フリーミアムとは|意味・仕組みと具体例。入口の講座で利益が出ていない私が、それでもこの形を疑わない理由

フリーミアムとは|意味・仕組みと具体例。入口の講座で利益が出ていない私が、それでもこの形を疑わない理由 経済・経営の用語

フリーミアムは、基本の部分を無料で渡して、その先の部分を有料で売る、商売の形です。フリー(無料)と、プレミアム(上位の有料版)を合わせた言葉です。

私は、稼ぎ方を教える仕事を、この形でやっています。無料の記事を読んでもらう。良ければ、無料のメール講座に登録してもらう。そのあとで、有料の講座を案内する。一定の数の人が、買います。この業界では、ごくふつうの流れです。自分でやっても、そのとおりになります。

だから、私は、フリーミアムという形そのものを、疑っていません。だめな形なら、大きな会社までふくめて、これだけ多くの会社が、何年も続けている説明がつきません。疑うべきなのは、形ではなく、自分の数字が、その形に合っているかどうかです。この記事では、しくみと、成り立つ条件を書きます。そのあとで、私の数字を入れた計算を書きます。

1. フリーミアムとは

言葉が生まれたのは、2006年です。投資家のフレッド・ウィルソンが、「基本を無料で渡して、多くの人を集め、その一部に上位版を売る」形に、名前を募集しました。そこに寄せられたのが、「フリーミアム」でした。広く知られるようになったのは、2009年に、クリス・アンダーソンが出した本『フリー』からです。

1-1. 無料の4つの形

アンダーソンは、無料を使う商売を、4つに分けています。

だれが払うか
直接の内部補助 同じ客が、別の商品で払う 本体は安く、消耗品で回収する
三者間の市場 客ではなく、広告主が払う 民放のテレビ、無料の検索
フリーミアム 一部の客が、上位版で払う 無料で使えるアプリの、有料プラン
非貨幣の市場 だれも払わない。評判や満足が見返り 無償で書かれる百科事典

1-2. 試供品との違い

無料の見本は、昔からあります。化粧品の試供品、スーパーの試食です。フリーミアムは、割合が逆です。

昔からの試供品 フリーミアム
無料で渡す割合 ごく一部。大半は、有料で売る 大半が、無料のまま使う。払うのは、ごく一部
成り立つ理由 見本は小さいので、費用が小さい 1人増えても、費用がほとんど増えない
向いている商品 ソフト、情報、デジタルの商品

アンダーソンは、目安として、「払う人が5%いれば、残りの95%を支えられる」と書いています。これが成り立つのは、無料の利用者が1人増えても、費用がほとんど増えないときだけです。1人ふやすのにかかる費用の考え方は、限界利益の記事に書きました。

1-3. 近い言葉との違い

言葉 中身
フリーミアム 基本は、ずっと無料。上位の部分だけ、有料
無料トライアル 全部の機能を、期間をかぎって無料にする。期間が終わると、使えなくなる
サブスクリプション 毎月、決まった額を払う。払い方の名前であって、無料の部分があるとは限らない
フロントエンドとバックエンド 入口の安い商品で客を集めて、奥の高い商品で利益を出す。私の商売は、正確には、フリーミアムと、この形の組み合わせ
返報性の原理 もらったら、返したくなる心の働き。無料が効く理由の1つだが、それだけではない

2. なぜ、続いているのか

大きな会社が、何年も、この形を続けています。続いている理由は、3つあります。

  1. デジタルの商品は、1人増えても、費用がほとんど増えない。記事は、100人が読んでも、1万人が読んでも、書く手間は同じです。だから、95%が無料のままでも、赤字になりません
  2. 買う前に、中身の水準を確かめられる。情報の商品は、買うまで質が見えません。質が見えない市場では、悪い品が勝ちます。無料の部分は、「中身はこの水準です」と先に見せる、質の目印になります。この話は、レモン市場の記事に書きました
  3. 広告のかわりになる。無料で使っている人が、人に話します。売る側がお金で作れない評判が、無料の利用者から生まれます

2つ目が、私にとっては、いちばん大きい理由です。稼ぎ方を教える業界では、販売ページに、だれもが「稼げます」と書きます。販売ページでは、差がつきません。差がつくのは、買う前に読める量と、その中身です。この業界で、質の悪い商品が勝ちやすい理由は、グレシャムの法則の記事に書いています。

3. 私の形

段階 中身 値段
1 このサイトの記事、計算機、記録シート。登録なしで使える 無料
2 メール講座。全37通、100日 無料
3 有料の講座。メールで届く形式で、サポートは90日 29,800円
4 個別の指導。6か月。月に2人、年に24人まで 98万円

無料のメール講座では、案内の前の10通を、それだけで持ち帰れる内容にしています。買わなかった人には、そのあと、有料の講座の中身を、抜粋ではなく全文で、週に1通送っています。1通目で、何日目に、いくらの商品を案内するかも、先に書いています。全体の設計は、ステップメールの作り方に開示しました。

3-1. 入口の講座では、利益が出ていない

正直に書きます。29,800円の講座の売上は、人を集めるための広告費で、ほぼ消えます。ここで、利益は出ていません。事業が成り立つのは、その先の、個別の指導です。

個別の指導に進む人の割合は、有料の講座を買った人のうち、無在庫の転売を教えていた時期で、30人に1人くらいでした。ブランド品と修理に変えてからは、100人に1人くらいに落ちました。

「5%が払えば成り立つ」は、無料の利用者を集める費用が、ほとんどかからないときの話です。広告で集めるなら、1人を集める費用が、先に出ていきます。そのぶんを、どこで回収するのかを、はじめに決めておく必要があります。

3-2. 自分の数字で、計算する

下の計算機に、自分の数字を入れてみてください。はじめに入っている数字のうち、単価の2つと、バックエンドに進む割合は、私の実際の数字です。登録の数、1人を集める費用、有料に進む割合は、説明のための仮の数字です。

入口の商品を買う人
入口の商品の売上
集めるのにかかった費用
入口だけで見た損益
奥の商品の売上(ならした見込み)
全体の損益
全体の損益がゼロになる、有料に進む割合

はじめの数字だと、入口だけでは、月に1万600円の赤字です。奥の商品をふくめて、ようやく、1万8,800円の黒字になります。ただし、奥の商品は、100人に1人です。入口の商品を買う人が月に3人なら、奥の商品が売れるのは、ならして、3年に1回ほどです。「ならした見込み」は、毎月その額が入るという意味では、ありません。売れない月が、長く続きます。そのあいだを持ちこたえられるかどうかは、固定費で決まります。損益分岐点の記事に、計算を書きました。

この計算機で見てほしいのは、いちばん下の行です。有料に進む割合が、その数字を下回るなら、人を集めるほど、赤字が大きくなります。形は正しくても、数字が合っていなければ、続きません。

4. うまくいかない形

4-1. 1人増えるたびに、自分の時間が出ていく

フリーミアムが成り立つのは、1人増えても、費用がほとんど増えない商品だけです。無料の相談、無料の添削、無料の修理の見積もり。これらは、1人増えるたびに、自分の時間が出ていきます。95%が無料のままなら、自分の時間の95%が、無料に消えます。

私が、無料にしているのは、記事と、メールと、計算機だけです。どれも、読む人が増えても、私の時間は増えません。個別に時間を使うものは、無料にしていません。大きくしても、1つあたりの手間がへらない仕事と、へる仕事の違いは、規模の経済の記事に書きました。

4-2. 無料の部分が、空っぽ

肝心なことは有料で、無料の部分は、あおり文句だけ。この作りだと、2つ目の理由(中身の水準を先に見せる)が、働きません。読んだ人は、「有料の中身も、この水準だろう」と判断します。その判断は、たいてい、当たっています。

4-3. 無料で、人に教える

記事やメールを無料にするのと、個別に無料で教えるのは、別の話です。無料で教えた相手は、やりません。やらないので、結果も出ません。私は、人に教えるときは、少ない金額でも、お金をもらうようにしています。極端に言えば、500円でも、かまいません。この話は、返報性の原理の記事と、モラルハザードの記事に書きました。

4-4. 無料の人に、合わせてしまう

無料の利用者は、数が多いので、声も大きくなります。その声に合わせて、無料の部分を広げつづけると、有料の部分の意味が、なくなります。どこまでを無料にして、どこからを有料にするかは、先に決めておきます。私の場合の線は、「読めば分かること」は無料、「その人の状況に合わせて、私が考えること」は有料です。

5. 使う側のときに、見ること

  • 無料の部分だけで、使えるか。使えないなら、それは、フリーミアムではなく、長い広告です
  • いつ、いくらの案内があるかが、先に書いてあるか
  • 解除や退会が、すぐにできるか
  • 有料の部分で、何が増えるのかが、はっきりしているか。「もっとすごい秘密」のような言い方しかないなら、増えるものは、ありません

私のメール講座も、この形を使っています。だから、同じ目で見てください。

まとめ

  • フリーミアムは、基本を無料で渡して、上位の部分を有料で売る形。大半の人は、無料のまま使う
  • 成り立つ条件は、1人増えても、費用がほとんど増えないこと。だから、デジタルの商品と、情報に向いている
  • 続いている理由は、3つ。費用が増えない。買う前に、中身の水準を見せられる。無料の利用者が、広告のかわりになる
  • 私は、形そのものは、疑っていない。疑うのは、自分の数字が、形に合っているかどうか
  • 広告で人を集めるなら、入口では利益が出ない。どこで回収するかを、先に決める
  • 自分の時間を使うものは、無料にしない。個別に教えるときは、少額でも、お金をもらう

関連記事

 

── 無料メール講座(全6章・14通)──
真面目に働いても給料が上がらないのは、
あなたの能力ではなく
買い手が一社しかいないからです。
売り手が多数いて、買い手が一者しかいない市場では、
価格は買い手の内部規則で決まります。
転職しても、買い手が別の一社に変わるだけ。
構造は変わりません。
必要なのは努力の量でも我慢でもなく、
会社以外に
「自分の判断にお金を払う相手」
を一つ持つこと。
月3万円で構いません。
それだけで、組織との距離の取り方が変わります。
動かない録画機器を1,000円以下で仕入れ、
中古ドライブ(部品代2,000円)に交換。
ついでに容量を増やして15,000円で販売。
── 20年の現場から、実例の一部
この無料講座で扱う内容
  • 壊れた商品のどこに価格差が眠るのか
    「歪みの4類型」
  • 手数料・送料・作業時間まで含めた
    「1件の利益計算式」
  • 絶対に手を出してはいけない
    「除外リスト7項目」
  • 6日目には、元手ゼロで
    今週できる実践ワーク(約70分)
※手を動かさずに稼ぐ方法をお探しの方には向きません。
そのことも講座内で明記しています。
20年
現場での実践
全14通・2週間。
1通3〜5分で、通勤中にも読み切れる分量です。
まずは14通の無料講座で、
「第二の買い手」という考え方を確認してください。
登録30秒・無料・いつでも解除できます


「第二の買い手」を作る14通を無料で読む →

※後半に有料商品のご案内があります。
第1通の冒頭で明記します。
経済・経営の用語

コメント