SWOT分析(スウォット分析)とは、自分の事業や計画を、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つに分けて、整理する方法です。強みと弱みは、自分の内側のこと。機会と脅威は、自分では変えられない、外側のことです。
この記事では、まず、SWOT分析の意味と、やり方を説明します。次に、よく並べて使われる3C分析との違いを、書きます。そのあと、私が、中古品を自分で売る側から、やり方を教える側に移ったときの判断を、SWOTに当てはめて、書きます。最後に、計算機で、2つの打ち手を、点数で比べます。
1. SWOT分析とは
1-1. 4つの枠
| よい影響 | 悪い影響 | |
|---|---|---|
| 内側(自分で変えられる) | S:強み ほかより、うまくできること |
W:弱み ほかより、できないこと |
| 外側(自分では変えられない) | O:機会 追い風になる、世の中の変化 |
T:脅威 向かい風になる、世の中の変化 |
1-2. やり方
- 何のための分析かを、1行で決める。「来年、何に時間を使うか」のように、決めたいことを先に書きます。目的がないと、4つの枠を埋めて終わります。
- 外側(機会と脅威)から、書く。先に強みを書くと、それに都合のよい機会ばかり、見えてきます。
- 強みと弱みは、比べる相手を決めて、書く。「修理ができる」は、横流しで売る人とくらべれば強み。修理を仕事にする人とくらべれば、強みではありません。
- 4つを、かけ合わせる。ここが本体です。次の「クロスSWOT」で、打ち手に変えます。
1-3. クロスSWOT:4つを、打ち手に変える
| かけ合わせ | 打ち手 |
|---|---|
| 強み × 機会 | いちばん力を入れる。追い風に、得意を乗せる |
| 強み × 脅威 | 得意で、向かい風をかわす |
| 弱み × 機会 | 弱みを補って、追い風を取りに行く。外に頼む、道具を使う |
| 弱み × 脅威 | そこからは、引く |
SWOTの表を作って、満足して終わる人は、多いです。表は材料で、決めるのは、このかけ合わせです。
2. 3C分析との違い
3C分析は、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つから、事業を見る方法です。
| 3C分析 | SWOT分析 | |
|---|---|---|
| 見るもの | 顧客、競合、自社 | 強み、弱み、機会、脅威 |
| 向いている段階 | 材料を集める | 集めた材料を整理して、打ち手を決める |
| つながり | 顧客と競合の変化 → 機会と脅威。自社 → 強みと弱み | 3Cで集めた材料を、4つの枠に入れる |
順番は、3Cで材料を集めて、SWOTで整理して、クロスSWOTで決める、が使いやすいです。自分の立ち位置を、競合とくらべて地図にする方法は、ポジショニングの記事に書きました。
3. 私の例:自分で売る側から、教える側へ
私は、20年ほど、中古品の買取・修理・販売をしてきました。そのあと、自分で売るだけでなく、やり方を教える側に、軸を移しました。当時の判断を、3CとSWOTに当てはめると、こうなります。ここからの枠の分け方は、私の整理です。
3-1. 3Cで、材料を集める
| C | 見えていたこと |
|---|---|
| 顧客 | このサイトに来る人は、お金に困っている人が、とても多い。働くこと自体は嫌ではないが、拘束時間の長い仕事を嫌う。FXや株、ネットワークビジネスで失敗して、来る人も多い |
| 競合 | 物販のスクール、コンサル、サロン。サロンは、何百人も入っているので、情報の優位性は低いと、私は入ってみて判断した |
| 自社 | 下のSWOTの、強みと弱み |
3-2. SWOTに、入れる
| 中身 | |
|---|---|
| S:強み | 買取・修理・販売を20年。修理を前提に見るので、横流しで売る人と、見る棚がちがう。在庫を持たず、固定費が小さい。年に1回の更新でも成り立つ、ブログの記事 |
| W:弱み | 撮影して出品する反復が、合わない(飽きる)。人を雇うと、相手にも完ぺきを求めてしまい、社員やアルバイトを育てられない |
| O:機会 | 代わりのきく物は、値段が下がる。だから、直して価値を生む側が残る。Amazonの規制で、中期で続けない人が脱落する。AIで、商品説明や、道具の自作や、仮説の検証が、安くなった |
| T:脅威 | 売り場の規制(Amazonの出品許可、フリマの外部の道具の締め出し、携帯の乗りかえの規制)。そのまま流す売り方の、単価の下落。調べれば分かる情報は、AIの検索に代わられる |
3-3. クロスSWOTで、決めたこと
- 弱み × 脅威:人を雇って広げる道から、引いた。ブランド品を売っていたころ、人を雇って反復を任せようとしましたが、人件費と家賃で、逆ザヤになりました(固定費の記事)。
- 強み × 機会:「自分でやれば、もうかる枠」を、教える側に回った。教える相手も経営者なら、収益が直接に返るので、本気でやってくれます。人を育てられない弱みが、相手が自分の事業として動く形なら、響きにくくなります。
- 強み × 脅威:修理の目線を、軸にした。そのまま流す売り方は、規制と値下がりの両方を、正面から受けます。修理は、同じ棚でも、見ている物がちがうので、競合と重なりにくい。
- 弱み × 機会:反復は、AIと道具に、寄せる。商品説明をAIに書かせる、道具を自作する。飽きる作業を、自分の手から外します。
1つ、書いておきます。強みの「ブログの記事」は、脅威の「AIの検索に代わられる」と、正面からぶつかります。だから、このサイトでは、調べれば分かる情報をまとめるだけの記事は、作らないことにしています。自分でやった数字がある記事だけを、残しています。
4. 計算機:2つの打ち手を、点数で比べる
クロスSWOTで出た打ち手が、2つあるとき、どちらを先にやるかを、点数で比べます。点は、1から5でつけます。「機会の大きさ × 強みの効き方」から、「脅威の大きさ × 弱みの響き方」を引きます。
打ち手A
打ち手B
Aの点数:
Bの点数:
先にやるほう:
はじめの数字は、この記事のための例です。Aを「自分で売る量を、人を雇ってふやす」、Bを「やり方を教える側に回る」として、3章の整理に合わせて、点をつけてみました。当時、私が実際に点数をつけて決めたわけでは、ありません。
Aは、3 × 4 − 4 × 4 = −4点。Bは、4 × 4 − 3 × 2 = 10点。Bが先です。Aの「弱みの響き方」を、2に下げてみてください。人を育てるのが得意な人なら、Aは、4点になります。同じSWOTでも、弱みがちがえば、答えは変わります。
5. SWOT分析で、失敗しない手順
- 決めたいことを、先に1行で書く。「何を決めるための分析か」がないと、表を埋めて終わります。
- 外側から書き、強みは、比べる相手を決めて書く。
- 材料が足りなければ、3Cで集める。顧客と競合を見ないSWOTは、自分の思いこみの表になります。
- かならず、かけ合わせる。弱み × 脅威から引く判断が、いちばん効くことも、あります(選択と集中の記事)。
- 1年に1回、外側を書き直す。機会と脅威は、自分と関係なく、動きます。
6. まとめ
- SWOT分析は、強み・弱み(内側)と、機会・脅威(外側)の4つで、事業を整理する方法。
- 表は材料。クロスSWOTで、4つをかけ合わせて、打ち手に変える。
- 3C分析(顧客・競合・自社)は、材料を集める段階。3Cで集め、SWOTで整理し、クロスSWOTで決める。
- 私は、弱み × 脅威から、人を雇って広げる道を引き、強み × 機会で、教える側に回った。
- 2つの打ち手は、「機会 × 強み − 脅威 × 弱み」で比べられる。弱みがちがえば、答えも変わる。

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