「修士論文 不合格 割合」「修論 ゴミ」「修士研究 しょぼい」「修論 成果なし」「修士 卒業できない」「修論 不合格 内定取り消し」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。
修士論文の不合格率そのものを示す全国の統計は見当たりません。公的な統計で確かめられるのは修了した人の数で、令和5年度に修士課程に入学した76,844人のうち、令和7年3月までに2年で修了したのは67,946人、88.4%です(学校基本調査から計算)。この88.4%は、入学者と修了者という別々の統計表を組み合わせた参考値で、差の11.6ポイントを不合格・留年・休学・中退などの人数や割合として確定することはできません。不合格・留年・休学は同じ人に重なることもあります。分野で差があり、2年で修了した割合は人文科学78.5%・社会科学78.3%・保健77.4%、理学90.6%・工学93.9%です(計算)。
修論が「ゴミ」「しょぼい」と感じても、修了の条件は、大学院設置基準16条の「修士論文又は特定の課題についての研究の成果の審査及び試験に合格すること」です。何を合格とするかは、各研究科が公表している評価基準で決まります。今回見た大学の基準は、研究目的・先行研究・方法・結論・研究倫理などを問うもので、仮説どおりの結果が出ることを合格の条件にした文は見当たりませんでした(当てはめ)。新規性・独創性を修士に求めるかどうかは、研究科によって違います。
修了が延びたときの授業料は、国立大学の標準額を単純に按分した試算で半年267,900円・1年535,800円です(計算)。実際の請求額は、大学の授業料の規程・授業料の免除・修了の時期で違います。日本学生支援機構の貸与奨学金は、修了の延期が確定すると原則「廃止」で、成業の見込みがあれば「停止」もありますが、どちらも延びた期間の貸与が続くことを保証するものではありません。内定については、修了できないことは取消事由に当たりうる一方、成立した内定(解約権留保付の労働契約)の取消しには客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が要り、会社が自由に決められるわけではありません(判例と厚生労働省の説明。当てはめ)。修士課程を修了できなかった場合の扱いを直接書いた厚生労働省の資料は見当たりません。
| 知りたいこと | 答え | 章 |
|---|---|---|
| 修士論文の不合格の割合 | 全国の統計はない。参考値として、令和5年度入学者のうち令和7年3月までに2年で修了したのは88.4%(別々の統計表から計算)。差の11.6ポイントを不合格・留年・休学・中退などに分けて確定することはできない | 2章 |
| 修士で卒業(修了)できない人 | 令和7年3月の修了者の11.9%は、標準より1年以上遅れて修了(計算)。中退は1年間に在籍者の2.22%(修士課程・専門職学位課程) | 2章 |
| 分野による違い | 2年で修了した割合は人文科学78.5%・社会科学78.3%・保健77.4%、理学90.6%・工学93.9%(計算) | 2章 |
| 修論がゴミ・成果なしでも修了できるか | 合否は研究科の評価基準と審査で決まる。仮説どおりの結果を合格の条件にした基準は見当たらない(当てはめ) | 4章 |
| 修士論文に新規性は要るか | 研究科で違う。修士の項目に入れる例(東京大学 薬科学専攻、京都大学 工学研究科など)と、入れない例(大阪大学 工学研究科は博士だけ)がある | 4章 |
| 審査に落ちる前に起きること | 提出の可否を見る予備審査、中間発表、締切、論文の撤回、在学期間の延長の手続きがある | 5章 |
| 修了が延びたときの学費 | 国立の標準額を按分した試算で半年267,900円・1年535,800円(計算)。実際の額は大学の規程・免除・修了の時期で違う。9月修了ができるかは研究科による | 6章 |
| 奨学金 | 日本学生支援機構の貸与は、延期が確定すると原則「廃止」、成業の見込みがあれば「停止」もある。どちらも延びた期間の貸与の継続は保証されない | 6章 |
| 内定は取り消されるか | 修了できないことは取消事由に当たりうるが、取消しには客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が要り、会社が自由に決められるわけではない(判例・厚生労働省の説明。当てはめ)。修士の修了延期を直接書いた厚生労働省の資料はない。取消事由を読み、早めに会社へ相談 | 7章 |
| 自分の場合 | 分野別の割合、審査基準で足りない点、延期の費用と内定、提出日からの逆算を計算機で | 9章 |
- 1. 先に、この記事の数字と、書いている人について
- 2. 修士論文の不合格の割合:全国の統計はない。修了の統計で見る
- 3. 修士の修了の条件:修士論文は「修了」の条件の一つ
- 4. 修論がゴミ・しょぼい・成果なしと感じるとき:評価基準が見ているもの
- 5. 審査で落ちる前に起きること:予備審査・締切・撤回・延長
- 6. 修了が延びたときの授業料と奨学金
- 7. 修論が不合格・修了延期になったら、内定は取り消されるか
- 8. 提出日から逆算する:大学の日程の例
- 9. 計算機:修了の統計から見た割合/審査基準で足りない点/修了延期の授業料・奨学金・内定/提出日からの逆算
- 10. よくある質問
- 11. まとめ
- 12. 出典
- 13. あわせて読む
1. 先に、この記事の数字と、書いている人について
私は大学院に行っていません。この記事は、法令・公的な統計と、大学が公表している規程・評価基準・日程だけで書きます。自分の研究科の決まりは、研究科の公表資料と教務の窓口で確かめてください。学部の卒業論文の締切や留年は、卒論がやばい・終わらないときの記事にまとめています。
修了の条件は、大学院設置基準(e-Gov法令検索の現行の条文)から取りました。人数は、文部科学省の学校基本調査 令和7年度の表83「修士課程の専攻分野別 入学年度別 卒業者数」・表82「修士課程の状況別 卒業者数」(令和7年3月までの1年間の修了者)と、令和5年度の表18「専攻分野別 大学院入学状況」です(いずれも政府統計の総合窓口 e-Stat の表)。学校基本調査の「修士課程」には博士前期課程を含みます。中退は、文部科学省の「令和7年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果」です。
表の数字を足したり割ったりした値には「計算」、条文や公式の説明を組み合わせて読んだところには「当てはめ」と書きました。
2. 修士論文の不合格の割合:全国の統計はない。修了の統計で見る
2-1. 不合格率そのものを示す統計は見当たらない
学校基本調査は修了した人の数を、中退の調査は中退・休学した人の数を数えています。修士論文の審査を受けた人数と、そのうち不合格になった人数を全国で集計した公的な統計は、文部科学省・中央教育審議会の資料では見当たりませんでした。大学が修士論文の「申請者数と合格者数」を並べて公表している例も、今回は見つかりませんでした。
そこで、確かめられる数字として「入学した人のうち、標準の2年で修了した人の割合」を計算しました。
2-2. 入学者のうち2年で修了した人は88.4%(計算)
令和5年度の修士課程の入学者は76,844人です(表18)。令和7年3月までの1年間の修了者77,633人のうち、令和5年度に入学して最低修業年数(2年)で修了した人は67,946人です(表83)。67,946÷76,844で88.4%になります(計算)。
この88.4%は、入学者(表18)と修了者(表83)という別々の統計表を組み合わせた参考値です。差の11.6ポイントには、修士論文の不合格のほか、留年・休学・長期履修・中退・秋入学などが入りえますが、それぞれの人数や割合として確定することはできません。不合格・留年・休学は同じ人に重なることもあります。また、入学者は5月1日に在籍している人の数(表18の注)なので、秋入学や1年制の課程などの影響で、分子と分母は完全には対応しません。
| 専攻分野 | 令和5年度の入学者 | 令和7年3月までに2年で修了 | 入学者のうち2年で修了(参考値・計算) | 修了者のうち1年以上遅れて修了(計算) |
|---|---|---|---|---|
| 全分野 | 76,844人 | 67,946人 | 88.4% | 11.9% |
| 人文科学 | 4,161人 | 3,267人 | 78.5% | 22.4% |
| 社会科学 | 6,376人 | 4,992人 | 78.3% | 24.6% |
| 理学 | 6,139人 | 5,565人 | 90.6% | 7.5% |
| 工学 | 33,294人 | 31,276人 | 93.9% | 6.5% |
| 農学 | 4,242人 | 3,844人 | 90.6% | 8.2% |
| 保健 | 5,550人 | 4,296人 | 77.4% | 18.8% |
| 教育 | 1,807人 | 1,463人 | 81.0% | 19.0% |
| 芸術 | 2,473人 | 2,127人 | 86.0% | 11.3% |
| その他 | 12,364人 | 10,748人 | 86.9% | 15.0% |
右の列は、令和7年3月までの修了者のうち、令和4年度以前に入学した人(標準より1年以上遅れて修了した人)の割合です。全分野では、修了者77,633人のうち1年遅れが7,854人(10.1%)、2年以上遅れが1,363人(1.8%)、編入学者が470人(0.6%)です(計算)。家政・商船は人数が少ないので表から外し、計算機に入れました。
2-3. 中退は1年間に4,333人(令和7年4月1日の学生数の2.22%)
令和7年度の1年間に中退した人は、修士課程・専門職学位課程で4,333人、休学した人は6,658人です(文部科学省「令和7年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果」。回答率91.3%の調査で、修士課程には博士前期課程の学生を含む)。割合の分母は令和7年4月1日時点の学生数で、中退は2.22%、休学も1年間の休学者数を同じ分母で割って3.41%です。分野別の値はありません。2.22%は1年間の割合で、入学した人が修了までの2年間に辞める割合ではありません。辞めるか迷っているときの手続きと学費は、大学院を辞めたい・中退したらの記事で比べています。
2-4. 大学の公表例:東京大学の研究科別
大学院を置く大学は、研究科・専攻ごとに「当該大学院に入学した者のうち標準修業年限以内で修了した者の占める割合」を公表することになっています(学校教育法施行規則172条の2第3項1号)。自分の研究科の値は、この公表で確かめられます。
東京大学の公表(令和8年3月31日現在)から、2021年に修士課程に入学した人の値を抜き出しました。Aは各年度の入学者のうち標準修業年限(2年)以内に修了した割合で、東京大学の備考では「修了者のうち、休学期間を除いた在学期間が標準修業年限以内の者を標準修業年限以内修了者とする。」としています。Bは調査日までに修了した割合です。休学期間を除いて数えるので、2-2の参考値(入学した年度と修了の年度だけで数える)とは定義が違い、全国の値でもありません。
| 研究科(修士課程、2021年入学) | A 標準修業年限以内に修了(休学期間を除く) | B 調査日までに修了 |
|---|---|---|
| 人文社会系研究科 | 63.8% | 94.0% |
| 経済学研究科 | 77.0% | 92.9% |
| 教育学研究科 | 87.7% | 97.5% |
| 理学系研究科 | 88.5% | 95.7% |
| 工学系研究科 | 87.6% | 94.9% |
| 情報理工学系研究科 | 89.3% | 95.2% |
| 法学政治学研究科 | 94.4% | 100.0% |
人文社会系研究科では、標準修業年限以内に修了しなかった36.2%のうち30.2ポイント(B-A)は、令和8年3月末までに遅れて修了しています。まだ修了していない人は6.0%(100-B)です(計算)。ただし、遅れた理由(不合格・研究の延長・休学など)はこの表からは分かりません。ほかの研究科の値は計算機で出せます。
2-5. 差の11.6ポイントは、不合格の割合ではない
2-2の差の11.6ポイントや、2-4の「A以外」には、次のような人が入りえます。どれも公的な統計で人数を分けられず、同じ人に重なることもあるので、不合格の割合として読まないでください。
- 修士論文の審査・最終試験で不合格になった人
- 研究が間に合わず、論文を出さずに在学期間を延ばした人(5章)
- 休学した人(休学した分だけ修了が遅れる)
- 長期履修の制度で、はじめから2年を超える計画で在学している人
- 中退した人
- 9月に修了した人、秋に入学した人(統計の数え方で分子と分母がずれる)
博士課程の修了・満期退学の割合は、博士課程は人生終了?の記事で同じように統計から計算しています。
3. 修士の修了の条件:修士論文は「修了」の条件の一つ
3-1. 大学院設置基準16条
修士課程の修了の要件は、大学院設置基準16条1項に書かれています。
「修士課程の修了の要件は、大学院に二年(二年以外の標準修業年限を定める研究科、専攻又は学生の履修上の区分にあつては、当該標準修業年限)以上在学し、三十単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、当該修士課程の目的に応じ、当該大学院の行う修士論文又は特定の課題についての研究の成果の審査及び試験に合格することとする。」
つまり、2年以上の在学・30単位以上・研究指導・論文(または特定の課題の研究の成果)の審査と試験の合格を、すべて満たしたときに修了になります。修士の学位は、修士課程を修了した人に授与されます(学位規則3条1項)。優れた業績を上げた人は1年以上の在学で足りる、というただし書きもあります。
3-2. 修士論文の代わりに「特定の課題」で修了できる研究科もある
16条は、修士論文の代わりに「特定の課題についての研究の成果」の審査を認めています。たとえば東京大学大学院学則5条2項は「当該修士課程の目的に応じ適当と認められるときは、規則の定めるところにより、特定の課題についての研究の成果の審査をもって修士の学位論文審査に代えることができる。」としています。
ただし、どの例も研究科・コースが学則などで方式を用意している場合の話で、学生が自分で選べる一般の制度ではありません(当てはめ)。研究がうまくいかなかった人が途中から切り替えられるかを書いた公式資料は、今回は見つかりませんでした。博士課程の前期の課程では、修士論文の代わりに博士論文研究の基礎力の試験・審査で修了させる制度もあります(大学院設置基準16条の2)。
3-3. 何を合格とするかは、研究科が公表する評価基準で決まる
大学院設置基準14条の2第2項は、学位論文の評価に当たって「学生に対してその基準をあらかじめ明示するとともに、当該基準にしたがつて適切に行うものとする。」と定めています。大学院を置く大学は、この「学位論文に係る評価に当たつての基準」を公表することになっています(学校教育法施行規則172条の2第3項2号)。法令は修士論文に「新規性」「独創性」を求める文を持っていません(当てはめ)。合格の水準は、研究科の評価基準を読むのが一番の近道です。
4. 修論がゴミ・しょぼい・成果なしと感じるとき:評価基準が見ているもの
4-1. 大学の評価基準の項目
公表されている修士論文の評価基準を、7大学・11研究科で並べました。項目ごとに、基準の言葉の例を挙げます(大学ごとの表現の違いは出典で確かめてください)。
| 項目 | 大学の基準の言葉(例) |
|---|---|
| 研究目的・問いの設定 | 「…研究の背景と目的が適切に記述されていること。」(東京大学 薬学系研究科 薬科学専攻)、「…明確な問題意識をもって学術的意義のある研究主題が設定されていること。」(京都大学 文学研究科) |
| 先行研究 | 「関連する先行研究を適切に引用していること。」(東京大学 薬科学専攻)、「先行研究を適切に踏まえた上で」(早稲田大学 日本語教育研究科) |
| 方法 | 「目的を達成するための適切な方法が取られていること。」(東京大学 薬科学専攻)、「研究対象である主題に即した研究方法が選択・明示されている。」(東北大学 工学研究科) |
| 結果と結論 | 「方法や結果が結論を導くのに十分な内容を含んでいること。」(東京大学 薬科学専攻)、「論理的に明確な結論が導き出されており」(京都大学 文学研究科) |
| 新規性・独創性 | 「新規性ならびに独創性があること。」(東京大学 薬科学専攻)、「研究の新規性と重要性」(東京大学 学際情報学府)。修士の項目にない研究科もある(4-2) |
| 構成・表現 | 「論旨が明快で一貫しているとともに、適切な表現・表記法によって論述されている。」(東北大学 工学研究科) |
| 研究倫理 | 「研究倫理や関連する法令を遵守していること。」(東京大学 薬科学専攻)、「研究倫理(盗用・改ざんの防止)への理解の観点」(慶應義塾大学 経済学研究科) |
| 口頭試問 | 「最終試験は、修士論文を中心として、これに関連のある専攻分野について、口頭試問により行う。」(東北大学 工学研究科) |
東京大学 薬科学専攻は、これらの「審査項目全てについて必要とされる水準に達していると認められ」た場合に合格とする、と書いています。項目ごとの重みや点数の目安を公表した例は、今回見た資料にはありませんでした。
4-2. 新規性・独創性を求めるかは研究科で違う
- 修士の項目に新規性・独創性の語がある:東京大学 薬科学専攻・学際情報学府、京都大学 工学研究科(「学術的意義、新規性、創造性等を有しているかどうか」)・文学研究科(「独創性が認められ」)、東北大学 工学研究科(「既存の研究には見られない独創的な分析、解釈、提案等を行っている。」)、早稲田大学 日本語教育研究科、東京外国語大学
- 「あるいは」で別の道を並べる:慶應義塾大学 経済学研究科(「新規性がある内容を有する、あるいは社会における問題解決に資する研究内容であること。」)
- テーマ設定の観点として挙げる:早稲田大学 環境・エネルギー研究科(「倫理性、独創性、先進性、有用性等の観点から適切に設定され」。すべてが必須かは原文の文脈による)
- 修士の項目にない:大阪大学 工学研究科(博士の項目にだけ「新規性、独創性、学術的意義」)、東京大学 人文社会系研究科(修士は「提出者自身が本人の発想と適切な調査に基づいて執筆したか否か」などを見る)
この分類は、新規性・独創性という語が修士の審査項目に書かれているかで分けたものです。語がない研究科でも、独自の貢献が要らないとは限りません(たとえば東京大学 人文社会系研究科は修士に「独自の問題を設定し」といった言葉を使っています)。「修論に新規性がないから不合格」と決めつける前に、自分の研究科の基準に新規性・独創性の言葉があるかを確かめてください。言葉がある場合でも、先行研究と違う点(対象・方法・データ・解釈のどれか)を一文で示せるかが論点になります(当てはめ)。
4-3. 仮説が否定されたとき
今回見た評価基準は、「研究結果の信頼性」(東京大学 学際情報学府)、「論理的に明確な結論」(京都大学 文学研究科)、「明解な結論が提示されていること」(早稲田大学 環境・エネルギー研究科)のように結果の確かさと結論の明確さを問うもので、仮説どおりの結果が出ることを合格の条件にした文は見当たりませんでした。目的に合った方法で確かめ、データが適切であれば、仮説が否定されたという結果も評価の対象になりえます(当てはめ)。書くのは、何を確かめ、何が分かり、何が言えないのかです。合否は研究科の基準と審査委員の判断によります。
4-4. 判断に必要なデータが得られなかったとき
一方、判断に必要なデータそのものが得られなかった場合は、「目的を達成するための適切な方法が取られていること。」「方法や結果が結論を導くのに十分な内容を含んでいること。」(東京大学 薬科学専攻)のような、方法や結果の十分さを問う項目を満たさず、不合格になりうる状態です(当てはめ)。提出の可否を指導教員の予備審査で決める研究科もあるので(5章)、早めに指導教員に見てもらい、今あるデータで書ける範囲と、在学期間を延ばす場合の日程・費用(6章)を比べてください。
研究室で「自分だけ遅い」「無能だ」と感じてつらいときは、研究室で無能だと感じてつらい人への記事も読んでみてください。眠れない、食べられない、研究室に行けない状態が続いているなら、論文より先に、学内の学生相談室・保健管理センター(名前は大学ごと)に相談してください。研究室に行けないときの留年・休学の扱いは、研究室に行きたくない・つらいときの記事にあります。
4-5. 審査の流れと、審査する人
流れは研究科ごとに違います。公表資料を並べると、「題目届 → 中間発表 → 予備審査(提出の可否)→ 論文の提出 → 論文審査と口頭試問(最終試験)→ 研究科の会議での判定」の一部または全部を置く例があります(東京大学 薬科学専攻、慶應義塾大学 政策・メディア研究科、広島大学 先端物質科学研究科など)。審査する人の例は次のとおりです。
- 東京大学 学際情報学府:「修士論文の審査は原則 3 名(主査 1 名及び副査2名)により実施する。」
- 東京大学 人文社会系研究科:「指導教員を主査とし、当該専門分野のその他の教員全員を副査とする。」
- 東北大学 工学研究科:審査委員は専任の教授である研究科担当教員2人以上で、主査は指導教員から定める
- 慶應義塾大学 経済学研究科:主査1名・副査2名で、「主査は指導教員以外の専門家とする。」
口頭試問・発表の準備がつらいときは、研究室の発表がつらいときの記事で、質問に答えられないときの対処を書いています。
5. 審査で落ちる前に起きること:予備審査・締切・撤回・延長
5-1. 不合格の区分は学則にある
東京大学大学院学則14条4項は、修士の論文審査の成績を「優 合格」「良 合格」「可 合格」「不可 不合格」、最終試験を「合格」「不合格」としています。不合格がありうることは学則に書かれています(当てはめ)。
5-2. 提出の前に、提出してよいかを見る研究科がある
- 予備審査:東京大学 薬科学専攻は「修士論文の提出の可否について、指導教員による予備審査を受ける。」、慶應義塾大学 経済学研究科は「学位論文の審査は予備審査の合格者に対して」口頭試問(最終試験)を行う、としています
- 中間発表が提出の条件:神戸大学 工学研究科 博士前期課程は、研究経過発表会を「1年次後期又は2年次前期」に開き、発表の認定を受けた後でなければ学位論文を提出できない、と定めています
- 締切:慶應義塾大学 政策・メディア研究科は「締切後の提出は一切認められません。」と書いています
- 撤回:東京大学 人文社会系研究科は、在学2年目で論文を提出した後に撤回を希望する場合の「論文撤回願」の期間を示しています(2026年度は2027年1月4日〜2月22日正午)
- 修了しない人の手続き:東京大学 教育学研究科は、修了しない人に「在学期間延長願、休学願、退学願のいずれかを提出すること。」としています
不合格になった後の再提出の時期や、9月修了への振替を明記した規程は、今回見た資料には見当たりませんでした。多くの研究科は、不合格より前の段階(予備審査・中間発表・締切・撤回・延長)で修了の年をずらす手続きを置いています(当てはめ)。審査で不合格になる人が少ないかどうかは、全国の統計がないので書けません。
6. 修了が延びたときの授業料と奨学金
6-1. 授業料:国立の標準額を按分した試算で半年267,900円・1年535,800円
国立大学の大学院の授業料は、標準額が年535,800円です(国立大学等の授業料その他の費用に関する省令2条)。大学は標準額の120%まで定めることができ(同10条)、上限は642,960円です(計算)。国立でも標準額と違う大学があり、東京科学大学の修士課程は2019年9月以降の入学者が年635,400円です。私立の博士前期課程(修士課程を含む)の初年度の授業料の平均は811,006円です(文部科学省、令和7年度入学者)。
この記事では、延長した分の授業料を年額の単純な按分で、半年267,900円・1年535,800円と試算します(計算)。実際の請求額は、大学の授業料の規程・授業料の免除・修了の時期で違います。
大阪大学大学院学則36条1項は「授業料を毎年前期(4月から9月まで)及び後期(10月から翌年3月まで)の2期に分けて、所定の期日までに、年額の2分の1ずつ納付しなければならない。」としています。このように前期・後期に分けて納める大学で9月に修了する場合でも、追加が半年分で済むのは、その大学で前期分だけの納付になると確かめられた場合に限ります(当てはめ)。
9月修了が認められない場合も、次の修了の時期が翌年3月とは限りません。東京科学大学は修了の月が年4回(3・6・9・12月)あり、論文審査の申請は修了する月の3か月前の月(3月修了は12月)です。研究科の学位授与の日程を確かめてください。延長した期間の授業料の扱いを直接書いた規程は今回は見当たらなかったので、自分の大学の学費の規程で確かめてください。
在学できる年数には上限があります。休学期間を除き、東京大学の修士課程は3年、京都大学・大阪大学は4年です。大学院の学費の総額は大学院の学費の記事で、休学・留年したときの学費は研究室に行きたくない・つらいときの記事で計算しています。
6-2. 日本学生支援機構の貸与奨学金は、延期が確定すると原則「廃止」。「停止」もある
日本学生支援機構は、毎年度末の適格認定で「修業年限で確実に卒業(修了)できる見込みがあること」を求め、「卒業(修了)延期が確定した人、又は卒業(修了)延期の可能性が極めて高い人等は、原則「廃止」となります。」としています。「廃止」は奨学生の身分を失うことです。施行細則の大学院の欄では、学業成績は廃止に当たるが「成業の見込みがある者」は「停止」(1年以内で交付が止まる)です。「廃止」でも「停止」でも、延びた期間の貸与が続くことを保証するものではありません(当てはめ)。
最終学年を留年している期間は、貸与奨学金を新たに申し込むことはできません(日本学生支援機構のよくある質問)。延長した期間の生活費を奨学金で埋める前提は置けません(当てはめ)。
7. 修論が不合格・修了延期になったら、内定は取り消されるか
7-1. 内定は「解約権留保付」の労働契約
大学卒業予定者の内定について、最高裁判所の判決(大日本印刷事件、昭和54年7月20日)の判示事項は「大学卒業予定者の採用内定により、就労の始期を大学卒業直後とする解約権留保付労働契約が成立したものと認められた事例」です。この事件の誓約書には、内定を取り消されても異存がない場合として「本年三月学校を卒業出来なかつたとき」が書かれていました。ただし、この事件で取消しの理由になったのは卒業できなかったことではありません。判決は、取消しが認められるのは、採用内定当時に「知ることができず、また知ることが期待できないような事実」で、取り消すことが「客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるもの」に限られるとしています。
7-2. 修士を修了できなかった場合を直接書いた公式資料はない
厚生労働省のQ&A(確かめよう労働条件)は、内定の取消事由の例として「ⅰ契約の前提となる条件や資格の要件を満たさないとき」を挙げています。修士課程の修了を前提にした内定で修了できなかった場合はこれに当たりうる、と読めますが(当てはめ)、修士課程を修了できなかったことによる内定の扱いを直接書いた厚生労働省の資料や、それを有効と明言した最高裁の判例は、今回見た資料にはありませんでした。
一方で、同じQ&Aは内定によって労働契約が成立したと認められることが多いと説明し、厚生労働省の青少年雇用の指針は、事業主に「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定の取消しは無効とされることについて十分に留意」するよう求めています。修了できないことが取消事由に当たりうるとしても、取消しには客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が要り、会社が自由に決められるわけではありません(7-1の判例と厚生労働省の説明。当てはめ)。個々の取消しが有効かは事情によります。
7-3. 入社の時期を遅らせる(内定期間の延長)という扱いもある
企業が新規学卒者の内定を取り消すときや、内定期間を延長しようとするときは、あらかじめハローワークと学校に通知することになっています(職業安定法施行規則35条2項。厚生労働省の通知に引用された条文)。修了が遅れる場合に、入社時期の繰下げができるかは会社が決めることですが、仕組みとしては存在します(当てはめ)。令和8年3月新卒者では、内定取消しが29事業所・80人、入職時期の繰下げが2事業所・2人でした。これは会社が通知した新規学卒者全体(高校卒業者なども含む)の数で、修士の修了延期による件数ではありません。
やることは、誓約書と内定通知書の取消事由を読むこと、延期が見えた時点で会社の採用担当に伝えて入社時期を相談すること、大学の就職支援の窓口に会社への伝え方を相談することです(当てはめ)。大学院生の就活全体は大学院生の就活の記事にまとめています。
8. 提出日から逆算する:大学の日程の例
提出の締切・口頭試問の日は研究科ごとに違います。公表されている2026年度の日程の例です。
| 大学・研究科 | 題目届 | 論文の提出 | 最終試験・発表 |
|---|---|---|---|
| 東京大学 人文社会系研究科(2026年度) | 10月1日〜5日 | 12月2日〜8日 | 修了者の発表 2027年3月5日(提出の最終日から87日。計算) |
| 東京大学 教育学研究科(2026年度) | 題目・宣誓書など 11月24日〜12月1日 | 2027年1月4日〜7日 | 口述試験は必ず受ける |
| 慶應義塾大学 理工学研究科(2026年度秋学期修了予定者) | 題目の入力 11月17日まで | 公開用PDF(メディアセンターで公開される電子ファイル)の提出期限 2027年2月26日。独自に論文を回収する専修は指導教員の指示に従う | 記載なし |
| 慶應義塾大学 政策・メディア研究科(2027年3月修了) | ― | 2027年1月13日 | 修士公聴会 1月23日・26日、修了発表 3月10日 |
| 広島大学 先端物質科学研究科(3月修了、年度の記載なし) | 1月20日まで | 2月14日まで | 最終試験 2月末日まで |
| 早稲田大学 日本語教育研究科(4月入学者) | ― | 12月20日前後 | 口頭試問 2月上旬 |
締切どうしの間は、東京大学 教育学研究科で37日です(計算)。慶應義塾大学 理工学研究科の101日は、題目の入力の締切から公開用PDFの提出期限までの日数で(計算)、審査用の論文の準備期間ではありません。初稿をいつ指導教員に渡すか、指導教員の確認に何日かかるかを示した公式の目安は見当たりません。計算機4では、初稿・最終稿の日を仮の日数で置き、自分で直せるようにしました。卒論の締切からの逆算は卒論がやばいときの記事にもあります。
9. 計算機:修了の統計から見た割合/審査基準で足りない点/修了延期の授業料・奨学金・内定/提出日からの逆算
4つは別々に使えます。
- 1. 修了の統計から見た割合:専攻分野を選ぶと、令和5年度入学者のうち2年で修了した割合(別々の統計表から計算した参考値)、令和7年3月の修了者の内訳(2年・1年遅れ・2年以上遅れ・編入学者)、就職者の割合、分野別の比較、中退の割合を出します。東京大学の研究科別の公表例(2021年入学のA・B)も選べます。不合格の割合ではありません
- 2. 審査基準で足りない点を洗い出す:8つの項目を自己評価で選ぶと、足りない・わからない項目ごとに、大学の評価基準の言葉とやることを出します。結果の状況(仮説どおり・否定的・足りない)と、研究科の基準に新規性の言葉があるかで説明が変わります。合否の予測はしません
- 3. 修了延期の授業料・奨学金・内定:延びる長さ、授業料(国立の標準額か自分で入れる額)、9月修了の制度の有無、貸与奨学金、内定の条件を選ぶと、追加の授業料(年額を単純に按分した試算)と、奨学金・内定の扱いと相談先を出します
- 4. 提出日からの逆算:提出日・題目届の締切・口頭試問の日・今日の日付を入れると、初稿と最終稿の目安の日(自分で日数を直せる)と、各日までの残り日数を出します。日付は 2027-01-07 や 2027年1月7日 の形で入れられます。読み取れない日付があるときは、例の日付に置き換えずに入力の修正を求めます
修了の統計から見た割合/審査基準で足りない点を洗い出す/修了延期の授業料・奨学金・内定/提出日からの逆算
入れた内容は、このページの中で使うだけで、どこにも送られません。初めから入っている値は入力の例です。4つは別々に使えます。
1. 修了の統計から見た割合(不合格の割合ではありません)
2. 審査基準で足りない点を洗い出す(合否の予測はしません)
3. 修了延期の授業料・奨学金・内定
4. 提出日からの逆算
初めから入っている例では、1は全分野で、入学者のうち2年で修了した割合は88.4%(参考値)、修了者のうち1年以上遅れて修了した人は11.9%です(計算)。2は8項目のうち4つができている例で、結果が仮説と違った場合の説明を出します。3は国立の標準額で半年延びた場合で、追加の授業料は年額を按分した試算で267,900円です(計算)。4は提出日が2027年1月7日のサンプル日程で、初稿を渡す日は提出日の42日前に置いています(仮の日数)。
10. よくある質問
修士論文で不合格になる人の割合は?
修士論文の不合格率そのものを示す全国の統計は見当たりません。確かめられるのは修了の統計で、令和5年度入学者のうち令和7年3月までに2年で修了したのは88.4%です(別々の統計表から計算した参考値)。差の11.6ポイントには不合格のほか留年・休学・長期履修・中退などが入りえますが、それぞれの人数や割合として確定することはできず、同じ人に重なることもあります(2章)。
修論がゴミ・しょぼいと修了できませんか?
合否は、研究科が公表している評価基準にそって審査委員が決めます。今回見た基準は、目的・先行研究・方法・結論・研究倫理・口頭試問などを問うもので、研究の規模や成果の大きさで線を引いた文は見当たりませんでした(当てはめ)。自分の論文を基準の言葉と照らし、指導教員に足りない点を聞くのが確実です(4章)。
成果が出なかった(成果なし)ときはどうなりますか?
2つに分けて考えます。仮説が否定された場合は、目的に合った方法で確かめ、データが適切であれば、その結果も評価の対象になりえます(当てはめ)。判断に必要なデータそのものが得られなかった場合は、方法や結果の十分さを問う項目を満たさず、不合格になりうる状態です(当てはめ)。どちらも、提出の前に指導教員と相談してください。提出の可否を指導教員の予備審査で決める研究科もあります(4章・5章)。
修士論文に新規性は必要ですか?
研究科で違います。東京大学 薬科学専攻・京都大学 工学研究科などは修士の項目に新規性・独創性を入れ、大阪大学 工学研究科は博士の項目にだけ入れています。慶應義塾大学 経済学研究科は「新規性がある内容を有する、あるいは社会における問題解決に資する研究内容」としています。語が書かれていない研究科でも、独自の貢献が要らないとは限りません(4章)。
修士を卒業(修了)できないとどうなりますか?
修了しない人は、在学期間延長・休学・退学のどれかの手続きをとる、と定めている研究科があります(東京大学 教育学研究科)。在学期間を延ばす場合、次の修了の時期は研究科の学位授与の日程で決まり、9月や翌年3月とは限りません(東京科学大学は年4回)。授業料は、国立の標準額を按分した試算で半年267,900円・1年535,800円で(計算)、実際の請求額は大学の規程・免除・修了の時期で違います。日本学生支援機構の貸与奨学金は延期が確定すると原則「廃止」、成業の見込みがあれば「停止」もありますが、どちらも延びた期間の貸与の継続を保証しません。在学できる年数の上限(東京大学の修士は3年、京都大学・大阪大学は4年。休学期間を除く)にも注意してください(6章)。
修論が不合格だと内定は取り消されますか?
修士課程を修了できなかった場合の内定の扱いを直接書いた厚生労働省の資料は見当たりません。修了を前提にした内定では、厚生労働省のQ&Aの取消事由の例「ⅰ契約の前提となる条件や資格の要件を満たさないとき」に当たりうる、と読めます。ただし、成立した内定の取消しには客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が要り、会社が自由に決められるわけではありません(判例と厚生労働省の説明。当てはめ)。誓約書・内定通知書の取消事由を読み、延期が見えた時点で会社に入社時期を相談してください(7章)。
修士研究がしょぼいと就活で不利ですか?
修士の研究の大きさと採用の結果の関係を示す公的な統計は見当たりません。令和7年3月の修士課程の修了者のうち、就職者は78.2%です(学校基本調査。有期雇用を含む)。修了できるかどうかは内定の前提になりうるので、まず修了の見通しを立ててください(7章)。
修士論文の代わりになるものはありますか?
大学院設置基準16条は、修士論文の代わりに「特定の課題についての研究の成果」の審査を認めています。ただし、研究科・コースが学則などで用意している場合の方式で、学生が途中から自由に切り替えられる制度ではありません(当てはめ。3章)。
自分の研究科の修了率は調べられますか?
調べられます。大学院を置く大学は、研究科・専攻ごとに「入学した者のうち標準修業年限以内で修了した者の占める割合」と、学位論文の評価の基準を公表することになっています(学校教育法施行規則172条の2第3項)。大学の「教育情報の公表」のページを探してください(2章・3章)。
11. まとめ
- 修士論文の不合格率そのものの全国統計はない。令和5年度入学者76,844人のうち、令和7年3月までに2年で修了したのは67,946人・88.4%(別々の統計表から計算した参考値)。差の11.6ポイントを不合格・留年・休学・中退などに分けて確定することはできない
- 2年で修了した割合は人文科学78.5%・社会科学78.3%・保健77.4%、理学90.6%・工学93.9%(計算)。中退は令和7年度の1年間に4,333人で、令和7年4月1日の学生数の2.22%(修士・専門職)
- 修了の条件は、2年以上の在学・30単位以上・研究指導・修士論文(または特定の課題)の審査と試験の合格(大学院設置基準16条)。合格の水準は研究科が公表する評価基準で決まる
- 今回見た評価基準は目的・先行研究・方法・結論・倫理・口頭試問を問い、仮説どおりの結果を合格の条件にした文はない。仮説が否定された結果は評価の対象になりうるが、判断に必要なデータが得られないと不合格になりうる(当てはめ)。新規性・独創性の語を修士の項目に書くかは研究科で違う
- 修了が延びたときの授業料は、国立の標準額を按分した試算で半年267,900円・1年535,800円(計算。実際の額は大学の規程・免除・修了の時期で違う)。貸与奨学金は延期が確定すると原則「廃止」、成業の見込みがあれば「停止」で、延びた期間の貸与の継続は保証されない
- 修了できないことは内定の取消事由に当たりうるが、取消しには客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が要る(判例・厚生労働省の説明。当てはめ)。修士の修了延期を直接書いた厚生労働省の資料はない。誓約書・内定通知書の取消事由を読み、早めに会社へ相談
12. 出典
- e-Gov法令検索「大学院設置基準」(第3条・第14条の2・第16条・第16条の2)https://laws.e-gov.go.jp/law/349M50000080028
- e-Gov法令検索「学位規則」(第3条)https://laws.e-gov.go.jp/law/328M50000080009
- e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」(第172条の2)https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000080011
- e-Gov法令検索「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」(第2条・第10条)https://laws.e-gov.go.jp/law/416M60000080016
- 文部科学省「学校基本調査 令和7年度 表83 修士課程の専攻分野別 入学年度別 卒業者数」(政府統計の総合窓口 e-Stat)https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040393022
- 文部科学省「学校基本調査 令和7年度 表82 修士課程の状況別 卒業者数」(e-Stat)https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040393021
- 文部科学省「学校基本調査 令和5年度 表18 専攻分野別 大学院入学状況」(e-Stat)https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040128623
- 文部科学省「令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値について公表します」https://www.mext.go.jp/content/20251226-mxt_chousa01-000044291_01.pdf
- 文部科学省「令和7年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」https://www.mext.go.jp/content/20261016-mxt_gakushi01-000013028_1.pdf
- 東京大学「大学院学生の修了状況(入学年度別修了者の割合)」(令和8(2026)年3月31日現在)https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400265271.pdf
- 東京大学「東京大学大学院学則」https://www.u-tokyo.ac.jp/gen01/reiki_int/reiki_pdf/s28031701.pdf
- 東京大学「東京大学大学院薬学系研究科薬科学専攻における修士の学位論文に係る評価に当たっての基準」https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400137278.pdf
- 東京大学「東京大学大学院学際情報学府における「学位論文の評価の基準」について」https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400137283.pdf
- 東京大学大学院人文社会系研究科「学位論文評価基準」https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400137269.pdf
- 東京大学大学院人文社会系研究科「修士論文について」https://www.l.u-tokyo.ac.jp/student/9928.html
- 東京大学大学院教育学研究科「2026(令和8)年度修士学位論文等の提出について」https://www.p.u-tokyo.ac.jp/students/wp/wp-content/uploads/2026/10/shushironnbunn202610.pdf
- 京都大学「工学研究科 学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー(学位論文に係る評価に当たっての基準含む))」https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/education-campus/curriculum/graduate/daigakuin/diploma/kougaku
- 京都大学「文学研究科 学位授与の方針(学位論文に係る評価に当たっての基準含む)」https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/education-campus/curriculum/graduate/daigakuin/diploma/bungaku
- 京都大学「京都大学通則」https://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/kitei/reiki_honbun/w002RG00000001.html
- 東北大学「東北大学大学院工学研究科学位論文に係る評価に当たっての基準」https://www.eng.tohoku.ac.jp/media/files/pdf/edu/grad/pm_01.pdf
- 大阪大学「大学院工学研究科における学位論文に係る評価に当たっての基準について」https://www.osaka-u.ac.jp/ja/education/announcement/main/pdf/oxkcjn/@@download/file
- 大阪大学「大阪大学大学院学則」https://www.osaka-u.ac.jp/kitei/reiki_honbun/u035RG00000002.html
- 東京外国語大学 大学院総合国際学研究科「学位論文評価基準」https://www.tufs.ac.jp/education/pg/academic_degree/evaluation_criteria.html
- 早稲田大学大学院日本語教育研究科「修士論文・博士論文」https://www.waseda.jp/fire/gsjal/student/thesis/
- 早稲田大学 環境・エネルギー研究科「修士論文審査基準」https://www.waseda.jp/fsci/assets/uploads/2026/07/masterthesisgweee.pdf
- 慶應義塾大学大学院経済学研究科「学位論文の評価基準」https://www.students.keio.ac.jp/mt/class/registration/files/keiken_thesis_evaluation_criteria.pdf
- 慶應義塾大学 政策・メディア研究科「修士学位取得のプロセス」https://www.students.keio.ac.jp/sfc/gsmg/class/thesis-degree/master.html
- 慶應義塾大学 理工学研究科「修士論文」https://www.students.keio.ac.jp/yg/gsst/procedure/thesis/master.html
- 広島大学 先端物質科学研究科「修士の論文審査・最終試験実施の手引」https://www.hiroshima-u.ac.jp/system/files/39370/syuron_tebiki.pdf
- 神戸大学「大学院工学研究科博士課程前期課程 研究経過発表会実施要領」https://www.office.kobe-u.ac.jp/eng-ofc/kym/degree/mr_keikayouryo.pdf
- 東京科学大学 大学院の履修案内(学位論文の審査の申請時期)https://www.titech.ac.jp/guide/guide_2026/graduate/pdf/01-01.pdf
- 東京科学大学「授業料等の額及び納付方法」https://www.titech.ac.jp/enrolled/tuition/tuition.html
- 東京大学「授業料の納付時期・方法」https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/tuition-fees/h01_01.html
- 文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1412031_00006.htm
- 日本学生支援機構「適格認定」https://www.jasso.go.jp/shogakukin/saiyochu/taiyo/tekikaku_nintei.html
- 日本学生支援機構「奨学生の適格認定に関する施行細則」https://www.jasso.go.jp/about/disclosure/kitei/__icsFiles/afieldfile/2021/04/15/saisoku_16_12.pdf
- 日本学生支援機構 よくある質問「【在学採用】成績不振のため、現在留年中です。在学採用へ申し込むことはできますか。」https://www.jasso.go.jp/faq/shogakukin/moshikomi/zaigaku/houhou/1215989_2674.html
- 最高裁判所 第二小法廷 昭和54年7月20日判決(大日本印刷事件)https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-52138.pdf
- 厚生労働省「採用の内定・内々定について、取消や辞退する場合の注意点|Q&A|確かめよう労働条件」https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/koyou/q4.html
- 厚生労働省「新規学卒者の採用内定取消し等に係る事業所名公表の取扱いについて」(職業安定法施行規則17条の4・35条2項を引用)https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000863537.pdf
- 厚生労働省「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/000922209.pdf
- 厚生労働省「令和8年3月新卒者採用内定取消し等の状況を公表します」https://www.mhlw.go.jp/content/11804000/001742493.pdf
13. あわせて読む
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- 研究室に行きたくない・つらい|行かないと留年するか、休学・留年の学費、理由の切り分けと相談先(計算機つき)(研究室に行けないときの留年・休学)
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- 博士課程は人生終了?満期退学・単位取得退学とは、修了後の就職率と学位を取れる期限(計算機つき)(博士課程の修了・満期退学の割合)
- 研究室で「無能だ」と感じてつらい人へ|実験で失敗ばかり・自分だけ遅いのは能力か経験か。一人の反応で全部を決めない(計算機つき)(自分だけ遅い・無能だと感じるとき)
