Shopeeで売れない人が知恵袋の次に読む記事|塾で習った通りにやって売れないなら、来月払う前に割り算する

輸出

「Shopee 売れない」で検索して、知恵袋まで見に行った人に向けて書いています。おそらく、スクールか教材で手順を買い、その通りにやって、売れていない。そして「上位プランにすれば売れるのか」「もう少し続ければ売れるのか」を決めかねている状態だと思います。

先に言っておくと、私はShopeeで売った経験がありません。だからこの記事に「私はこうやって売れた」という話は一行もありません。代わりに、Shopeeが公開している手数料・出品枠・発送期限と、物販を20年やってきた側の割り算だけで、「なぜ売れないのか」「今月の支払いを止めるべきか」「止めた金でどこへ行くか」の三つを組み立てます。体験談を読みたい人には向きません。「自分の努力の問題なのか、構造の問題なのか」を切り分けて、来月払う金を決めたい人のための記事です。

結論:先に止血、次に序列、最後に構造

この記事の順番は「止血 → 序列 → 構造」です。原因の解説から入らないのは、原因を理解しても来月の引き落としは止まらないからです。

止血とは、塾やツールに払った金を取り返そうとしないこと。すでに払った初期費用は戻りません。判断の対象は「これから毎月出ていく金」だけです。序列とは、同じ手持ち資金と時間で、どの物販が先に現金を戻すかの順番です。構造とは、なぜツール型のShopee販売が「売れない」に収束するのかの仕組みです。三つとも自分の数字を当てはめられるように前提を書きます。

止血:今月の固定費を止める判断式

払った金は判断材料から外す

スクールの初期費用は、金額がいくらであれ性質は同じで、戻ってきません。会計でいう埋没費用です。「払った分を取り返すまで続ける」は、損失を固定費で毎月積み増す行動になります。判断に使ってよい数字は、来月以降に出ていく固定費(ツール月額、スクール月額、有料オプション)と、直近の実現利益の二つだけです。

止める条件

直近3か月の純利益(売上から販売手数料・決済手数料・国際送料・国内送料・出金手数料を引いた後)を3で割った月平均が、来月の固定費を下回っているなら、来月の固定費は止めます。理由は単純で、その状態で続けると「売れなくても出ていく金」が「売れて入る金」より大きく、続けるほど資金が減るからです。

「もう少しで売れそう」を数値に置き換える方法もあります。Shopeeの出品枠は、新規出店時に1,000(台湾・ブラジルは500)から始まり、店舗の実績に応じて最大10,000まで増えます。実績の定義には「過去30日にショップで注文決済を完了したユニークバイヤー」「直近30日で1個以上注文が発生したSKU数」が使われています(出典1)。つまり「もう少し」は、直近30日の完了注文数で測れます。セラーセンターで確認して、それが一桁なら、枠が広がる段階には来ていません。

自分の条件で計算する

下の計算機は、固定費を回収するのに必要な月間注文数と、自分が一人で処理できる上限を並べます。処理件数の前提は「注文が入ってからAmazonで買い、受け取り、検品し、再梱包して国内の発送拠点へ送る」までを1件と数えます。

前提:固定費にスクールの初期費用は含めていません(埋没費用のため)。純利益は自分の実績から出してください。実績がない場合は、次の章の手数料率で試算します。

割り算:2026年9月時点の公式料率で、売上の何%が消えるか

ここは業者の解説ではなく、Shopee Japanのセラー向け公式ページ(Seller Education Hub)の数字だけで組みます。料率は2026年に二度変わっており(2月1日の販売手数料改定、6月1日のサービス手数料導入・改定)、さらに2026年9月21日から「トラフィック成長手数料」2%が新設されます(出典2・3・4)。古い記事の「15%前後」はもう当てはまりません。

マーケット 販売手数料 決済手数料 トラフィック成長手数料 Payoneer出金 合計の目安
シンガポール 15.75% 3.00% 2% 約2% 約22.8%
マレーシア 19.17% 3.78% 2% 約2% 約27.0%
タイ(一般セラー) 21.13% 3.21% 2% 約2% 約28.3%
ベトナム 16.00% 6.00% 2% 約2% 約26.0%
フィリピン 9.46% 2.24% 対象外 約2% 約13.7%
台湾 12.75% 2.50% 対象外 約2% 約17.3%

前提:販売手数料・決済手数料はVAT込みの公式表記(2026年6月1日以降の料率、出典2)。トラフィック成長手数料は2026年9月21日以降に完了した注文に適用され、対象はシンガポール・マレーシア・ベトナム・タイの日本越境セラー全員(出典4)。Payoneerから日本の銀行への出金は約2%の為替手数料と公式に案内されています(出典2)。新規出店から3か月間の販売手数料割引(月500件まで)、CCB/FSSなどの任意プログラム手数料、SPayLater参加時の決済手数料変更、マレーシア・ベトナムのインフラ手数料は含めていません。国際送料(SLS)と、無在庫の場合の国内送料は別途かかります。

売上の2割強が、売った瞬間に消えます。仕入れ原価がAmazon.co.jpの小売価格である以上、この料率で現地の価格帯に収まる商品は限られます。私がeBay輸出で「税制と送料で下限単価が上がった」と書いたのと同じ話で、越境は単価が低い商品から順に成立しなくなります(eBayの発送方法と下限単価eBay手数料)。

固定費を回収するのに必要な注文数

ツールの月額を13,200円(代表的なツールの公式料金、税込、2026年9月時点)とし、1注文の純利益を仮に置くと、ツール代を回収するだけで必要な月間注文数はこうなります。

1注文の純利益 ツール代のみ(13,200円/月) ツール+スクール月額2万円(33,200円/月)
300円 44件/月 111件/月
500円 27件/月 67件/月
1,000円 14件/月 34件/月

前提:純利益は上の表の手数料と国際送料・国内送料を引いた後の金額。スクール月額2万円は仮置きで、初期費用は含めていません。Shopee自体には月額固定費も出品手数料もありません(出典2)。固定費はすべてShopeeの外、つまりツールとスクールから来ています。

一人で回せる件数の実測

発送代行業者が「代行に切り替える目安」として出す数字がありますが、ここは自分の稼働で置き換えます。私はブランド品の転売を本業サイズで回していた時期に、自宅から週50〜150点を出荷していました。人員は社員1名(当時は親族)と、時給制のアルバイト1名(週3日・1日3時間程度)、それに私です。在庫型なので、商品は手元にあり、撮影・出品・梱包・発送だけで済む工程です。

無在庫のShopeeは工程が一つ多い。注文が入ってから仕入れ、届くのを待ち、検品して、再梱包して国内の発送拠点へ送る。同じ3人で同じ件数は回りません。一人でやるなら、上の計算機で「1日に処理できる件数」を正直に入れてください。私の実測から言えるのは、月100件の帯は一人の副業では物理的に回らず、人を足すと人件費という新しい固定費が乗る、ということだけです。

時間の壁:発送期限は公式で「2営業日」

ネットには「48時間」「12時間」といった数字が出回っていますが、公式の定義で確認します。日本越境セラーがSLS(Shopeeの国際物流)で発送する場合、2024年4月1日以降の発送期限(DTS)は注文発生の翌日から数えて2営業日で、土日祝は含まれません。公式の例は「月曜に注文が入ったら水曜までに発送し、Arrange Shipmentをクリックする」です。クリックの期限はDTS+1暦日ですが、当日中のどこかで切られるため、DTS当日に発送とクリックを同時に済ませることが推奨されています。国内倉庫でのスキャンが「2営業日+2暦日」を過ぎると発送遅延(LSR)としてペナルティ、さらに遅れると自動キャンセル(NFR)になり、その後に倉庫へ着いた荷物はセラー負担で返送されます(出典5)。

ペナルティは累積制で、累積15点でアカウント凍結、3点を超えるとPreferred Sellerの資格を失い、四半期ごとにリセットされます(出典6)。

無在庫でこれを守るには、注文が入ってからAmazonで買い、翌日か翌々日に自宅で受け取り、検品して発送拠点へ送る、を営業日2日に収める必要があります。日中に自宅で荷物を受け取れる人でなければ成り立ちません。会社勤めの副業としてShopeeが成立しにくいのは、売れないからではなく、売れたときに間に合わないからです。

序列:止めた金と時間をどこへ移すか

ここが、この記事でいちばん持ち帰ってほしい表です。Shopeeが駄目ならeBay、eBayが駄目ならメルカリ、という横移動ではなく、「自分の資金が何日で現金に戻るか」で物販モデルを並べます。資金が薄い人ほど、この順番が効きます。

モデル 現金が戻るまで 売上ゼロでも出る金 先に出る金 自分で差を作れる変数
国内せどり(店舗・電脳・修理) 仕入れ→出品→売却→入金。回転の速い商材なら日単位 ほぼなし(Amazon利用時はツール類で月1万円弱) 仕入れ代のみ。1点から始められる 目利き・修理・状態・写真
輸出転売(eBay等・在庫型) 発送→到着→入金保留→出金。週〜月単位。返品と為替が乗る ほぼなし 仕入れ代 目利き・状態・写真
輸入転売(AliExpress等・在庫型) 発注→リードタイム→国内販売。月単位で資金が拘束される ほぼなし 仕入れ代+送料・関税を前払い 商品選定(真似されやすい)
Shopee無在庫(ツール型) 注文→Amazon購入→受取→SLS→現地着→Payoneer→出金。売れるまでゼロ ツール月額+スクール月額 固定費が先、仕入れは後 出品数と係数だけ(全員同じ)

私の実測はこの表の一行目と三行目にあります。ブランド品転売では、仕入れから1週間以内の売り切りを目標にして、実際に大半を1週間で売り切っていました。中国輸入OEMもやりましたが、納品まで数か月から半年、その間に資金が拘束され、Amazonに出しても返品と模倣で国内せどりと大差なく、キャッシュフローで比較すると店舗せどり・電脳せどりに負けました(中国輸入で稼げない理由)。

キャッシュフローが厳しい人にとって、国内せどりに輸入や輸出は勝てません。理由は優劣ではなく回転日数の差です。国内は数日、輸出は数週間、輸入は数か月、Shopee無在庫は売れる前から固定費が走る。資金が薄いほど、この差が致命的になります。Shopeeで売れなくて止血した金があるなら、行き先は表の上から順に検討するのが、計算上は自然です(電脳せどりの始め方利益率の考え方)。

この序列は「プラットフォームで無在庫をやる」前提の話です。プラットフォームの外、つまり自分のサイトで需要語の記事を書いて売る形だけは別の計算になるので、それは無在庫転売の本体記事に分けて書きました。ツールで出品して売れない構造の説明も、そちらのほうが数字で詳しいです。

構造:なぜ「売れない」に収束するのか

ここから先は原因の話です。止血と序列を先に済ませたのは、この章を読んでも来月の引き落としは止まらないからです。

全員が同じ位置に並ぶ

Shopeeで売れない日本人セラーの大半は、ツールでAmazon.co.jpの商品を吸い上げ、自動翻訳・自動為替換算で東南アジア数か国に同時出品する型で参入しています。仕入元が同じ、翻訳が同じ、価格の決め方(原価×係数)が同じ。この条件で参入者が増えると、同じ商品・ほぼ同じ文面・ほぼ同じ価格の出品が横に並び、買い手から見て差があるのは価格だけなので、下がる方向にしか動きません。飽和するかもしれない、ではなく、計算上そうなる話です。

工程を分解すると、人によって差が出る箇所がほとんどありません。商品選定はランキングかツールの候補、商品名と説明は機械翻訳、価格は式で自動計算、画像はAmazonのもの。残る変数は「出品数」と「係数」の二つで、出品数を増やすには枠が要り、係数を下げると利益が消えます。

ツール利用者が全員同じ統計を見て同じ商品を出すので、参加者が増えるほど価格競争にしかならない。この構造をツール1社分の料金と規約で計算したのがTopSellerの記事で、Shopeeでも同じ式が成り立ちます。

二段の階段:金で買える段と、買えない段

スクール経由で入った人が「売るには上位プランが必要」と感じるのは正しい感覚ですが、階段は二段あって性質が違います。一段目はツールとスクールで、払えば上れます。ただし手に入るのは出品の手間が減ることだけで、同じツールを使う全員が同じ削減を受けるので差にはなりません。

二段目は出品枠です。出品枠は、過去30日の完了注文と、注文が発生したSKU数で決まり、毎週見直されます(出典1)。売るには出品数が要る、出品数を増やすには枠が要る、枠を広げるには完了注文が要る、完了注文を作るには売れなければならない。この段はお金で買えません。スクールもツールも、売っているのは一段目だけです。「上位プランを契約したのに売れない」は、一段目を上りきって二段目の前で止まっている状態で、その人の能力ではなく階段の設計がそうなっています。

視座を上げる:あなたが買ったのは「手順」で、必要なのは「差」

塾に払った人が次にやりがちなのは、別の塾か、上位プランか、別のツールを買うことです。買ったものが手順だったから、手順が足りないと感じるのだと思います。しかし売れなかった原因は手順の不足ではなく、その手順を全員が持っていることです。手順は買えますが、差は買えません。

次に何かを買う前に、三つだけ確認してください。一つ、その手法で自分だけが持てる変数はあるか。全員が同じツールを使うなら答えはノーです。二つ、売上ゼロでも出ていく固定費はいくらか。Shopee自体はゼロなのに固定費が出ているなら、それは手法の値段ではなく仲介の値段です。三つ、仕入れた金が現金に戻るまで何日か。答えられないなら、その手法はまだ自分の数字になっていません。

私が物販で得た結論は「代替されるものは下がる」の一言です。横流しの単価が下がり続けるのを見てきてそう考えています。残るのは、代替されにくい工程を自分の側に持つことです。目利きが要る中古、手を入れないと売れない修理品、写真と説明を自分で作らないと成立しない一点物。これらはツールで量産できないので、参入者が増えても同じ速さでは薄まりません。

「Shopee Master 評判」で来た人へ

ツールの名前で検索して来た人もいると思います。ツールが良いか悪いかは、この記事の構造には関係がありません。ツールで出せる出品は、同じツールを使う全員が出せます。ツールの出来が良いほど、全員が同じ品質の出品を出せるので、差はさらに消えます。「良いツールを使えば売れる」ではなく「良いツールを全員が使うから売れなくなる」が正しい向きです。評判を調べる前に、上の計算機に自分の数字を入れてください。

この記事で扱わなかったこと

Shopee内のSEO、広告、ライブ配信、サムネイルといった「Shopeeの中で頑張る方法」は書いていません。それはShopeeで売った経験がある人が書くべき内容で、私が書くと一般論になります。また、手数料率は改定が頻繁なので、この記事の表は2026年9月時点の公式ページの転記です。実際に払う前には必ず出典の原文を確認してください。

関連記事:無在庫転売は稼げない?月利100万が出た時代と、今から月5万を作る設計無在庫転売は違法か:規約と法令の原文トップセラーで儲からない理由

参考(出典)

  1. Shopee JP Seller Education Hub「商品数について」(新規出店時1,000/台湾・ブラジル500、最大10,000、ユニークバイヤー・performing listingの定義):https://shopee.jp/edu/article/10013
  2. Shopee JP Seller Education Hub「各種手数料(コミッション)について」(マーケット別の販売手数料・決済手数料、Payoneer出金約2%、月額固定費・出品手数料なし、3か月の販売手数料割引):https://shopee.jp/edu/article/11750
  3. Shopee JP Seller Education Hub「サービス手数料導入・手数料改定のお知らせ(シンガポール/マレーシア/タイ/ベトナム)」2026年6月1日適用:https://shopee.jp/edu/article/27592
  4. Shopee JP Seller Education Hub「【重要】トラフィック成長手数料(Traffic Growth Fee)導入のご案内」2%・2026年9月21日発効:https://shopee.jp/edu/article/28206
  5. Shopee JP Seller Education Hub「発送期限(Days To Ship: DTS)」(SLSは2営業日、Arrange ShipmentはDTS+1暦日、LSR・NFRの扱い):https://shopee.jp/edu/article/13048
  6. Shopee Japan「Shopeeオーダーキャンセルとペナルティについて知るべきポイント」(累積15点で凍結、3点超でPreferred Seller喪失、四半期リセット):https://shopee.jp/column/cancel/
  7. ツール料金(初期22,000円・月額13,200円・税込)は代表的なツールの公式料金ページを2026年9月時点で参照。競合発信者への送客を避けるためリンクは貼りません。

 

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