学歴ロンダリングは正解だった|偏差値35の私が中学→高校→短大→四大で「三段ロンダ」した経路と、うざいと言われる理由

学歴ロンダリングは正解だった|偏差値35の私が中学→高校→短大→四大で「三段ロンダ」した経路と、うざいと言われる理由 QOL

結論:学歴ロンダリングは「経路設計」であり、私は三段やった

学歴ロンダリングという言葉は、だいたい「偏差値の低い大学から難関大学院に進んで最終学歴を上げること」を指して使われます。ただ、これは一形態に過ぎません。

構造だけ抜き出すと、学歴ロンダリングとは「正面の入口では通れない学校に、別の入口から入って、最終地点だけを手に入れること」です。大学院はその入口の一つで、他にも単願推薦、短大からの編入、夜間の二部、通信制、社会人の個別審査があります。全部同じ構造です。

私はこれを三段でやりました。私立中学から外部受験で偏差値を上げ、短大に入り、四年制大学に編入した。偏差値35で、まともに受験しても大学に受かる学力はなかった人間が、四大卒の肩書を持っています。

結論を先に言うと、この選択は正解でした。ただし「最終地点は手に入るが、実力は手に入らない」という条件付きです。この記事は、その両方を隠さずに書きます。

学歴ロンダリングとは何か:定義と、大学院に限らない理由

言葉としては「マネーロンダリング(資金洗浄)」のもじりで、出自の悪い金をきれいな口座に通して出どころを見えなくするように、出自の悪い学歴を上位校に通して最終学歴だけをきれいにする、という揶揄です。

揶揄なので、使っている側には「ずるい」というニュアンスがあります。ただ、制度の側から見ると、ずるいことは何もしていません。大学院の外部受験も、編入も、単願推薦も、すべて大学側が募集要項に書いて用意している正規の入口です。使う人が少ないだけで、裏口ではない。

よく語られる大学院型は、学部で正面から入れなかった大学に、大学院の入試(多くの場合、学部入試より競争が緩い)で入る形です。それ以外に、次のような入口があります。

  • 単願推薦:併願を捨てる代わりに合格の確度を上げる。高校受験で使う人が多い
  • 短大・専門からの編入:3年次または2年次に四大へ。試験は小論文と面接が中心の学校が多い
  • 二部(夜間):昼間部より入りやすく、学位は同じ
  • 通信制大学:入試なしで学士。3年次編入なら2年
  • 社会人の個別審査:大卒を飛ばして大学院へ(→ 高卒から大学院へ最終学歴を書き換える記事)

これらは全部「正面の偏差値競争を避けて、最終地点だけ取る」という点で同じです。大学院型だけを学歴ロンダと呼ぶのは、言葉の使い方が狭いだけです。

私の三段ロンダ:経路の全体

段 経路 使った入口 結果
1 暁星国際中学校 → 土浦日本大学高等学校 私立中から外部受験、単願 高校の偏差値を上げた
2 土浦日本大学高等学校 → 日本大学理工学部短期大学部 短大進学 四大受験を回避
3 日本大学短期大学部 → 東京電機大学 情報環境工学部(2年次編入) 編入試験(小論文+面接) 四大卒の肩書

一段ずつ書きます。

一段目:中学から高校へ、単願で偏差値を上げる

私は中学受験をして私立の全寮制に入りました。理由は今思えば意味不明で、地元の中学のトイレが汚いのが嫌だったからです。

入ってみると、寮の人間関係が凄まじくしんどかった。田舎で娯楽がないと、些細なことで小競り合いが始まります。入学して3日で辞めたいと思いましたが、親の意向で「3年は続けろ」と言われて続けました。寮生活で身の回りのことを全部自分でやる癖がついたのは、今でも役立っています。ただ、人間関係の代償は大きかった。まわりに合わせすぎて、すりへるしくみは、過剰適応の記事に書きました。

だから高校は外に出ることを決めました。本命は東京の駒込学園で、理由は単純に「東京の学校だから」。当時はまだ情報の非対称性があって、東京に行くこと自体がかっこいいことでした。ところが塾から提案されたのは、田舎の土浦日本大学高等学校。行きたくなかった。でも単願で受けて、そこに行きました。

これが一段目のロンダです。私立中から外部受験して、単願という「併願を捨てる代わりに確度を上げる」入口を使って、当時の実力より上の偏差値の高校に入った。自分でも「インチキみたいなもの」だと思っています。そして、実力以上の学校に入った結果、中では落ちこぼれました。ここは後で戻ります。

二段目:高校から短大へ

偏差値35の学力では、四大の一般入試は無理でした。だから短大に行きました。四大受験を正面から戦うのではなく、短大という別の入口から高等教育に入る。この時点では「編入で四大へ行く」という設計を明確に持っていたわけではありませんが、結果的にそれが三段目の踏み台になりました。

短大は2年半かかりました。単位が足りずに半年延び、しかも4月入学しか考えていなかったので、その後さらに半年フリーターをしています。9月入学という選択肢があったはずなのに、なぜ使わなかったのか覚えていない。これは後悔しています。

三段目:短大から四大へ、編入

短大から日本大学理工学部への学内編入という道はありましたが、成績上位者でなければ使えない。私はその成績を満たしていなかったので、必然的に他大学を受けることになりました。

日本大学の文理学部と玉川大学を受けて、両方落ちました。面接で「微分と積分の違い」を聞かれて答えられなかった。今でも分かりません。

並行して受けた本命が、東京電機大学の情報環境工学部です。試験は小論文と面接だけ。面接で「なぜこの大学か」と聞かれて、「短大にこの学部の教授が出張授業に来て、その内容が良かったのでここで学びたいと思った」と答えたら、一発で合格でした。

編入は3年次でも可能でしたが、3年次だといきなり就活が始まる。まだ準備ができていないと思って2年次編入を選びました。結果的に3年半で卒業して、2008年の秋に卒業しています。卒業式の日はサブプライム危機が直撃した日で、私は式に出ずに六本木ヒルズで仕事をしていました。この時点ですでに就職しない道を歩いていたので、2年次編入で余分に払った学費は無駄になりました。3年次編入にしていれば単位認定でもっと楽ができたはずで、これも後悔している点です。

なぜ「うざい」と言われるのか:感情ではなく構造で説明する

「学歴ロンダ うざい」で検索する人が一定数います。うざいと感じる側の心理は、だいたい3つの構造に分解できます。

1. 正面突破組の埋没コスト

学部入試で正面からその大学に入った人は、受験勉強に1〜2年と、塾代と、落ちるリスクを払っています。別の入口から来た人が同じ肩書を手にすると、自分が払ったコストの価値が相対的に下がったように感じる。これは「ずるい」という言葉で表現されますが、中身は埋没コストへの防衛反応です。

2. 実力の乖離が露呈する瞬間への苛立ち

正面から入った人と別の入口から入った人では、入学時点の基礎学力に差があることが多い。授業やゼミや研究室でその差が見えたとき、「なぜ同じ肩書なのか」という苛立ちが生まれます。私が「微分と積分の違い」を答えられなかったように、乖離は実在します。これは否定できません。

3. 内部・外部の帰属意識

とくに大学院型では、学部から上がってきた内部生と外部から来た人の間に、研究室の文化や人間関係の蓄積の差があります。外部生が排除されるとまでは言いませんが、「よそ者」の扱いを受けやすい。

この3つを見ると分かる通り、「うざい」と感じる理由はすべて、感じる側の事情です。ロンダをする側が何か不正をしているわけではない。だから、うざいと言われることを理由にロンダをやめる必要はありません。ただ、2番目の「実力の乖離」だけは、言われる側の問題として実在する。ここは次の章の話です。

「意味ない」は半分正しい

「学歴ロンダ 意味ない」という検索もあります。私の答えは「半分正しい」です。

意味がある側:世の中は最終地点しか見ない

履歴書の最終学歴、人事システムの学歴区分、昇進要件の「大卒以上」、転職求人の応募資格。これらはすべて最終学歴で判定されます。経路は問われません。私が「偏差値35の高校から短大経由で編入した四大卒」であっても、システム上は「四大卒」です。単願であろうと編入であろうと、肩書の効力は正面突破組と同じです。この意味で、ロンダは完全に意味があります。

意味がない側:実力は書き換わらない

一方で、経路で実力以上の学校に入った人間は、中で落ちこぼれます。私がそうでした。高校でも、短大でも、四大でも、単位が足りずに延長しています。卒業単位が足りず、千葉のキャンパスから神田のキャンパスまで通っていた時期もあります。肩書は入場券であって、実力の証明ではない。入場した先の実務や研究は、また別のゲートとして待っています。

だから、「学歴を上げれば人生が変わる」という期待でロンダをすると、後で必ず苦しくなります。ロンダで手に入るのは「学歴で切られなくなる」ことだけです。切られなくなった先で何をするかは、別の問題です。

私自身は、その肩書を一度も使わずに独立しました。四大卒という最終地点は手に入れたが、使わなかった。それでも正解だったと思っているのは、「使わなくてもよい状態」と「使えない状態」は違うからです。選択肢を持った上で捨てるのと、最初から持っていないのとでは、意思決定の自由度がまったく違います。

計算機:編入の学年と、延長で、いくら変わるか

私が後悔している3つ(2年次編入で1年余分に在学、単位不足で半年延長、入学時期の見落としで半年の空白)を、お金に直す道具です。はじめの数字は、私の実額ではなく、仮の数字です。自分の学校の学費に、置きかえてください。

1年の学費 円

編入の学年えらびで、余分に在学する年数 年

単位不足で延長する半期の数 期

入学時期の見落としなどで空く月数 か月

その期間、働いていたら得られた月の手取り 円

余分に払う学費:

おくれた月数と、その間の収入:

合計:

はじめの数字だと、余分な学費が195万円、おくれが24か月で、合計675万円です。経路そのものは正解でも、経路の中の小さな見落としは、この大きさになります。次の章の設計図は、この数字を0に近づけるためのものです。

これから進路を選ぶ学生へ:経路の設計図

私の経験を、これから進路を選ぶ人向けに設計図にします。

正面の偏差値競争に勝てないと分かっているなら、早めに経路を切り替える

高校受験なら単願推薦、大学受験なら短大・専門からの編入、二部、通信制。どれも正規の入口で、正面より通りやすい。プライドが邪魔をするなら、「世の中は最終地点しか見ない」という事実を思い出してください。

編入は3年次を選ぶ

私は2年次編入を選んで、学費を余分に払い、後悔しました。3年次編入なら単位認定で最大60単位前後を引き継げる学校が多く、2年で卒業できます。就活の準備が不安なら、編入前の短大在学中に始めればいい。

入学時期の選択肢を全部見る

9月入学、秋入学、複数の編入時期。私はこれを見落として半年フリーターをしました。募集要項は最後まで読んでください。

二部(夜間)を候補から外さない

私は高校から東京理科大学の二部に行きたかった。推薦の資格も満たしていた。でも担任と親に反対されて行けませんでした。今の私なら理科大二部一択です。世の中の評価がどちらが高いかは明確で、二部であっても学位は同じです。

外野の反対は判断材料にしない

担任も親も、あなたの人生の結果を引き受けません。「正規ルートじゃない」「夜間はちょっと」「編入なんて」と言う人は、その後のあなたの昇進試験や転職の書類選考を代わりに受けてはくれない。経路の設計は、最終地点を使う本人が決めることです。「やめておけ」と言う側が、やめさせても何も失わない、という形は、事なかれ主義の記事で、計算しました。

そして、入った後に落ちこぼれる前提で準備する

これが一番大事です。経路で実力以上の学校に入るなら、入学時点で基礎学力が周りより低いことは確定しています。私はそれを放置して、全部の段で単位を落としました。入学が決まった時点で、その学校の1年次の基礎科目を先に潰しておく。それだけで、私が払った延長の学費と半年のフリーターは避けられたはずです。

親へ:3年続けさせることと、進路を潰すことは別

私の親は、辞めたいと言った私に「3年は続けろ」と言い、行きたいと言った理科大二部を「反対」しました。前者は結果的に正しかったと思っています。寮で身の回りのことを自分でやる癖がついたのは、今の私の土台になっている。

後者は間違いでした。子どもが自分で調べて、要件を満たして、行きたいと言った進路を、親の学歴観で潰すのは損失です。夜間や編入や通信制が「普通ではない」と感じるのは、親の世代の情報が古いからです。今は情報の非対称性がほとんどなく、経路を設計して最終地点を取ることは普通の戦略になっています。

まとめ

学歴ロンダリングとは、正面の入口を避けて別の入口から入り、最終地点だけを手に入れる経路設計のことです。大学院型はその一形態に過ぎず、単願・編入・二部・通信・個別審査はすべて同じ構造です。

私は三段でやって、四大卒の肩書を手にし、その肩書を使わずに独立しました。正解だったと思っています。ただし、手に入ったのは入場券だけで、実力は各段で足りないままだった。ロンダをするなら、落ちこぼれる前提で入学前に基礎を潰しておくこと。それが、私が払った延長の学費と半年の空白から言える唯一の実務的な教訓です。

うざいと言われることは気にしなくていい。意味ないと言う人は半分正しい。そして、学歴の最終地点をどう使うかは、会社の中でしか問われません。会社の外に買い手を作るなら、そもそも学歴は一度も見られない。私はそっちの道を選びました。職歴の側のバイパスは、職歴がない人の、もう一本のバイパスに書いています。学校の物差しでは落ちこぼれだった同じ時期に、現場の物差しでは自立していた話は、ストリートスマートの記事に書いています。

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