「せどり 違法」「転売 違法」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。
せどり・転売という行為そのものを罰する法律は、私が調べた範囲では見つかりませんでした。せどりで当たりやすく、罰則があるのは、「何を」「どこから仕入れて」「どう売るか」で決まる7つの法律です(古物営業法、チケット不正転売禁止法、酒税法、薬機法、商標法、電気用品安全法、刑法)。ほかにも、食品の販売や地域の条例など、売る物と場所によって関係する決まりがあります。いちばん多くの人に関わるのは古物営業法で、人から中古品を買い取って売ることを商売として続けるなら、古物商許可が要ります。店で新品を買って売る場合は、警察庁の解釈基準にこの場合をはっきり書いた文がなく、私は「管轄の警察に問い合わせるべき」と考えています。法律とは別に、メルカリやAmazonの規約、主催者の約款、店のルールで禁止されていることがあり、これを「違法」と呼んでいる人も多いです。自分の仕入れ方と売り方で、どの法律と規約が関係するかを出す判定ツールを8章に置きました。
| 知りたいこと | 答え | 章 |
|---|---|---|
| せどり・転売は違法か | 行為そのものを罰する法律は見つからない。せどりで当たりやすく罰則があるのは、売る物と仕入れ方・売り方で決まる7つの法律 | 2章・5章 |
| 古物商許可が要るのは | 人から中古品を買い取って売るのを、商売として続けるとき。自分で使っていた物を売るだけなら要らない | 3章 |
| 店で買った新品を売るのに古物商許可は要るか | 解釈基準に、この場合をはっきり書いた文がない。管轄の警察に問い合わせる | 3章 |
| 古物商になると増える義務 | 相手の本人確認と、古物台帳(帳簿)の記録。私が手間だったのもこの2つ | 4章 |
| 法律ではなく規約で禁止されているもの | メルカリの事業者の利用、無在庫、主催者が転売を禁じたチケット、店でのバーコードリーダーなど。罰は刑罰ではなく、アカウント停止や入店お断り | 6章 |
| 違法でなければ、やっていいか | 「違法でないならばやめたほうがいいとは言えない」が私の答え | 7章 |
1. 先に、立場を書きます
私は中古品の売買を20年近く続けている古物商です。古物商許可を取ったのは、買取を始めるためでした。買取は、宅配(郵送)と出張でしていました。この記事を作り直すにあたって、次の問いに答えました。
| 古物商許可を取った段階 | 「買取を始めるため」 |
| 許可の申請で手間だったこと | 「管轄の警察に聞いて全部教えてもらったので大変だとは思わなかった」 |
| 法律や許可の関係で、扱わないと決めていた商品 | 「特に縛りは決めていない。儲かるなら何でも挑戦というスタンスで入った」 |
| あとから法律・許可・規約を知って、やり方を変えたこと | 「変えたことはない」 |
| 「せどりは違法ですか?」と相談されたら | 「何を問題視して違法といわれるのかが理解できていない」 |
| 店で新品を買って売るのに古物商許可は要るか | 「管轄の警察に問い合わせるべき」 |
| 買取を始めてから、古物商として手間だったこと | 「相手の本人確認」「古物台帳(帳簿)の記録」。台帳はExcel・スプレッドシートで付けていた |
| 「違法ではないが、やめたほうがいい」と思う転売 | 「違法でないならばやめたほうがいいとは言えない。周りの目が気になるとか、そういうので躊躇しているケースのほうが多い。」 |
「せどりは違法ですか?」と聞かれても、私には何を問題にしているのかが分かりません。そこでこの記事では、「違法」と言われているものを、法律・規約・世間の目に分けて、法律の部分は条文と役所の資料で確かめました。私は弁護士ではありません。自分の場合にどうなるかは、古物商許可なら管轄の警察署、酒なら税務署、医薬品・化粧品なら都道府県の薬務の窓口、電気製品なら経済産業局に確かめてください。
2. 「違法」と言われているものは、3つに分かれる
「せどりは違法」「転売は犯罪」という言い方には、別々の3つが混ざっています。
| 種類 | 例 | 破ったときに起きること |
|---|---|---|
| 法律で罰則があるもの | 古物商許可なしで中古品を買い取って売り続ける、主催者が転売を禁じ、日時と座席か入場できる人が指定されたチケットを、商売として主催者側の販売価格より高く売る、免許なしで酒を売り続ける、偽ブランド品を売る | 刑罰(拘禁刑・罰金) |
| 規約・約款・店のルールで禁止されているもの | メルカリの個人向けサービスを事業者が使う、無在庫で出品する、店でバーコードリーダーを使う | 出品の削除、アカウント停止、入店や販売のお断り |
| 違法でも規約違反でもないもの | 店で安く買って高く売る、限定品を買って売る | 刑罰も、規約による処分もない。周りから批判されることはある |
ネットで「違法」と書かれているものの多くは、2つ目の規約違反か、3つ目の批判です。刑罰があるのは1つ目だけで、3章〜5章で中身を書きます。2つ目は6章、3つ目は7章です。規約違反というだけで刑罰になることはありませんが、同じ行為が別の法律に触れることはあります。また、3つのどれに当たっても、売った相手との返品・返金などのトラブルは、違法かどうかとは別に起こりえます。
3. 古物商許可が要るのは、どこからか
3-1. 「古物」は、中古品だけではない
古物営業法は、「古物」を次のように決めています(第2条第1項)。
この法律において「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。
「使用されない物品で使用のために取引されたもの」が、せどりで迷うところです。警察庁の解釈基準(令和6年8月14日の通達)は、こう書いています。
法第2条第1項中「使用のために取引されたもの」とは、自己が使用し、又は他人に使用させる目的で購入等されたものをいう。したがって、小売店等から一度でも一般消費者の手に渡った物品は、それが未だ使用されていない物品であっても「古物」に該当する。
つまり、未開封の新品でも、一度お客さんの手に渡った物は古物です。フリマやオークションで買った未使用品は、古物として扱うことになります。施行令は、興行場や遊園地などの入場券、航空券、収入印紙なども「古物」に含めています(古物営業法施行令第1条)。
3-2. 「売るだけ」なら、古物営業にならない
許可が要るのは「古物営業」です。古物営業法第2条第2項第1号は、古物の売買の営業から、次の2つを外しています。
- 古物を売ることだけをする営業
- 自分が売った物を、売った相手から買い戻すことだけをする営業
自分で使っていた物を売るだけなら、買う側に回っていないので、古物営業ではありません。解釈基準は、無償か引取料を取って引き取った古物を直して売るリサイクルショップも、売ることだけをする営業として外れるとしています(買い取りもしていれば古物営業に当たる)。代金を払って引き取っているなら、呼び方が何であれ買い取りです。
「営業」かどうかに、回数や金額の線はありません。解釈基準は次のように書いています。
法第2条第2項各号中「営業」とは、一般に営利の目的をもって同種類の行為を反復継続して行うことをいい、この判断は、行為の実情に即して客観的になされるべきである。
許可は「営もうとする者」が受けるもの(第3条第1項)なので、商売として始める前に取ります。
3-3. 仕入れ方で分けると、こうなる
| 仕入れ方 | 古物商許可 | 根拠 |
|---|---|---|
| 自分で使っていた物を売る(売るために買った物は含まない) | 要らない | 売ることだけをする営業は、古物営業から外れる(第2条第2項第1号) |
| もらった物、無料や引取料で引き取った物を売る | 要らない | 解釈基準。買い取りもしているなら要る |
| 人から中古品を買い取って売る(買取) | 商売として続けるなら要る | 古物を買って売る営業(第2条第2項第1号、第3条) |
| フリマ・オークション・リサイクル店で買って売る | 商売として続けるなら要る | 一度お客さんの手に渡った物は、未使用でも古物(解釈基準) |
| 店(小売店)で新品を買って売る | 管轄の警察に問い合わせる | 解釈基準に、転売のために店で買った新品をはっきり書いた文がない |
| メーカー・卸から新品を仕入れて売る | 古物には当たらないと私は読む | 一般消費者の手に渡る前の物(解釈基準に、この場合をはっきり書いた文はない) |
店で新品を買って売る、いわゆる小売仕入れのせどりは、解釈基準にこの場合をはっきり書いた文がありません。解釈基準の1つ目の文(「自己が使用し、又は他人に使用させる目的で購入等されたもの」)と、2つ目の文(「小売店等から一度でも一般消費者の手に渡った物品」)のどちらに当てはめるかで、私には一つの答えが出せませんでした。これは私の読み方の話で、警察が2つの解釈を示しているわけではありません。私は、ここは自分で決めずに「管轄の警察に問い合わせるべき」と考えています。私自身、許可の申請は管轄の警察に聞いて進め、「全部教えてもらったので大変だとは思わなかった」です。
問い合わせるときは、次をまとめておくと話が早いです。
- 何を売るか(商品の種類、新品か中古か)
- どこから仕入れるか(店の種類、フリマ、人からの買取など)
- 何のために買うか(最初から売るためか)
- どこで、どのくらいの頻度で売る予定か
許可の申請先は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署(防犯係)で、手数料は19,000円です(警視庁の案内)。申請の書類と、交付までにかかった日数の記録は古物商許可はせどりに必要かに書いています。許可を受けずに古物営業をすると、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(第31条第1号)。この記事に書く罰則の年数と金額は、どれも上限です。
4. 古物商になると増える義務(私が手間だったこと)
古物商になると、仕入れるたびの義務が増えます。私が手間だと感じたのは、相手の本人確認と、古物台帳の記録の2つでした。この章はこの2つを中心に書いています。義務はほかにもあり、営業所ごとの標識の掲示(第12条第1項)、管理者の選任(第13条第1項)、不正品の疑いがあるときの申告(第15条第3項)などがあります。
4-1. 相手の本人確認
古物を買い受けるときは、相手の住所・氏名・職業・年齢を確かめなければなりません(第15条第1項)。対価の総額が1万円未満なら原則として要りませんが、次の物は1万円未満でも確認が要ります(古物営業法施行規則第16条)。
- バイク・原付と、その部品(ねじなど汎用の部品を除く)
- エアコンの室外機、電気温水機器のヒートポンプ
- 家庭用ゲームのソフト
- 音や映像を記録した物(CD・DVDなど)
- 電線
- 金属製のグレーチング(側溝のふたなど)
- 書籍
室外機・ヒートポンプ・電線・グレーチングは、2025年10月1日の改正で加わりました(警視庁の案内)。
宅配のように相手と会わない取引では、確かめ方が決まっています。警視庁は「免許証等のコピーや住民票の写しを送ってもらうだけでは違反です」と書いています。認められている方法の例は、次のとおりです。
- 相手から住所・氏名・職業・年齢の申し出を受け、本人限定受取郵便で書類を送り、届いたことを確かめる(単なる宅配便は当たらない)
- 相手から住所・氏名・職業・年齢の申し出を受け、印鑑登録証明書と、その印を押した書面を送ってもらう
- マイナンバーカードなどの電子署名を使ってもらう
ほかにもいくつかの方法が、警視庁の「非対面取引における確認の方法」に並んでいます。1万円未満でも、18歳未満の人からの買い取りでないことは確かめる必要があるとも書いています。古物商が仕入れのためにリサイクルショップで買うときや、フリマ・オークションで買うときも、相手の確認は免除されません(警視庁「古物商許可申請をされる方へ」)。
4-2. 古物台帳(帳簿)の記録
古物を受け取ったり引き渡したりしたら、その都度、帳簿に書くか、電子的に記録しておかなければなりません(第16条)。書くのは、取引の年月日、古物の品目と数量、古物の特徴、相手の住所・氏名・職業・年齢、とった確認の方法です。私はExcel・スプレッドシートで付けていました。表計算で付けるなら、この項目がそろっているかを確かめてください。本人確認と同じく、1万円未満の取引は原則として要らず、規則第16条の物は1万円未満でも記録の対象です。
本人確認をしなかったり、帳簿に書かなかったりすると、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です(第33条)。
4-3. ネットで売るときの表示
古物商がホームページで取引するときは、「許可を受けた公安委員会名」「許可証番号」「氏名又は名称」を表示しなければなりません。個人で許可を受けた場合は氏名を出す必要があり、営業所の名前だけにはできません。警視庁は、オークションサイトやフリマアプリで古物商であることを表示せずに取引することはできない、とも書いています。これとは別の制度として、ネットで売ることは特定商取引法の「通信販売」に当たり、個人の事業者でも氏名・住所・電話番号などの表示が要ります(警視庁の同じページ)。消費者庁の特定商取引法ガイドは、消費者から請求があれば遅滞なく書面(ネット通販では電子メールでもよい)で提供すると広告に表示し、実際に提供するなら、表示の一部を省略できる場合があると説明しています。
5. 古物営業法のほかに、せどりで当たりやすい6つの法律
古物営業法のほかに、せどりで当たりやすい法律は次の6つです。罰則は条文の表記で、2025年6月1日から「懲役」は「拘禁刑」に変わっています。
| 法律 | 何をすると違反か | 罰則 |
|---|---|---|
| チケット不正転売禁止法 | 「特定興行入場券」を、主催者の事前の同意なく、商売として(業として)主催者側の販売価格を超える価格で売る(第2条第4項・第3条)。その目的で買う(第4条) | 1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、または両方(第9条) |
| 酒税法 | 酒類の販売業免許を受けずに、酒の販売業をする(第9条第1項) | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(第56条第1項) |
| 薬機法 | 医薬品の販売業の許可などがないのに、商売として医薬品を売る(第24条第1項) | 3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、または両方(第84条) |
| 商標法 | 登録商標が付いた偽物を売る(売ることは商標の「使用」に当たる。第2条第3項第2号)。売るために持っている(第37条第2号) | 侵害は10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、または両方(第78条)。売るために持っているのは5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、または両方(第78条の2) |
| 電気用品安全法 | 販売の事業をする人が、PSEマークなどの表示がない電気用品(政令で定める物)を売る、売るために並べる(第27条第1項) | 1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、または両方(第57条) |
| 刑法 | 盗品と知りながら、有償で譲り受ける、売るのをあっせんする(第256条第2項) | 10年以下の拘禁刑および50万円以下の罰金(第256条第2項) |
それぞれ、せどりで迷いやすいところを書きます。
5-1. チケット:対象になるのは3つの条件を全部満たす券だけ
「特定興行入場券」は、不特定または多数の人に売られる券で、①主催者の同意のない有償の譲渡を禁止すると明示し、券面か画面に表示している、②日時・場所と、入場できる人か座席が指定されている、③入場できる人が指定された券ならその人の、座席が指定された券なら買う人の氏名と連絡先を確かめる措置をとり、その旨を表示している、の3つを全部満たす券です(第2条第3項)。不正転売に当たるのは、主催者の事前の同意なく、業として、主催者側の販売価格を超える価格で売る場合です(第2条第4項)。行けなくなった1枚を譲るのとは別の話ですが、法律の対象にならない売り方でも、主催者の規約で転売を禁じていることがあります。なお、入場券は古物営業法でも「古物」に入るので(施行令第1条第2号)、人から買い取って売る商売にするなら古物商許可の話にもなります。
5-2. 酒:家庭の不要品なら免許は要らない
国税庁は、フリマやネットオークションでも、継続して酒類を出品して売るなら販売業に当たり免許が要る、としています。一方で、自分が飲むために買った酒や、贈られて家庭で要らなくなった酒を出品するなど、通常継続的な販売に当たらない場合は免許は要らない、としています(国税庁「お酒に関するQ&A」販売業免許関係Q5)。
5-3. 医薬品と化粧品:化粧品は「そのまま売る」なら許可は要らない
医薬品は、許可がなければ商売として売れません。区分や売り方で決まりが違うので、扱うなら都道府県の薬務の窓口に確かめてください。メルカリも「医薬品、医療機器」を禁止されている出品物にしています。化粧品は、国内でメーカーが市場に出した製品をそのまま売るなら、販売の許可は要りません(東京都健康安全研究センター)。一方で、海外で買った化粧品や個人輸入した海外製の化粧品を売ること、市販品を小分けして売ることはできない、と東京都保健医療局が案内しています。
5-4. ブランド品:本物と確かめられない物は売らない
偽ブランド品を売るのは、商標法の罰則の対象です。メルカリは「偽ブランド品、正規品と確証のないもの」を禁止されている出品物にしています。「正規品と確証のないもの」はメルカリの出品の基準で、商標法の罪になるかどうかとは別の話ですが、メルカリでは出品できません。真贋の見分け方はメルカリの偽物の見分け方に、Amazonの真贋調査はAmazonの真贋調査に書いています。
5-5. 電気製品:条文は、新品と中古を分けていない
電気用品安全法第27条第1項は、「電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者」が表示のない電気用品を売ることを禁じていて、新品か中古かを分けていません。ただし、対象の「電気用品」は政令で定める物で(第2条第1項)、電気製品なら何でも当たるわけではありません。第27条第2項には例外もあります。ここでいう「事業」は、電気用品を継続・反復して販売することだと、経済産業局の資料は説明しています(中部経済産業局「よくあるお問い合わせ」Q2-3)。中古の電気製品を売り続けるなら、対象の電気用品か、表示があるかを仕入れの時点で確かめることになります。
5-6. 盗品:古物商には申告の義務もある
盗品と知りながら有償で譲り受けると、刑法の罪になります。古物商は、買い取ろうとする物に不正品の疑いがあると認めたら、すぐに警察官に申告しなければなりません(古物営業法第15条第3項)。本人確認と古物台帳は、そのための仕組みです。
6. 法律ではなく、規約・約款・店のルールで禁止されているもの
「違法」と言われていることの多くは、法律ではなく、売り場や主催者や店のルールです。破っても刑罰はありませんが、出品の削除やアカウント停止、入店のお断りがあります。
| ルール | 中身 | 詳しく書いた記事 |
|---|---|---|
| メルカリの利用規約 | 2025年10月22日の改定で第4条第3号「事業者による登録の禁止」が加わり、メルカリが指定した法人以外の事業者は、ユーザー登録と利用ができなくなった(事業者はメルカリShopsへ) | メルカリの規約改定 |
| メルカリの禁止されている出品物 | 医薬品・医療機器、許可なく製造したり小分けした医薬部外品・化粧品類、チケット類、偽ブランド品・正規品と確証のないもの など | メルカリのヘルプ(出典) |
| 無在庫の出品 | 法律で禁じた条文は見つからず、禁じたり条件を付けたりしているのは各社の規約 | 無在庫転売は違法? |
| 主催者・施設の約款 | 転売目的の購入そのものを禁じている例がある | ディズニー転売は違法? |
| 店のルール | バーコードリーダーの使用のお断り、転売目的の購入のお断り(チェーンや店ごとに違う) | せどりで出禁になる理由 |
メルカリの改定は、法律が変わったのではなく、メルカリの規約が変わった話です。「メルカリのせどりは違法になった」という言い方は、法律と規約を混ぜています。メルカリの規約でいう「事業者」と、古物商許可が要る人も、別の決まりです。メルカリShopsに移っても、中古品を買い取って売る商売なら古物商許可は要ります。規約違反というだけで刑罰はありませんが、アカウントを止められれば、その売り場では続けられません。
7. 違法でないなら「やめたほうがいい」とは言えない
「違法ではないが、やめたほうがいい転売はどれか」と聞かれたとき、私は選べませんでした。答えは「違法でないならばやめたほうがいいとは言えない。周りの目が気になるとか、そういうので躊躇しているケースのほうが多い。」です。
限定品を買って売ることや、店で安く買って高く売ることには、批判があります。その批判のどれが当たっていて、どれが当たっていないかは転売がダメな理由10個を検証に分けて書いています。周りの目で迷っている人への私の答えはせどりはやめたほうがいい?の5章に書きました。法律と規約を確かめたうえで、やるかどうかを決めるのは本人です。違法でなくても、規約に反していれば売り場を使い続けられないことがあり、売った相手との返品・返金の約束も、違法かどうかとは別に守る必要があります。
8. 判定ツール:自分のせどりに関係する法律と規約を出す
売る物・仕入れ方・売り方を選んで「判定する」を押すと、2〜6章のうち関係するものを出します。法律の判断をするものではありません。最後は、各章に書いた窓口に確かめてください。
自分のせどりに関係する法律と規約を出す判定ツール
売る物・仕入れ方・売り方を選んで「判定する」を押してください。法律の判断をするものではありません。
9. よくある質問
せどり・転売は違法ですか?
行為そのものを罰する法律は、私が調べた範囲では見つかりませんでした。罰則があるのは、古物商許可なしで中古品を買い取って売り続ける、チケットの不正転売、免許なしの酒の販売、許可なしの医薬品の販売、偽ブランド品の販売、表示のない電気用品の販売、盗品と知りながらの買い取り、といった場合です(3章・5章)。
メルカリで転売するのは違法ですか?
法律の話と規約の話を分けて考えます。法律では、フリマで買った物も古物なので、買って売るのを商売として続けるなら古物商許可の話になります(3章)。規約では、2025年10月22日の改定で、メルカリが指定した法人以外の事業者はメルカリを使えなくなりました(6章)。メルカリShopsに移っても、古物商許可が要るかどうかは変わりません。
転売ヤーは何罪になりますか?
「転売罪」という罪はありません。何を、どう売ったかで分かれます。例えば、特定興行入場券を業として主催者側の販売価格を超えて売ればチケット不正転売禁止法違反、許可なしで古物を買い取って売る商売をすれば古物営業法違反、偽ブランド品を売れば商標法違反、免許なしで酒を売り続ければ酒税法違反です(3章・5章)。
なぜ転売は取り締まられないのですか?
取り締まりの対象になるのは、罰則がある法律に触れる転売です(チケットの不正転売、無許可の古物営業、偽物の販売など)。罰則がある法律は、特定の物と特定のやり方に限られていて、店で安く買って高く売ること自体を罰する条文は、私が調べた範囲ではありません。
古物商許可なしでメルカリに出品すると捕まりますか?
自分で使っていた物を売るだけなら、古物営業ではないので許可は要りません。人から買い取ったり、フリマで買ったりした中古品を、商売として売り続けるなら許可が要り、無許可だと3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(3章)。
店で買った新品を売るのに、古物商許可は要りますか?
警察庁の解釈基準に、この場合をはっきり書いた文がありません。私は「管轄の警察に問い合わせるべき」と考えています。問い合わせるときにまとめておくことは3-3に書きました。
古物商許可があれば、何でも売れますか?
売れません。古物商許可は古物営業法の許可です。酒は酒類の販売業免許、医薬品は販売業の許可が別に要り、チケットの不正転売、偽ブランド品、表示のない電気用品の販売は、許可があっても違反です(5章)。
開業届を出していなければ、古物商許可は要りませんか?
別の制度です。開業届は税務署への届出で、古物商許可は公安委員会の許可です。片方を出したかどうかで、もう片方が要らなくなることはありません。
古物商許可を取る前に、試しに仕入れて売ってもいいですか?
許可は古物営業を「営もうとする者」が受けるものです(第3条第1項)。人から買って売るのを商売として始めるなら、その前に取ります。
1万円未満の買取なら、本人確認は要りませんか?
原則は要りませんが、バイクとその部品、ゲームソフト、CD・DVD、書籍、エアコンの室外機、電線などは1万円未満でも要ります。1万円未満でも、18歳未満の人からの買い取りでないことは確かめる必要があります(4-1)。
せどりの利益に税金はかかりますか?
違法かどうかとは別の話です。申告の要否と手順はせどりの確定申告にまとめています。古物商が中古品を仕入れたときの消費税は古物商特例に書いています。
10. まとめ
- せどり・転売という行為そのものを罰する法律は、私が調べた範囲では見つからない。罰則があるのは、売る物と仕入れ方・売り方で決まる7つの法律
- 人から中古品を買い取って売るのを商売として続けるなら、古物商許可が要る。自分で使っていた物を売るだけなら要らない
- 店で新品を買って売る場合は、解釈基準の読み方が分かれる。管轄の警察に問い合わせる
- 古物商になると、相手の本人確認と古物台帳の記録が要る。会わない取引で免許証のコピーを送ってもらうだけでは足りない
- チケット・酒・医薬品・偽ブランド品・表示のない電気用品・盗品は、古物商許可とは別の法律で罰則がある
- メルカリの事業者の利用、無在庫、店のバーコードリーダーなどは、法律ではなく規約やルールの話
- 違法でないなら、やめたほうがいいとは言えない。迷っている人の多くは、周りの目で迷っている
11. 出典
| 資料 | 使ったところ |
|---|---|
| e-Gov法令検索「古物営業法」 | 3章・4章・5-6。古物の定義(第2条第1項)、古物営業(第2条第2項第1号)、許可(第3条)、標識(第12条)、管理者(第13条)、本人確認と申告(第15条)、帳簿(第16条)、罰則(第31条・第33条) |
| e-Gov法令検索「古物営業法施行令」 | 3-1、5-1。入場券・航空券などの証票(第1条) |
| e-Gov法令検索「古物営業法施行規則」 | 4章。1万円の金額と、1万円未満でも確認が要る物(第16条) |
| 警察庁「古物営業法等の解釈運用基準について(通達)」(令和6年8月14日) | 3章。「使用のために取引されたもの」の解釈(第2)、「営業」の意義とリサイクルショップの扱い(第3) |
| 警視庁「古物商許可申請」 | 3章。申請先と手数料 |
| 警視庁「古物商許可申請をされる方へ」 | 4章。仕入れのときの相手方の確認、ホームページの表示、特定商取引法の表示 |
| 警視庁「非対面取引における確認の方法」 | 4章。会わない取引の確認方法、18歳未満の確認 |
| 警視庁「古物営業法施行規則の一部改正について(令和7年10月1日施行)」 | 4章。1万円未満でも確認が要る物の追加 |
| 消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」 | 4-3。広告の表示事項と、表示を省略できる場合 |
| e-Gov法令検索「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」 | 5章。特定興行入場券(第2条第3項)、不正転売(第2条第4項)、禁止(第3条・第4条)、罰則(第9条) |
| e-Gov法令検索「酒税法」、国税庁「お酒に関するQ&A【販売業免許関係】」 | 5章。販売業免許(第9条第1項)、罰則(第56条第1項)、フリマ・オークションへの出品 |
| e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」 | 5章。医薬品の販売(第24条第1項)、罰則(第84条) |
| 東京都健康安全研究センター「化粧品と医薬品医療機器等法について」、東京都保健医療局「個人輸入した海外製化粧品を販売することはできません」 | 5-3。化粧品の販売、個人輸入品と小分け |
| e-Gov法令検索「商標法」 | 5章。使用(第2条第3項)、みなし侵害(第37条)、罰則(第78条・第78条の2) |
| e-Gov法令検索「電気用品安全法」、中部経済産業局「よくあるお問い合わせ」 | 5章。電気用品(第2条第1項)、販売の制限(第27条)、罰則(第57条)、「事業」の意味(Q2-3) |
| e-Gov法令検索「刑法」 | 5章。盗品等の有償譲受け(第256条第2項) |
| メルカリ「メルカリ利用規約改定のお知らせ」、メルカリ ヘルプ「禁止されている出品物」 | 5章・6章。事業者による登録の禁止(2025年10月22日)、禁止されている出品物 |
法令は2026年10月13日にe-Gov法令検索で、ほかの資料は同じ日に各サイトで確かめました。法令と規約は改正されるので、実行の前に最新の内容を確かめてください。
12. あわせて読む
| 知りたいこと | 記事 |
|---|---|
| 古物商許可の申請の書類と、交付までの日数 | 古物商許可はせどりに必要か |
| 転売への批判のうち、当たっているもの | 転売がダメな理由10個を検証 |
| メルカリの規約改定と、どこからが事業者か | メルカリの規約改定 |
| 無在庫転売を禁じている規約の原文 | 無在庫転売は違法? |
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| 店で注意される理由と、チェーンの公式方針 | せどりで出禁になる理由 |
| セカストの値札と、違法かどうか | セカストせどり |
| 周りの目で迷っているとき | せどりはやめたほうがいい? |
| 偽物をつかまないために | メルカリの偽物の見分け方 |
| Amazonの真贋調査と請求書 | Amazonの真贋調査 |
| 中古品を仕入れたときの消費税 | 古物商特例とは |
| せどりの申告 | せどりの確定申告 |
13. この記事について
| 書いた人 | 中古品の売買を20年近く続けている古物商。古物商許可は買取を始めるために取り、宅配と出張の買取をしていた |
| この記事の読み手 | せどり・転売を始める前に、違法にならないかを確かめたい人 |
| 一次情報 | 1章の答え(許可を取った段階、申請、扱う商品の考え方、相談への答え、小売仕入れの考え、手間だった義務、やめたほうがいいかの考え)と、古物台帳の付け方 |
| 確かめたこと | 法令はe-Gov法令検索の現行の条文、古物営業法の解釈は警察庁の通達、手続きと確認方法は警視庁、酒は国税庁、化粧品は東京都、電気用品は中部経済産業局、規約はメルカリが公開している内容。2026年10月13日に確かめた |
| 判定ツール | 8章:選んだ条件に関係する章の要点を出すだけで、法律の判断はしない。商品の細かい種類、金額、地域の条例は入っていない |
| 扱っていないこと | 地域の迷惑防止条例、食品の販売の許可、医薬部外品やサプリメントの区分、税金の細部、海外での販売に関わる法律、売った相手との契約上の責任(返品・返金など)の細部。私は弁護士ではなく、この記事は法律相談ではありません |
