「年下上司」「年下の上司」「年上の部下 接し方」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。
年齢が上がるほど、上の役職の人には自分より年下の人が増えます。令和7年の賃金構造基本統計調査で、全国の課長級の49.8%は50歳未満、76.3%は55歳未満、95.4%は60歳未満です。全国の課長級を年齢順に並べると、50歳の人から見てほぼ半分、55歳なら約4分の3、60歳ならほとんどが年下です(あなたの上司が年下になる確率そのものではありません)。役職定年制のある会社は、事務・技術系の社員がいる100人以上の会社の22.3%です。JILPTの調査では、働いている60代の34.9%が、65歳を過ぎても働くために「協調性(年下の管理監督者の下でも働けることなど)」が必要だと答えています。私は、自分が教える側や上に立つ側だと年齢は気にならないけれど、逆の立場だと感情的には複雑でした。感情の問題は避けられない、というのが私の見方です。年齢と会社の規模を入れると、全国の係長級・課長級・部長級のうち自分より年下の割合と、自分より下の役職の人のうち年上の割合を出す計算機を7章に置きました。
この記事は、職場で上司が年下、部下が年上になる関係の話です。役職の順番は役職の順番の記事、出世するかどうかの判断は出世したくない人の記事に書きました。
| 知りたいこと | 答え | 章 |
|---|---|---|
| 年下上司はどれくらいいるか | 全国の課長級の真ん中の年齢は約50歳(推定)。55歳の人から見て課長級の約4分の3が年下 | 2章 |
| 35歳で課長になれる人は | 35〜39歳で課長級に就いている人は5.0%。課長級のうち40歳未満は10.1% | 2章 |
| 年下が上司になるのはなぜか | 役職に就く人は一部で、役職定年や定年後の再雇用で役職を外れる人もいるため | 3章 |
| やりにくいのは普通か | 私は逆の立場だと感情的に複雑だった。感情の問題は避けられないと考えている | 4・6章 |
| 年上の部下への接し方 | 私は相手を尊重しながら、実益のために変えるべきことを論理的に話している | 5章 |
1. 先に、立場を書きます
私は会社に勤めたことがありません。年下の上司の下にいたのは、インターンとアルバイトのときだけです。その後は中古品の売買を自分の事業としてやり、年上の人を雇ったり、仕事を指示したりしてきました。今はコンサルとして、自分より年上の経営者に教える立場にもいます。この記事は、その経験と、厚生労働省・人事院・JILPTの公的な資料で書きます。
この記事のために、私は次のように答えました。
| 問い | 私の答え |
|---|---|
| インターン・アルバイトで年下の上司の下にいたとき | やりにくさはあった |
| 年上の人を雇ったり、指示したりしたとき | 特に困らなかった |
| 年上の経営者に教えるときに気をつけていること | 相手を尊重することに重きを置きながら、実益を得るためにはこれを変えなければいけないと論理的に話すようにしている。それで受け入れてもらえている。あとは年を取ると怒られなくなるので、強い口調で言っても感謝されることが多かった |
| 年下上司・年上部下という関係をどう見るか | 感情の問題は避けられない |
| その感情はどこから来るか | 儒教の考え方の影響ではないか。年上は、仮に人格破綻者でも無条件に敬わないといけない、というような古い考えがある |
| 上と下で感じ方は違うか | 自分が教える側や上に立つ立場だと気にしないが、逆の立場だと感情的には複雑だった |
2. 年下上司はどれくらいいるか
2-1. 役職ごとの年齢の分布
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(役職第1表)で、期間の定めのない雇用で働く人のうち、係長級・課長級・部長級の人が何歳未満にどれだけいるかを、労働者数から計算しました。
| 役職 | 真ん中の年齢 | 40歳未満 | 45歳未満 | 50歳未満 | 55歳未満 | 60歳未満 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 係長級 | 約46歳 | 28.5% | 47.6% | 67.5% | 85.1% | 97.4% |
| 課長級 | 約50歳 | 10.1% | 26.6% | 49.8% | 76.3% | 95.4% |
| 部長級 | 約53歳 | 4.4% | 12.3% | 30.5% | 59.0% | 86.1% |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」役職第1表(男女計・学歴計・企業規模計(10人以上))の労働者数から計算。真ん中の年齢は、5歳刻みの年齢層の中で年齢が均等に散らばっていると仮定して推定した値で、実際の真ん中の年齢とは少しずれます
たとえば55歳の人から見ると、全国の課長級の76.3%、部長級の59.0%が自分より年下です。ただし、この統計は直属の上司と部下の組み合わせを調べたものではありません。上司が誰になるかは会社の年齢構成や人事で決まるので、これは「あなたの上司が年下になる確率」ではありません。言えるのは、年齢が上がるほど、上の役職に就いている人の中に自分より年下の人が増えていく、ということです。
2-2. 35歳で課長になれる人は
同じ調査で、30〜34歳の人のうち課長級に就いている人は1.6%、35〜39歳では5.0%でした。これは今その年齢で課長級にいる人の割合で、35歳の人が課長になれる確率ではありません。課長級の中で見ると、40歳未満は10.1%で、30代の課長級は少数です。年齢ごとに課長・部長にいる人の割合は、課長・部長になれる確率の記事で計算しました。
3. 年下が上司になるのはなぜか
3-1. 役職に就く人は一部だから
同じ調査で、期間の定めのない雇用で働く人のうち、課長級は7.2%、部長級は3.7%です。年齢層ごとに見ても、課長級がいちばん多い50〜54歳で12.6%でした。課長級・部長級に就く人は一部で、就く年齢にも幅があります。課長級・部長級に就かないまま年齢を重ねると、上の役職の人の中に年下の人が増えていきます。
3-2. 役職定年と、定年後の働き方
人事院の令和7年の調査では、事務・技術系の社員がいる従業員100人以上の会社の22.3%(1,000人以上では31.2%)に役職定年制がありました(会社の数の割合で、社員の割合ではありません)。課長級に役職定年制がある会社のうち、役職を外れる年齢を55歳にしている会社が33.4%、60歳が27.3%で多くなっています。役職を外れた後は、元の部下や年下の人が上司になることがあります。詳しくは役職定年の記事に書きました。
JILPTの『60代の雇用・生活調査』(2019年)では、55歳当時に雇われていて、定年後や60歳以降も働いた人に、定年や60歳のときに仕事の内容が変わったかを聞いています。「変わっていない」が57.2%、「同じ分野の業務ではあるが、責任の重さが変わった」が20.7%(男性25.9%)、「全く別の業務分野の仕事に変わった」が13.4%でした。これには別の会社に移った人も含まれ、責任の重さが変わったことは、役職を外れたことや、年下の上司の下に入ったことと同じではありません。60歳以降の再雇用と給料は、定年は何歳かの記事に書きました。
3-3. 働く60代の3人に1人が、年下の下でも働けることなどの協調性を挙げる
同じ調査で、65歳を過ぎても働くために必要なことを複数回答で聞いた結果です。
| 必要なこと | 60〜69歳 | 60〜64歳 |
|---|---|---|
| 健康・体力 | 82.0% | 84.2% |
| 仕事への意欲 | 58.9% | 60.9% |
| 仕事の専門知識・技能があること | 46.2% | 46.1% |
| 協調性(年下の管理監督者の下でも働けることなど) | 34.9% | 37.7% |
| 専門性よりは色々な仕事ができる能力や幅広い経験 | 21.4% | 22.8% |
出典:JILPT調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査』図表2-16(2019年7〜8月、住民基本台帳から抽出した60〜69歳5,000人に訪問留め置きで調査、有効回答2,883人、回答者の重みづけをした値)。2019年6月に収入になる仕事をした人の回答
働いている60代の3人に1人が、年下の管理監督者の下でも働けることなどを含む「協調性」を、65歳を過ぎて働く条件として選んでいます。ただし、これは実際に年下の上司の下で働いた人の割合ではなく、年下の上司の下で働く人がどう感じているかを全国で調べた公的な統計は、見つけられませんでした。
4. やりにくさと感情:私の経験
私が年下の上司の下にいたのは、インターンとアルバイトのときです。期間は短いのですが、やりにくさはありました。
反対に、年上の人を雇ったり、指示したりしたときは、特に困りませんでした。年上の経営者に教えるときも、年齢はあまり問題になっていません。自分が教える側や上に立つ立場だと気にしないのに、逆の立場だと感情的には複雑でした。同じ年齢の差でも、どちらの側にいるかで感じ方が変わる、ということです。
その感情がどこから来るのかについて、私は儒教の考え方の影響ではないかと思っています。年上は、仮に人格破綻者でも無条件に敬わないといけない、というような古い考えがあるからです。
5. 年上の部下への接し方(上司の側)
5-1. 私が年上の経営者に教えるときにしていること
私は、相手を尊重することに重きを置きながら、実益を得るためにはこれを変えなければいけない、と論理的に話すようにしています。それで受け入れてもらえています。それから、年を取ると人から怒られなくなるので、強い口調で言っても感謝されることが多くありました。
ただし、これはお金を払って学びに来る経営者との関係での話です。経営者は自分で教わることを選んでいますが、職場の部下は、上司の評価や業務命令の影響を受けます。部下が強い口調に反論しなくても、納得しているとは限りません。この記事は、職場の年上の部下に強い口調を勧めるものではありません。厚生労働省のパワハラ指針は、優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動で、働く環境を害するものをパワハラとしています。一方で、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は、パワハラに当たらないとしています。
5-2. 年上の部下から上司へのパワハラもある
同じ指針は、パワハラの条件の「優越的な関係」に、上の役職の人の言動だけでなく、「同僚又は部下による言動で、当該言動を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難であるもの」を含めています。部下の側の言動でも、パワハラに当たることがあるということです。ただし、パワハラに当たるのは、①優越的な関係を背景にした言動で、②業務上必要かつ相当な範囲を超え、③働く環境が害されるもの、の3つがそろう場合です。年上の部下が意見を言った、指示の見直しを求めた、協力を渋った、というだけで当たるわけではありません。意見の違いと嫌がらせは分けて考える必要があります。
指針は、会社に相談窓口をあらかじめ決めておくことや、相談したことを理由に不利益な扱いをしないことを求めています。社内で相談しにくいときは、会社のある場所の労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーでも相談できます(厚生労働省「あかるい職場応援団」)。
5-3. 上司の側から見た、部下に当たる人の年齢
上司の側から見ると、全国の非役職と係長級の人のうち43.4%が45歳より年上です(7章の計算機)。ただし、全国の非役職・係長級の人がみな、その課長の部下になるわけではありません。実際の部下の年齢は、部署の年齢構成で決まります。また、ここには定年後に期間を決めて再雇用された人は入っていないので、60歳以上の人は実際にはもっと多くいます。
6. 私の考え:感情の問題は避けられない
年下上司・年上部下という関係は、感情の問題は避けられない、と私は考えています。理屈で割り切れることと、気持ちが追いつくことは別です。私自身、上に立つ側では気にならなかったのに、下の側ではやりにくさがありました。これは私の経験からの考えで、全国で調べた数字があるわけではありません。
2章の数字で見ると、全国の課長級のうち自分より年下の人は、50歳でほぼ半分、55歳で約4分の3になります。年齢を重ねるほど、年下の上司の下に入る場面は増えていきます。
7. 計算機:上の役職のうち年下の割合と、部下のうち年上の割合
今の年齢・会社の規模・今の立場を入れると、賃金構造基本統計調査の役職ごとの労働者数から、全国の係長級・課長級・部長級の人のうち自分より年下の割合と、自分が役職者なら、全国で自分より下の役職の人のうち年上の割合を出します。あなたの職場の上司や部下の年齢を予測するものではありません。
上の役職のうち年下の割合と、部下のうち年上の割合の計算機
入力した数字は、このページの中で計算に使うだけで、どこにも送られません。役職ごとの年齢の分布は、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(役職第1表)の労働者数です。
7-1. 例で計算すると
| 条件(企業規模計) | 係長級のうち年下 | 課長級のうち年下 | 部長級のうち年下 |
|---|---|---|---|
| 45歳 | 47.6% | 26.6% | 12.3% |
| 50歳 | 67.5% | 49.8% | 30.5% |
| 55歳 | 85.1% | 76.3% | 59.0% |
| 60歳 | 97.4% | 95.4% | 86.1% |
会社の規模で見ると、60歳の人にとって課長級のうち年下の割合は、1,000人以上の会社で97.1%、10〜99人の会社で91.8%でした。この計算では、規模によって課長級の年齢構成が少し違いました。理由はこの統計からは分かりません。
8. よくある質問
年下が上司になるのはなぜ?
課長級・部長級に就く人は一部で(課長級は期間の定めのない雇用で働く人の7.2%)、就く年齢にも幅があるからです。役職定年(事務・技術系の社員がいる100人以上の会社の22.3%に制度がある)や、定年後の再雇用で役職を外れる人もいます。全国の課長級の真ん中の年齢は約50歳(推定)で、55歳の人から見ると課長級の約4分の3が年下です。
年下上司の扱い方は?
年下の上司との付き合い方を決めた公的なルールはありません。私は、年下の上司の下にいたときにやりにくさがありました。感情の問題は避けられないと考えています。上司の言動に悩むときは、会社の相談窓口や、労働局・労働基準監督署の総合労働相談コーナーに相談できます。異動を言われたときの話は人事異動の記事に書きました。
35歳で課長になれる人は?
令和7年の賃金構造基本統計調査では、35〜39歳の人のうち課長級に就いている人は5.0%、30〜34歳では1.6%でした。今その年齢で課長級にいる人の割合で、昇進できる確率ではありません。課長級のうち40歳未満は10.1%です。
年上の部下はなぜ言うことを聞かないのですか?
理由を全国で調べた公的な統計は見つけられませんでした。私は、この関係で感情がこじれるのは、年上は無条件に敬わないといけないという古い考えの影響ではないかと思っています。ただ、指示の目的や権限がはっきりしない、仕事の量が多い、専門的な立場から異論がある、といった年齢以外の理由もありえます。意見の違いはパワハラではありませんが、業務に必要な知識や豊富な経験を持つ部下の言動が、パワハラの3つの条件を満たす場合はあります(厚生労働省の指針)。
年下の上司に敬語を使うべきですか?
敬語の使い方を決めた法律やルールはありません。会社の就業規則や職場の慣行によります。
9. まとめ
- 全国の課長級の真ん中の年齢は約50歳(推定)。55歳の人から見て課長級の76.3%、60歳なら95.4%が年下(令和7年賃金構造基本統計調査。あなたの上司が年下になる確率ではない)。
- 役職定年制は、事務・技術系の社員がいる100人以上の会社の22.3%(人事院)。
- 働いている60代の34.9%が、65歳を過ぎても働くために「年下の管理監督者の下でも働けること」などを含む協調性を挙げている(JILPT)。
- 私は、上に立つ側では年齢は気にならず、逆の立場では感情的に複雑だった。感情の問題は避けられない。
- 部下の言動でも、優越的な関係・業務上必要な範囲を超える・働く環境を害する、の3つがそろえばパワハラに当たる(厚生労働省の指針)。意見の違いはパワハラではない。
10. 出典
- 厚生労働省(e-Stat)「令和7年賃金構造基本統計調査 役職第1表」
- 人事院「令和8年民間企業の勤務条件制度等調査の実施及び令和7年調査結果について」(2026年9月30日)第7-1表・第8-5表
- 労働政策研究・研修機構「調査シリーズNo.199『60代の雇用・生活調査』」(2020年3月)図表2-16、2-83
- 厚生労働省「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号)
- 厚生労働省「あかるい職場応援団 相談窓口のご案内」

コメント