ディドロ効果とは、1つ、新しい物を手に入れると、それに合わせて、まわりの物も、次々に、買いそろえたくなる心の動きのことです。新しいソファを買ったら、テーブルが古く見えて、テーブルを買い、次は、ラグを買う。この流れです。
この記事では、まず、意味と、名前の由来を、説明します。次に、計算機で、「最初の買い物が、最後に、いくらになったか」と、「準備に、どれだけ時間を使ったか」を、出します。最後に、形から入ることが多い、私の例を、書きます。
1. ディドロ効果とは
1-1. 由来:1着の、赤いガウン
名前は、18世紀のフランスの思想家、ドニ・ディドロから、来ています。ディドロは、1769年に、「古い部屋着と別れたことを、くやむ」という、短い文章を、書きました。
ディドロは、りっぱな、赤いガウンを、手に入れました。すると、書斎の古い机が、ガウンに、つり合わなく見えました。机を、買いかえました。次に、いすが、つり合わなく見えました。壁かけ、時計、本だな。次々に、買いかえました。書斎は、りっぱに、なりました。けれど、ディドロは、それを、くやみました。ディドロは、「私は、古いガウンの主人だった。新しいガウンの、どれいに、なった」と、書いています。
文化人類学者のグラント・マクラッケンが、1988年に、この話から、「ディドロ効果」という名前を、つけました。
1-2. なぜ、起こるのか
マクラッケンの説明は、こうです。人の持ち物は、ばらばらでは、ありません。持ち物の全体が、「自分は、こういう人間だ」という、1つのまとまりを、作っています。そこに、1つだけ、格のちがう物が、入ると、まとまりが、くずれます。人は、くずれたまとまりを、もとにもどそうとします。新しい物を手ばなすのではなく、まわりを、新しい物に、合わせるほうを、えらびます。
1-3. せまい意味と、広い意味
| きっかけ | 例 | |
|---|---|---|
| せまい意味 | 1つの買い物 | 新しいスマホ → ケース → イヤホン → 時計 |
| 広い意味 | 「新しい自分」になろうと、決めること | ランニングをはじめる → くつ → ウェア → 時計 → まだ、走っていない |
広い意味のほうは、日本語の「形から入る」に、近い動きです。3章の私の例は、こちらです。
2. 計算機:最初の買い物は、最後に、いくらになったか
使ったお金の合計:
最初の買い物の、何倍か:
全部の時間のうち、準備の割合:
はじめに入っている数字は、10万円、25万円、100時間、10時間です。例の数字です。私の実際の数字では、ありません。答えは、合計35万円、最初の3.5倍、準備の割合が91%です。
下の2つの欄は、時間です。ディドロ効果は、お金だけの話では、ないからです。道具をそろえること、設定をととのえることに、時間が出ていき、本番の作業が、進まない。3-3の、私の例が、この形です。
3. 私の例:私は、形から入る
私は、ミーハーです。形から入ることが、多い。3つ、書きます。
3-1. 就職活動のために、車を買った
就職活動をするときに、私は、車を、買いました。就職活動のために、です。
3-2. 自動売買のシステムを組むために、パソコンを買った
投資の、自動売買のシステムを組もうと決めたとき、私は、まず、パソコンを、買いました。その自動売買が、どうなったかは、ギャンブラーの誤謬の記事に、書きました。
3-3. サイトのデザインと設定に、何か月も、かけた
WordPressでサイトを作るとき、私は、デザインと、設定に、何か月も、かけました。そのあいだ、中身の記事を入れる作業は、ぜんぜん、進んでいませんでした。
3-4. 3つに、共通する形
ここからは、この理論に当てはめた、整理です。3つとも、1-3の表の、「広い意味」の形です。「就職活動をする自分」「システムを組む自分」「サイトを運営する自分」。新しい自分になると決めて、まず、その自分に合う物を、そろえています。
3つめは、お金ではなく、時間で、同じことが、起きています。デザインと設定は、「サイトを運営する人」の、見た目を作る作業です。記事を書くことが、本番の作業です。計算機の、下の2つの欄に入れると、準備の割合が、高く出る形です。
形をととのえる作業は、進んでいる感じが、します。けれど、本番の結果は、1つも、出ていません。手をつけやすい作業に、にげる形は、先延ばしの記事に、書きました。準備に時間を使って、本番の評価を、先にのばす形は、セルフハンディキャッピングの記事の、道具の3番めと、同じです。
4. ディドロ効果に、お金と時間を、取られない方法
- 買う前に、いまある道具で、本番を、1回やる。いまのパソコンで、1本、書く。いまのくつで、1回、走る。つづいたら、買います。道具が足りないことが、本当の原因かどうかが、1回で、わかります。
- 予算は、「最初の1つ」ではなく、「そろえ終わるまで」で、決める。10万円の物を買うとき、「合わせて買う物もふくめて、15万円まで」と、先に、決めます。
- 準備と本番の時間を、記録する。計算機の下の2つの欄です。準備が半分をこえたら、準備を、止めます。
- 「つり合わない」を、1か月、そのままにする。新しい物のとなりの古い物は、1か月たつと、気にならなくなることが、多い。
- そのお金と時間で、ほかに何ができたかは、機会費用の記事の考え方で、出せます。高い物を持つこと自体が目的になる動きは、ヴェブレン効果の記事に、書きました。
5. まとめ
- ディドロ効果は、1つ新しい物を手に入れると、それに合わせて、まわりの物も、買いそろえたくなる動き。
- 由来は、ディドロが1769年に書いた、赤いガウンの話。マクラッケンが、1988年に、名前をつけた。
- 持ち物の全体が、「自分はこういう人間だ」という、まとまりを作っている。だから、1つ変わると、全部を、合わせたくなる。
- 私は、形から入る。就職活動のために車、自動売買のためにパソコン、サイトのデザインと設定に何か月。
- 買う前に、いまある道具で、本番を、1回やる。

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