先に、立場を書きます。私は、TQQQを、2024年から買っています。いまも、積立で買いつづけています。だから、この記事は、持っている人間が書いています。そのぶんを割り引いて、読んでください。
そのうえで、結論です。「TQQQは、やめとけ」と言われる理由は、ぜんぶ、本当です。私は、その理由を知ったうえで、買っています。そして、人には、すすめていません。この2つが、どうして両立するのかを、この記事で書きます。
| この記事に書くこと | 書かないこと |
|---|---|
| TQQQが、何に、どう連動しているか(運用会社の公表資料) | 年利、この先いくらになるか |
| 「やめとけ」と言われる理由と、その計算 | 買い時、売り時 |
| 私が、2022年に見送って、2024年に始めた経緯 | 買うべきか、買わないべきか |
| 私の考えの、弱いところ | 特定の商品の推奨 |
当サイトは、投資助言・代理業の登録をしていません。右の列は、書けませんし、書きません。
1. TQQQとは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式な名前 | ProShares UltraPro QQQ |
| 運用会社 | プロシェアーズ(アメリカ) |
| 目標 | ナスダック100指数の、1日の値動きの3倍 |
| 設定日 | 2010年2月9日 |
| 経費率 | 0.82%(減免後)。減免前は0.97% |
数字は、2026年9月に、運用会社の公式ページで確認したものです。変わることがあります。
いちばん大事なのは、「1日の」という3文字です。運用会社は、公式ページに、1日より長く持った場合について、こう書いています。“your return may be higher or lower than the Daily Target”(ProShares)。1日をこえて持つと、成績は、3倍より高くなることも、低くなることもある、という意味です。「やめとけ」の話は、ほとんど、ここから出てきます。
2. 「やめとけ」と言われる理由は、ぜんぶ本当
2-1. 上がって下がるだけで、へる
指数が、1日目に10%上がって、2日目に10%下がったとします。
| 1日目 | 2日目 | 2日後(はじめを100として) | |
|---|---|---|---|
| 指数(1倍) | +10% | −10% | 99.00 |
| 2倍の商品 | +20% | −20% | 96.00 |
| 3倍の商品 | +30% | −30% | 91.00 |
指数は、1%しか、へっていません。3倍の商品は、9%へっています。3倍では、ありません。9倍です。これが、「減価」と呼ばれているものです。上がり下がりが大きいほど、くり返すほど、へります。下の計算機で、数字を変えて、確かめてください。
| 指数(1倍)の2日後 | 99.00(-1.00%) |
| 2倍の商品の2日後 | 96.00(-4.00%) |
| 3倍の商品の2日後 | 91.00(-9.00%) |
| もとの値段にもどるのに、必要な上昇 | 400.00% |
2-2. 2022年は、1年で、約8割下がった
2022年の1年間で、ナスダック100指数は、約33%下がりました。同じ1年で、TQQQは、約8割下がりました。年のはじめに約40ドルだったものが、年の終わりには、約8ドルです。
8割下がったものが、もとの値段にもどるには、5倍になる必要があります。上昇率でいうと、+400%です。指数のほうは、33%下がっても、+約50%で、もどります。
2-3. 2000年の形が来たら、ほぼ、残らない
ナスダック100指数は、2000年3月の高値から、2002年10月の安値まで、約83%下がりました。高値をこえたのは、15年ほど、あとです。
TQQQは、2010年に生まれた商品なので、この下落を、経験していません。計算のうえでは、指数が2年半かけて8割以上下がる相場を、1日3倍で通ると、残るのは、ほんのわずかです。「10年持てば、もどる」は、3倍の商品には、当てはまりません。
2-4. 見えないコストがある
経費率の0.82%のほかに、3倍を作るための、お金を借りるコストが、かかっています。純資産の3倍ぶんを動かすために、2倍ぶんを、借りている形になるからです。このコストは、金利が高いときほど、大きくなります。経費率の表には、出てきません。値段の中に、とけこんでいます。くわしい計算は、auレバナスからTQQQへは上位互換かの記事に書きました。
2-5. 一括で入れると、入った日で、すべてが決まる
2021年の終わりに、まとまったお金を、一括で入れた人は、1年で、8割を失いました。2022年の終わりに入れた人は、そのあとの上昇を、まるごと取りました。1年ちがうだけで、結果が、正反対です。入る日を当てる力は、私には、ありません。
3. 私は、2022年、ながめていただけだった
TQQQの存在は、前から、知っていました。2022年の下落のときも、値動きは、見ていました。でも、買いませんでした。
理由は、自分で計算したからでは、ありません。当時は、「危険だ」「やめろ」という論調が、多かった。それを読んで、「そうなのかな」と思ってしまった。それだけです。中身を、自分で確かめていませんでした。まわりの多くの人が言っていることを、正しいと感じてしまう働きについては、社会的証明の記事に書きました。
ことわっておくと、「あのとき買っていれば」という話では、ありません。2022年の終わりの私には、そこが底だとは、分かりませんでした。分かっていたように感じるのは、いま、結果を知っているからです。反省するのは、買わなかったことでは、ありません。自分で調べずに、論調で決めたことです。この区別は、後知恵バイアスの記事に書きました。
4. 2024年から、始めた理由
考えが変わったのは、3つのことからです。ここからは、私の見立てです。事実では、ありません。
- あぶないのは、一括だと考えた。2章の5つ目のとおり、一括は、入った日で決まります。少しずつ、長い期間に分けて買えば、入る日を当てなくて、すみます。上がり下がりは、はげしい。それでも、積立で買っていくなら、S&P500を積み立てていくのと、やっていることは、大きくは変わらない。私は、そう考えました
- コストの安い商品が、日本で出てきた。それまでのレバレッジ型の投資信託より、信託報酬が安い商品が、出てきました。積立の設定をして、あとは、さわらずに、すみます
- 10年、20年の長さで、テック株が伸びないとは、考えにくい。AIも、半導体も、目に見えるところで、伸びています。行政のデジタル化も、国をあげて、自治体に入れています。これが、まるごとこける、という絵は、私には、考えにくい
減価があることは、知っています。知ったうえで、長い期間の伸びのほうが、大きいと見ています。
5. 私の考えの、弱いところ
自分の考えだけを書くと、ただの宣伝になります。反対側も、書きます。
5-1. 自分のサイトの計算では、3倍の中央値は、2倍より低かった
このサイトの別の記事で、週に1万円を20年間積み立てる計算を、3,000通り、やっています。指数の期待リターンを年12%と置いた場合の、結果です。
| 積み立てるもの | まん中の結果 | 悪いほうから1割 | 良いほうから1割 |
|---|---|---|---|
| 2倍型(定額の積立) | 3,579万円 | 683万円 | 3億0,723万円 |
| TQQQ(定額の積立) | 2,562万円 | 335万円 | 5億5,585万円 |
入れた元本は、どちらも、1,040万円です。前提を置いた計算であって、実際の値動きでの検証では、ありません。前提は、もとの記事に書いてあります。
読み取れることは、はっきりしています。3倍にすると、まん中の結果は、下がります。悪いほうの1割では、20年積み立てて、元本の3分の1です。良いほうの1割だけが、大きく伸びます。3倍は、「まん中を上げる道具」では、ありません。「上と下を、広げる道具」です。積立にしても、この形は、変わりません。
つまり、4章の1つ目に書いた、「S&P500を積み立てるのと、大きくは変わらない」という私の考えは、自分のサイトの計算とは、合っていません。やっている作業は、同じです。結果のばらつきは、まったく、ちがいます。
5-2. 「テックが伸びる」と、「TQQQがふえる」は、別の話
2章の1つ目のとおり、指数が、長い目で上がっても、上がり方がギザギザなら、3倍の商品は、へります。10年後に指数が2倍になっていても、その途中に、2000年や2022年のような下落がはさまれば、3倍の商品は、もとにもどっていないことが、ありえます。私の3つ目の見立てが当たっても、もうかるとは、限りません。
5-3. 「伸びないとは、考えにくい」は、2000年にも、みんなが思っていた
インターネットが世の中を変える、という見立ては、当たりました。それでも、ナスダック100が、2000年の高値をこえるまで、15年ほど、かかりました。見立てが正しいことと、その値段で買って報われることは、別です。
5-4. 私が始めたのは、上がった年
私が始めた2024年からの期間は、指数が、強かった時期です。いまの含み益は、私の判断が良かった証拠には、なりません。運が、上にぶれているだけかもしれません。この話は、平均への回帰の記事に書きました。
6. いまの、私の形
| 何を | どう買うか |
|---|---|
| TQQQ | ウィブル証券のダイナミック積立。毎週。移動平均は120日。値段が移動平均より下にあるときは多く、上にあるときは少なく買う設定です |
| auAMトリプル・NASDAQ100為替ヘッジ無し | 2026年10月15日に設定される予定の、3倍型の投資信託。設定されたら、積立で買う予定です |
| いま持っている2倍型の投資信託 | 売って、3倍のほうへ移す方針です |
2つ目の商品について、運用会社の発表(2026年9月18日)に書いてあることを、そのまま並べます。
- 純資産の3倍ていどの、ナスダック100指数の先物を買い建てる。為替ヘッジは、しない
- 信託報酬は、年0.4334%(税込)
- 買うときの手数料は、2.2%(税込)を上限に、販売会社が決める
- NISAの対象では、ない
- 何日かにわたる成績は、指数の動きの3倍と、為替の動きを、単純に足したものとは、ちがう場合がある
まだ設定されていない商品です。実際の値動きも、実際にかかるコストも、まだ、だれにも分かりません。2倍型を売るときには、利益に、税金がかかります。移すこと自体に、コストがあります。
設定のしかたと、120日を選んだ理由は、ダイナミック積立の記事に書きました。同じレバレッジ型でも、SOXLは、入り方を変えています。SOXLの記事に書いています。
7. 私が続けられる条件と、やめておいたほうがいい人
私がこれを続けられるのは、腕があるからでは、ありません。次の条件が、そろっているからです。
- 借りたお金では、ない。私は、借金をして投資をしたことが、一度もありません。信用取引も、やっていません
- 生活費では、ない。暮らしは、事業の収入で回っています。口座が8割へっても、来月の家賃は、払えます
- 入れた額より多くは、失わない。投資信託とETFなので、どれだけ下がっても、失うのは、入れた金額までです
- 使う予定が、決まっているお金では、ない
実際に、私の口座には、いま、−40%や−36%の商品が、入ったままになっています。それを持ったまま、ふつうに暮らせています。中身は、株で人生終わった人の記事に書きました。
逆に、次のどれかに当てはまるなら、「やめとけ」は、あなたにとって、正しい助言です。
- 借りたお金、または、生活費で買おうとしている
- 5年以内に、使う予定があるお金
- 口座が8割へった画面を見て、ふだんどおりに、仕事ができる自信がない
- まとまったお金を、一括で入れようとしている
- 「テックは伸びるから、3倍なら3倍もうかる」と思っている。2章を、もう1回、読んでください
- だれかが「買え」と言っているから、買おうとしている。私が2022年に、「やめろ」と言われて見送ったのと、同じまちがいです。向きが、逆なだけです
8. 自分で決めるための手順
- 運用会社の公式ページと、目論見書を、自分で読む。人の記事(この記事もふくめて)で、決めない
- 2章の計算機に、数字を入れて、へり方を、自分の目で見る
- 「入れた額が、8割へる。もどるまで、10年以上かかる」を、起きることとして、紙に書く。それでも暮らしがこわれないかを、確かめる
- 買う理由、うまくいくと見ている確率、やめる条件を、買う前に、日づけ入りで書く
- 倍率は、商品で選ぶのではなく、持つ割合で、調整する。全体の1割だけを3倍型にすれば、全体では、約1.2倍です
まとめ
- TQQQは、ナスダック100指数の、1日の値動きの3倍を目ざす商品。1日をこえて持つと、3倍からは、ずれる
- 「やめとけ」の理由は、ぜんぶ本当。上下するだけでへる。2022年は、1年で約8割下がった。2000年の形が来たら、ほぼ、残らない
- 私は、2022年は、「やめろ」の論調を読んで、ながめていただけだった。自分で調べていなかった
- 2024年から、積立で買っている。理由は、一括をさけること、コストの安い商品が出たこと、長い期間のテックの伸びを見ていること。どれも、私の見立て
- 弱いところ。自分のサイトの計算では、3倍のまん中の結果は、2倍より低い。3倍は、上と下を広げる道具
- 続けられるのは、借りたお金でも、生活費でもないから。その条件がないなら、「やめとけ」は、正しい
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【免責と、利益相反の開示】この記事は、運用会社が公表している資料と、筆者自身の取引の記録にもとづく、情報の整理です。特定の金融商品の取得を、すすめるものでは、ありません。筆者は、金融商品取引業者ではなく、投資助言・代理業の登録も、受けていません。筆者は、この記事で取り上げた商品を、自分の口座で保有しています。レバレッジ型の商品は、短い期間で、入れた元本の大半を失うことがあります。費用とリスクは、かならず、目論見書で確認してください。数字は、書いた時点(2026年9月)のもので、変わることがあります。投資の判断は、ご自身の責任で行ってください。

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