メルカリの「売れた日」を調べる全方法|9割が見落とす“売れるまでの日数”の使い方

メルカリ売れた日の調べ方 メルカリ

メルカリで検索結果を「売り切れ」で絞り込むと、SOLDの札がずらりと並びます。相場も分かる。何個も売れていることも分かる。

でも、決定的な情報が抜けています。それが昨日売れたのか、1年前に売れたのか、画面のどこにも書いていないのです。

3件のSOLDが直近1週間に集中しているなら、その商品は今まさに動いています。同じ3件が過去3年に散らばっているなら、仕入れた瞬間に不良在庫です。この2つは、メルカリのSOLD表示の上ではまったく区別がつきません。

この記事では、まず「売れた日を調べる」という作業を3つに分解します。

  1. 自分が出品した商品他人の商品では、調べ方がまったく別物であること
  2. よく紹介される拡張機能「フリマアシスト」で実際に表示されるのは、売れた日ではないこと
  3. そもそも、日付を1件だけ見ても仕入れの判断はできないこと

そして後半では、調べた日付を仕入れの合否判定に変換する計算式まで踏み込みます。利益率ではなく、回転率。ここが分かれ目です。

読み終えたとき、あなたは店頭で商品を手に取ってから30秒で「買う/買わない」を確定できる状態になっているはずです。

1. 結論:メルカリの売れた日は「自分の商品」と「他人の商品」で調べ方が違う

最初に全体像を示します。自分がどのケースに当てはまるかを確認してから、該当する章に進んでください。

調べたい対象 分かること 手段 費用
自分が出品した商品 購入完了日・販売価格・手数料・送料・利益 メルカリ公式(Web版マイページ) 無料
他人の商品(ざっくり) 取引が完了したおおよその時期 出品者の評価一覧から逆算 無料
他人の商品(PC) 出品日時・更新日時(売れた日ではない) Chrome拡張「フリマアシスト」 無料
他人の商品(スマホ可) 出品日・販売日・売れるまでの日数 外部Webツール 無料〜
他人の商品(本格リサーチ) 直近数ヶ月の販売個数・販売日・売値 有料リサーチツール 有料

この表で最も重要なのは3行目です。「フリマアシストを入れれば売れた日が分かる」と書いている解説をよく見かけますが、これは正確ではありません。表示されるのは出品日時と更新日時です。詳しくは3-3で説明します。

2. 自分が出品した商品の売れた日を調べる方法【公式で正確に分かる】

自分の商品であれば、推測は不要です。メルカリの公式機能で日付も利益も正確に確認できます。ただしアプリでは見られません。ここでつまずいている人が非常に多い。

2-1. Web版マイページの「販売履歴」が最も正確

手順は次の通りです。

  1. スマホアプリではなく、ブラウザで jp.mercari.com にアクセスしてログインする
  2. マイページを開く
  3. 「出品した商品」を選ぶ
  4. タブの中から「販売履歴」を選ぶ

ここには、商品価格・販売手数料・送料・販売利益・購入完了日が一覧で並びます。1件ずつ取引画面を開いて確認する必要はありません。

そして重要なのが、取引後に商品ページを削除した商品も、販売履歴には残るという点です。「間違って消してしまって、いくらで売ったか分からない」という状況でも、ここから追えます。

アプリ版との違いを整理しておきます。

アプリ版 Web版(ブラウザ)
表示されるタブ 出品中/取引中/売却済み 出品中/取引中/売却済み/販売履歴
購入完了日の一覧表示 不可 可能
手数料・送料・利益の内訳 取引ごとに個別確認 一覧で俯瞰できる

「アプリを探したけど販売履歴が見つからない」という人は、探し方が悪いのではなく、そもそもアプリに存在しないのが理由です。ブラウザで開き直してください。

2-2. 残高履歴からさかのぼる方法と、その限界

もうひとつの経路が残高履歴です。メルカリの販売利益は、商品発送後、取引が完了したタイミングで残高に反映されます。そのため、おさいふ内の残高履歴(売上履歴)を見れば、入金という形で売却の記録が残っています。

ただし、この方法には2つの弱点があります。

  • メルペイの支払い履歴と混在するため、非常に見づらい。メルカリのアイコンで金額がプラスになっている行を目で拾う作業になります
  • 表示件数に上限があるため、取引数が多い人ほど古い履歴に届かなくなります

使い分けとしてはこうなります。

状況 使うべき経路
直近〜数年前の取引を一覧で見たい Web版「販売履歴」
販売履歴の対象期間より前の古い取引 残高履歴 → 該当取引 → 取引ページ
件数が多く、集計したい 後述のスプレッドシート運用

なお、販売履歴から閲覧できるのは2020年3月以降の取引に限定されています。それ以前の記録が必要な場合は残高履歴からたどることになりますが、確実性は下がります。必要な記録は、見られるうちにスクリーンショットか手元の表に落としておくのが結局いちばん早いです。

2-3. 「取引完了日」と「実際に売れた日」は同じではない

ここは後半の計算に効いてくるので、定義を先に固めておきます。

用語 意味 時系列
売却日(購入された日) 購入者が購入ボタンを押した日 いちばん早い
発送日 出品者が発送した日 売却日+0〜3日程度
取引完了日 受取評価まで終わった日 売却日+2〜7日程度

販売履歴や残高履歴に出てくるのは基本的に取引完了ベースの日付です。つまり、実際に売れたのはそれより数日前。回転率を計算するときに数日のズレが乗ることは、頭に入れておいてください。

1件では誤差ですが、100件積み上げると平均滞留日数が数日ずれます。判断基準がシビアな商材ほど無視できません。

2-4. 【重要】自分の売れた日は、記録して初めて意味を持つ

ここが本記事で最初の分岐点です。

売れた日を1件確認して「へえ、3月12日に売れたのか」で終わる人と、それを表に落としていく人とでは、半年後の利益がまったく違ってきます。理由は単純で、滞留日数は「仕入日」と「売却日」の両方がないと計算できないからです。メルカリ側は仕入日を知りません。だから自分で持つしかない。

最低限、この列を用意してください。

内容 備考
仕入日 お金を払った日 資金拘束の起点
仕入値 税込 交通費は別列で按分
出品日 実際に出品した日 仕入日との差が「寝かせた日数」
売却日 購入された日 販売履歴から転記
販売価格 値下げ後の最終価格
販売手数料 販売価格の10%
送料 実費 梱包材も別列で
粗利 販売価格 −(手数料+送料+仕入値) 自動計算
滞留日数 売却日 − 仕入日 自動計算
日利 粗利 ÷ 滞留日数 自動計算。この記事の主役

右の2列、滞留日数と日利を持っている人は、私の見てきた範囲ではかなり少数派です。そして、この2列を持っていないことが「売上は立っているのに手元に現金が残らない」の直接の原因になります。

【筆者の失敗談】
私は中古品の売買と修理を20年ほど続けていますが、最初に手掛けた本のせどりで、まさにこの状態に陥りました。月の売上は伸びているのに、通帳の残高は増えない。当時の記録を見返すと、平均滞留日数は【45日】、抱えていた在庫評価額は【32万円】。
売上が増えていたのではなく、現金が在庫という形に変わっていっただけだったのです。利益率は計算していました。回転率は計算していませんでした。

3. 他人の商品の売れた日を調べる方法【メルカリ公式には機能がない】

ここからがリサーチの本題です。仕入れ判断に必要なのは、自分の過去ではなく他人の販売実績だからです。

3-1. まず前提:SOLDから分かるのは「売れた事実」と「販売価格」だけ

先に、はっきり書いておきます。

メルカリのアプリやサイト上に、他人の商品が「いつ売れたか」を正確に示す公式表示は存在しません。販売日を確実に知っているのは、出品者と購入者の2人だけです。

商品ページの説明文の下に「◯日前」という表示が出ることはありますが、これは出品または更新からの経過時間であり、しかも編集すればリセットされます。売り切れ商品でも取引メッセージのやり取りがあれば動きます。この表示を売却日の根拠にするのは危険です。

したがって、他人の商品については「正確に知る」ではなく「精度の高い推定をする」が正しいゴールになります。以下、精度と手間の低い順に並べます。

3-2. 出品者の評価一覧から逆算する【無料・ツール不要・今すぐできる】

ツールを何も入れずにできる方法です。

  1. 気になるSOLD商品ページから、出品者のプロフィールに飛ぶ
  2. 評価一覧を開く
  3. 「◯日前に取引完了」という表示を確認する
  4. その出品者が売った商品と評価のタイミングを突き合わせ、売却時期を推定する

注意点は2-3で整理した通りです。取引完了は、発送・受取・評価がすべて終わった後なので、実際の売却日はそれより数日前になります。

精度は高くありませんが、「この商品が売れたのは先月なのか去年なのか」という粗い判別には十分使えます。1件だけ確認したいなら、この方法がいちばん速い。

3-3. フリマアシストで「分かること」と「分からないこと」

ここが、多くの解説記事が間違えているポイントです。

フリマアシストは、フリマアプリのWeb版に機能を追加するChrome拡張機能です。メルカリのWeb版では、主に次の情報が表示されるようになります。

  • 商品ページの「出品日時」
  • 商品ページの「更新日時」
  • コメントの投稿日時
  • キーワード検索結果ページの外部リンクボタン
  • コメント・メッセージの定型文機能

お気づきでしょうか。この中に「売れた日」はありません。

項目 意味 売却日として使えるか
出品日時 最初に出品した日時 △(起点として使える)
更新日時 タイトル・説明文・価格・画像などを変更した日時 ×

更新日時は、値下げしても動きますし、説明文を1文字直しても動きます。売り切れ商品でも取引メッセージのやり取りで動くことがあります。更新日時=売れた日ではない。ここを混同したまま「更新日時が3日前だから、この商品は3日前に売れた」と判断すると、リサーチの土台が崩れます。

では、フリマアシストの正しい使い方は?

見るべきは日付そのものではなく、出品日時と更新日時の「間隔」です。

  • SOLD商品で、出品日時と更新日時が近い → 値下げも編集もされずに短期間で売れた可能性が高い。=素直に売れる商品
  • SOLD商品で、間隔が長い → 何度も値下げや再編集を経てようやく売れた可能性が高い。=滞留リスクあり
  • 販売中の商品で、出品日時が古い → 長期在庫。値下げ交渉が通りやすい傾向
  • 自分の商品で、出品日時が古い → 再出品の検討タイミング

導入はChromeウェブストアから追加するだけですが、一部の機能は開発者の公式LINEで配布されているシークレットコードを入力しないと解放されません。導入手順の詳細は別記事にまとめてあります。

→ 【使わないと損】フリマアシストの使い方を覚えれば出品が劇的に楽になる

3-4. Androidスマホでフリマアシストを使う【店舗仕入れの本命】

フリマアシスト単体のスマホアプリはありません。あくまでブラウザの拡張機能です。

ただし、Androidであれば拡張機能に対応したブラウザを使うことで、スマホでも同じ環境を作れます。一方、iPhoneのChromeは拡張機能に対応していないため、直接の利用はできません(代替手段は3-5で扱います)。

【要確認】Androidでの拡張機能導入は、対応ブラウザの状況が頻繁に変わる領域です。かつて定番だったブラウザがサポート終了になるなど入れ替わりが激しいため、導入前に必ず最新の対応状況を確認してください。

なぜ「スマホで使えること」が決定的なのか

ここは手順の話ではなく、業務設計の話です。

店舗仕入れで最大の敗因は、「持ち帰ってから調べる」です。棚の前で判断が終わらないと、こういう連鎖が起きます。

  1. その場で判断できない
  2. 「たぶん売れるだろう」で買ってしまう、あるいは迷って時間を溶かす
  3. 帰宅後に調べて、想定より回転が悪いと判明する
  4. すでに買っているので、出品するしかない
  5. 滞留在庫になる

この連鎖の入口は「調べられない」ではなく「その場で調べられない」です。だからスマホで判断が完結する環境の価値は、機能の便利さではなく意思決定を先送りしない構造にあります。

私は仕入れ専用のAndroid端末を1台持っています【GooglePixel3・5300円・ヤフオクにて購入】。私用のスマホとは分けています。理由は、通知で判断が中断されるのを避けるためと、リサーチ用のブックマークやツールだけを載せた状態を維持するためです。

3-5. iPhoneユーザー・拡張機能を入れたくない人の代替手段

拡張機能が使えなくても、売れた日を調べる道は残っています。むしろ用途によっては、こちらのほうが目的に合っています。

手段 分かること 端末 費用 向いている用途
ブラウザ完結型の解析ツール
(例:いつメル)
出品日・販売日・売れるまでの日数 iPhone / Android / PC 無料 気になる商品を数点だけ確認したい
オークファン
メルカリ相場検索
出品日・取引完了日・売れるまでの日数 PC / スマホ 無料枠あり 相場と回転をまとめて見たい
有料リサーチツール
(例:フリマサーチ)
直近数ヶ月の販売個数・販売日・売値 PC 有料 本格的に仕入れ判断を自動化したい

ブラウザ完結型のツールは、商品ページのURLをコピーして貼り付けるだけで解析してくれるタイプが主流です。メルカリアプリの「共有」からURLを取得できるので、スマホだけで完結します。iPhoneユーザーはまずここからで十分です。

そして、次章以降の計算で本当に効いてくるのは「販売個数」です。日付を1件ずつ調べる作業は、突き詰めると「直近30日に何個売れたか」を数えるための下ごしらえにすぎません。数える作業を自動化してくれる有料ツールに価値があるのは、そのためです。

3-6. 外部ツールを使う前に知っておくべき注意点

  • 規約と自己責任。外部ツールの利用は、メルカリが公式に保証するものではありません。仕様変更で突然使えなくなることも普通にあります
  • 短時間の連続操作は避ける。コピー出品などの機能を短時間に大量実行すると、自動化とみなされてアカウントに影響が出る可能性があります
  • ログイン情報を要求するツールは使わない。商品URLだけで動くツールと、ID・パスワードを預けるツールはリスクがまったく違います
  • ツールの表示を鵜呑みにしない。特に「売れた日」を謳うツールでも、内部的には更新日時を使っている場合があります。自分の売却済み商品で答え合わせをして、精度を確認してから本番投入してください

最後の項目は、そのまま使えるテクニックです。自分が売った商品の実際の売却日は、販売履歴から正確に分かります。それをツールの表示と突き合わせれば、そのツールの誤差が実測できます。この検証を1回やるかどうかで、リサーチ全体の信頼度が変わります。

4. 【本題】売れた日を調べても、9割の人が儲からない理由

ここまでで、売れた日を調べる手段は揃いました。しかし、多くの人はここから先で止まります。

4-1. 日付を1件見ても、仕入れ判断はできない

「この商品、3日前に売れてる。じゃあ売れ筋だ」

これは判断ではありません。1件のSOLDは、1件のサンプルにすぎないからです。

年に4回しか売れない商品でも、たまたまその1回を見れば「3日前に売れた」と表示されます。逆に、毎日売れている商品でも、たまたま開いた1件が半年前のものかもしれません。

必要なのは点ではなく分布です。具体的には、次の2つが揃って初めて判断材料になります。

  • 直近30日に何個売れたか
  • 今、同じ商品が何個出品されているか

売れた日を調べる本当の目的は、日付を知ることではなく、この2つの数を数えることです。ここが分かると、リサーチの手つきが変わります。

4-2. 儲からないのは努力不足ではなく、測っていないから

この記事でいちばん伝えたいのはここです。

せどりや物販で伸び悩む人の解説を読むと、たいてい「継続が大事」「リサーチ量が足りない」「行動量を増やそう」と書いてあります。それは間違いではありませんが、原因の説明にはなっていません。

私が20年で見てきた限り、撤退した事業と続いた事業を分けたのは、利益率ではなく回転速度でした。

利益率の高い商材を扱っていた事業ほど、実は危なかった。1点あたりの粗利が大きいと、多少売れなくても「そのうち売れる、待てばいい」と判断してしまうからです。その「待てばいい」の間、現金はずっと商品の中に閉じ込められています。

【筆者の実測データ】
ブランド品の修理・販売、レトロゲーム機の修理から買取への転換。この過程で、カテゴリごとの平均滞留日数を記録し続けました。
・ブランド品:平均【20日】/粗利率【32%】
・レトロゲーム:平均【11日】/粗利率【26%】
数字を並べたとき、粗利率が高いほうが儲かっていない、という逆転が起きていました。理由は次章の計算式で説明します。

努力していないから儲からないのではありません。何を努力すべきかを決める数字を、持っていないからです。

4-3. 測るべき3つの数字

3章までで調べた情報を、この3つに変換してください。

# 数字 取得方法 何が分かるか
直近30日の販売数 SOLD絞り込み+日付解析ツール 需要の実際の強さ
現在の出品数 販売中で絞り込んで件数を数える ライバルの厚さ
想定滞留日数 ①と②から計算 資金が何日拘束されるか

③が、この記事のゴールです。

5. 売れた日から逆算する「回転率」の計算式

5-1. 想定滞留日数の出し方

自分が今から出品したとして、何日で売れるか。これを推定する式がこれです。

想定滞留日数 = (現在の出品数 + 1)÷(直近30日の販売数 ÷ 30)

※「+1」は自分の出品分。分母は1日あたりの販売数(日販)

具体例で見ます。

  • 直近30日の販売数:6個 → 日販は 6 ÷ 30 = 0.2個/日
  • 現在の出品数:9個
  • 想定滞留日数 =(9 + 1)÷ 0.2 = 50日

「6個も売れてる、いける」と思った商品が、実際には資金を50日間拘束する商品だった、ということです。

もうひとつ、同じデータから出せる指標があります。

消化率 = 直近30日の販売数 ÷(販売数 + 現在の出品数)

先の例なら 6 ÷(6 + 9)= 40%。この数字は「需要と供給のバランス」を一発で表すので、複数商品を横並びで比較するときに便利です。

5-2. 「日利」という単位を導入する

次に、利益を日数で割ります。

粗利 = 販売価格 −(販売手数料10% + 送料 + 仕入値)

日利 = 粗利 ÷ 想定滞留日数

メルカリは販売価格の10%が販売手数料として引かれます。ここに送料と仕入値が乗るので、感覚より手残りは小さくなります。

計算例です。

項目 金額
販売価格 5,000円
販売手数料(10%) −500円
送料 −750円
仕入値 −2,500円
粗利 1,250円
想定滞留日数 50日
日利 25円/日

粗利1,250円は悪くない数字に見えます。しかし日利は25円です。この商品に2,500円を50日間預けて、25円/日を受け取っている、というのが実態です。

5-3. 年利換算すると、同じ利益額の商品が別物になる

もう一段抽象化します。

年間回転数 = 365 ÷ 想定滞留日数

資金効率(年率)= (粗利 ÷ 仕入値) × 年間回転数

2つの商品を比べます。仕入値はどちらも同じ2,500円とします。

商品A(薄利・高回転) 商品B(厚利・低回転)
粗利 800円 3,000円
想定滞留日数 7日 150日
日利 114円/日 20円/日
年間回転数 52.1回 2.4回
1回あたり利回り 32% 120%
資金効率(年率) 1,668% 292%

粗利額はBがAの3.75倍です。1回あたりの利回りもBのほうが高い。それでも、同じ2,500円という資金が1年間に生む利益はAが約5.7倍になります。

「粗利3,000円の商品を見つけた」と喜んで仕入れ、「粗利800円は薄いから見送り」と判断している人は、資金効率で5倍以上の機会を捨てている可能性があります。

5-4. なぜここまで回転率にこだわるのか

理由は単純で、資金は有限だからです。

物販で1年に稼げる金額は、乱暴に言えばこの式で決まります。

年間利益 ≒ 運転資金 × 年間回転数 × 粗利率

この3つの変数のうち、運転資金は簡単には増やせません。粗利率は市場が決めるので、自分でコントロールできる幅は狭い。

残るのが年間回転数です。そしてこれは、仕入れの段階でほぼ決まります。回転数を2倍にすることは、資金を2倍にすることと数学的に同じです。融資を受けずに運転資金を倍にできる、と言い換えてもいい。

私はこの考え方を株式の売買ルールにも使っています。同じ利益率でも、資金が拘束される期間が違えば、それはまったく別の投資対象です。「いくら儲かるか」ではなく「いくらの資金を何日拘束して、いくら儲かるか」で見る。これが業種を問わず共通する、資金の扱い方の基本だと思っています。

6. 店を出るタイミング:仕入れ判断をルール化する

計算式が手に入ったので、店頭での判断に落とします。

6-1. 3つの足切りライン

次の3つのうち1つでも下回ったら買わない。これだけです。

指標 意味 自分の基準値
想定滞留日数 資金が拘束される日数 【90日】を超えたら見送り
日利 1日あたりに生む利益 【3000円/日】を下回ったら見送り
消化率 需要と供給のバランス 【20%】を下回ったら見送り

参考までに、私が扱っているカテゴリでの基準値を書いておきます。ただし、この数字をそのまま真似する必要はありません。大事なのは数値の正しさではなく、数値が決まっていることです。

基準値の決め方はシンプルで、自分の過去の販売履歴から実測するのが最も確実です。2-4のスプレッドシートが30件も溜まれば、自分の中央値が出ます。それを少し上に設定すれば、それがあなたの足切りラインになります。

6-2. 「買わない」判断こそが利益を生む

足切りラインを持つと、店を出る回数が増えます。最初は不安になります。「今日は何も買わずに帰るのか」と。

ですが、買わなければ資金は現金のまま残ります。現金は次の機会を待てます。滞留在庫は待てません。保管場所を占有し、値崩れリスクを負い、そして何より、判断の失敗が視界に入り続けることで意思決定の質を下げます。

逆説的ですが、迷った時点で、判断はもう出ています。明確に基準を超える商品は、迷わないからです。迷うというのは、数字がボーダー付近にあるということ。ボーダー付近の商品を拾い続けると、平均滞留日数はじわじわ悪化します。

6-3. 数式化すると、1日に回れる店舗数が増える

これは副次的な効果ですが、実は影響が大きい部分です。

「安いから買う」で判断していると、1商品あたりの検討時間が長くなります。根拠が感覚なので、決め手がないからです。「日利が基準を超えるから買う」に変えると、判断が計算になり、数十秒で終わります。

結果として1日に回れる店舗数が増え、遭遇する商品の絶対数が増え、優良な仕入れに当たる回数が増える。店舗せどりは、本質的に確率の勝負です。試行回数を増やすいちばん確実な方法は、1回あたりの判断コストを下げることです。

7. 売れた日データの応用:値下げ・再出品・撤退の設計

売れた日のデータは、仕入れだけでなく出品後の運用にも効きます。

7-1. 値下げのトリガーを「日数」で決める

同じ商品の滞留日数の中央値が12日だと分かっているとします。自分の出品が20日動かないなら、それは運が悪いのではありません。価格が市場からズレているだけです。

感覚で値下げすると、早すぎたり遅すぎたりします。基準はこうしてください。

値下げ検討ライン = 市場の中央値滞留日数 × 1.5

7-2. 値下げすべきか、再出品すべきか

2つの選択肢はコストの種類が違います。

値下げ 再出品
削るもの 粗利 時間・手間
効果 成約率が上がる 検索上位に戻り露出が増える
向いている状況 閲覧数はあるが売れない そもそも閲覧数が少ない

判断基準は日利で統一できます。値下げ後の粗利で日利の基準値を維持できるなら値下げ、割るなら次の手です。フリマアシストを入れていれば、自分の出品の出品日時が見えるので、再出品のタイミングも機械的に決められます。

7-3. 撤退ライン(損切り)の決め方

ここが最も感情に負けやすい場面です。

目安として、想定滞留日数の3倍を超えたら、赤字でも現金化を検討してください。理由は単純な機会損失の計算です。

仕入値2,500円の商品を、あと100日抱えるとします。もしその2,500円を日利114円の商品に回せていたら、100日で11,400円を生んでいた計算になります。500円の損切りを避けるために、1万円以上の機会を失う。これが滞留在庫の本当のコストです。

損切りは損ではなく、資金の再配置です。この言い換えができるかどうかで、半年後の資金量が変わります。

7-4. データを信用しすぎない:サンプル数の落とし穴

最後に、ここまでの主張に自分でブレーキをかけておきます。

  • 直近30日の販売数が1〜2件の商品で回転率を語らない。母数が小さすぎて、計算しても誤差のほうが大きくなります
  • 季節商品・トレンド商品は過去データが未来を保証しない。暖房器具の12月の販売数を根拠に3月に仕入れれば、当然滞留します
  • 相場が動いている最中の商品も要注意。販売数が伸びていても、価格が下落中なら、粗利の前提が崩れます

測ることには限界があります。それでも測るのは、限界を知ったうえで判断するほうが、何も測らずに判断するより確実に精度が高いからです。

8. まとめ:売れた日は「調べる」のではなく「数える」

目的 結論
自分の商品の売れた日 Web版マイページ →「出品した商品」→「販売履歴」。アプリには存在しない
他人の商品の売れた日 メルカリ公式には表示機能がない。評価一覧からの逆算か、外部ツールで推定する
フリマアシスト 分かるのは出品日時と更新日時。売れた日ではない。見るべきは両者の「間隔」
iPhoneの場合 拡張機能は使えない。ブラウザ完結型の解析ツールを使う
本当のゴール 日付ではなく「直近30日の販売数」と「現在の出品数」を数えること

そして、この記事でいちばん伝えたかったのはこの一行です。

儲からないのは、努力が足りないからではありません。測っていないからです。

売れた日を調べる。滞留日数を出す。日利に変換する。基準値と比べる。買う、または店を出る。

この5ステップが回り出すと、仕入れは「センス」ではなく「作業」になります。作業になれば、再現できます。再現できれば、増やせます。

まずは今日、自分の販売履歴を開いて、直近10件の滞留日数と日利を出してみてください。そこに、あなたのビジネスの現在地が全部書いてあります。

よくある質問

Q1. メルカリで他人の商品が売れた日を、アプリだけで正確に知る方法はありますか?

ありません。SOLD表示から分かるのは「売れた事実」と「販売価格」だけです。販売日を正確に知っているのは出品者と購入者のみです。出品者のプロフィールにある評価一覧に「◯日前に取引完了」と表示されるので、そこからおおよその時期を逆算するのが、ツールを使わない最も現実的な方法です。ただし取引完了は発送・受取・評価が終わった後なので、実際の売却日はそれより数日前になります。

Q2. フリマアシストを入れれば売れた日が分かりますか?

正確には分かりません。フリマアシストが表示するのは「出品日時」と「更新日時」です。更新日時は説明文や価格の編集でも動きますし、取引メッセージのやり取りで動くこともあるため、売却日とは一致しません。正しい使い方は、出品日時と更新日時の「間隔」を見て、その商品が短期間で売れたのか、値下げを重ねてようやく売れたのかを推定することです。

Q3. iPhoneでも売れた日を調べられますか?

調べられます。iPhoneのChromeは拡張機能に対応していないためフリマアシストは使えませんが、ブラウザで完結する解析ツールなら、商品URLを貼り付けるだけで出品日・販売日・売れるまでの日数を確認できます。メルカリアプリの共有ボタンからURLを取得できるので、スマホだけで作業が完結します。

Q4. 自分の販売履歴は、いつまでさかのぼれますか?

Web版の「販売履歴」から閲覧できるのは2020年3月以降の取引に限られます。それより前は残高履歴から該当取引の取引ページを開く方法になりますが、残高履歴にも表示件数の上限があり、古い取引ほど届かなくなります。確定申告や在庫管理で使うなら、見られるうちに自分でスプレッドシートへ転記しておくのが確実です。

Q5. 売れるまでの日数は、何日以内なら「良い商品」ですか?

日数単体では判断できません。粗利額とセットで見ます。目安は「日利=粗利÷滞留日数」が自分の基準値を超えるかどうかです。たとえば粗利800円で7日なら日利は約114円、粗利3,000円で150日なら日利は20円です。粗利額が3倍以上でも、資金効率では逆転します。カテゴリごとに自分の閾値を決めることが先で、日数だけを見ても意味がありません。

Q6. 何件くらい売れていれば仕入れて良いですか?

件数そのものより、出品数とのバランスで見ます。「(現在の出品数+1)÷(直近30日の販売数÷30)」で想定滞留日数を出し、自分の許容日数を超えるなら見送りです。ただし直近30日の販売数が1〜2件しかない商品は、統計的に信頼できません。母数が少ない商品ほど慎重に判断してください。

Q7. 外部ツールの表示は信用してよいですか?

導入前に精度を実測することをおすすめします。自分が過去に売った商品の正確な売却日は、Web版の販売履歴から分かります。その日付とツールの表示を突き合わせれば、そのツールの誤差が数値で把握できます。1回検証しておくだけで、以降のリサーチの信頼度がまったく変わります。

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    「除外リスト7項目」
  • 6日目には、元手ゼロで
    今週できる実践ワーク(約70分)
※手を動かさずに稼ぐ方法をお探しの方には向きません。
そのことも講座内で明記しています。
20年
現場での実践
全14通・2週間。
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