「せどりに古物商許可は必要か」
この質問には、条件で答えられます。
①利益を得る目的で ②中古品を仕入れて ③反復継続して販売する
この3つが揃えば必要です。ひとつでも欠ければ不要です。
そして費用は19,000円。これに書類代と標識代を足しても、2万円ちょっとで収まります。
この記事で書きたいのは、その先です。
19,000円は障壁ではありません。障壁は40日と、取得後の義務です。
そして多くの人はそこで止まります。だから、取った人に空間が残ります。
私は中央区(当時の居住地は月島)で申請し、20年運用しています。だから書けるのは申請の解説ではなく、実際に何回警察署へ行き、どこで時間がかかったかです。
取ったあと何ができて何ができないか、個人と法人の違い、取ったあとの義務は、古物商許可で何ができる?個人・副業でできること6つ、できないこと|法人との違いと取ったあとの義務(判定ツールつき)にまとめました。
※制度や手数料は変更され得ます。個別の判断は所轄警察署(生活安全課)にご確認ください。この記事は法的助言ではありません。
1. 必要になるのは、3つが揃ったときだけ
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ① 利益目的 | 転売して利益を得るつもりがある |
| ② 中古品 | 一度でも使用された物品、または使用のために一度取引された物品 |
| ③ 反復継続 | 一回限りでなく、繰り返し行う |
注意すべきは②です。「中古品」は使用済み品だけを指しません。未使用でも、使用のために一度取引された物品は古物にあたります。
「新品未使用」と書かれた商品を仕入れて売る場合も、対象になり得ます。警察庁の解釈基準(令和6年8月14日の通達)は、「使用のために取引されたもの」を「自己が使用し、又は他人に使用させる目的で購入等されたもの」とし、「小売店等から一度でも一般消費者の手に渡った物品は、それが未だ使用されていない物品であっても「古物」に該当する」と書いています。
だから「新品せどりだから許可は要らない」と言い切るのは正確ではありません。一方で、家電量販店の店頭やネット通販で、転売のために買った新品がどちらに当たるかをはっきり書いた文は、解釈基準にありません。私は、ここは管轄の警察に問い合わせるべきだと考えています。問い合わせるときにまとめておくことはせどり・転売は違法?の3-3に書きました。
1-1. 無許可営業の罰則
無許可で古物営業を行った場合、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
そして、ここを書いていない記事が多いのですが、より重いのはその後です。
処罰を受けると、その後5年間は許可が取れません。
罰金を払って終わりではなく、5年間その事業ができなくなる。これが実質的な損害です。
2. 具体的に、どのせどりで必要か
2-1. 必要なケース
- ブックオフ・ハードオフ・リサイクルショップからの仕入れ
- メルカリ・ヤフオクからの仕入れ(フリマ仕入れ)
- 業者オークションでの仕入れ(そもそも許可がないと参加できません)
- 中古ブランド品のリペア転売
2-2. 必要ないケース
- メーカーや卸から新品を仕入れて売る:小売の流通に乗る前の新品だけを扱う場合(店頭やネット通販で買った新品の扱いは、1章のとおり管轄の警察に問い合わせてください)
- 自宅の不用品を売る:もともと自分が使っていたものを処分する場合
- 無償で譲り受けたものを売る:買い取っていないため
2-3. 「プラットフォームが確認しない」ことと「適法である」ことは別です
Amazonのセラー登録時に古物商許可証の提示は求められません。メルカリの個人のアカウントも同様です。ただ、2025年10月22日の規約改定で、事業者はメルカリShopsで売ることになり、メルカリShopsで中古品を売るには古物商許可が要ります(メルカリ転売・せどりは今もできる?)。
しかし、確認されないことと、許可が不要であることは別の話です。
プラットフォームは行政機関ではありません。適法性を判断するのは警察であって、Amazonやメルカリではない。「聞かれなかったから大丈夫」という理屈は成立しません。
2-4. 13品目のどれに当たるか
古物営業法では、古物が13品目に分類されています。
| 品目 | 該当例 |
|---|---|
| 美術品類 | 絵画、彫刻 |
| 衣類 | 古着、着物 |
| 時計・宝飾品類 | 腕時計、指輪、ブランドアクセサリー |
| 自動車 | 車体、部品 |
| 自動二輪車・原動機付自転車 | 本体、部品 |
| 自転車類 | 本体、部品 |
| 写真機類 | カメラ、レンズ |
| 事務機器類 | パソコン、プリンター、コピー機 |
| 機械工具類 | 電動工具、ゲーム機、スマートフォン |
| 道具類 | 家具、楽器、CD、DVD、フィギュア |
| 皮革・ゴム製品類 | バッグ、財布、靴 |
| 書籍 | 本、雑誌 |
| 金券類 | 商品券、切手、チケット |
中古ブランドバッグや財布は「皮革・ゴム製品類」、ブランド時計は「時計・宝飾品類」に該当します。
そして品目の選び方には、誤解が非常に多いポイントがあります。4-5で詳しく書きます。
なお、品物を預かってお金を貸す質屋の営業には、古物商の許可とは別に、質屋営業法の許可が要ります(質屋営業法2条1項)。仕組みは質屋の仕組みの記事にまとめました。
3. 費用は19,000円。全部足しても2万円ちょっと
3-1. 内訳
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 申請手数料 | 19,000円 | 全国一律。不許可でも返金なし |
| 住民票(本籍記載・マイナンバー省略) | 300円程度 | お住まいの市区町村 |
| 身分証明書 | 300円程度 | 本籍地の市区町村 |
| 定額小為替の発行手数料 | 200円程度 | 郵送請求する場合 |
| 郵送費(往復) | 200円程度 | 同上 |
| 標識(プレート) | 1,000円前後 | 警察は売りません。自分で発注 |
| 合計 | 約21,000円 |
3-2. 標識は1,000円前後で足ります
費用表に標識を入れている記事はほとんどありませんが、これは必ずかかります。交付時に「用意してください」と言われます。警察署では売っていません。
実勢価格を確認しました。ヤフオクの落札相場(180日間・120件)では、最安800円、平均1,408円。価格帯の分布は〜999円が44件、〜1,999円が62件で、この2帯で全体の88%を占めます。
実際の落札を見ると、「13業種対応 営業許可標識」が998〜999円で繰り返し落札されており、1,180円の即決も定常的に成立しています。高額側の5,000円は6枚セット、4,000円はスタンド型です。
つまり単品の実勢は1,000円前後。
そして実務的な話をすると、店舗を構えない限り、標識が人目に触れることはまずありません。掲示義務を満たすためのものであって、見栄えに金を払う対象ではない。安いもので構いません。
※規格(サイズ・色・記載事項)が定められているので、「古物商標識」として販売されている規格品を選んでください。
プレートの大きさ・色・材質と3段の書き方、自作するときに避ける作り方は、古物商のプレート(標識)は自作でいい?にまとめました。
3-3. 行政書士は要りません
ここは結論から書きます。私は代行と自力の両方をやりましたが、行政書士に頼む必要はありません。
理由は単純です。
代行を頼んでも、最後は自分で警察署に許可証を取りに行くからです。
古物商許可証は郵送されません。交付されたら、平日日中に警察署へ出向いて受け取ります。この手間は代行しても消えません。
行政書士の報酬相場は40,000〜50,000円です。書類作成は代行してもらえますが、窓口に行く回数が劇的に減るわけではない。それで4〜5万円を払う合理性を、私は見いだせませんでした。
自分でやる、で常に構いません。書類は警視庁や各都道府県警のサイトからダウンロードできますし、書き方が分からなければ生活安全課で教えてもらえます。
4. 【実体験】申請で時間と手間がかかったところ
ここからが本題です。先に書くと、管轄の警察に聞いて全部教えてもらったので、大変だとは思いませんでした。ただ、時間と回数はかかります。以下はその記録です。行政書士は代行するので、申請者が何回足を運んだかを書く動機がありません。だから私が書きます。
4-1. 身分証明書は本籍地から取り寄せ。往復2週間かかった
ここが最も時間を食います。
まず「身分証明書」は、運転免許証やマイナンバーカードとはまったく別の書類です。本籍地の市区町村が発行するもので、破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない者に該当しない旨を証明します。
申請当時の私の本籍は田舎だったので、郵送請求になりました。手順はこうです。
- 本籍地の市区町村に請求書を送る
- 定額小為替を郵便局で購入して同封(現金は不可)
- 返信用封筒(切手を貼ったもの)を同封
- 返送を待つ
往復で2週間かかりました。
本籍地が遠い人は、ここから逆算してスケジュールを組んでください。申請日から数えるのではなく、身分証明書が届く日から数えます。
本籍地が現住所と同じなら、市区町村の窓口で住民票と一緒に取れます。この場合は数分で済みます。
4-2. 略歴書は過去5年を月単位。空白期間を突かれる
略歴書には最近5年間の職歴を月単位で書きます。
ここで注意すべきは、空白期間があると質問されることです。転職の合間、休養期間、留学など、職歴が途切れている時期がある人は、何をしていたかを説明できるようにしておいてください。
隠す必要はありません。書き漏らしていると差し戻しになるというだけの話です。
4-3. 使用承諾書は、持ち家なら話が出ない。賃貸は警察署しだい
私は持ち家の自宅を営業所にして許可を取ったので、使用承諾書の話は出ませんでした。
賃貸の部屋を営業所にする場合、家主や管理会社の使用承諾書は、法律で決まった添付書類ではありません。ただ、部屋を使う権限を確かめる資料として、警察署から出すよう求められることがあります。警視庁の必要書類の一覧には入っておらず、京都府警や広島県警は「求める場合がある」としています。私はその後、営業所を賃貸に2回移しましたが、賃貸の書類を求められたことはありません。
賃貸・実家・自宅を営業所にするときのことと、引っ越したときの届出の期限は、古物商は賃貸でも取れる?にまとめました。
4-4. URL届出は、ドメイン登録者が自分だと示せるかで決まる
ネットで古物を売る場合、使用するURLを届け出ます。古物営業法でいう「ホームページ利用取引」です。
届出先を勘違いしている人がいるので先に書いておきます。市区町村ではありません。営業所を管轄する警察署(生活安全課)を経由して、都道府県公安委員会へ提出します。
このとき求められるのが、「そのドメインが誰の登録か」「申請者本人に使用権限があるか」を示す資料です。ここで詰まる人が多いのですが、書いている記事が少ない。
使える資料は、たとえば以下です。
・プロバイダやレジストラから送付された書面(登録者名・ドメイン・発行元が記載されたもの)
・「登録完了のお知らせ」「ドメイン取得証」などの通知
・ドメイン取得サービスの管理画面のプリントアウト
私はレジストラのWHOIS画面を印刷して提出しました。登録者名が自分(または自社)になっていることが要点です。
他人名義や会社名義のドメインを使う予定なら、申請前に名義を確認してください。
4-4-1. 何が通るかは、所轄で幅があります
疎明資料は「これでなければならない」と限定的に決まっているわけではありません。だから所轄や担当者によって、通るものと追加を求められるものに差が出ます。
対処法は単純です。4-7の事前相談のときに、「うちではURLの疎明資料に何を出せばいいか」を先に聞いてください。
ここを聞いておくかどうかで、往復が1回減ります。
4-4-2. 許可を取った後にネット販売を始める場合は、変更届です
見落とされやすいのがここです。
申請時にURLを届け出るケースだけでなく、すでに許可を持っていて、後からネットで売り始めるケースがあります。というより、実際にはこちらの方が多い。
この場合は変更届が必要です。そして期限があります。変更から14日以内(登記事項証明書を添付する場合は20日以内)とされていますので、始めてから慌てないよう、事前に確認しておいてください。
「サイトを作ってから届け出ればいい」ではなく、「売り始める前に届け出る」が正しい順番です。
4-4-3. メルカリやヤフオクで売るだけでも届出が要るのか
最も質問が多く、そして最も扱いが分かれるのがここです。
自分の出品ページのURLを届け出るよう指導される場合もあれば、プラットフォームへの出品は「ホームページ利用取引」にあたらないとして不要とされる場合もあります。
ネット上の記事で「必要」「不要」と断定しているものがありますが、私が見る限り、実務の扱いはそこまで揃っていません。
自分の販売方法がどちらに当たるかは、所轄の警察署(生活安全課)に直接確認してください。事前相談のときに一緒に聞けば済む話です。
記事の一般論で判断すべき領域ではありません。
4-5. 「主として取り扱う区分」は1つ選ぶだけ。他も扱えます
誤解が最も多いのがここです。
申請時に「主として取り扱う古物の区分」を13品目のうち1つ選びます。これを「1品目しか扱えない」と誤解して、申請自体を止めてしまう人がいます。
実際は、取り扱う品目を複数選択したうえで、主たるものを1つ指定するだけです。
たとえば古着を中心にバッグや小物も扱うなら、主たる区分を「衣類」にして、「皮革・ゴム製品類」「道具類」も申請時に選んでおけばいい。
ただし、後から品目を追加する場合は変更届が必要です。「無料で気軽に追加できる」と書いている記事がありますが、届出は必要です。怠ると許可の取消・失効につながる可能性があります。
だから申請時に、扱う可能性のある品目は広めに選んでおくのが実務的です。
4-6. 標識は自分で発注する
3-2で書いた通りですが、手順として書いておきます。
許可証が交付されると、その場で「標識を掲示してください」と説明があります。警察署では販売していません。ネット通販やヤフオクで、規格に沿ったものを自分で発注します。
記載する内容は、公安委員会名、許可番号、主として取り扱う古物の区分、氏名または名称です。発注時にこれらを伝えます。
4-7. 生活安全課は平日日中のみ。私は3回行った
申請の窓口は、営業所を管轄する警察署の生活安全課です。
ここで現実的な問題が3つあります。
- 平日日中しか開いていない
- 担当者が不在だと出直しになる
- 書類に不備があると差し戻される
私は結果的に3回行きました。事前相談で1回、申請で1回、受け取りで1回です。
必ず事前に電話でアポを取ってください。「古物商許可の申請について相談したい」と伝えれば、担当者がいる日時を教えてもらえます。
そして申請前に書類を見てもらうこと。19,000円は不許可でも返ってこないので、不備があるまま出すのは損です。
4-8. 交付まで、実日数で40日ちょっと
私の場合は、申請から交付まで実日数で40日ちょっとでした。
ただしここは断定できません。標準審査期間は40日とされていますが、土日祝の扱いや実際の所要日数は地域によって差があります。
気になるなら、管轄の警察署に直接聞いてください。それが最も確実です。
そして書類に不備があると、そこでカウントが止まります。だから4-7の事前相談が効きます。
加えて、逆算の起点を間違えないでください。40日は「申請してから」の話です。4-1の身分証明書に往復2週間かかります。賃貸で使用承諾書を求められたら、その分の日数もかかります。書類を集め始めてから許可証が手元に来るまでで見ると、2ヶ月弱を見込んでおくのが現実的です。
5. 落ちる理由と、その前に起きること
5-1. 欠格事由は限定列挙です
「犯罪歴があると取れない」と書いている記事がありますが、不正確です。欠格事由は法律で限定的に定められており、すべての犯罪歴が該当するわけではありません。
主なものは以下です。
・破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
・禁錮以上の刑、または特定の罪で罰金刑に処せられ、執行を終えてから5年を経過しない者
・住居の定まらない者
・古物営業法違反で許可を取り消され、5年を経過しない者
・心身の故障により業務を適正に実施できない者
・営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者
1つ目の破産は、4-1で書いた「身分証明書」が証明する内容そのものです。あの書類は、これに該当しないことを本籍地の市区町村が証明するために出させています。
「5年を経過しない」という時間の条件が付いている点が重要です。該当するかどうかは個別判断になるので、不安があれば所轄警察署に確認してください。
5-2. 実際に多いのは「不許可」より「補正」です
実務上、申請が通らないケースより書類の不備で差し戻されるケースの方が圧倒的に多い。
そして差し戻されると、その間は審査が進みません。4-8で書いた40日のカウントが止まります。
典型的な不備は、4章で挙げたものです。
- 身分証明書を運転免許証と取り違えている
- 住民票に本籍が記載されていない
- 略歴書に空白期間がある
- URLの使用権限を示す資料が不足している
- 使用承諾書がない、または内容が不足している
申請前に生活安全課で書類を見てもらえば、ほぼ防げます。
欠格事由の11の号、管理者・営業所・書類で止まる点、不許可のあとにできること(理由の書面、審査請求、出し直し)は、古物商の審査に落ちる理由の記事にまとめました。
6. 取ると何が変わるか
メリットを5つも6つも並べる記事がありますが、実質的には1つです。
業者オークションに入れるようになる。
6-1. 仕入れ場所が変わる
| 許可なし | 許可あり | |
|---|---|---|
| 仕入れ先 | フリマ・小売のみ | 業者オークション |
| 買える価格 | 小売価格 | 業者価格 |
| 真贋のリスク | 自己負担 | 市場主の検品が入る |
| 「山(まとめ売り)」 | 買えない | 買える |
フリマアプリは一般消費者が買う場所です。そこに出ている価格は小売価格であって、業者の仕入れ値ではありません。
6-2. これが「扱える単価帯」を変えます
ここが本質です。
仕入れに使える上限は、想定売価から手数料・送料・資材費・作業時間ぶんを引いた残りです。そして作業時間は商品の単価に比例しません。だから単価が上がるほど、掛け目は緩みます。
| 想定売価 | 仕入上限 | 掛け目 |
|---|---|---|
| 8,000円 | 2,000円 | 25% |
| 15,000円 | 8,300円 | 55% |
| 58,000円 | 47,000円 | 81% |
| 132,000円 | 113,600円 | 86% |
※作業2時間・目標時給2,000円・販売手数料10%・送料800円・資材400円で試算
8,000円で売る商品は、相場の2.5割でしか仕入れられません。そしてその水準は、フリマでは拾えない。業者市場でしか成立しません。
つまり19,000円は、掛け目25%の世界と86%の世界を分ける鍵です。
6-3. 回収は7件です
19,000円という金額で悩む必要はありません。
1件あたりの利益が3,000円なら、7件で回収します。業者市場で数万円のブランド品を1点落とせば、それだけで超えます。
金額が障壁になる場面は、実質的にありません。
7. 障壁は19,000円ではなく、40日と義務です
ここが、この記事の結論です。
7-1. 取得後に発生する義務
| 義務 | 内容 |
|---|---|
| 帳簿の記録 | いつ、誰から、何を、いくらで買い、誰に売ったか |
| 本人確認 | 仕入れ時に相手の住所・氏名・職業・年齢を確認 |
| 標識の掲示 | 営業所に掲げる |
| 変更届 | 氏名、住所、営業所、取扱品目、URLの変更時 |
これらは売上がゼロでも発生します。取ったら終わりではありません。
7-2. フリマ仕入れには論点があります
実務上、最も引っかかるのがここです。そして書いている記事がほとんどありません。
古物商には仕入れ時の本人確認義務があります。しかし匿名配送を使うフリマアプリでの仕入れは、この義務との関係で論点があります。相手の住所も氏名も分からないからです。
取引の性質や金額によって扱いが変わる部分があるため、自分の仕入れ方法が要件を満たしているかは、所轄の警察署(生活安全課)に直接確認してください。
記事の一般論で判断すべき領域ではありません。
7-3. だから、取った人に空間が残ります
整理します。
- 費用は約21,000円。1件3,000円の利益なら7件で回収
- 期間は40日前後(地域差あり)
- そして取得後は帳簿・本人確認・標識・変更届が続く
多くの人は、40日と義務のところで止まります。金額ではありません。面倒だからです。
そして止まった人は、業者市場に入れません。掛け目25%の世界に留まり続けることになります。
誰でも取れる許可が、なぜ参入障壁として機能するのか。誰でも取れるのに、多くの人が取らないからです。
古物商の許可があっても、家庭の不用品を回収することはできません(市区町村の一般廃棄物の許可か委託が要ります)。不用品回収・遺品整理で開業する場合の許可は、不用品回収・遺品整理の開業に要る許可にまとめました。
許可を取ったあと、引っ越し・URL・管理者・品目などが変わったときに何を出すか(前もっての届出、あとからの届出、許可証の書換え、返納)と期限は、古物商の変更届の記事にまとめました。
8. まとめ
- 必要になるのは利益目的・中古品・反復継続の3つが揃ったときだけ
- 費用は19,000円+書類代+標識代で約21,000円
- 標識は1,000円前後で足ります。警察は売らないので自分で発注
- 行政書士は要りません。代行しても受け取りには自分で行くからです
- 身分証明書は本籍地から。遠いと往復2週間かかります
- 主たる区分は1つ選ぶだけ。複数品目を扱えます
- 交付まで40日前後(地域差あり。管轄に確認を)。私は警察署に3回行きました
- 取ると業者オークションに入れます。これが掛け目25%と86%を分けます
- ネット販売するならURLの届出が要ります。後から始める場合は変更届です
取得後にどこで仕入れるかは、別記事にまとめています。
よくある質問
せどりに古物商許可は必要ですか?
①利益を得る目的で ②中古品を仕入れて ③反復継続して販売する、この3つが揃えば必要です。自宅の不用品を売る場合、無償で譲り受けたものを売る場合は不要です。メーカーや卸から仕入れた新品だけを扱う場合も、一般消費者の手に渡る前の物なので古物には当たらないと私は読んでいます。店で買った新品を売る場合は、管轄の警察に問い合わせてください。なお「中古品」は使用済み品だけでなく、未使用でも使用のために一度取引された物品を含みます。
古物商許可の費用はいくらですか?
申請手数料が19,000円(全国一律・不許可でも返金なし)です。これに住民票300円程度、身分証明書300円程度、標識1,000円前後を加えて、合計で約21,000円です。標識は警察署では販売していないため、自分で発注します。
行政書士に頼んだほうがいいですか?
必要ありません。代行を頼んでも、古物商許可証は郵送されないため、最後は自分で警察署へ受け取りに行きます。窓口に出向く手間は消えません。行政書士の報酬相場は40,000〜50,000円ですが、書類は各都道府県警のサイトからダウンロードでき、書き方も生活安全課で教えてもらえます。
取得までどれくらいかかりますか?
標準審査期間は40日とされていますが、実際の日数は地域によって差があります。筆者の場合は実日数で40日ちょっとでした。加えて、本籍地が遠い場合は身分証明書の取り寄せに往復2週間ほどかかるため、その分を前倒しで見込んでください。正確な日数は管轄の警察署に直接確認するのが確実です。
13品目のうち1つしか扱えないのですか?
違います。申請時に「主として取り扱う古物の区分」を1つ選びますが、取り扱う品目は複数選択できます。1品目しか扱えないと誤解して申請を止める人がいますが、主たるものを指定するだけです。ただし後から品目を追加する場合は変更届が必要なので、申請時に扱う可能性のある品目を広めに選んでおくのが実務的です。
古物商許可を取ると何が変わりますか?
業者オークションに参加できるようになります。これが仕入れ価格を変えます。作業時間は商品の単価に比例しないため、8,000円で売る商品は相場の25%でしか仕入れられませんが、132,000円で売る商品なら86%で成立します。前者の水準はフリマでは拾えず、業者市場でしか成立しません。
メルカリからの仕入れでも許可は必要ですか?
利益目的で反復継続して仕入れるなら必要です。ただし実務上の論点として、古物商には仕入れ時の本人確認義務がある一方、匿名配送を使うフリマアプリでは相手の住所や氏名が分かりません。この点は取引の性質や金額によって扱いが変わるため、自分の仕入れ方法が要件を満たしているかは所轄の警察署に直接確認してください。
ネット販売のURL届出は必要ですか?
ネットで古物を売る場合、使用するURLの届出が必要です。届出先は市区町村ではなく、営業所を管轄する警察署を経由した都道府県公安委員会です。ドメインの登録者が自分であることを示す資料を添えます。筆者はレジストラのWHOIS画面を印刷して提出しました。すでに許可を持っていて後からネット販売を始める場合は変更届となり、期限があります。なお、メルカリやヤフオクへの出品が対象になるかは所轄によって扱いが分かれるため、事前相談で確認してください。
許可を待つ40日のあいだにやること
申請を出してから許可が下りるまでの期間は、何もできない期間ではありません。自分の持ち物を売ること、無償でもらった物を手入れして売ること、買わずに相場を見ることには許可が要りません。この3つを、許可が下りたあとの最初の1台につながる順番で並べたのが修理転売の始め方です。申請を出した日に、そのまま読んでください。
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