修理転売の4台目は何を買うか|商材ではなく4つの関門で選ぶ。直せなかったときの損失計算機

修理転売の4台目は何を買うか|商材ではなく4つの関門で選ぶ。直せなかったときの損失計算機 修理転売


先に結論を書きます。4台目に何を買えばいいかは、私にも答えられません。プリンターでも直せない人は直せませんし、私にとって簡単なノートパソコンが、OSの入れ直しやデータの移し方でつまずく人にとって簡単かどうかは分かりません。相性は一人ひとり違います。

だからこの記事は、商材を指定しません。指定するのは選び方です。関門が4つあり、全部通った物だけを買います。そして直せなかったときにいくら失うかを、買う前に計算します。

この記事は修理転売の始め方(最初の3台)の続きで、初心者の館のSTEP3の入口にあたります。

1. 直せなかったとき、実際にいくら失うのか

私が直せずに諦めた物は何個もあります。損失の大きさは、2種類にはっきり分かれました。

何が起きたか 規模 損失 種類
スマートフォン。ネットワーク利用制限がかかった、再販売できない個体だった。業者向けのオークションとYahoo!オークションで、それぞれ買っている。どちらも出品の説明に利用制限のことは書いてあった。私が読み落とした 5万円規模 全額 A:売れない物をつかんだ
スマートフォン。液晶を替え、バッテリーも替えたのに動かなかった 2〜3万円規模 数千円(買った値段とほぼ同じ値段で、ジャンクとして売れた) B:直せなかった
ブランド品。直すのに工業用ミシンが要ると分かり、外注すると赤字になるので諦めた 数千円(そのままジャンクとして販売) B:直せなかった

大事なのはこの差です。もともとジャンクとして買った物は、直せなくても、同じような値段でまた売れます。失うのは手数料と送料と、使ってしまった部品代です。式にするとこうなります。

直せなかったときの損失 = 仕入れ値 + 部品代 − ジャンクとして売り直した手取り

全額を失ったのは、直せなかったときではなく、直せても直せなくても売れない物を買ったときでした。しかも原因は、だまされたことではありません。説明に書いてあったことを、私が読まずに入札したことです。書いてあった以上、返品は通りません。相手にも言い分があります。怖がるべき相手は修理の難しさではなく、こちらです。

2. 関門0:直しても売れない物を外す

買う前に、その個体が「売ってはいけない物」「売れない物」でないかを確認します。

  • 出品の説明を、最後の1行まで読む。利用制限、ロック、欠品、改造の有無は、たいてい書いてあります。ジャンクは写真と値段だけ見て入札しがちですが、私の全額損失は2回とも、書いてあったことの読み落としでした
  • 携帯電話・スマートフォン:ネットワーク利用制限(各携帯会社のサイトで製造番号を入れて確認できます)、持ち主のアカウントによるロック
  • ブランド品:本物である根拠を出品者が示していない物
  • 出品者が「返品不可」で、かつ上の確認に必要な情報(製造番号など)を出さない物

確認する手段がない物は、安くても買いません。ここを通らない物は、あとの関門がどれだけ良くても対象外です。

なお、スマートフォンは私の失敗例として出しましたが、4台目には勧めません。上の確認項目が多いことに加えて、第三者による修理には総務省の登録修理業者制度という論点があるからです。

3. 関門1:型番が読める物か

候補は、次の3つの中から出します。

  • 最初の3台で、調べていて苦にならなかった物
  • 仕事や趣味で、触ったことがある物
  • 家にあって、使い方が分かっている物

型番を見て、何に使う物で、どこが壊れやすいかの見当がつく。これが「読める」です。読める物は調べる時間が短く、出品の説明も正確に書けます。儲かりそうかどうかではなく、読めるかどうかで候補を絞ります。

4. 関門2:買う前に、工程を自分の言葉で書けるか(0円)

候補の型番と症状で、修理の動画を1本、最後まで見ます。AIに手順を出させても構いません。そのうえで、工程を紙に書き出します。

(例)裏ぶたのねじを外す → バッテリーのコネクタを抜く → 古いSSDを外す → 新しいSSDを付ける → USBメモリからOSを入れ直す → 初期設定をして動作を確認する

書けない工程が1つでもあったら、その物は買いません。上の例で「USBメモリからOSを入れ直す」のやり方が分からないなら、ノートパソコンはまだあなたの4台目ではありません。家にある自分のパソコンでその工程だけ先に練習するか、別の候補に替えます。

私の場合、ブランド品を諦めた理由は「工業用ミシンが要る」でした。これは買う前に工程を書き出していれば、その時点で分かったことです。必要な道具を持っているかどうかも、ここで確認します。

5. 関門3:直せなかったときの損失が、自分の上限に収まるか

メルカリとYahoo!オークションで、その型番のジャンクの売り切れを調べます(調べ方はメルカリの売れた日ヤフオクの落札相場)。見るのは2つです。

  • ジャンクが、いくらで売れているか
  • 直近1か月に、何件売れているか(件数がなければ、売り直しに時間がかかる)

その数字を下に入れてください。上限の金額は自分で決めます。STEP1で作った現金の何割までなら失ってもやめずに続けられるか、が目安です。

直せたときの利益
直せなかったときの損失(部品を使ってしまった場合)
直せなかったときの損失(部品を買う前に諦めた場合)
損益が釣り合う成功率
判定

初期値は入力例です。「損益が釣り合う成功率」は、この割合より高い確率で直せるなら期待値がプラスになる、という線です。関門2で工程を書けた物は、この割合を上回りやすくなります。

6. 仕入れは即決で買わず、オークションで落とす

第1章の式が成り立つのは、ジャンクの相場で買えたときだけです。ここで仕入れ方が効いてきます。

即決・フリマで買う オークションで落札する
値段を決めているのは 出品者の希望 その時点の入札者全員。落札額がそのまま相場になる
直せなかったとき 相場より高く買っていると、売り直しで差額がそのまま損になる 買った値段の近くで売り直せる

即決でも安い物が出ることはあります。ただ、それを基本にはしません。私はYahoo!オークションの仕入れでは、自動入札のツール(ビッドマシーン)を常に使っています。やり方は待ち伏せです。計算機で「この値段なら上限に収まる」と出た金額を入札の上限として予約し、あとは放っておく。終了の直前に、予約した金額まで自動で入札が入ります。早い時間から入札して値段を吊り上げることも、画面に張り付いて熱くなることもありません。この待ち伏せの入札が、いちばん期待値が取れます。競り負けたら、それは買ってはいけない値段だったということです。

落札できるのは予約したうちの一部なので、数を入れる必要があります。ツールの設定はビッドマシーンの使い方、入札が続かなくなる理由と対策はヤフオク仕入れが途中で回らなくなる理由に書きました。店で買う場合も考え方は同じで、値札がジャンクの売り切れ相場より高い物は買いません(ハードオフの記事)。

7. 損を小さくする3つの決まり

  1. 部品は、届いた現物を開けて原因を確かめてから買う。先に買うと、見立てが外れたときに部品代がそのまま損になります。計算機の下の2行の差がそれです
  2. 同じ型番の2台目は、1台目が直って売れてから買う。
  3. 直せないと分かったら、その日のうちにジャンクとして出し直す。どこまで開けて何を試したかを、正直に書きます。次に買う人にとっては、それが価値のある情報になります

8. 直せたら:同じ型番をもう1台

4台目が直って売れたら、次は違う物ではなく、同じ型番をもう1台です。2台目は調べる時間がほとんど要らず、工程も分かっているので、時給が上がります。1台ごとに、症状・原因・部品・時間・手取りを書き残してください。書く場所は修理転売の記録シート(Excel・登録不要)を使ってください。直せずにジャンクで売り直した物も1行として残すと、型番ごとの成功率が出ます。それが「これなら確実に直せる」という鉄板になり、その先の修理の受注で、そのまま料金表になります。

利益は出ているのに現金が増えない、と感じ始めたら、在庫を時価で見る記事を読んでください。

9. まとめ

関門 確認すること 通らなかったら
0 直しても売れない物ではないか(利用制限、ロック、真贋) 買わない。ここだけは全額を失う
1 型番が読めるか 別の候補にする
2 工程を全部、自分の言葉で書けるか。道具はあるか 書けない工程を先に練習するか、別の候補にする
3 直せなかったときの損失が、自分の上限に収まるか 入札の上限を下げる。届かなければ買わない

直せなくても、ジャンクの相場で買っていれば、損は数千円で済みます。私が全額を失ったのは、直せなかったときではなく、売れない物を買ったときでした。何を買うかは人によって違いますが、この順番で確かめることは、誰がやっても同じです。

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