個人コンサルは、「何を教えるか」より先に、「誰に売らないか」と「何を約束しないか」を決めてください。高い商品ほど、合わない人に売ったときの損が大きいからです。
私のコンサルは、98万円・6か月・月に2人まで(年に24人が上限)です。面談を通った人にしか売りません。約束するのは指導を提供することだけで、売上や利益は約束しません。返金もありません。すべて契約書に書いてあります。実際に私が使っている募集ページは物販コンサルティングです。見本として見てください。この記事では、売っている側から、この設計の理由をそのまま書きます。
この記事はなぜ情報発信をするのかの続きです。入口の商品(私の場合は29,800円のメール講座)の作り方は商品の作り方に書きました。ここで書くのは、その先に置く高い商品、いわゆるバックエンドです。
1. なぜ、高い商品が要るのか
29,800円の講座の売上は、広告費でほぼ消えます。これは失敗ではなく、最初からそういう設計です。講座を買い、実際に手を動かして1台を仕上げた人の中から、もっと先へ進みたい人が出てきます。事業として成り立つのは、そこから先です。
値段と人数は、感覚で決めていません。自分が使える時間、市場の大きさ、暮らしたい生活の水準から逆算すると、年に800万円以上が必要でした。最初は入口5万円・その先50万円くらいで考えていましたが、計算すると足りません。それで29,800円と98万円になりました。
下の計算機で、自分の数字を入れてみてください。初期値は私の設計です。経費の割合だけは、説明のための例です。
高い商品の、値段と人数を逆算する
値段(円)
1か月に受ける人数
広告費など経費の割合(%・例)
1年に残したい金額(円)
大事なのは、いちばん右の2つの数字です。「必要な人数」が「受けられる人数」を大きく下回っていれば、満席にしなくても成り立ちます。満席にしないと成り立たない設計は、合わない人にも売らないと回らなくなるので、やめてください。
2. 売っているのは「枠」です
スクールの多くは、動画とPDFを渡して終わりです。私が売っているのは、6か月のあいだ、その人ひとりのために私の時間を空けておく「枠」です。
| 形 | 中身 |
|---|---|
| 定期の通話(Zoomなど) | 進み具合を確かめ、次にやることを決める |
| チャット・メール | 質問が来たら、その都度、その人の状況に合わせて答える |
| 添削・レビュー | 仕入れの判断、出品、ページなどを見て直す |
| 対面・同行 | 現場で一緒に見る |
なぜ、ひとりずつ教えるのか。仕入れのやり方のような知識は、いまはAIに聞けば十分な答えが出ます。そこに値段は付きません。差が付くのは、その人の資金の量に対して、どこまで危ない橋を渡ってよいか、という判断です。資金が大きい人は、売れるまで時間のかかる商品を持てます。資金が浅い人は、早く売れる商品だけで組まないと、お金が回らなくなります。同じ質問でも、人によって答えが逆になります。これは、動画にはできません。
独学の人が止まる場所も、ほぼ決まっています。仕入れができない。出品に慣れない。写真と説明文が弱い。出したあとの数字を読めない。仕入れができるようになると、今度は在庫の管理ができない。どこで止まっているかは、人によって違います。だから、ひとりずつ見ます。
3. なぜ、人数を増やさないのか
人数を増やすには、講師を増やすしかありません。多くのスクールは、卒業したばかりで実務の経験が浅い人を講師にします。そうすると、教える力は薄まります。同じやり方を大人数に教えれば、そのやり方は早く通用しなくなります。ひとつのスクールが長く続かないのは、このためです。
私自身の理由もあります。私は、規模を大きくしようとすると、一緒に働く人にも完璧を求めてしまい、社員やアルバイトを育てられませんでした。コンサルの相手は経営者です。自分のお金がかかっているので、本気でやります。私に向いているのは、こちらでした。
だから月に2人、年に24人までと決めています。規模を捨てると、数を追わなくてよくなり、合わない人を断れるようになります。
4. 誰に売らないか
面談をして、通った人にだけ売ります。次の人には売りません。
- 泥くさい作業を嫌がる人
- 一発逆転がほしい人
- 中途半端に経験と知識があって、動かない人
- 家族に反対されている人
こう決めたのは、失敗したからです。以前、仕入れに同行するツアーを、お金を払えば誰でも参加できる形で売っていました。このときはクレームが出ました。別の機会には、遠くまで仕入れに行く必要があるやり方を教えて、移動そのものを嫌がられたこともあります。どちらも、教える中身の問題ではなく、相手との相性の問題でした。
面談を通った人にだけ売る形にしてからは、致命的なクレームは起きていません。ツアーを単体で売ることも、もうしません。
スクールが誰にでも売るのは、売る担当の人が成果報酬で動いているからです。売れば売るほど自分の収入が増える人は、大げさな言葉を使うようになります。運営している人がどれだけまじめでも、その考えは売る現場まで届きません。売る人と教える人が同じで、人数に上限があれば、この問題は起きません。
5. 約束すること、約束しないこと
| 約束すること | 約束しないこと |
|---|---|
| 6か月のあいだ、上の4つの形で指導を提供すること | 売上、利益、いつまでにいくら、という結果 |
| その人の状況に合わせて答えること | 返金 |
結果を約束しないのは、結果を決めるのが、教わる人の行動だからです。私が決められないものは、約束できません。返金をしない理由は商品の作り方の5章に書きました。
大事なのは、これを契約書に書き、申し込みの前に読んでもらうことです。面談で口で説明するだけでは足りません。あとで「聞いていない」となったとき、残っているのは紙だけです。販売ページの側でどう同意をもらうかは、LPの作り方の決まり5に書きました。
6. 教える前に、自分でやっていること
当たり前のことですが、書いておきます。私がブランド品の修理をコンサルで教えていたころ、私自身が、外注のスタッフ3人と月に20〜60個を直して売り、利益は月に200万円の規模でした。これを約2年続けました。自分の中で、いちばん大きく、きれいに勝てたやり方だという確信があって、教えていました。
いまは、ひとつのジャンルに固定して教えること自体が違う、と考えています。全員が同じ場所に集まれば、そこは通用しなくなるからです。それでも、「自分でやって、数字が残っていることしか教えない」という点は変えていません。
もうひとつ要るのが、人に教えた経験です。自分でできることと、教えて相手ができるようになることは別です。私の最初の教材は、買った人の中から達成者が出ませんでした。最初のひとりには、少ない金額でかまわないので、お金をもらって教えてください。無料だと、相手が本気になりません。
7. 始める順番
- 自分でやって、記録を残す。数字のない経験は、教える材料になりません
- ひとりに、少ない金額で教える。相手がどこで止まるかを知ります
- 入口の商品を作る。→ 商品の作り方
- 入口の商品を買って、実際に動いた人にだけ、その先を案内する。私の販売ページには、「その先の話は、実際に動き出した方に、そのときに改めてします」と書いてあります。動いていない人に高い商品を売っても、うまくいきません
- 面談をする。売らない人を、ここで断ります
- 契約書を交わす。約束することと、しないことを書きます。文面は専門家に確認してもらってください
- 人数の上限を決めて、守る。
8. やらないこと
- お金を払う人なら、誰にでも売ること
- 売上や利益を約束すること
- 売る担当を、成果報酬で雇うこと
- 実務の浅い卒業生を、講師にすること
- 満席にしないと成り立たない値段にすること
9. まとめ
- 入口の商品は広告費で消える。事業が成り立つのは、その先の高い商品
- 値段と人数は、必要な金額と使える時間から逆算する。満席でなくても成り立つ形にする
- 売るのは知識ではなく、その人ひとりに合わせて判断する「枠」
- 面談で、売らない人を先に断る。誰でも買える形にしたとき、クレームが出た
- 約束するのは指導の提供だけ。結果と返金は約束しない。契約書に書く
