入っていた期間が10年・20年を越える日で日数が変わります。退職日と就業規則の期間・有給・月給・賞与・入社日から、出す期限、最終出社日、退職届の文面、保険料の差、賞与と失業保険への影響を出す計算機を9章に置きました。

知りたいこと 答え 章
書き方 表題・私儀・理由・退職日・提出日・所属と氏名・宛名。会社の書式があればそれに従う 2章
退職届と退職願の違い 退職届は届いたら撤回できない。退職願は会社が承諾するまで撤回できる。表題だけでなく中身で判断される 3章
何日前に出すか 民法は2週間前(会社の承諾は不要)。就業規則の「1か月前」などとの関係は労働局の説明でも分かれる 4章
期間の定めのある契約 途中で辞めるには原則やむを得ない事由。1年を超える契約は1年たてばいつでも。呼び名ではなく契約書で確かめる 4章
最終出社日 残った有給は、退職日までなら会社は日をずらせない 5章
月末か、その前の日か 月末ならその月の会社の保険料、前の日ならその月の国民年金と国保。月末なら年金が1か月分増える 6章
賞与 支給日に在籍している人に払う決まりがあれば、支給日より前に辞めると受け取れない 7章
失業保険 受給資格は離職前2年に12か月(会社都合などは1年に6か月)。加入10年・20年で日数が変わる 8章
自分の場合 出す期限・最終出社日・文面・保険料の差・賞与・失業保険を計算 9章

1. 先に、この記事の数字について

この記事の決まりと数字は、民法・労働基準法・健康保険法・厚生年金保険法・雇用保険法の条文(e-Gov法令検索、2026年10月22日時点の現行版)と、厚生労働省・各労働局・日本年金機構・協会けんぽ・ハローワーク・東京都の資料から取り、計算機にしています。保険料は協会けんぽ東京支部の2026年度の料率(健康保険9.85%、介護1.62%、子ども・子育て支援金0.23%、厚生年金18.3%)で、健康保険組合に入っている人は料率が違います。国民健康保険料は区市町村ごとに違うので、計算機では自分で入れた額を使います。就業規則の扱いや賞与の決まりは会社ごとに違うので、最後は自分の会社の就業規則で確かめてください。

2. 退職届の書き方

2-1. 書く項目

会社に決まった書式があれば、それを使います。なければ、次の項目を書けば形になります。

項目 書くこと
表題 「退職届」(合意を求めるなら「退職願」。違いは3章)
書き出し 「私儀」(わたくしぎ。私ごとですが、の意味)
理由 自己都合なら「一身上の都合により」。退職勧奨に応じる、契約期間の満了など、会社側の事情なら事実のとおり(2-3)
退職日 最後に会社に在籍する日。「令和〇年〇月〇日をもって退職いたします」
提出日 会社に渡す日
所属と氏名 部署名と自分の氏名。押印するかは会社の決まりに合わせる
宛名 会社名と代表者の役職・氏名に「殿」。退職の相手は会社なので、直属の上司ではなく会社の代表者にする

縦書きにするときの例です(数字は漢数字にします)。

退職届

私儀
このたび一身上の都合により、令和八年十二月三十一日をもって退職いたします。

令和八年十一月三十日
〇〇部〇〇課
〇〇 〇〇

株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇〇〇 殿

横書きにするときは、たとえば日付と宛名を上に、自分の所属と氏名をその下に置き、本文を最後に書き、数字は算用数字にします。9章の計算機で、名前と日付を入れた縦書き用・横書き用の文面を出せます。

2-2. 手書きかパソコンか、用紙と封筒

退職の意思表示の方法について、東京都の『ポケット労働法2026』は、労働者からの申し出は口頭で足りるとされているが、書面で退職届を出すなどの手続きを踏むほうが望ましい、としています。厚生労働省のサイトも、退職届を出して申し入れるのが無難だとしています。手書きかパソコンか、用紙や封筒の形を定めた法律の規定は、この記事で調べた範囲(民法・労働基準法、厚生労働省・労働局・東京都の資料)では見つかりませんでした。会社に書式や決まりがあればそれに従い、なければ読みやすく、後から内容と日付が分かる形で出すことになります。

2-3. 理由の書き方:自己都合と会社都合

自分の都合で辞めるなら、理由は「一身上の都合により」と書くのが一般的で、細かい事情を書く必要はありません。会社から退職を勧められて応じる(退職勧奨)、契約期間が満了するなど、会社側の事情で辞めるときは、事実のとおりに書きます。失業保険の離職理由を最後に決めるのはハローワークで、事実で判断されますが、本人が出した書面も材料になります。退職勧奨のときの離職理由と失業保険の違いは、退職勧奨の記事と離職票の記事にまとめています。

2-4. 日付の書き方

退職届には日付が2つ入ります。1つは退職日(最後に会社に在籍する日)で、もう1つは会社に渡す提出日です。退職日は、4章の期限と6〜8章のお金の違いを見て決めます。有給を使い切ってから辞めるなら、最後に出社する日(最終出社日)と退職日は別の日になります(5章)。

3. 退職届と退職願の違い:撤回できるか

区分 意味 撤回
退職届 労働者が一方的に契約を終わらせる意思表示(辞職) 会社に届いた時点で効力が生じ、撤回できない
退職願 会社の承諾を前提にした、合意で辞める申込み(合意解約の申込み) 会社が承諾するまでは撤回できる

厚生労働省のサイトは、退職願を合意退職の申込みとし、承諾があるまでの間は撤回できる、区別がつかないときは合意退職の申込みと考えられる、と説明しています。名前だけで決まるものではなく、両者が厳密に区別されずに使われることもあるとしています。東京都も、どちらに当たるかは実態に即して判断される、としています。

退職願でも、出した後いつまでも撤回できるわけではありません。いつ会社が承諾したことになるかについては、最高裁の大隈鐵工所事件(1987年9月18日)が、退職願を承認する権限を持つ人事部長が受け取った時点で承諾したとみるのが当然だとして、撤回を認めた高裁の判決を破棄しています(厚生労働省「確かめよう労働条件」の裁判例の要旨)。

どちらを出すかは、辞めることが決まっているか、会社と日を話し合いたいかで分かれます。退職日を会社と相談して決めたいなら退職願、民法の2週間(4章)で確実に辞めたいなら退職届です。退職を勧められて応じる場合は、会社が用意した書面の表題と理由を確かめてから出します。

4. 何日前に出すか:民法の2週間と就業規則

4-1. 法律は2週間前(会社の承諾は要らない)

期間の決まっていない雇用(正社員など)は、労働者からも会社からも、いつでも解約を申し入れられ、申し入れた日から2週間で終わります(民法627条1項)。期間の数え方は、初日を数えず(民法140条)、末日の終わりで満了します(同141条)。たとえば10月1日に会社に届けば、10月2日から数えて14日目の10月15日の終わりで終わります。逆に、12月31日に辞めるなら、12月17日までに会社に届けば足ります。東京都の『ポケット労働法2026』は、申し入れから2週間たてば、会社の承諾がなくても労働契約は終了するとしています。

月給制の人について、以前は民法627条2項により「賃金計算期間の前半に申し入れる」必要があると説明されていました。2017年の民法改正(2020年4月1日施行)で、この2項は「使用者からの」申入れだけに当てはまる形になり、労働者が辞めるときは月給制でも2週間です。一部の労働局のページには改正前の説明が残っているので、読むときは注意が要ります。

4-2. 就業規則の「1か月前」との関係

厚生労働省の「知って役立つ労働法」は、退職予定日の1か月前までに申し出ると決めている会社も多いので、会社の手続きを調べることも必要だとしています。就業規則の期間と民法の2週間のどちらが優先するかについて、厚生労働省・労働局で統一した説明は見つかりませんでした。

  • 茨城労働局:就業規則が優先するという見解と、民法を強行規定(契約で変えられない決まり)とした裁判例の両方を紹介し、後者なら会社が承諾しなくても2週間で退職の効力が生じるとしています。労働者向けには、トラブル防止のため、まず就業規則どおりに申し出たほうがよいとしています
  • 鹿児島労働局・大阪労働局:原則として就業規則の規定が適用されるが、極端に長い期間は公序良俗に反して無効とされる場合がある
  • 長野労働局:民法の規定によれば、原則として14日以上前に退職の意思表示をする必要がある

法律上の最短は2週間で、就業規則の期間に合わせれば会社ともめにくい、というのが資料から言えることです。両方の期限を、退職日から逆算すると次のとおりです(1か月前・2か月前は前の月の同じ日として計算。就業規則が「前月末まで」「30日前まで」などの書き方なら日付が変わります)。表の「休日なので前の出勤日」は、確実に渡すための目安で、法律で決まった期限ではありません。

退職日 民法の2週間(届く期限) 就業規則が1か月前 就業規則が2か月前
2026年11月30日(月) 2026年11月16日(月) 2026年10月30日(金) 2026年9月30日(水)
2026年12月31日(木) 2026年12月17日(木) 2026年11月30日(月) 2026年10月31日(土)(休日なので前の出勤日は10月30日)
2027年1月31日(日) 2027年1月17日(日)(休日なので前の出勤日は1月15日) 2026年12月31日(木)(休日なので前の出勤日は12月28日) 2026年11月30日(月)
2027年2月28日(日) 2027年2月14日(日)(休日なので前の出勤日は2月12日) 2027年1月28日(木) 2026年12月28日(月)
2027年3月31日(水) 2027年3月17日(水) 2027年2月28日(日)(休日なので前の出勤日は2月26日) 2027年1月31日(日)(休日なので前の出勤日は1月29日)

4-3. 期間の定めのある契約(契約社員・パートなど)

正社員・契約社員・パートという呼び名ではなく、労働契約に期間の定めがあるかで決まります。パートでも期間の定めがなければ4-1の2週間です。期間の定めのある契約(有期契約)を途中で辞めるには、原則として「やむを得ない事由」が要ります(民法628条)。その事由が自分の過失によるときは、損害賠償の責任を負います。ただし、1年を超える契約は、契約の初日から1年たった日以後なら、会社に申し出ればいつでも辞められます(労働基準法137条。高度専門職と満60歳以上の人などは対象外)。就業規則や契約に途中で辞めることを認める決まりがあれば、それによって辞めることもできます(東京都『ポケット労働法2026』)。契約の末日で辞める(更新しない)なら途中で辞める話ではありませんが、満了の後も働き続けて会社が異議を言わないと、同じ条件で更新したと推定され、その後は627条の2週間で辞めることになります(民法629条)。

5. 最終出社日と有給

有給は、労働者が請求した時季に与えるのが原則で、会社が別の日に変えられるのは「事業の正常な運営を妨げる場合」だけです(労働基準法39条5項)。退職日までに残った有給を請求した場合、退職日より後に日をずらすことはできないので、会社は時季を変えられず、請求どおり与えることになります(厚生労働省・沖縄・静岡・長野労働局の説明)。

残った有給を退職日までの出勤日に当てると、最後に出社する日が決まります。有給の日数のほうが、退職届を出してから退職日までの出勤日より多いと、使い切れません。その場合は退職日を後ろにずらすか、残る分の買い取りを会社と話すことになります。有給の日数の数え方、買い取り、時効は有給の記事にまとめています。

6. 退職日の決め方(1):月末か、その前の日か(保険料)

6-1. 決まり:資格を失う日は退職日の翌日

会社の健康保険と厚生年金の資格を失う日は、退職日の翌日です(健康保険法36条、厚生年金保険法14条)。保険料は資格を取った月から、資格を失った月の前月の分までかかり、日割りはしません(厚生年金保険法19条・81条、健康保険法156条)。

  • 月末(例:10月31日)に辞める:資格を失う日は11月1日なので、10月分までかかります。最後の給与から9月分と10月分の2か月分を引かれることがあります(日本年金機構)
  • 月末の前日(例:10月30日)に辞める:資格を失う日は10月31日なので、9月分までです。10月分の会社の保険料はかかりません

ただし、月末の前日に辞めると、10月31日の時点で会社の保険に入っていないので、10月分の国民年金(第1号)と国民健康保険がかかります。国民年金は第1号になった月の分から払い、2026年度は月17,920円(2027年度は18,290円)です。国民健康保険は月の末日に資格があればその月の分がかかります(世田谷区の説明)。会社員など(国民年金の第2号)の配偶者の扶養に入る60歳未満の人は、健康保険の被扶養者・国民年金の第3号になり、その月の保険料は自分では払いません。親など配偶者以外の扶養に入る場合は、健康保険は被扶養者になれても、国民年金は第3号にならないので自分で払います。60歳以上の人は、国民年金の保険料はかかりません(任意加入を除く)。翌月1日に次の会社に入る場合も、月末の前日に辞めれば、その月の分は国民年金と国民健康保険になります。辞めた後の保険料の比べ方は退職後の健康保険の記事と退職後の国民年金の記事で計算できます。

6-2. 月給ごとの差

40〜64歳(介護保険料がかかる人)で、協会けんぽ東京の2026年度の料率の場合です。国民健康保険料は区市町村と前の年の所得で違うので、表には入れていません。

月給 標準報酬月額 月末に辞める:その月の会社の保険料(本人負担、40〜64歳) 前日に辞める:その月の国民年金 差(国保・任意継続の保険料を除く) 月末に辞めると増える老齢厚生年金(年額)
20万円 200,000円 30,000円 17,920円 12,080円 約1,096円
25万円 260,000円 39,000円 17,920円 21,080円 約1,425円
30万円 300,000円 45,000円 17,920円 27,080円 約1,644円
40万円 410,000円 61,500円 17,920円 43,580円 約2,247円
50万円 500,000円 75,000円 17,920円 57,080円 約2,740円
65万円 650,000円 97,500円 17,920円 79,580円 約3,563円

月末に辞めると、その月の会社の保険料(本人負担)が国民年金より多くかかりますが、厚生年金に入る月が1か月長くなります。老齢厚生年金の報酬比例部分は、2003年4月以降の期間について「平均標準報酬額×5.481÷1000×加入月数」で計算されるので(日本年金機構)、1か月分は標準報酬月額×5.481÷1000で、月給30万円なら年に約1,644円です。これは年金を受け取り始めてから毎年の額です。どちらが得かは、その月の差額と、この年金の増え方を並べて決めることになります。ただしこれは、税金(社会保険料控除)、年金額の改定、受け取り始める年齢を考えない名目の比較です。

6-3. 退職する月に賞与が出るとき

資格を失った月に払われた賞与には、健康保険・厚生年金の保険料がかかりません(日本年金機構)。月末以外に辞めれば、退職する月に出た賞与に保険料はかからず、月末に辞めると資格を失う月が翌月になるので、退職する月の賞与にも保険料がかかります。賞与60万円なら本人負担は約9万円(40〜64歳、協会けんぽ東京)です。保険料のもとになる標準賞与額は、賞与の1,000円未満を切り捨てた額で、健康保険は年度の累計573万円、厚生年金は1か月150万円が上限です。ただし、保険料がかからない賞与は、厚生年金の計算にも入りません。

6-4. 同じ月に入って辞めた場合

同じ月に会社の保険に入って辞めた(同月得喪)場合、厚生年金はその月を1か月として保険料がかかりますが、その月のうちに次の会社の厚生年金か国民年金に入れば、先に辞めた会社の厚生年金保険料は要らなくなり、会社を通じて返されます(厚生年金保険法19条2項、日本年金機構)。健康保険は、喪失した月の保険料をかけないのは「前月から引き続き被保険者である者」だけなので(健康保険法156条3項)、条文からは1か月分がかかることになります。

7. 退職日の決め方(2):賞与

賞与を誰に払うかは、就業規則や賃金規程の決まりで決まります。「支給日に在籍している人に払う」という決まり(支給日在籍要件)について、最高裁の大和銀行事件(1982年10月7日)は、支給日に在籍する人にだけ払う慣行を明文化した就業規則には合理性があり、支給日より前に辞めた人は受け取る権利がない、とした判決を支持しています(厚生労働省「確かめよう労働条件」の裁判例の要旨)。埼玉県の労働相談のQ&Aは、自分から辞めた人について支給日在籍要件は適法とされている一方、整理解雇など自分で退職日を選べない場合には、公序良俗に反して無効とした裁判例もあると説明しています。

支給日在籍要件のある会社で賞与を受け取ってから辞めるなら、退職日を支給日以降にします。支給日に在籍していても、支給されるかと額は賃金規程と査定しだいで、支給日の前後に退職を伝えたときに査定がどうなるかは、会社の決まりと運用しだいです。賞与の平均額はボーナスの平均の記事にまとめています。

8. 退職日の決め方(3):失業保険

8-1. 受給資格:離職前2年に12か月

失業保険(雇用保険の基本手当)を受けるには、原則として離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上要ります。倒産・解雇・退職勧奨などの会社都合(特定受給資格者)や、病気・介護などの正当な理由のある自己都合と雇止め(特定理由離職者)は、離職の日以前1年間に6か月以上でも足ります(雇用保険法13条)。被保険者期間は、離職日から1か月ずつさかのぼって区切り、賃金の支払いの基礎になった日が11日以上ある区切りを1か月と数えます。11日以上の月で足りないときは、80時間以上ある月も1か月として数えられます(同法14条、神奈川労働局)。暦の上で在籍していても、欠勤や休職などで賃金の支払いの基礎になった日が11日未満の月は1か月に数えません(病気やけがなどで30日以上続けて賃金がなかった期間があれば、2年を最長4年まで延ばせます)。入社から1年たたずに自己都合で辞める人は、退職日を何日か後ろにずらすだけで受給資格を満たすことがあります。

8-2. 所定給付日数:加入10年・20年の区切り

自己都合など一般の離職者の所定給付日数は、雇用保険に入っていた期間(算定基礎期間)で決まり、10年未満は90日、10年以上20年未満は120日、20年以上は150日です(雇用保険法22条)。会社都合など(特定受給資格者)は年齢と期間で90〜330日です(同法23条)。どの区分に当たるかを決めるのはハローワークです。加入期間が10年・20年に届く直前に辞めると、30日分少なくなります。自己都合の給付制限は、2025年4月1日以降の離職なら原則1か月で、5年の間に2回以上、正当な理由のない自己都合退職で受給資格の決定を受けている人は3か月です。日額と日数は失業保険の計算の記事で出せます。65歳以上で辞める人は一時金になるので、65歳以上の失業保険の記事を見てください。

9. 計算機:出す期限・最終出社日・文面・保険料の差・賞与・失業保険

退職日、今日の日付、就業規則の申出の期間、契約の期間、残っている有給、退職届の種類と理由・会社名・宛名・所属・氏名、月給、年齢、辞めた後の保険、賞与の支給日と額、雇用保険に入った日、辞め方を入れると、次を出します。

  • 民法と就業規則それぞれの、退職届を出す期限(休日なら前の出勤日)。契約社員・パートは途中で辞められるか
  • 有給を使い切る場合の最終出社日と、引き継ぎに使える出勤日の数
  • 縦書き用(漢数字)と横書き用の退職届・退職願の文面
  • 月末に辞める場合と月末の前日に辞める場合の、その月の保険料の差、賞与の保険料、年金の増え方
  • 賞与を受け取れるか、失業保険の受給資格と日数、加入期間の区切りまであと何日か

退職届をいつまでに出すか、最終出社日、退職届の文面、月末に辞めるか前の日に辞めるかの保険料の差、賞与と失業保険への影響

入れた数字や名前は、このページの中で計算に使うだけで、どこにも送られません。初めから入っている数字は入力の例です。自分の数字に置き換えてください。

退職日と出す時期

退職届の文面

保険料・賞与・失業保険

初めから入っている例は、2016年4月1日に入社した42歳・月給30万円の人が、2026年12月31日に自己都合で辞める場合です(今日を2026年10月22日として)。就業規則が1か月前なら11月30日まで、民法の2週間なら12月17日までに出します。有給10日を使い切ると最終出社日は12月14日です。12月10日に賞与60万円が出るので、12月31日(月末)に辞めると保険料は本人負担で会社の保険料45,000円と賞与の保険料90,000円の135,000円、12月30日に辞めると国民年金17,920円と国保(入れた額25,000円)の42,920円で、差は92,080円です。月末に辞めた場合の年金の増え方は年約4,933円です。失業保険は加入10年以上20年未満の120日です。

10. よくある質問

退職願を出さずに、退職届だけを出してもいいですか?

かまいません。どちらか一方を出すのが普通で、両方出す決まりはありません。会社と日を話し合いたいなら退職願、民法の2週間で確実に辞めたいなら退職届です(3章)。会社に書式や手順の決まりがあれば、それに従います。

退職届は手書きでないとだめですか?

手書きかパソコンかを定めた法律の規定は、調べた範囲では見つかりませんでした。会社の決まりがあればそれに従い、なければどちらでも、内容と日付が分かる形で出します(2-2)。

退職届には、何日付けで退職と書けばいいですか?

退職日は、最後に会社に在籍する日です。有給を使い切るなら、最終出社日ではなく有給の最後の日が退職日になります。提出日は会社に渡す日です。月末か前の日か、賞与の支給日、失業保険の加入期間の区切りで、お金が変わります(6〜8章)。

退職は最低何日前に伝えればいいですか?

期間の決まっていない雇用なら、法律上は退職日の2週間前(申し入れた日を数えずに14日)です(民法627条1項)。就業規則で1か月前などと決めている場合は、その期限に合わせるともめにくくなります(4章)。

3月いっぱいで退職するには、いつ伝えればいいですか?

3月31日に辞めるなら、民法上は3月17日までに会社に届けば足ります。就業規則が1か月前なら2月28日、2か月前なら1月31日で、休日なら前の出勤日です(4-2の表)。

一番お得な退職日はいつですか?

一つには決まりません。月末の前日に辞めるとその月の会社の保険料はかかりませんが、国民年金と国民健康保険がかかり、厚生年金の加入が1か月短くなります。賞与の支給日の前に辞めると賞与を受け取れないことがあり、加入10年・20年の直前に辞めると失業保険の日数が30日減ります。9章の計算機で、自分の数字で比べられます。

退職届を受け取ってもらえないときはどうしますか?

期間の決まっていない雇用なら、辞める意思表示が会社に届いてから2週間で雇用は終わり、会社の承諾は要りません。手渡しで受け取ってもらえないときは、届いたことと日付を後から示せる方法(郵便など)で送ります。就業規則の手続きとの関係でもめているなら、各労働局の総合労働相談コーナーなどに相談できます。

11. まとめ

  • 退職届は、表題・私儀・理由・退職日・提出日・所属と氏名・宛名。会社の書式があればそれに従う
  • 退職届は届いたら撤回できない。退職願は会社が承諾するまで撤回できる(人事部長の受理で承諾とみた最高裁判決あり)。どちらかは表題だけでなく中身で判断される
  • 期間の決まっていない雇用は、民法で申し入れから2週間で終わる(会社の承諾は不要)。就業規則の「1か月前」との関係は労働局の説明でも分かれる
  • 期間の定めのある契約(呼び名ではなく契約書で確かめる)の途中退職は原則やむを得ない事由が必要。1年を超える契約は1年たてばいつでも
  • 月末に辞めるとその月の会社の保険料、前日ならその月の国民年金・国保。月末なら厚生年金が1か月長くなる
  • 賞与は支給日在籍要件があれば支給日以降に辞める。失業保険は受給資格の12か月と、加入10年・20年の区切りを確かめる

12. 出典

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    今週できる実践ワーク(約70分)
※手を動かさずに稼ぐ方法をお探しの方には向きません。
そのことも講座内で明記しています。
20年
現場での実践
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