アメリカ仕入れは儲かるか|Goodwill Bins・Estate Sale・送料まで日本到着原価で計算

アメリカ仕入れ 輸入

先に、私の失敗から書きます。

私はアメリカ仕入れを、eBayと転送サービス(MYUS)でやったことがあります。オレゴン州の倉庫を経由して、州税をゼロにする方法です。扱ったのはレゴとDJ機材でした。

まったく儲かりませんでした。

当時は理由が分かりませんでしたが、いま計算すると明確です。

商品価格 州税8%の節約 1点あたり国際送料 差引
$100 1,272円 6,360円 −5,088円
$300 3,816円 6,360円 −2,544円
$500 6,360円 6,360円 ±0

※1点1kg・国際送料$40と仮定した場合の試算

州税をゼロにして浮くのは1,272円。それに対して国際送料が6,360円。5倍です。

節約が送料を上回るのは、1点$500を超えてから。$100前後の商品を1点ずつ送っている限り、州税の話は誤差にすらなりません。

だからこの記事は、現地に行って仕入れる話をします。行かずに買う方法は、私の場合は成立しませんでした。

※為替は2026年8月時点で1ドル≒159円。渡航前に必ずご確認ください。

1. アメリカは、最も点数が必要な国です

1-1. 渡航費を点数で割る

海外仕入れの原価で最も重いのは商品代ではなく渡航費です。そしてそれは、持ち帰る点数で割られます。

仕入れ先 渡航費の目安 100点 300点 1,000点 2,000点
台湾(LCC・1泊) 40,000円 400円 133円 40円 20円
韓国(LCC・2泊) 75,000円 750円 250円 75円 38円
タイ 150,000円 1,500円 500円 150円 75円
マレーシア 250,000円 2,500円 833円 250円 125円
アメリカ(1週間) 400,000円 4,000円 1,333円 400円 200円

※航空券・宿泊・レンタカー・ガソリン・食費の目安。時期と都市で大きく変動します。

1-2. 台湾と同じ按分にするには、10倍の点数が要る

仕入れ先 1点400円の按分にするのに必要な点数
台湾 100点
韓国 188点
タイ 375点
マレーシア 625点
アメリカ 1,000点

これがアメリカの前提条件です。1,000点。

そして1,000点を持ち帰るということは、帰国後に1,000点を検品・洗濯・撮影・採寸・出品するということです。1点20分としても333時間。

1-3. だから、1点ずつ選んでいては成立しません

1,000点を1点ずつ吟味して集めることは、現実的に不可能です。

つまりアメリカでは、点数を確保できる仕入れ方式を選ぶことが最初の条件になります。ここから、行くべき場所が自動的に決まります。

2. 行くべき順番は「観光客が行かない場所」から

アメリカ=古着屋巡り、と考えると弱くなります。

観光客が行く場所ではなく、アメリカ人が「要らないものを処分する場所」へ行く。

仕入れ先 狙い 点数の確保 優先度
Goodwill Outlet / Bins 重量仕入れ ★★★★★
通常の Thrift Store 個別選別 ★★★★☆
Estate Sale 家庭在庫・ヴィンテージ ★★★★☆
Garage Sale / Yard Sale 異常値 ★★★★☆
Liquidation / Overstock 新品・余剰在庫 ★★★☆☆
Flea Market 相場観測・高単価一点物 × ★★☆☆☆
有名ヴィンテージ店 × ★☆☆☆☆

有名ヴィンテージ店の優先度が最低なのは、そこが最も価格の形成された場所だからです。誰でも相場を知っている場所に、利幅は残りません。

3. 【本命】Goodwill Outlet / Bins

3-1. 通常のGoodwillとは別物です

Goodwill Industries International の公式情報によると、Goodwill Outlet は北米に約160拠点あり、通常店舗とは異なり商品を重量単位で販売します。

つまり「Goodwillに行く」ではなく、Outlet / Bins を探すことが重要です。通常のGoodwillは商品ごとに値札が付いていますが、Binsは大量の商品から自分で掘り出す形式です。

拠点はカリフォルニアだけでなく、テキサス、フロリダ、オハイオ、ワシントンなどにも展開しています。

3-2. 「1回で何ポンド買えるか」は書けません

ここは正直に書きます。全国共通の上限として書ける数字はありません。

店舗ごとに、価格体系、重量単価、最低購入量、カートやバッグの扱い、商品の入れ替え頻度、支払方法、混雑時のルールが違います。

だから、こう理解してください。

Binsは「1回の仕入れ量を自分で決められる重量販売」です。

1-3で見た通り、アメリカでは点数の確保が最初の条件でした。それを解決できるのが、この方式です。

3-3. 「1着いくら」ではなく「売れる1着いくら」

ここが計算の核心です。

仮に$1.5/lb だとします。1kg ≒ 2.205lb なので $3.31/kg。20kg掘れば10,516円です。

ここで多くの人が「50着拾えたから1着210円」と計算します。それは間違いです。

掘った50着のうち、日本で売れるのが30着だとすると、こうなります。

単価 20kgの総額 掘った50着で割ると 販売可能30着で割ると
$1.0/lb 7,011円 140円 234円
$1.5/lb 10,516円 210円 351円
$2.0/lb 14,021円 280円 467円

右端が実質です。売れない20着も、あなたは重量分の金を払っています。

そしてこの数字に、国際送料・関税・国内送料・洗濯・撮影・採寸・修理が乗ります。$1.5/lb は「安い」のではなく、そこが出発点だというだけです。

3-4. Binsで勝つのは、一番安く買う人ではありません

一番速く「日本で売れるもの」を選別できる人です。

重量販売である以上、単価は全員同じです。差がつくのは選別率だけ。3-3の表で言えば、販売可能が30着か40着かで、実質原価が25%変わります。

つまりアメリカで効くのは 価格差 × 選別速度 です。そして後述しますが、ここに修理能力を加えると 価格差 × 選別速度 × 修理可能性 になります。

4. Estate Sale:カテゴリ横断で拾える場所

4-1. 「店」ではなく「個人宅」です

Estate Sale は、故人の遺品や引っ越しなどで個人宅の中身がまとめて売られるものです。衣類、バッグ、靴、時計、工具、カメラ、アウトドア用品、家具、コレクションが一気に出てきます。

カテゴリ横断型の仕入れ場所だという点が、Goodwillとの決定的な違いです。

4-2. 探し方

代表的なものは以下です。

  • EstateSales.net
  • EstateSales.org
  • Craigslist(garage sale 欄)
  • Facebook の地域コミュニティ
  • 地元 Estate Sale 業者のメールリスト

現地の利用者コミュニティでも、EstateSales.net / EstateSales.org に加えて Craigslist の garage sale 欄や地域業者のメールリストを併用する方法が挙げられています。

4-3. 写真を見てから行く

ここが実務上、最も効きます。

① 地域を指定 → ② 日付を指定 → ③ 写真を見る → ④ 狙いの商品があるSaleだけ保存 → ⑤ 地図上でルート化 → ⑥ 朝一から回る

「アメリカに行ってから探す」という無駄が消えます。渡航費40万円を按分している以上、現地での1日は非常に高価です。1-1の表で言えば、1日は約8万円。探している時間はそのまま原価になります。

4-4. 初日と最終日で戦略が変わります

Estate Sale では、最終日に値下げが入るケースがあります。

タイミング 状況 向く狙い
初日 高品質だが競争が激しい 高単価ヴィンテージ
2日目 選択肢が減る
最終日 残り物だが価格が下がることがある 修理前提の低単価品

ただし運営会社ごとに扱いが違うので、必ず値下げされると考えないでください。各Saleの告知を確認してください。

5. Flea Market:仕入れ場所ではなく調査場所

5-1. Rose Bowl Flea Market

Rose Bowl Flea Market は、公式情報によると毎月第2日曜日に開催されます。Pasadena の観光公式情報では、2,500以上の出店者、約20,000人の買い手が集まるイベントとされています。

5-2. ただし「安い場所」ではありません

2,500店舗もあるから安い、とはなりません。プロのヴィンテージディーラーも出店するため、相場がかなり形成されています。

役割はこうです。

  • ヴィンテージの市場調査
  • 高単価の一点物
  • ディーラーとの人脈形成
  • アメリカ市場の価格観測

本当に安い商品を探すなら、Estate Sale / Garage Sale / Bins の方が向きます。2章の優先度表で Flea Market が★2つなのは、これが理由です。

5-3. LA周辺なら、第1日曜と第2日曜で組める

Pasadena City College Flea Market は、通常毎月第1日曜日の8:00〜15:00、公式情報では400以上の出店者があります。

開催日 マーケット 規模
第1日曜 Pasadena City College 400+ 出店者
第2日曜 Rose Bowl 2,500+ 出店者

渡航日程を組む際、この2つを両方カバーできる週を選ぶと、同じ渡航費で調査量が倍になります。

6. 州税ゼロの州:分岐点は仕入れ,000前後

6-1. 州全体のSales Taxがない州は5つ

2026年現在、州全体の一般的な Sales Tax を設けていない州は5つです。

  • Alaska
  • Delaware
  • Montana
  • New Hampshire
  • Oregon

ただし Alaska は地方政府が Sales Tax を課すことがあります。New Hampshire は州の一般 Sales Tax がなく、州当局も一般的な物品への Sales Tax がないと説明しています。

6-2. 「オレゴン最強」とは限りません

ここが実務上、最も誤解されている点です。

州税を節約するために、わざわざ州をまたいで移動したとします。仮に往復の追加費用が5万円だとして、節約が上回るのはいつか。

仕入れ総額 州税8%の節約 移動費5万円と比べて
$500 6,360円 ✕ 届かない
$1,000 12,720円 ✕ 届かない
$3,000 38,160円 ✕ 届かない
$5,000 63,600円 ◯ 上回る
$10,000 127,200円 ◯ 上回る

分岐点は仕入れ総額$4,000前後です。それ以下なら、移動費の方が高くつきます。

Sales Taxは「目的地を決める第一条件」ではなく、「同じ仕入れルートなら比較する変数」です。

税金を5〜10%節約するために交通費を数万円増やすなら、本末転倒です。まず供給密度で州を選び、その中で税率を比較してください。

なお、渡航しない場合はさらに事情が変わります。転送サービスの主要各社は、そもそも売上税のない州に倉庫を置いていて、全社が同じことを売り文句にしています。つまり選ぶ理由になりません。各社の公開文言を並べたものは、アメリカ輸入代行では州税ゼロが選択基準にならないに書きました。

6-3. 都市ではなく「州 → 供給拠点 → ルート」で設計する

ニューヨークやロサンゼルスだけが正解ではありません。むしろ競争が激しい大都市を外し、供給量が大きく、Goodwill Outlet 等の拠点が密集している地域を探す方が合理的です。

3-1で書いた通り、Goodwill Outlet は北米に約160拠点。カリフォルニア以外にも展開しています。「どの都市に行くか」ではなく「どの供給チャネルを、どの順番で回るか」で考えてください。

7. 物流は3階層に分けて考える

ここが日本到着原価を決めます。

7-1. 小口:USPS など

Priority Mail International の場合、USPS の案内では通常の重量課金型で最大70lb ですが、国別制限があります。日本向けの情報では66lb(約30kg)が掲載されています。

これは試験輸入に使えます。まず少量送って、日本で本当に売れるかを確認する段階です。

ただし1-2で見た通り、アメリカで採算を合わせるには1,000点規模が必要です。30kgでは足りません。

ただしこれは、渡航して1,000点を持ち帰る前提での話です。渡航せず、アメリカの通販で買ったものを転送サービスで受け取る場合は、話が逆になります。小口こそが主戦場になり、何点まとめて1箱にするかで採算が決まります。その計算は渡航しない場合の損益分岐点にまとめました。USPSの公示料金で、1点なら赤字、8点で黒字になる分岐を出しています。

7-2. 中口:複数箱

20kg × 5箱 のような送り方です。USPS、DHL、FedEx、UPS、国際宅配便業者を比較します。

比較の軸は「1箱いくら」ではなく「1kgあたりいくらになるか」です。

7-3. 商用貨物:フォワーダー

100kg、300kg、500kg となれば、航空貨物・海上貨物・LCL を比較する世界になります。

この段階では、物流はこうなります。

商品 → 現地倉庫 → 輸出通関 → 国際輸送 → 日本側通関 → 国内配送

「送料$◯」ではなく、Door to Door の総額で比較してください。

7-4. 「船便が安い」は半分正しい

海上貨物は「船に乗せれば終わり」ではありません。CFS、港湾費、書類費、通関、国内配送、最低料金などが乗ります。

kg単価だけで船便と航空便を比較しないでください。最終的な日本到着原価で比較します。

7-5. フォワーダーに送る見積もり依頼テンプレート

そのまま使えます。

Shipment: Used clothing / used goods for commercial import
Origin: Los Angeles, CA
Destination: Tokyo, Japan
Weight: 100kg
Volume: 0.8 CBM
Number of cartons: 10
Pickup: Yes
Commercial shipment: Yes

Please quote the total Door-to-Door cost including:
pickup / export handling / customs clearance / ocean or air freight / Japan customs clearance / delivery to Tokyo / fuel and security surcharges / documentation fees / any other mandatory charges

そして100kg / 300kg / 500kg の3パターンを同時に見積もってください。1点あたりのコストがどこで下がり止まるかが分かります。

8. 関税と課税価格

制度は変更され得ます。品目分類・原産地・取引形態によって扱いが変わります。実際の申告は必ず税関にご確認ください。この記事は税務上の助言ではありません。

8-1. 課税価格は商品代だけではありません

日本税関上、商用輸入では原則として商品価格だけでなく、運賃・保険料を含む課税価格(CIF)が基準になります。

個人使用の「海外小売価格×60%」とは計算基準が違います。混同しないでください。

8-2. 「アメリカ産だから一律◯%」とは書けません

衣料品は品目・原産地等によって関税率が変わります。日本税関は品目分類ごとの税率を適用し、米国産品にもWTO税率等が適用されます。

「アメリカだから無税」「アメリカだから一律10%」といった書き方をしている記事は信用しないでください。自分が扱う品目で確認してください。

8-3. 手荷物で持ち帰る場合

商用品を手荷物で持ち帰る場合も、一定条件では Commercial Goods として申告する制度があります。

販売目的で持ち込む商品に、個人の免税枠は適用されません。同一商品を大量に持ち込めば商用と判断される可能性が上がります。

8-4. 特恵は、アメリカでは使えません

8-2で「一律◯%とは書けません」と書きました。個別の適用税率は貨物によりますが、使えない欄がどれかは制度で決まっています。

HS6309.00の税率 アメリカで使えるか
基本 7%
WTO協定 5.8% 使えます
特恵 無税 使えません

特恵関税制度は「開発途上国又は地域を原産地とする」ものが対象です(税関)。アメリカは特恵適用国・地域一覧に含まれていません。

だから、少なくとも「特恵で無税になる」という期待は最初から外せます。そのうえで、個別の貨物にどの税率が適用されるかは、税関の事前教示などで確認してください。

8-5. アメリカは、日本にとって最大の供給元です

国連ComtradeでHS6309(中古の衣類その他の物品)の日本の輸入を引きます。2025年です。

相手国 金額(USD) 数量(kg) 1kgあたり
世界計 88,180,036 9,134,675 9.65 USD
アメリカ 44,712,068 3,070,093 14.56 USD
タイ 13,532,092 1,266,073 10.69 USD
インド 5,777,777 870,828 6.63 USD
パキスタン 4,353,225 535,344 8.13 USD
マレーシア 309,984 933,521 0.33 USD
アメリカの位置
金額 世界計の約50.7%。第1位です
数量 世界計の約33.6%。第1位です
1kgあたり 14.56 USD。世界計の9.65 USDを大きく上回ります

日本が輸入する中古衣類の、金額の半分がアメリカから来ています。しかも重量あたりの単価が高い。量も多く、質も上という位置です。

そして、これは他の国の記事とつながります。パキスタンが輸入している中古衣類も、数量の約半分はアメリカからです(2024年、国連Comtrade)。

アジアの仕入れ先の多くは、アメリカから来たものを選別している場所です。1章で「アメリカは最も点数が必要な国です」と書きましたが、供給構造の上では、ここが上流にあたります。

参照:国連Comtrade税関「実行関税率表 第63類」税関「特恵適用国・地域一覧」税関「特恵関税制度の概要」

9. 何を買うか:ブランドではなく「アメリカ固有性」

9-1. 定番ブランドだけを追うと競争になります

Carhartt、Patagonia、The North Face、Levi’s、Champion、Harley-Davidson、Ralph Lauren、Nike、adidas、Columbia、L.L.Bean。これらは日本で高く売れます。

ただし「アメリカだから安いブランド」だけを追うと、すぐ競争になります。全員が同じものを探しているからです。

9-2. 本命は「日本で検索されるが、現地では普通」の商品

企業Tシャツ、カレッジもの、ローカルスポーツ、大学、消防署、警察、企業ロゴ、イベント、地域限定。

アメリカ人にとっては「ただの古いTシャツ」でも、日本人から見れば「アメリカでしか買えない一点物」になります。

9-3. ブランド名の先を見る

Harley-Davidson だから価値があるのではありません。

  • どこのディーラーか
  • 何年代か
  • 何周年か
  • どのイベントか
  • 背面プリントは何か

ここまで見ます。企業Tシャツも、大学スウェットも、スポーツものも同じです。

ブランドではなく「アメリカでしか成立しない背景」を買ってください。

9-4. 古着以外も視野に入る

4-1で書いた通り、Estate Sale はカテゴリ横断です。だから対象を古着に限定する必要がありません。

スニーカー・靴、バッグ・革小物、アウトドア用品、工具、カメラ・光学、ホビー、コレクターズアイテム、新品余剰在庫、Liquidation。

ただしパレット買い(Amazon返品パレットなど)は初心者に勧めません。壊れている、欠品、偽物、使用済み、部品不足、日本の電圧に対応しない、日本の法律・規格に合わない、といったものが混ざります。

順番はこうです。

初心者 → 個別選別/中級者 → 小ロット/上級者 → ケース/事業者 → パレット

10. 【核心】修理できる人は、仕入れ対象が増えます

ここがアメリカ仕入れで最も重要な部分だと考えています。

10-1. 良品を買うと、利幅が残りません

同じ棚に、状態の違う3つが並んでいるとします。革バッグの例です。

状態 現地価格 日本相場 普通の転売屋 修理できる人
A 良品 $150 30,000円 買う 買う
B 使用感 $60 18,000円 買う 買う
C 要修理 $20 15,000円 買わない 買う

ここで実際の粗利を計算します。1点あたり国際送料を2,000円と仮定します。

買い方 現地価格 総原価 日本売価 手取り 粗利
A 良品を買う $150 25,850円 30,000円 26,200円 350円
C 要修理を買って直す $20 8,180円
(修理3,000円込み)
15,000円 12,700円 4,520円

※販売手数料10%・国内送料800円で試算

売価が半分なのに、粗利は13倍です。

理由は明確です。良品は誰でも買えるので、価格が相場を反映しています。要修理品は、普通の転売屋が「状態が悪いから」と見送るので、価格が歪んでいる。

10-2. ただし、修理費には上限があります

同じ商品で、修理費だけを動かします。

修理費 総原価 粗利
0円 5,180円 7,520円
3,000円 8,180円 4,520円
5,000円 10,180円 2,520円
8,000円 13,180円 −480円

修理に8,000円かけたら赤字です。

つまり仕入れ判断は「直せるかどうか」ではありません。

いくらで直せるか。そして、その時間を含めて日次利益が出るか。

これは修理そのものが目的化した瞬間に破綻するということでもあります。作業時間を必ず計算に入れてください。

10-3. 狙える状態

普通の輸入転売業者が避ける領域が、そのまま対象になります。

カテゴリ 狙える不具合
革製品 色落ち、擦れ、ひび、カビ、金具不良
バッグ ファスナー、持ち手、内張り、金具
ソール、ヒール、革の乾燥
アウトドア ファスナー、バックル、ストラップ

3-4で「Binsで勝つのは選別が速い人」と書きました。ここに修理能力が加わると、こうなります。

価格差 × 選別速度 × 修理可能性

そして修理技術そのものが仕入れ競争力になります。他の人が買えない在庫を、あなただけが買える。

11. 1週間の遠征をどう組むか

アメリカは「ちょっと行って買って帰る」ができません。1回の渡航で複数チャネルを拾うことが前提になります。

日程 行き先 目的
DAY 1 Goodwill Bins 点数の確保・選別率の実測
DAY 2 Estate Sale カテゴリ横断・修理可能品
DAY 3 Thrift Store 個別選別
DAY 4 Liquidation / Auction ロットの下見
DAY 5 補充仕入れ 点数の積み増し

Estate Sale は4-3の通り、渡航前に写真を見てルート化しておきます。Flea Market を組み込むなら、5-3の第1日曜・第2日曜を軸に日程を決めてください。

11-1. 帰国前に測ること

  • 総重量(Binsで買った分)
  • 総点数
  • 販売可能と見込む点数(=選別率)
  • 仕入れ総額
  • 渡航費の実額
  • 梱包後のサイズと箱数

これがあれば、1-1と3-3の表に自分の数字を入れられます。次回の判断が、感覚ではなく計算になります。

12. 段階を踏む

段階 やること
LEVEL 1 Goodwill Bins で重量仕入れ → 小口発送 → 日本で本当に売れるか確認
LEVEL 2 Estate Sale / Garage Sale を追加。修理可能品を混ぜる
LEVEL 3 Flea Market を追加。革・バッグ・靴・工具へ拡張
LEVEL 4 Liquidation / Auction でロット仕入れ → フォワーダー
LEVEL 5 現地業者との定期取引 → 海上LCL / 航空貨物

LEVEL 1 を飛ばさないでください。日本で売れることを確認する前に大量に運ぶと、1,000点の在庫が全部残ります。

そしてLEVEL 1の試験輸入は、渡航しなくても実行できます。アメリカの通販で買って転送してもらえば、少量を日本に持ち込んで売れるかどうかを確認できます。ただし、少量ほど1点あたりの国際送料が重くなります。どこまで小さくできるかは試験輸入に使う転送サービスで計算しました。

13. 他の仕入れ先との比較

台湾 韓国 タイ マレーシア アメリカ
渡航費 最安 安い 高い 最高
必要点数 100点 188点 375点 625点 1,000点
主役の変数 回転数 物流密度 S+A率 選別率と点数 選別率×修理可能性
供給量 圧倒的
言語の壁 低い 高い 高い 低い
典型的な失敗 低単価品を選ぶ ハンドキャリー B品率の見誤り 安さだけで少量購入 良品だけを買う

アメリカの位置づけは明確です。

供給量は圧倒的。ただし距離と物流が重く、1,000点規模でないと成立しない。
そして、修理できる人ほど仕入れ対象が増える国。

14. まとめ

  • 私はeBay+転送(オレゴン経由)で失敗しました。州税の節約1,272円に対し、国際送料6,360円。比率が合いません。
  • アメリカは渡航費が最も重く、台湾と同じ按分にするには1,000点必要です。1点ずつ選んでいては成立しません。
  • だからGoodwill Outlet / Bins(北米約160拠点・重量販売)が本命になります。
  • ただし「1着いくら」ではなく「売れる1着いくら」で計算してください。$1.5/lb でも、選別率が6割なら実質351円です。
  • 州税ゼロの分岐点は仕入れ$4,000前後。それ以下なら移動費の方が高くつきます。
  • 物流は小口・中口・商用貨物の3階層。Door to Door の総額で比較してください。
  • そして修理できる人は、他の人が買えない在庫を買えます。良品の粗利350円に対し、要修理品を直せば4,520円。ただし修理費8,000円で赤字になります。

【持ち帰った後の話】

海外仕入れでいちばん多い失敗は、目利きではありません。「売れるとは思ったが、売れるまでが長かった」です。

10万円で仕入れて20日で売れるなら、その10万円は年に18回働きます。
同じ10万円で60日かかるなら、年に6回しか働きません。
利益率が同じでも、年間の粗利は3倍違います。

そしてアメリカは、この記事で見た通り1,000点規模でないと成立しない国です。1,000点を抱えたとき、それが何日で現金に戻るのか。読めないまま運べば、資金も時間も全部在庫に変わります。

だから私は、仕入れる前に日数を出します。出品中の件数と、その期間に売れた件数さえ数えれば、計算できます。

「過去に売れているか」と「何日で売れるか」は、まったく別の情報です。

よくある質問

アメリカ仕入れは儲かりますか?

1,000点規模でないと成立しません。渡航費が1週間で40万円程度かかるため、100点では1点あたり4,000円の按分になります。台湾が100点で400円であることを考えると、10倍の点数が必要です。そのため、1点ずつ選ぶ方式ではなく、Goodwill Outlet / Bins のような重量販売で点数を確保する必要があります。

Goodwill Bins とは何ですか?

通常のGoodwill店舗とは別の、商品を重量単位で販売する店舗です。公式情報によると北米に約160拠点あります。通常店舗が商品ごとに値札を付けるのに対し、Binsは大量の商品から自分で掘り出す形式です。ただし価格体系や最低購入量は店舗ごとに違うため、全国共通の数字はありません。

オレゴン州で買えば州税がゼロで有利ですか?

仕入れ総額$4,000前後が分岐点です。州税8%を節約するために往復5万円の移動をした場合、$3,000の仕入れでは節約38,160円で移動費に届きません。$5,000なら63,600円で上回ります。Sales Taxは目的地を決める第一条件ではなく、同じ仕入れルートなら比較する変数だと考えてください。なお州全体のSales Taxがない州はAlaska、Delaware、Montana、New Hampshire、Oregonの5つですが、Alaskaは地方政府が課すことがあります。

Estate Sale はどうやって探しますか?

EstateSales.net、EstateSales.org が代表的です。加えてCraigslistのgarage sale欄、Facebookの地域コミュニティ、地元業者のメールリストが使われます。重要なのは渡航前に写真を見てルート化しておくことです。渡航費を按分している以上、現地で探している時間はそのまま原価になります。

Rose Bowl Flea Market は仕入れに使えますか?

安く仕入れる場所ではありません。毎月第2日曜開催で2,500以上の出店者が集まりますが、プロのヴィンテージディーラーも出店するため相場が形成されています。役割は市場調査、高単価の一点物、ディーラーとの人脈形成です。安い商品ならEstate SaleやBinsが向きます。なおPasadena City College Flea Marketは第1日曜開催で400以上の出店者があるため、日程を組めば両方回れます。

修理できると何が変わりますか?

仕入れ対象の母数が増えます。現地の同じ棚に$150の良品と$20の要修理品が並んでいるとき、普通の転売屋は後者を買いません。しかし良品は誰でも買えるため相場が形成されており、粗利はほとんど残りません。試算では良品の粗利350円に対し、要修理品を3,000円で直した場合は4,520円になります。ただし修理費が8,000円を超えると赤字になるため、「直せるか」ではなく「いくらで直せるか」が判断基準です。

アメリカからの送料と関税はいくらですか?

一律の数字はありません。物流は小口(USPS等・日本向けPriority Mail Internationalは66lb程度)、中口(複数箱)、商用貨物(フォワーダー)の3階層に分かれ、それぞれ計算が違います。関税も品目・原産地によって変わるため「アメリカ産だから一律◯%」とは書けません。商用輸入の課税価格は運賃・保険料を含むCIFが基準です。フォワーダーには100kg / 300kg / 500kgの3パターンでDoor to Doorの総額を見積もってもらってください。

 

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必要なのは努力の量でも我慢でもなく、
会社以外に
「自分の判断にお金を払う相手」
を一つ持つこと。
月3万円で構いません。
それだけで、組織との距離の取り方が変わります。
動かない録画機器を1,000円以下で仕入れ、
中古ドライブ(部品代2,000円)に交換。
ついでに容量を増やして15,000円で販売。
── 20年の現場から、実例の一部
この無料講座で扱う内容
  • 壊れた商品のどこに価格差が眠るのか
    「歪みの4類型」
  • 手数料・送料・作業時間まで含めた
    「1件の利益計算式」
  • 絶対に手を出してはいけない
    「除外リスト7項目」
  • 6日目には、元手ゼロで
    今週できる実践ワーク(約70分)
※手を動かさずに稼ぐ方法をお探しの方には向きません。
そのことも講座内で明記しています。
20年
現場での実践
全14通・2週間。
1通3〜5分で、通勤中にも読み切れる分量です。
まずは14通の無料講座で、
「第二の買い手」という考え方を確認してください。
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※後半に有料商品のご案内があります。
第1通の冒頭で明記します。
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