「会社員に向いてない」「自営業に向いてる人」について、私は会社員を選ばなかった側からしか書けません。いわゆる正社員として、一般的なサラリーマンをしたことはありません。最初から自宅で働いていて、その期間は20年近くになります。
会社員を選ばなかった理由として私が挙げるのは、2つです。行きたい会社がなかったこと。それから、自分で決めたいことです。
ただ、私が会社員に向いていなかったのかどうかは、確かめられていません。正社員として働いていないからです。この記事では、私が会社員を選ばなかった経緯と、総務省・厚生労働省の公表資料や法律で分かることを、分けて書きます。自営業や会社員への向き不向きを測った公的な統計は、今回確認した資料では見つかりませんでした。
| 知りたいこと | この記事で書いたこと | 詳しく |
|---|---|---|
| 私が会社員を選ばなかった理由 | 行きたい会社がなかった。自分で決めたい | 2章 |
| 社風が合わない・会社が合わない | 会社員としての経験はない。アルバイト先とインターンで見たことだけ | 3章 |
| 自営業の人はどれくらいいるか | 自営業主は510.8万人で、有業者の7.6%(2022年)。本業がフリーランスの人は209万人で、3.1% | 4章 |
| 初めての会社をやめた理由 | 「仕事が自分に合わない」21.7%、「人間関係がよくなかった」26.4%(調査時点で事業所に雇われていた15〜34歳のうち、初めての会社をやめた人の回答。3つまでの複数回答) | 4章 |
| フリーランスで働く理由 | 本業がフリーランスの人の主な理由は、「専門的な技能等が生かせるから」32.5%、「自分の都合の良い時間に働きたいから」29.5%(2022年) | 4章 |
| 働く時間 | 週50時間以上働く人は、自営業主で25.9%、正規の職員・従業員で23.2%(2022年。週間就業時間が分かる人に限った割合で、当サイトで計算) | 4章 |
| 法律の上での違い | 労働基準法の「労働者」にあたるかどうか(労働者性)は、契約の名前ではなく実態で判断される | 5章 |
| 向いている人・向いていない人の特徴 | 公的な統計は見つからなかった。性格ではなく、何を自分で決めることになるかで整理した | 6章・7章 |
※公的統計と法律は、2026年10月30日・31日に、総務省統計局、厚生労働省、e-Gov法令検索の公表資料で確かめたものです。調査ごとに、聞いている相手と数え方が違います。
1. 会社員を選ばなかった側として、書ける範囲
私は、いわゆる正社員として、一般的なサラリーマンをしたことはありません。働く場で見たことで書けるのは、アルバイト先と、内定のあとにさせてもらったインターンのことだけです。
だから、会社員として毎日働くことがどういうものか、会社の中で社風がどう感じられるかは、経験としては書けません。
最初から自宅で働いていて、自宅以外で仕事をした経験はほとんどありません。その期間は20年近くです。人と会うことはほとんどなく、雇われていないので、報告の義務もありません。
自営業に向いているかどうかも、自分で測ったことはありません。続けてきた期間は書けますが、それを向いていた証拠としては書きません。
2. 会社員を選ばなかった2つの理由
2-1. 行きたい会社がなかった
1つ目の理由は、行きたい会社がなかったことです。そこに至るまでの出来事を、順番に書きます。
- 就職活動で内定は取れましたが、社会人になる確信が持てず、頼んでインターンをさせてもらいました。ホームページの更新に3〜4時間かけても、全くできませんでした。隣では、1年先に入社した年下の先輩が、上司に延々と怒られ続けていました。
- インターンが終わったあと、留年も決まり、内定を辞退しました。
- 証券会社を志望して、就職活動をやり直しました。IT志望だったときより、志望動機はすらすら話せましたが、最終面接で落ちました。そこで、就職への未練が消えました。
- 友人との起業にも加わりましたが、しっくりこず、辞めました。
- 「行きたい会社がないなら自分で作るしかない」と考えて、古本の転売でやっていくと決めました。
これは出来事の順番です。内定を辞退した理由を、インターンでの出来事と留年のどちらか1つに結びつけることはしません。
インターンのときの自分については、研修を受ける前の段階だったので、何とも言えないところはあります。それでも、会社の利益に貢献できる人材になれたかは「とても怪しい」と自己分析しています。インターンの話は仕事ができないけど頑張る人・辞めてほしい人ほど辞めない|できなかった側と雇った側の両方から書く(計算機つき)に、内定を辞退した話は仕事を辞める勇気・逃げてはいけないのか|申入れから2週間の条文と、正社員経験のない私がやめた5つ(計算機つき)に書きました。
友人の会社から抜けた話は「友達と起業はやめとけ」を、友人の会社に10万円とパソコンを置いて抜けた側から書くに、起業のやり方を師匠からもらった話は起業したいけどアイデアがない|友人の起業は合わずに抜け、師匠の型をもらい、小さく試してから広げた私の3つ(計算機つき)に、古本の転売で最初にうまくいった話は成功体験がない・成功体験を積むには|100円の本が30分で売れた私と、家賃のいらない住まいという下駄(計算機つき)に書きました。
2-2. 自分で決めたい
2つ目の理由は、自分で決めたい、ということです。いまの働き方で、私が自分で決めていることを書きます。
- 仕事の終わり:自分で決めています。集中力が落ちたら休み、回復したら再開します。
- 報告:雇われていないので、報告の義務はありません。進み具合は、メルマガの登録数と売上を前の月と比べて見ています。
- 会う人:人と会うことはほとんどありません。会う人と量は、自分で決めています。
- 住む場所:自分の働き方が住む場所に縛られていないことに気づくのに、20年近くかかりました。いまは、関東という枠の外も含めて、自分の生産性が最も上がる場所を選ぼうとしています。居場所について聞かれたときには、「物理に縛られない生活を作るというのが自分には一番効いた」と答えています。
これは、いまの働き方で自分で決めていることです。会社員を選ばなかった当時に、ここまで考えていたとは書きません。
20年近く一人で働いてきた話はテレワークで頭おかしくなる原因|20年一人で働いて、壊れたのは1回だけでしたに、会う相手と量を決めている話は一人が好きなのは変?|20年一人で働いてきた私が、会う相手と量を決めている理由と、孤独と孤立の違い(計算機つき)に、利益が出ていた商売を自由と引きかえに手ばなした話はトレードオフとは|意味と例をわかりやすく。利益が出ていた商売を、私が自由と引きかえに手ばなした計算に書きました。何のために働くかは働く理由・何のために働くのか・稼ぐ意味|暮らしたい水準から逆算した私の4つと、公的調査の数字(計算機つき)に書きました。
2-3. 選ばなかったことへの、いまの評価
就職しないという道を選んだことに、後悔はありません。ただ、後悔している選択もあります。編入の年次などの話は人生の選択を間違えた・後悔しない選択|編入の年次・二部・9月入学を後悔した私が、いま使う4つの決め方(計算機つき)に書きました。
この2つの理由は、私が会社員を選ばなかった理由です。ほかの人が会社員を選ぶか選ばないかを決める基準としては書きません。
3. 社風が合わない・会社が合わない:会社員の経験がない私に書けること
社風が合わない、会社が合わない、という悩みを、私は会社員として感じたことがありません。書けるのは、アルバイト先とインターンで見たことだけです。
- アルバイト先では、掃除をするタイミングや、お客さんに声をかけるタイミングを「自分で考えてやれ」と言われ、いざやると「それは違う、常識だろう」と言われました。この話はダブルバインドとは|意味と例をわかりやすく。「自分で考えろ」を言われた側と、言った側の両方をやった私の話に書きました。
- アルバイトを辞めた理由は、居心地が悪かったことです。辞めることについては、「辞めようとすると無責任、他の人が困ると責められる」状態でした。
- インターンでは、隣で、1年先に入社した年下の先輩が、上司に延々と怒られ続けていました。
これを「社風」とまとめて呼べるのかは、私には判断がつきません。どれも会社員ではない立場で見たことなので、会社の社風として一般化はしません。
合わない場所についての私の考えは、馴染めない場所から早く離れる、居場所を自分で作る、なくても困らない、の3つで、居場所がない・どこに行っても馴染めない|早く離れる、自分で作る、なくても困らない。私の3つの考え(計算機つき)に書きました。
公的な調査では、4-3の厚生労働省の若年者調査が、初めての会社をやめた理由を聞いています。ただし、その選択肢に「社風」という項目はありません。この記事で関係しそうなものとして見るのは、「人間関係がよくなかった」と「仕事が自分に合わない」です。
4. 公的データで分かること
4-1. 自営業主は510.8万人、有業者の7.6%(2022年)
総務省の「令和4年就業構造基本調査」は、全国の約54万世帯(15歳以上の世帯員約108万人)を対象に、2022年10月1日現在で、ふだんの状態を聞いた調査です。結果の概要は、次のように書いています。
「有業者について、従業上の地位別にみると、「自営業主」は511万人(有業者に占める割合7.6%)、「雇用者」は6077万人(同90.8%)などとなっている。」
表で見ると、次のとおりです(割合は有業者に占める割合で、従業上の地位などが不詳の人を除いて計算されています)。
| 区分 | 2022年 | 2017年 |
|---|---|---|
| 自営業主 | 510.8万人(7.6%) | 561.7万人(8.5%) |
| うち雇人がいる業主 | 103.7万人(1.5%) | 146.1万人(2.2%) |
| うち雇人がいない業主 | 397.7万人(5.9%) | 402.0万人(6.1%) |
※2017年は「雇人のある業主」「雇人のない業主」という名前で、2022年に今の名前に変わりました。
雇われて働く人(雇用者)は6077.2万人(90.8%)で、そのうち「正規の職員・従業員」が3611.5万人(54.0%)です。「会社員」という区分は、この表にはありません。
用語の解説では、自営業主は「個人経営の商店主、工場主、農業主、開業医、弁護士、著述家、家政婦など自分で事業を営んでいる者」です。法人である会社の社長は、ここには入りません。表では「雇用者」の内訳に「会社などの役員」(354.7万人、5.3%)があり、用語の解説では「会社の社長、取締役、監査役」などの役職にある者とされています。法人である会社を作って社長になった人は、この調査では自営業主ではなく、会社などの役員に数えられます。私自身がどの区分に数えられるかは、その時の働き方で変わるので、ここでは当てはめません。
結果の概要は、過去20年の推移について「「自営業主」は減少を続けており」と書いています。総務省の「労働力調査」(長期時系列表4、年平均)でも、自営業主は1990年878万人、2000年731万人、2010年582万人、2020年527万人、2025年499万人です。労働力調査には、人口の基準の切り替えに伴う変動がある、という注があります。また、就業構造基本調査とは調べ方が違うので、2つの調査の人数どうしは比べません。
4-2. 本業がフリーランスの人は209万人、3.1%(2022年)
同じ就業構造基本調査は、フリーランスの数も出しています。
「有業者のうち本業がフリーランスの数は209万人となっており、有業者に占める割合が3.1%となっている。」
この調査のフリーランスは、「実店舗がなく、雇人もいない自営業主又は一人社長であって、その仕事で収入を得る者」です。一人社長も含むので、4-1の「雇人がいない業主」と同じ数え方ではありません。本業がフリーランスの数は、この調査で初めて示されたもので、同じ定義の前回の値はありません。
産業別では、本業がフリーランスの人は「建設業」が50万人で最も多く、次いで「学術研究,専門・技術サービス業」が37万人、「サービス業(他に分類されないもの)」が18万人です。これは人数で、その仕事に向いているかどうかを示すものではありません。
同じ調査の第73表(e-Stat)では、この調査の定義に当てはまる本業がフリーランスの人について、「現職の就業形態に就いている理由」の区分ごとの人数を確かめられます。本業がフリーランスの2,093,700人のうち、「主に専門的な技能等を生かせるから」が628,800人、「主に自分の都合のよい時間に働きたいから」が570,900人です。総務省統計局の資料「令和4年就業構造基本調査の結果について」(2023年12月18日)は、主な理由の割合を「フリーランス(本業)で働く理由として割合が高いのは「専門的な技能等が生かせるから」(32.5%)、次いで「自分の都合の良い時間に働きたいから」(29.5%)」と書いています。この割合の分母は、主な理由が不詳の人を除いた193.6万人(第73表の主な理由7区分の合計1,936,200人、当サイトで計算)で、上の2,093,700人ではありません。また、これはフリーランスという今の働き方をしている理由で、何年も前から続けている人も入っています。事業を始めたときの動機とは限りません。
4-3. 初めての会社をやめた理由:「仕事が自分に合わない」21.7%
厚生労働省の「令和5年若年者雇用実態調査」は、5人以上の常用労働者を雇う事業所と、そこで働く15〜34歳の労働者を対象にした調査です(個人調査の有効回答13,218人、2024年9月25日公表)。
「初めて勤務した会社をやめた理由(3つまでの複数回答)についてみると、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」が28.5%、「人間関係がよくなかった」が26.4%、「賃金の条件がよくなかった」が21.8%、「仕事が自分に合わない」が21.7%の順となっている。」
これは、調査の時点で対象の事業所に雇われていた15〜34歳の労働者のうち、初めて勤務した会社をやめたことがある人が答えた割合です。若者全体の中での割合でも、初めての会社をやめた人全体の中での割合でもありません。
勤めた期間で分けると、「1年未満の期間では「人間関係がよくなかった」と回答した割合が最も高くなっており」と書かれています。表17では、初めての会社を3か月未満でやめた人のうち、「仕事が自分に合わない」が42.1%、「人間関係がよくなかった」が52.3%です。
注意点が2つあります。1つは、回答したのは、調査の時点で事業所に雇われて働いている人だということです。初めての会社をやめて自営業やフリーランスになった人は、回答者に入りません。だから、この表の「独立して事業を始めるため」0.3%を、独立する人の割合として読むことはできません。もう1つは、3章に書いたとおり、選択肢に「社風」はないことです。
4-4. 週50時間以上働く人:自営業主25.9%、正規の職員・従業員23.2%(2022年)
同じ就業構造基本調査は、ふだんの1週間に働く時間も聞いています。用語の解説では、この週間就業時間は「就業規則などで定められている時間ではなく、残業を含むふだんの1週間の実労働時間をいう。」とされています。時間を聞いているのは、年間就業日数が200日以上の人と、「規則的就業」の人だけです。
e-Statの第30-1表から、週50時間以上の人の割合を、従業上の地位ごとに当サイトで計算しました。分母は、年間就業日数が200日以上の人と、200日未満で規則的に働く人のうち、週間就業時間が分かっている人です。この数え方で有業者全体を数えると、週50時間以上は1039.2万人(17.3%)で、結果の概要の表2-2の人数と合います。
| 従業上の地位(2022年) | 週50時間以上の人 | 割合(当サイトで計算) |
|---|---|---|
| 有業者全体 | 1039.2万人 | 17.3% |
| 自営業主 | 96.4万人 | 25.9% |
| うち雇人がいる業主 | 29.9万人 | 32.8% |
| うち雇人がいない業主 | 66.3万人 | 24.0% |
| 会社などの役員 | 56.7万人 | 18.3% |
| 正規の職員・従業員 | 805.1万人 | 23.2% |
出典:総務省「令和4年就業構造基本調査」第30-1表(e-Stat)をもとに当サイトで計算。
年間就業日数200日未満で不規則・季節的に働く人と、週間就業時間が不詳の人は、計算に入れていません。自営業主と、雇われて働く人・会社などの役員とでは、年齢・性別・産業・職業などの構成が違い、この表はそれを調整した比較ではありません。また、別の人たちの数字なので、同じ人が自営業に変わると働く時間が長くなる、という意味でもありません。
同じ調査の第151表は、2017年10月以降に前の仕事を辞めて今の仕事に就いた人について、前の仕事を数えています。今の仕事が自営業主で、今の事業を自分で起こした人(起業者)39.1万人のうち、前の仕事が雇用者(会社などの役員を除く)だった人は35.2万人、89.9%でした(当サイトで計算)。前の仕事がある人だけの数字なので、学校を出てすぐ事業を始めた人は入っていません。勤めた経験がある人の割合ではありません。第30-1表も第151表も、調査の時点で働いている人だけの数字で、すでに事業をやめた人は入っていません。
4-5. 向き不向きを測った公的統計は、見つからなかった
「自営業に向いている人の特徴」や「会社員に向いていない人の特徴」を示した公的な調査・統計は、今回確認した資料では見つかりませんでした。4-1〜4-4の数字は、働いている人の数、働き方の理由、初めての会社をやめた理由、働く時間と前の仕事を数えたもので、向き不向きを測ったものではありません。4-3の若者と4-4の自営業主・起業者は、聞いた相手も設問も違うので、数字どうしは比べません。
5. 会社員と自営業の、法律の上での違い
労働基準法9条は、「労働者」を次のように定めています。
「この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」
厚生労働省は、「労働基準法上の「労働者」に該当するかどうかは、契約の形式や名称にかかわらず、実態を勘案して総合的に判断されます。」と説明しています。
業務委託で働くフリーランスについては、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が、2024年11月1日に施行されました。2条1項は、業務委託の相手方である事業者のうち、1号で「個人であって、従業員を使用しないもの」などを「特定受託事業者」としています。厚生労働省は、この法律で発注する側に何が義務づけられるかを、次のように書いています。
「個人で働くフリーランスに業務委託を行う発注事業者に対し、業務委託をした際の取引条件の明示、給付を受領した日から原則60日以内での報酬支払、ハラスメント対策のための体制整備等が義務付けられます。」
「(注1)形式的には業務委託契約を締結している者であっても、実質的に労働基準法上の労働者と判断される場合には、労働基準関係法令が適用され、本法は適用されません。」
どの法律やルールがかかるかは、労働基準法上の「労働者」にあたるかどうか(労働者性)と、業務委託の当事者や中身によって変わります。労働者性は、契約の名前ではなく実態で判断されます。また、特定受託事業者は「業務委託の相手方である事業者」なので、自営業の人がみなこの法律の対象になるわけではありません。個別の契約がどちらにあたるかは、弁護士などの専門家に相談してください。税金や社会保険の違いは、この記事では扱いません。
6. この記事としての整理:会社員と自営業で「誰が決めるか」
向いている人の特徴を示す公的な統計がないので、この記事では、性格で特徴を並べることはしません。代わりに、この記事としての整理として、会社員と自営業で、誰が何を決めることになるかを6つの項目で並べます。私の経験と、4章・5章の資料をもとにしたこの記事の整理で、どの会社・どの自営業にも当てはまるものではありません。会社員か自営業かという区分だけでは決まらず、契約、事業の形、職務上の権限によって、自分で決められる範囲は変わります。
| 項目 | 雇われて働くとき | 自分で事業を営むとき | 私の場合 |
|---|---|---|---|
| 働く時間 | 法令、労働契約、就業規則などの範囲で決まる。本人が選んだり調整したりできる程度は、勤め先や働き方によって違う | 自分で決められる範囲は、事業の形や、契約・客の条件によって違う | 仕事の終わりは自分で決めている |
| 働く場所 | 労働契約や勤め先の決まりの範囲で決まる。選べる程度は、勤め先や働き方によって違う | 事業の形によっては自分で選べるが、店舗、現場、契約などで決まることもある | 最初から自宅。住む場所に縛られていないと気づくのに20年近くかかった |
| 仕事の中身・やり方 | 勤め先や上司の指示の範囲で決まる。任される程度は、職務や立場によって違う | 自分で決められる範囲は、客や取引先が求めるものと、契約の中身によって違う | 古本の転売でやっていくと決めた |
| 一緒に働く人 | 配属や採用で決まる。採用や取引先選びに関わる立場もあり、選べる範囲は職務上の権限によって違う | 雇うか、誰と取引するかを決められることもあるが、元請けや契約の相手が決めることもある。選べる範囲は取引の契約によって違う | 人と会うことはほとんどない。会う人と量は自分で決めている |
| 収入の決まり方 | 労働契約や勤め先の給与の決まりで決まる | 売上、費用、契約の条件、(法人なら)役員報酬の決め方などで決まる | この記事では書いていない |
| 休みの日 | 法令、労働契約、就業規則などの範囲で決まる。本人が選んだり調整したりできる程度は、勤め先や働き方によって違う | 自分で決められる範囲は、事業の形や、契約・客の条件によって違う | この記事では書いていない |
※4-4の就業構造基本調査では、ふだん週50時間以上働く人の割合は、自営業主で25.9%、正規の職員・従業員で23.2%でした(週間就業時間が分かる人に限った割合で、当サイトで計算)。働く時間の長さで、自分で決められる程度を測った数字ではありません。
この表の「自分で事業を営むとき」の列にあることを、引き受けたいかどうかは、人によって違います。どれを自分で決めたいかを項目ごとに選んで数えられるように、7章に計算機を置きました。数えた結果で、向き不向きを判定するものではありません。
法律の上では、5章のとおり、労働基準法上の「労働者」にあたるかどうか(労働者性)が契約の名前ではなく実態で判断され、業務委託の当事者や中身によって、フリーランス・事業者間取引適正化等法がかかるかどうかも変わります。
7. 計算機:自分で決めたいことの棚卸しと、貯金で暮らせる月数
6章の6つの項目について、自分で決めたいか、会社が決めてもよいかを選ぶと、数えて並べます。貯金と月の生活費を入れると、貯金を月の生活費で割った月数も出します。月数は、収入がまったくなく、生活費が毎月同じだと仮定した単純な割り算です。会社を辞めるかどうか、独立するかどうかを決める計算ではありません。
自分で決めたいことの棚卸しと、貯金で暮らせる月数
入れた値は、このページの中で使うだけで、どこにも送られません。初めから入っている値は入力の例で、私の答えや数字ではありません。6つの項目は、6章の表と同じ並びです。項目ごとに、自分で決めたいか、会社(雇う側)が決めてもよいかを選びます。額は「1200000」「1,200,000円」「120万」「12.5万円」のように入れます(万の前の小数は4桁まで、上限は10億円。「億」を使った書き方は使えないので、数字か「万」で入れます)。小数点(万の前を除く)、マイナス、「012」のように先頭に0がつく数、途中の空白、2つ以上の数の並びは、入力の誤りとして止めます。月数は、貯金と月の生活費の両方を入れたときだけ出します(使わないときは両方とも空欄)。
8. 計算機の出力例
2026年10月30日に計算した例です。選んだ答えと額は計算機の例として置いたもので、私の答えや数字ではありません。
8-1. 初めから入っている値(働く時間・働く場所・休みの日は自分で決めたい、仕事の中身・やり方はどちらでもない、一緒に働く人・収入の決まり方は会社が決めてもよい、貯金120万円、月の生活費20万円)
- 【1】自分で決めたい:3項目(働く時間・働く場所・休みの日)
- 【1】会社が決めてもよい:2項目(一緒に働く人・収入の決まり方)
- 【1】どちらでもない・わからない:1項目(仕事の中身・やり方)
- 【1】6つの項目は、6章の表(会社員と自営業で、誰が決めるかを項目ごとに並べた表)と同じ並びです。
- 【2】貯金:1,200,000円
- 【2】月の生活費:200,000円
- 【2】貯金÷月の生活費:6か月分
- 【2】1か月分に満たないあまり:0円
8-2. 貯金100万円、月の生活費18万円の場合(項目の答えは初めから入っている値のまま)
- 【2】貯金:1,000,000円
- 【2】月の生活費:180,000円
- 【2】貯金÷月の生活費:5か月分
- 【2】1か月分に満たないあまり:100,000円
8-3. 貯金と月の生活費を空欄にした場合
- 【2】貯金と月の生活費が空欄なので、計算していません。
- 【3】1は、選んだ答えを数えて並べただけです。会社員に向いている・向いていない、自営業に向いている・向いていない、は判定しません。
- 【3】「自分で決めたい」の数が多くても少なくても、それだけで、会社を辞めるかどうかや、独立するかどうかが決まるものではありません。
- 【3】4章の公的調査(働いている人の数、働き方の理由、初めての会社をやめた理由、働く時間などを数えたもの)とは、聞いていることも答える人も違うので、ここで出した数とは比べません。
- 【3】2は、貯金と月の生活費の両方を入れたときだけ計算します。
8-4. 入力の誤りの例(貯金に「12万5千」、月の生活費に「0」と入れた)
- 【入力の確認】貯金は、「1200000」「1,200,000円」「120万」「12.5万円」のような書き方で入れてください(カンマは3桁ごとの区切りだけ、万の前の小数は4桁まで)。万を使わないときの小数点、マイナス、「012」のように先頭に0がつく数、途中の空白、「億」などほかの文字、2つ以上の数の並びは使えません。
- 【入力の確認】月の生活費が0円なので割り算ができません。1円以上で入れてください。
9. よくある質問
会社勤めに向いてない人の特徴は?
向き不向きを示した公的な統計は、今回確認した資料では見つかりませんでした(4-5)。調査時点で事業所に雇われていた15〜34歳のうち、初めての会社をやめた人が挙げた理由には、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」28.5%、「人間関係がよくなかった」26.4%、「仕事が自分に合わない」21.7%などがあります。ただ、これはやめた理由で、向き不向きを測ったものではありません(4-3)。
会社員に向いていないと感じたら、どうしたらいい?
私には会社員の経験がないので、どうすべきかは書けません。私がしたのは、内定を辞退し、証券会社の最終面接で落ち、友人との起業もしっくりこず、古本の転売でやっていくと決めたことです(2-1)。これを人に勧めるつもりはありません。この記事としての提案は、何を自分で決めたいのかを、6章の表と7章の計算機で項目ごとに分けてみることです。会社を辞めるときの条文の話は仕事を辞める勇気・逃げてはいけないのか|申入れから2週間の条文と、正社員経験のない私がやめた5つ(計算機つき)に書きました。
社会不適合者に向いている職業は?
「社会不適合者」は統計の区分ではなく、今回確認した資料には定義もありませんでした。向いている職業を示した公的な統計も見つからなかったので、職業は挙げません。本業がフリーランスの人が多い産業は「建設業」50万人などですが、これは人数で、向いているかどうかを示すものではありません(4-2)。
組織に向いてない人の仕事は?
どんな仕事が向いているかを示した公的な統計は、見つかりませんでした。雇われずに働く人の数としては、雇人がいない業主が397.7万人(5.9%)、本業がフリーランスの人が209万人(3.1%)です(4-1、4-2)。
自営業に向いている人の特徴は?
公的な統計は見つかりませんでした(4-5)。本業がフリーランスの人が今の働き方をしている主な理由は、「専門的な技能等が生かせるから」32.5%が最も多く、次いで「自分の都合の良い時間に働きたいから」29.5%でした(4-2)。2017年10月以降に前の仕事を辞めて今の仕事に就いた人のうち、今の事業を自ら起こした自営業主では、前の仕事が雇用者(会社などの役員を除く)だった人が89.9%でした(4-4)。どちらも、向いている人の特徴ではありません。私の場合の理由は、行きたい会社がなかったことと、自分で決めたいことの2つです(2章)。
個人事業主に向いてない人の特徴は?
これも、公的な統計は見つかりませんでした。働く時間で見ると、ふだん週50時間以上働く人の割合は、自営業主で25.9%、正規の職員・従業員で23.2%です(4-4。週間就業時間が分かる人に限った割合で、当サイトで計算)。働く時間の長さで、向いていない人の特徴を示すものではありません。
フリーランスには労働基準法が適用されない?
契約の形が業務委託でも、実質的に労働基準法上の労働者と判断されれば、労働基準関係法令が適用され、フリーランス・事業者間取引適正化等法は適用されない、と厚生労働省は説明しています。労働者にあたるかどうか(労働者性)は、契約の名前ではなく実態で判断されます(5章)。
10. まとめ
- 私は、いわゆる正社員として、一般的なサラリーマンをしたことがない。最初から自宅で働いていて、20年近くになる
- 会社員を選ばなかった理由は2つ。行きたい会社がなかったことと、自分で決めたいこと。「行きたい会社がないなら自分で作るしかない」と、古本の転売でやっていくと決めた
- 私が会社員に向いていなかったかどうかは、確かめられていない。インターンの自分は、会社の利益に貢献できる人材になれたか「とても怪しい」と自己分析している
- 自営業主は510.8万人で、有業者の7.6%(2022年)。法人である会社の社長は自営業主ではなく、雇用者のうちの「会社などの役員」に数えられる。本業がフリーランスの人は209万人で、3.1%
- 調査時点で事業所に雇われていた15〜34歳のうち、初めての会社をやめた人で、理由に「仕事が自分に合わない」を挙げた人は21.7%(3つまでの複数回答)。本業がフリーランスの人が今の働き方をしている主な理由は、「専門的な技能等が生かせるから」32.5%、「自分の都合の良い時間に働きたいから」29.5%。聞いた相手が違うので、数字どうしは比べない
- 向き不向きを測った公的統計は見つからなかった。この記事では、何を自分で決めることになるかを6つの項目で整理し、7章の計算機で数えられるようにした
11. 出典
- 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」結果の概要(2023年7月21日公表):https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/kgaiyou.pdf
- 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」第73表(e-Stat):https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040077339&fileKind=0
- 総務省統計局「労働力調査」長期時系列表4 従業上の地位別就業者数(e-Stat、2026年1月30日更新):https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000001082690&fileKind=0
- 厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査の概況」(2024年9月25日公表):https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/4-21c-jyakunenkoyou-r05_gaikyou.pdf
- 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」第30-1表(e-Stat):https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040077288&fileKind=0(4-4の割合は当サイトで計算)
- 総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」第151表(e-Stat):https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040077424&fileKind=0(4-4の割合は当サイトで計算)
- 総務省統計局 労働力人口統計室「令和4年就業構造基本調査の結果について」資料1(2023年12月18日):https://www.stat.go.jp/info/kenkyu/roudou/r5/pdf/21siryou1.pdf
- 厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00002.html
- e-Gov法令検索「労働基準法」(9条):https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(2条1項):https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000025
12. あわせて読む
13. この記事について
この記事は、会社員を選ばなかった私の経験と、総務省統計局・厚生労働省の公表資料、e-Gov法令検索の条文(2026年10月30日・31日に確認)をもとに書きました。私は正社員として働いたことがないので、会社員として働く経験や、会社の中の社風については書いていません。会社を辞めるかどうか、独立するかどうかの個別の判断や、税金・社会保険の手続きは扱っていません。計算機は、自分で決めたいことを数えて並べ、貯金を月の生活費で割るだけのもので、人の向き不向きを判定するものではありません。
