メルカリのプロフィールの書き方を調べて来られた方に、先に結論を書きます。
プロフィールを書き直しても、売れ行きは変わりません。変わるのは手間のほうです。
これは「プロフィールは無意味だ」という話ではありません。効く場所が、多くの人が期待しているところとは違うという話です。私は自分のプロフィールを作り直してから、来る連絡の種類がはっきり変わりました。一方で、売れる速さが上がった実感はありません。この非対称が、この記事の中身のほぼ全部です。
実際に消えた連絡
抽象的に書いても伝わらないので、実物から書きます。プロフィールを作り直してから、次の種類のコメントがほぼ来なくなりました。
- 「マックスでいくらまで値段下がりますか?」
- 「こちらお値下げは可能でしょうか?」
- 「〇日まで取り置きしていただけませんか」
- 購入後に支払いが来ないまま止まる取引
減ったのはこの4つです。そして売れた件数は変わっていません。つまり消えたのは購入者ではなく、購入に至らない連絡だけでした。
「プロフィールを整えると売れる」と言われる理由
この説が広く出回っているのには、はっきりした構造上の理由があります。メルカリは、プロフィールが何回読まれたかを出品者に見せていません。
商品ページには閲覧数といいね数が出ます。しかしプロフィール欄には、それに当たる数字がありません。つまり「プロフィールを直したから売れた」を確かめる手段が、そもそも用意されていないということです。
検証できない主張は否定もされないので、そのまま残り続けます。「プロフィールを整えたら売上が伸びた」という体験談は、同じ時期に出品数を増やした、写真を撮り直した、値下げをした、季節が変わった——そのどれとも区別がついていません。
売れ行きは、プロフィールの手前で決まっている
購入者が見ている順序を並べると、位置関係が分かります。
- 1枚目の写真……検索結果の一覧に出るのはこれだけです。ここで開かれなければ、プロフィールまで到達しません
- 価格……同じ商品の他の出品と並べて比較されます
- 商品説明と写真の枚数……状態が判断できるかどうか
プロフィールが読まれるのは、この3つを通過した後です。順番として最後にあるものを直しても、その手前で落ちている分は拾えません。
売れない原因を探しているなら、先に出品から24時間のいいね数を見てください。反応が薄ければ原因は価格か写真で、プロフィールではありません。判定の基準と、そこからの値下げの進め方は「検討します」と言われた後にやることに書きました。
では、プロフィールは何のためにあるのか
プロフィールを読む人は限られています。買おうか迷っていて、この相手と取引して大丈夫かを確認したい人だけです。
そしてこの人たちは、書いてある内容によって二手に分かれます。条件が合う人はそのまま買い、条件が合わない人は、コメントを送る前に離脱します。
これがプロフィールの唯一の仕事です。値下げ交渉、取り置き依頼、支払いの先送り。これらは商品説明で牽制しても遅いのですが、プロフィールでは間に合います。読まれるタイミングが、買う気になる前だからです。
効いているのは「支払える人だけを残す」部分です
私が置いている条件のうち、いちばん効いたのは値下げに関する一文ではありませんでした。支払いの条件のほうです。
即日で支払える手段を持っている方に限る、という趣旨を明示しています。これを入れてから、取り置きの依頼と、購入後に支払いが止まる取引が両方消えました。
理屈は単純です。取り置きを求める人と、購入後に支払いが止まる人は、同じ層です。いま出せる手段を持っていない。だから買う時点を先に延ばそうとします。この条件を入口に置くと、その層は自分で降ります。
トラブルは、起きてから対処するより、起こす相手が入ってこない状態を作るほうが圧倒的に安く済みます。1件の未払い対応にかかる時間を考えれば、見込み客が数人減ることは損失になりません。
「発動できる宣言」と「発動できないルール」を分ける
ここが、テンプレートを選ぶときのいちばん重要な基準です。プロフィールに書く条件は、破られたときにこちらから実行できる措置があるかどうかで、性質がまったく変わります。
発動できるもの
ブロックは実際に使える機能です。だから「値下げ交渉には対応しておらず、いただいた場合はブロックさせていただくことがあります」という宣言は、宣言のとおりに実行できます。私はこれを書いていますし、実際に運用しています。そして書いてから、値下げ交渉そのものが来なくなりました。
実行できる宣言は、書いた側にコストを生みません。破られたら、書いたとおりにするだけです。
発動できないもの
一方、次のものは破られたときに何もできません。
- 「プロフ必読」……読んでいない相手が現れても、それを理由に取引をキャンセルすればペナルティを受けるのは出品者側です
- 「即購入禁止」「購入前にコメント必須」……メルカリは先に購入手続きをした人との取引が原則で、この順序は変えられません
- 「〇〇様専用」……専用出品はメルカリが用意した機能ではなく、横取りされても運営は介入しません。しかもその間、商品は他の人に売れなくなります
守ってもらえないルールを持つこと自体が、摩擦の原因になります。「プロフィールに書いてあります」「読んでいません」というやり取りそのものが、避けたかったはずの手間です。
私は逆に書いています。「購入前のコメントは不要です。そのままご購入ください」。ルールを1つ捨てると、そのルールをめぐる会話がまるごと消えます。
出回っている例文には、禁止行為が混ざっています
「メルカリ プロフィール 例文」で出てくるテンプレートには、規約違反にあたる表記がかなりの割合で含まれています。そのままコピーすると、面倒を減らすつもりで措置の対象になります。
「返品不可」「NCNR」「ノークレーム・ノーリターン」
これは禁止行為です。メルカリの公式ヘルプは、禁止されている行為として「商品に問題があっても返品に応じないという記載をすること」を挙げ、該当する表記として「返品不可」「ノークレーム(NC)」「ノーリターン(NR)」「ノーキャンセル(NC)」「3N」を名指ししています。
そして重要なのが、「記載箇所、投稿箇所にかかわらず」という一文です。商品説明だけでなく、プロフィール欄も対象に含まれます。「商品説明には書いていないから」は通りません。措置としては、取引キャンセル・商品削除・利用制限が挙げられています。
すり替え対策として書いている方が多いのですが、目的が正当でもこの手段は使えません。代わりに何を書くかは、NCNRの代わりにプロフィールへ書く文面にまとめました。禁止されない形で同じ機能を持たせる方法と、すり替え対策を記録で行うやり方を、そのまま使える文面で置いてあります。
評価は、50件を超えたら増やしても変わりません
プロフィール文より先に見られているのは、評価の件数と出品数です。ここは間違いありません。ただし「多いほど良い」ではありません。
私の実感では、評価が50件ほど貯まった時点で、それ以上増やしても取引の成立しやすさは変わらなくなります。そこから先は限界効用が止まります。数千件の評価を持っていても、50件の相手と比べて売れやすいわけではありません。
この分岐は、やることを2つに分けます。
- 評価が50件に届いていないなら……文章を練るより、件数を作るほうが早い。少額の取引でも構いません。ゼロの状態から抜ける方法はヤフオクで評価ゼロから抜ける手順に書いていますが、考え方はメルカリでも同じです
- 50件を超えているなら……評価を増やす施策に時間を使う意味はありません。フォロワー数も同様です。そこで手が空くぶんを、出品数と写真に回すほうが結果に近い
私はヤフオクで、相手への評価を一切していません。そしてそのスタンス自体をプロフィールに書いています。評価を配ることに実利がない水準に来ているからです。これも「一定を超えたら効かなくなる」の一例です。
書くのは4項目で足ります
足すより削るほうが効きます。長いプロフィールは読まれませんし、条件が多いほど発動できないルールが増えます。私が実際に置いているのは、次の4つの役割だけです。
① 支払いの条件
いちばん効く項目です。即日で支払える手段があることを前提にしている、と明示します。取り置きを承っていないことも、ここに含めます。これで「買う時点を先送りしたい層」が入口で降ります。
② 値下げに関する方針
対応しないなら、その旨と、交渉が来た場合にどうするかまで書きます。実行できる措置だけを書いてください。ブロックは実行できます。
③ 保管環境
喫煙の有無、ペットの有無、保管場所。写真に写らない項目です。書いていないと想像で埋められ、届いてから言われます。後出しで説明するより、先に潰すほうが安く済みます。
④ 納得できない場合の案内
「返品しません」ではなく、「少しでもご納得いただけない点がある場合は、ご購入をお控えください」。言っている内容は近いのに、前者は禁止行為で、後者は問題ありません。しかも機能としては後者のほうが上です。前者は買われた後に効かせようとする言葉ですが、後者は買われる前に効きます。
この4項目の具体的な文面は、プロフィールに書く文面集にそのまま使える形で置いてあります。
逆に、プロフィールを見る側として
買う立場で相手のプロフィールを見るときに、注意したほうがいい表記があります。
- 「返品不可」「NCNR」がある……いま禁止行為であることを知らないか、知っていて書いているかのどちらかです。トラブル時に話が通じにくい相手である可能性が高くなります
- 発動できないルールが多い……守れないルールを大量に持っている状態なので、そのルールをめぐる摩擦が起きやすくなります
- 出品数がゼロに近い……買い専門のアカウントです。相手が業者かどうかの判別にも使えます。詳しくは値下げ依頼を受けるかどうかの判断基準に書きました
よくある質問
プロフィールに「返品不可」と書いてもいいですか
だめです。メルカリ公式ヘルプは「記載箇所、投稿箇所にかかわらず」禁止としており、プロフィール欄も対象です。代わりに使える表現はこちらにまとめています。
プロフィールを書き直したら売れるようになりますか
売れ行きは変わりません。減るのは、値下げ交渉・取り置き依頼・支払いの停滞です。売れない原因を探しているなら、先に出品から24時間のいいね数を見てください。
「値下げ交渉はブロックします」と書いてもいいですか
ブロックは実際に使える機能なので、宣言したとおりに実行できます。ただし威圧的な文面にする必要はありません。「対応しておりません」と方針を書くだけでも、条件が合わない人は降ります。実行できる措置を書いているという事実のほうが効いています。
どのくらいの長さがいいですか
短いほうが機能します。長いプロフィールは読まれませんし、条件を増やすほど発動できないルールが増えます。上の4項目が入っていれば足ります。
フォロワーは増やしたほうがいいですか
評価が50件を超えているなら、フォロワーを増やす施策に時間を使う意味はありません。出品数を増やすほうが結果に近い場所です。フォロワーを増やす方法としてよく挙がるフォロー割は、私は数%引きで試してリピートがゼロでした(フォロー割の記事)。
ニックネームやアイコンは影響しますか
購入の判断材料としては、ほとんど効いていないと見ています。ただし「即購入OK」「24時間以内発送」のような条件をニックネームに入れるのは避けたほうが安全です。実際の運用が追いつかなくなったとき、名前だけが約束として残ります。
まとめ
- プロフィールを直しても売れ行きは変わらない。減るのは値下げ交渉・取り置き依頼・支払いの停滞
- 「プロフィールで売れる」が消えないのは、メルカリがプロフィールの閲覧数を出していないから。検証手段がないので否定もされない
- 売れ行きは写真・価格・商品説明で決まっている。プロフィールはその後に読まれる
- いちばん効いたのは値下げの一文ではなく支払いの条件。取り置きを求める層と未払いになる層は同じ層で、入口で降りる
- 書く条件は「発動できる宣言」だけにする。ブロックは実行できる。「プロフ必読」「即購入禁止」「専用出品」は実行できない
- 出回っている例文には禁止行為(返品不可・NCNR)が混ざっている。プロフィール欄も対象
- 評価は50件ほどで限界効用が止まる。そこから先は増やしても取引の成立しやすさは変わらない
- 書くのは4項目。支払いの条件/値下げの方針/保管環境/納得できない場合の案内
プロフィールを直そうとしている動機は、たいてい「売れないから」です。その動機に対しては、この欄は答えを持っていません。ただ、売れるようになってから効いてきます。取引が増えるほど、面倒な相手に当たる回数も増えるからです。売上を作る装置ではなく、増えた取引を捌けるようにするための装置だと考えてください。
Sources:メルカリ公式ヘルプ「商品に問題があっても返品に応じないという記載をすること」

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