ECサイト運営に向いてる人は、性格ではなく3つの数字で決まります|20年一人で回した側の判定

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ECサイト運営に向いている人かどうかは、性格では決まりません。3つの数字で決まります。売れない月の固定費と広告費を何か月払えるか、単調作業を自分でこなすか人に教えられるか、仕入れた在庫が全部は売れない前提で損切りできるか、の3つです。

私は20年、自宅で一人で物販を回してきました。STORES・BASE・WooCommerceで自分の店を持ち、Yahoo!ショッピングは2026年の有料化で解約しました。この記事は、その中で「辛い」と感じた工程を頻度順に3つ挙げ、自分の店の実測を置いたうえで、向いているかどうかを数字で判定する形にしています。ECで売れない理由そのものはShopifyで売れないのは店のせいではないに分けてあります。

結論:辛いのは作業ではなく、金だけが出ていく状態です

ECサイト運営で一番辛いのは、広告費だけが出ていく状態です。広告を打っても売れない。それでも止めると流入がゼロになるので止められない。作業が辛いのではなく、金が出ていくのに結果が返ってこない状態が辛い。ここに耐えられる月数が、向き不向きの一つ目の数字です。

二つ目は、最初の期間の単調作業です。商品登録、写真、説明文を、数をこなす。ここは誰がやっても単調です。三つ目は、その単調作業を人に任せるために教える工程です。マニュアルや動画を作ったことがない人がほとんどなので、ここで苦戦します。教え方が下手だと、外注費だけがかさんで成果物が使い物にならない、ということが起きます。私も、撮影と出品の反復を人に任せようとして人件費で逆ザヤになった経験があります(ブランド仕入れルートに書いています)。

辛さの順 工程 辛い理由 数字に直すと
1 広告費が出ていくのに売れない 止めると流入がゼロになるので止められない 売れない月の固定費+広告費を何か月払えるか
2 商品登録・写真・説明文の数 最初は数をこなすしかない 1品あたりの時間×必要な品数
3 単調作業を人に教える マニュアル・動画を作った経験がない 教える時間+使えなかった外注費

私の店の実測:50品・合計4時間で、期待値の上限に着きました

WooCommerceに移ったとき、何が売れるか、どう商品説明を書けば売れるかは、その前のヤフオクとSTORESで分かっていました。だから登録した商品は50個程度で足り、登録にかけた作業時間は合計で4時間くらいだったと記憶しています。

その店は、そこで取れる期待値の上限に達しました。買取や修理と組み合わせていなかったので、それ以上伸ばす手がなく、更新を止めました。単調作業が辛くて止めたのではありません。上限が見えたから止めました。

ここから言えるのは、2番目の辛さ(登録の数)は「何が売れるか分かっているか」で桁が変わる、ということです。分かっていれば50品で済み、分かっていなければ数百品を登録しても当たりません。登録の数を減らす方法は、登録を速くすることではなく、売れるものを先に知ることです。私の場合はヤフオクの落札履歴でした。

在庫を持つビジネスは、合理性だけで言えばNGです

ECというより物販全体の話ですが、私は在庫を持つビジネスは合理性だけで判断するならNGだと考えています。飲食店ほどひどくはありませんが、仕入れた商品が全部売れることはないからです。売れ残りは、見込み利益ではなく現金の損失です(在庫を簿価で見るか、時価で見るか)。

それでも専業でやるなら、私が到達した形態は、ジャンルを固定しない、手法を固定しない、オールジャンル・オールカントリーで輸入も輸出も国内も全部やり、さらに買取と修理まで持つ、というものです。ここまで持っていかないと、いまは専業として成立しないと考えています。

もう一つの道は、Amazonのようなプラットフォームで延々と回す方法です。これは常にライバルとの競争とアカウント停止のリスクを抱えた勝負になります。農業並みに博打の要素が大きい。しかも農業は天候に保険をかけられますが、Amazonはアカウント停止に保険をかけられません。

向いている人の判定:3つの数字を入れてください

性格診断ではなく、自分の数字で判定してください。手元資金、売れない月にも出る固定費と広告費、仕入れに使う額、売れ残ると見込む割合の4つです。売れ残りの割合は、自分のジャンルで過去に売れ残った比率があればそれを、なければ仮の数字を入れて結果の変化を見てください。

売れない月を何か月耐えられるかの計算機

手元資金(円)

売れない月にも出る固定費(円/月・出店料・ツール・ドメインなど)

月の広告費(円/月)

仕入れに使う額(円・初回)

売れ残ると見込む割合(%)

耐えられる月数が、上の表の1番目の辛さに耐えられる月数です。ここが数か月しかないなら、広告を打つ前に、記事で人を集める店にするか、固定費のかからない販路から始めるかを決めてください。売れ残りで消える現金が手元資金に対して大きいなら、ジャンルを固定しないか、在庫を持たない型に寄せるかの判断になります。

向いていない、と判定が出た人へ

向いていないのは能力の問題ではなく、いまのECがそういう場所になった、というだけです。優秀な人がどんどん入ってきていて、昔のように「お父さんの週末の気軽な副業」という場所ではなくなりました。しんどさ、大変さ、頭を使わないと無理だという現実を受け入れて、それでもやりたいと思えるかどうか。それが最後の判定です。

判定 次にやること 記事
耐えられる月数が短い 広告ではなく記事で人を集める店にする。固定費を先に落とす Shopifyで売れないのは店のせいではないYahoo!ショッピング有料化で解約した理由
売れ残りの損が大きい 在庫を持たない型で、何が売れるかを先に知る 無在庫転売は稼げないのかBASE・STORESで無在庫販売をやった実測
登録の数が辛い 売れるものを先に知る。登録を速くしても当たらない Shopifyで売れないのは店のせいではない
人に教えるのが辛い 教える前に、自分でやった工程を録画しておく。マニュアルは後から作れる ブランド仕入れルート(人を雇って逆ザヤになった実測)

よくある質問

ECサイト運営が辛いのは普通ですか

普通です。ただし辛さの中身は、作業ではなく、金が出ていくのに結果が返ってこない状態です。作業の辛さは、何が売れるか分かれば減ります。

副業でECは成立しますか

固定費と広告費をゼロに近づけ、売れるものを先に知ってから登録すれば、副業のサイズでも店は成立します。私のWooCommerceは50品・合計4時間で上限まで行きました。ただし、その上限は買取や修理と組み合わせないと超えられません。

Amazonで回すのとどちらが向いていますか

Amazonは競争とアカウント停止のリスクを常に抱える勝負で、農業と違って保険がかけられません。自分の店は流入を自分で作る必要がありますが、止められるリスクは自分で持てます。どちらが向いているかは、耐えられる月数と、止められたときに何が残るかで決めてください。

※本記事の実測(50品・合計4時間・上限で更新停止)は、私がWooCommerceで運営していた当時のものです。広告費・固定費・売れ残りの割合は、商材と販路で変わります。計算機に例の数字を置いていないのは、そのためです。

 

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