チャイナマートの評判|口コミより先に見る3つのこと

チャイナマート 中国輸入

チャイナマートの評判を調べるなら、口コミより先に見たほうがいいものが3つあります。料金表、取り扱いできない商品のページ、そして利用規約です。

この3つは、すべて同社が公開しています。そして読むと、口コミで言われていることの根拠がだいたい書いてあります。

この記事では、その3つを順番に読んで、最終的にいくら払うことになるのかを計算します。結論を先に書くと、同じサービスが、仕入れ目的か個人の買い物かで、評価が真逆になります。

1. 先に、この記事の前の版を取り下げます

1-1. 何を書いていたか

このURLには以前、チャイナマートの使い方を紹介する内容を載せていました。登録方法、注文の手順、料金の内訳、注意点という構成です。

1-2. 3つの指摘は当たっていました。ただし根拠を書いていませんでした

前の版には、デメリットとして次の3つが挙げてありました。

前の版の指摘 根拠は書いてあったか 今回の扱い
為替レートが高い 書いていません 5章・6章で数字にします
日本語への翻訳が不正確 書いていません 8章。同社が規約に明記しています
不良品への補償が薄い 書いていません 8章。同社がFAQに明記しています

指摘そのものは合っていました。問題は、読んだ人がそれを確かめられなかったことです。「レートが高い」と書かれても、何と比べて高いのかが書いていなければ、信じるか信じないかしかありません。

今回は、3つとも出どころを示します。3つとも同社の公開ページに書いてあります。

1-3. 当時使っていたはずですが、記録が残っていません

正直に書いておきます。前の版を書いた時点で、私はこのサービスを実際に検証していたはずです。そうでなければあの3つの指摘は出てきません。

ただし注文の記録も、そのときの請求額も、手元に残っていません。だからこの記事に、私の利用体験としての数字は出てきません。出てくるのは、同社の公開情報と、公的な公示値と、そこからの計算だけです。

1-4. この記事で答えること

問い どこで答えるか
自分は使うべきか 2章(目的で真逆になります)
評判は何を見て判断するのか 3章
手数料はいくらか 4章
手数料以外に何がかかるのか 5章(適用レート)
最終的にいくら払うのか 6章(実質でいくらか)
買えない商品はあるか 7章
不良品だったらどうなるか 8章
せどりの仕入れに使えるか 9章
個人で買うなら何と比べるのか 10章
この会社をどう評価するか 11章

2. 結論:目的によって、評価が真逆になります

2-1. 仕入れで検討しているなら、ここで引き返してください

せどりや物販の仕入れ先として検討しているなら、このサービスは向いていません。6章で計算しますが、この記事の前提では、商品代金に対する上乗せが3割から4割になります。

仕入れ原価が4割上がると、たいていの商材で利益が消えます。9章で数字にします。仕入れ先として代行会社を比べるなら、中国輸入代行の比較のほうを見てください。

2-2. 個人で1点買うなら、使う理由があります

一方、日本では買えない商品を1点だけ買いたい、という目的なら話が変わります。

同社は1点からの注文を受けています。FAQに「商品のご注文は1点でも可能です。ご注文の数量や料金にかかわらず、遠慮なくご依頼ください」と書かれています。日本語で検索でき、日本のクレジットカードか銀行振込で払えて、日本の住所に届きます。

この場合、上乗せの3〜4割は「自分では買えないものを買うための費用」になります。払う理由があるかどうかは、10章の比べ方で判定できます。

2-3. 分ける基準は1つだけです

その買い物で、上乗せ分を誰が負担するのか。

目的 上乗せを負担するのは 結果
仕入れ(転売) 自分。売値は市場が決めるので転嫁できません 利益が削られます
個人の買い物 自分。ただし、それが「買えるようになる」ことの対価です 他の手段と比べて判断できます

転売では、上乗せを買う人に転嫁できません。同じ商品を他の人も売っているので、売値は市場が決めます。だから上乗せは全部こちらの利益から出ます。

個人の買い物では、そもそも比べる相手が違います。「他の代行会社より高いか」ではなく、「その商品を手に入れる他の方法と比べてどうか」です。10章で並べます。

2-4. だから、この記事は2つに分かれています

読む人 先に見る章
仕入れに使えるか知りたい 6章 → 9章
個人で買いたい 6章 → 10章
使う前の確認事項を知りたい 7章・8章 → 12章

3. 評判を読むより、先に見るものが3つあります

3-1. 口コミでは決まりません

代行サービスの口コミは、「届いた」「対応が良かった」「遅かった」に集中します。どれも本当でしょうが、自分が使ったときにどうなるかは、そこからは分かりません。

届くかどうかは、頼む商品と出品者で変わります。対応の良し悪しは担当者で変わります。変わらないのは、料金の決まり方と、責任の分かれ目です。それは規約に書いてあります。

3-2. 見るのは3つです

確認すること どこに書いてあるか この記事の章
最終的にいくらになるか サービスのご案内(料金)+サイトのフッター(適用レート) 4章・5章・6章
欲しい商品を本当に買えるか 取り扱いできない商品 7章
トラブルのとき、誰が負担するか サービスのご案内(注意事項)+よくある質問 8章

3-3. この3つは、代行会社を選ぶときの共通項目です

チャイナマートに限った話ではありません。中国輸入代行の比較では、この3つを各社に当てはめる質問リストを作りました。この記事は、その質問リストを1社で最後まで回した実例です。

4. ① 最終的にいくらになるか:まず料金表

4-1. 2つのプランがあります

プラン 同社の説明
おまかせプラン 出品者との交渉・入札・支払・検品・発送まで代行。中国拠点で商品を集約し検品を行う。数量・色・サイズが注文通りでない場合や品質に著しい問題がある場合は、出品者と交渉し交換・返品の手続きをする
一括直送プラン 出品者との交渉・入札・支払を代行。出品者から提携するEMS代行業者へ直接送付し、EMS代行業者が一括梱包で届ける。弊社やEMS代行業者がお荷物を開封することはありません

おまかせプランには「電化製品の動作確認や専門的な知識を要する検品は対応できません」という注記があります。一括直送プランには「既に取引経験があり信頼できる出品者に対してのみご利用ください」と書かれています。

出典:CHINAMART「サービスのご案内」(2026年9月確認。以下、4章から8章の引用はすべて同社の公開ページです)

4-2. 代行手数料

出品者数 おまかせプラン 一括直送プラン
〜3人 商品代金の5%(最低500円) 商品代金の1%(最低100円)
※原則出品者5人まで
4人〜10人 商品代金の10%(最低1,000円)
11人〜 11%。1人増えるごとに1%加算(最低100円×出品者数)

ここに1つ、見落としやすい設計があります。手数料が出品者の数で決まります。同じ金額を買っても、1人の出品者からまとめて買うか、5人から少しずつ買うかで、5%と10%に分かれます。

4-3. 特別割引

会員ランク 5万円以上 10万円以上 20万円以上 30万円以上 40万円以上 50万円以上
通常会員 1% 2% 3% 4% 5% 6%
ブロンズ会員 1.5% 2.5% 3.5% 4.5% 5.5% 6.5%
シルバー会員 2% 3% 4% 5% 6% 7%
ゴールド会員 2.5% 3.5% 4.5% 5.5% 6.5% 7.5%
プラチナ会員 3% 4% 5% 6% 7% 8%

同社の説明では、この割引は「商品代金のご請求(1次請求)および送料のご請求(2次請求)に対して一律に適用されます」とあります。

4-4. 送料

項目 同社の説明
中国国内送料 出品者単位でかかり、10元〜20元程度が一般的。複数注文で無料になる場合もある。従量制の場合10kgは100元程度
国際送料 通常EMSを利用。「EMS業者と提携することによって通常の半額前後の料金で発送可能」。具体的な料金は同社サイトの送料計算機で確認できます

4-5. ここまでの情報では、判断できません

ここまでを読むと、「一括直送プランなら1%で使える」という結論になりそうです。実際、そう書いている紹介記事もあります。

しかし、この料金表には出てこない項目があります。元建ての支払いを円に換算するときのレートです。次の章で見ます。

5. 適用レートを、公示レートと並べます

5-1. 同社が毎日出している数字

チャイナマートのサイトの下部に、毎日この表示があります。

本日の適用レート 1元 = 29.85円 (2026年9月6日更新)

出典:CHINAMART サイト下部の表示(2026年9月6日確認)

この数字は、日によって変わります。大事なのは、同社がこれを毎日公開しているという点です。読む側は、注文の前にいつでも確認できます。

5-2. 税関の公示レート

比べる基準として、税関が公示している外国為替相場を使います。輸入申告の課税価格を換算するために、税関が毎週公示している公的な数字です。

適用期間 人民元(CNY)
2026年9月6日〜9月12日 23.68円

出典:税関「外国為替相場(課税価格の換算)

注意点を1つ。この公示値は「輸入申告の日の属する週の前々週の実勢外国為替相場の当該週間の平均値」です。つまりリアルタイムの相場ではなく、2週間前の平均です。

5-3. 他社が表示しているレート

もう1つの比較材料として、他の代行会社が公開している数字を並べます。

会社 表示されている適用レート 確認日
イーウーパスポート(GOLD会員) 22.00円(同社の比較表。前提としてTTS 21.20円と明記) 2026年9月
タオバオ新幹線 22.65円(基準21.65円+為替手数料1.0円と明記) 2026年8月31日
チャイナマート 29.85円 2026年9月6日

各社の数字の出典は14章にまとめます。確認日が揃っていないので、この表は厳密な同時点比較ではありません。

5-4. この差を、どう読むか

ここは慎重に書きます。

言えること 言えないこと
同社の表示レートは、同日の税関公示レートより6.17円高い(率にすると26.1%) 同社が26.1%を手数料として取っている、とは言えません
他社が公開している表示レートより高い水準にある 各社が実際にいくらで元を調達しているかは分かりません
この差は、支払う金額に確実に効きます 差の中身の内訳(送金コスト、決済コスト、為替の変動リスク、利益)は公開されていません

代行会社は、注文を受けてから実際に元を支払うまでの間、為替の変動を負担します。決済や送金にもコストがかかります。公示レートとの差は、それらを全部含んだ数字です。だから「差の全部が手数料だ」とは書けません。

同社の利用規約を確認しましたが、レートの決め方についての記載は見つけられませんでした。差がなぜこの幅なのかは、公開情報からは分かりません。

この記事で言えるのは1つだけです。この差を計算に入れないと、実際に払う金額が分かりません。次の章でやります。

5-5. 自分で確認する手順

順番 やること
1 同社サイトの下部で、その日の適用レートを見る
2 税関の外国為替相場のページで、その週の人民元の公示値を見る
3 引き算する
4 その差を、買う予定の元の金額に掛ける

4番で出た金額が、注文するたびに乗る額です。レートは毎日変わるので、この記事の29.85円をそのまま使わず、その日の数字で計算してください。

6. 実質でいくら払うことになるか

6-1. 式

中国輸入代行の比較で作った式を、そのまま使います。

実質料率 ={(商品代金+中国国内送料)×(適用レート − 公示レート)+ 代行手数料 − 割引 }÷(商品代金 × 公示レート)

6-2. 前提

前提
適用レート 29.85円(2026年9月6日の同社表示)
比較の基準 23.68円(同期間の税関公示値)
中国国内送料 出品者1人あたり15元(同社が示す10〜20元の中間)
国際送料 含めていません(重量で決まるため。含めると上乗せはさらに増えます)
関税・輸入消費税 含めていません(国に払うものなので、会社を変えても変わりません)

6-3. 3つのケースで計算します

ケース 個人が1点買う 複数から仕入れる 一括直送で仕入れる
プラン おまかせ おまかせ 一括直送
商品代金 200元 2,000元 2,000元
出品者数 1人 5人 3人
中国国内送料 15元 75元 45元
適用レートでの商品代金 5,970円 59,700円 59,700円
代行手数料 500円(最低額) 5,970円(10%) 597円(1%)
特別割引 −657円(通常会員1%) −603円(通常会員1%)
公示レートでの商品代金 4,736円 47,360円 47,360円
レート差による上乗せ 1,327円 12,803円 12,618円
上乗せの合計 1,827円 18,116円 12,612円
実質料率 38.6% 38.3% 26.6%

金額はすべて、上の前提から計算したものです。前提が変われば全部変わります。

6-4. 手数料1%のプランでも、下がりきりません

右の列を見てください。代行手数料が1%(597円)でも、実質料率は26.6%です。

上乗せの内訳(一括直送のケース) 金額 割合
代行手数料 597円 4.7%
レート差による上乗せ 12,618円 100.0%
特別割引 −603円 −4.8%
合計 12,612円 100%

割合は上乗せ合計に対するものです。手数料と割引がほぼ相殺して、残っているのはレート差だけという構造になっています。

つまり、このサービスでプランを選ぶとき、代行手数料の1%と5%と10%の差は、実質料率の上では大きくありません。金額を決めているのはレートのほうです。

7. ② 欲しい商品を、本当に買えるか

7-1. 買付できない商品が6項目、明示されています

項目 同社の説明
知的所有権を侵害している商品 ブランド品の偽物やCD・DVDの海賊版など
サイズの大きい商品、重量の重い商品 商品1つあたり、3辺合計が160cmを超えるもの、または30kgを超えるもの
ワシントン条約で規制されているもの 毛皮・敷物・皮革製品・象牙製品・はく製・標本・漢方薬などのうち、輸出入が禁止されているもの
医薬品・健康食品・ダイエット食品 日本国内の薬事法などにより厳しく安全性が求められているもの
政治/宗教/軍事に関する書籍・わいせつな商品 中国からの輸出が規制されているため
その他当社が不適切と判断した商品

出典:CHINAMART「取り扱いできない商品

7-2. サイズと重量の上限は、先に確認してください

3辺合計160cm、または30kgという上限があります。ただし注記に「複数の商品をご注文いただき、このサイズや重量を超える場合は、複数個口に分けて発送いたします」とあるので、制限がかかるのは1商品あたりです。

家具やまとまった量の衣類を考えている場合、ここで引っかかることがあります。

7-3. 医薬品・健康食品が外れているのは、こちらにとっても都合が良い

4番目の項目は、同社の都合というより日本の法令の話です。医薬品は販売業の許可がないと売れませんし、化粧品を輸入して売るには製造販売業の許可が要ります。

代行会社の側で先に弾いてくれるのは、知らずに注文して通関で止まるより良いと考えていいと思います。

7-4. 淘宝と天猫の違いを、同社が説明しています

FAQに、こう書かれています。

淘宝は審査なしで誰でも出品できるため、個人出品者が中心で商品種類が多いですが、その分品質の悪い商品なども含まれています。一方、天猫は審査を経た企業しか出品できないので、品質の悪い商品やコピー商品が含まれていることは基本的にありません。日本のサイトに例えるならば、淘宝はヤフオク、天猫は楽天市場に近いイメージです。

出典:CHINAMART「よくある質問

同社のサイトでは、検索時に「淘宝から検索」と「天猫から検索」を選べます。不良品のリスクを下げたいなら、天猫に絞るという選択肢があるということです。これは同社の説明から読み取れる、実務上の使い分けです。

7-5. 検索の癖

FAQに「日本語で検索する場合は、なるべく単語を略したりせず正式な名称で入力してください。中国語で直接入力するとより正確に検索することができます」とあります。

日本語検索は補助であって、精度は中国語入力に劣る、と同社自身が書いています。8-3の翻訳の話とつながります。

8. ③ トラブルのとき、誰が負担するか

8-1. 商品や出品者に対する保証はありません

サービスのご案内の注意事項に、こうあります。

当サービスは中国ECサイトの買付代行サービスです。商品や出品者に対する保証は一切できません。

ここが、このサービスの性質を決めています。売っているのは商品ではなく、買い付けの代行です。だから商品の責任は出品者側に残ります。

8-2. 検品の範囲は、外観目視と数量です

FAQ「商品が到着後、不良品があった場合はどうなりますか?」の回答です。

「おまかせプラン」でご注文頂いた商品は現地で検品していますが、外観目視と数量検品になります。機能面での問題や専門的な知識が無いと発見できない不良に関しては、弊社で責任を負いかねます。「一括直送プラン」でのご注文については弊社は買付・支払のみの代行となるため、商品の不良等については弊社で保証することは一切できません。

これを表にすると、こうなります。

不良の種類 おまかせプラン 一括直送プラン
数量が違う 検品でわかります 開封しないので、わかりません
色・サイズが違う 検品でわかります 同上
見て分かる外観の傷 検品でわかります 同上
動かない・機能しない 責任を負わないと明記 同上
専門知識が要る不良 同上 同上

電化製品を買うなら、ここは決定的です。動作確認はされません。サービスのご案内にも「電化製品の動作確認や専門的な知識を要する検品は対応できません」と別途書かれています。

8-3. 機械翻訳の正確性について、免責があります

当サイトで機械翻訳された日本語の正確性に関して、当サイトは一切の責任を負いません。お客様自身で販売元ページの原文を確認の上、ご注文いただくようお願いします。

前の版で「日本語への翻訳が不正確」と書いた根拠は、ここにあります。同社は日本語表示が機械翻訳であることと、その正確性に責任を負わないことを、明記しています。

実務としては、注文前に元の中国語ページを見る、ということになります。7-5の検索の話と合わせると、日本語だけで完結させるのは想定されていないと読めます。

8-4. 入金後のキャンセルはできません

ご入金後のキャンセルはお受けできません。中国内送料・国際送料は梱包後の総重量が分かり次第、改めて実費をご請求します。

ここも実務上は重要です。送料は後から請求されます。つまり入金の時点では、最終的な支払総額が確定していません。

支払いの回数 タイミング 確定しているもの
1回目 在庫確認後の見積もり時 商品代金と代行手数料
2回目 梱包後、総重量が分かってから 中国国内送料と国際送料
(3回目) 日本到着時 関税・輸入消費税(発生した場合)

1回目を払った時点で、キャンセルはできません。送料が想定より高くても、そこで降りることはできないという順序になっています。同社の送料計算機で事前に見積もっておくのが実務です。

8-5. 返品・交換は、出品者次第です

万が一不良品などあった場合、出品者に対し返品・交換の交渉をさせていただきますが、全ての出品者が必ずしも対応するわけではありません。出品者が交渉に応じない場合、弊社でも商品の返品・交換には対応できませんので予めご了承ください。

加えて「一括直送プランでの返品もしくは商品交換にかかる送料は原則ご依頼者負担になります」とあります。

8-6. 2021年の3つの指摘は、全部ここに書いてありました

前の版の指摘 根拠のありか
為替レートが高い サイト下部の適用レート表示(5章)
日本語への翻訳が不正確 サービスのご案内の注意事項3(8-3)
不良品への補償が薄い 注意事項1とFAQの不良品の項目(8-1・8-2・8-5)

口コミを集める必要はありませんでした。同社が最初から全部書いています。評判を調べる時間があるなら、この3ページを読んだほうが早いです。

9. せどりの仕入れに使うとどうなるか

9-1. 仕入れ原価が3〜4割上がる意味

6章の計算では、実質料率が26.6%から38.6%でした。ここに国際送料が乗ります。

売価3,000円の商品を、原価1,000円で仕入れる想定 実質料率0% 実質料率26.6% 実質料率38.3%
仕入れ原価 1,000円 1,266円 1,383円
販売手数料(10%) −300円 −300円 −300円
送料(国内) −500円 −500円 −500円
残り 1,200円 934円 817円
売価に対する率 40.0% 31.1% 27.2%

この表の前提は、売価3,000円・原価1,000円・販売手数料10%・国内送料500円です。国際送料と関税は入れていません。

「残り」が1,200円から817円になります。383円、率にして31.9%が消えます。そしてこれは、まだ国際送料を引く前です。

9-2. 関税の扱いも変わります

同社のFAQに、こう書かれています。

日本へ個人輸入する場合、一部商品を除き、商品価格+送料の合計が16,666円以上で課税対象になります。

この16,666円という数字は、個人輸入の課税価格の計算方法から出ています。税関の説明では、個人が自身の個人的使用の目的で輸入する貨物の課税価格は海外小売価格に0.6を掛けた金額とされ、課税価格1万円以下は原則として関税と消費税が免除されます。1万円 ÷ 0.6 で16,666円です。

ここが分かれ目です。

個人が自分で使う場合 売る目的で買う場合
課税価格 海外小売価格 × 0.6 0.6は掛かりません(商品価格+運賃+保険料)
2,000元(公示レート換算47,360円)の場合 28,416円 47,360円+運賃

出典:税関「少額輸入貨物の簡易税率

FAQの16,666円は、個人利用の話です。仕入れ目的なら当てはまりません。同社のFAQが間違っているのではなく、このサービスが個人利用を前提に説明を書いているということです。

9-3. では、仕入れには何を使うか

やりたいこと 見るところ
代行会社を実質料率で比べたい 中国輸入代行の比較
そもそも中国輸入で利益が出るのか知りたい 中国輸入は儲からない?
OEMを検討している 中国OEMはオワコンか

誤解のないように書いておくと、これはこのサービスの出来が悪いという話ではありません。4章で見たとおり、1点から受け付け、検品して、日本語で対応する設計になっています。それを小口でやるための料金体系が、まとまった量の仕入れと合わないというだけです。

10. 個人で買うなら、比べる相手が違います

10-1. 比較相手は、他の代行会社ではありません

ここが、この記事で一番言いたいところです。

個人が欲しい商品を1点買うとき、「どの代行会社が一番安いか」は、実はあまり重要ではありません。重要なのは「その商品を手に入れる方法が他にあるか、あるならいくらか」です。

10-2. 選択肢を並べます

方法 手に入るか 払うもの 向いている人
日本の店・ECで買う 売っていれば 日本の販売価格 日本で流通している商品を買う人
フリマ・オークションで買う 出ていれば 出品者のつけた価格 待てる人、相場を見られる人
中国の販売事業者から直接買う その事業者が日本に売っていれば その事業者の価格と送料 取り扱いがある商品を買う人
淘宝などを自分で使う 買える。ただし決済と発送先の壁がある 商品代+自分の手間 中国語ができて、決済手段がある人
代行を使う 買える 商品代+上乗せ(6章) 上の4つで手に入らない商品を買う人

この表の順番で、上から確認していきます。代行が選択肢になるのは、上の4つで手に入らないときだけです。

10-3. 損益分岐の出し方

難しい計算は要りません。

順番 やること
1 欲しい商品の、淘宝などでの価格(元)を確認する
2 5-5の手順で、その日のレート差を出す
3 6-1の式で、実質でいくらになるかを出す
4 同じ商品を、日本で買うといくらかを調べる(10-2の上から4つ)
5 3と4を比べる
4の結果 判定
日本でも普通に売っている 代行を使う理由が薄いです。送料と待ち時間の分だけ不利になります
日本では売っているが、明らかに高い 3と4の差を比べて決めます。差が上乗せより大きければ、代行のほうが安くなります
日本では手に入らない 比較する相手がありません。上乗せは「買えるようになる」ことの費用です

10-4. 成立しやすい買い物、しにくい買い物

成立しやすい 成立しにくい
日本での流通 ない、または極端に少ない 普通に売っている
単価 ある程度高い(最低手数料500円が相対的に小さくなる) 数百円(最低手数料が重くのしかかる)
重量・サイズ 軽くて小さい(国際送料が抑えられる) 重い、かさばる
不良の判定 見て分かる(8-2の検品範囲に収まる) 動かして確かめる必要がある
急ぎか 待てる(7〜14日が目安と同社は説明) すぐ要る

納期について、FAQには「商品ご注文後、在庫確認やご入金などがスムーズに進めば、平均7〜14日ほど」と書かれています。

10-5. 最低手数料500円が、小口では効きます

おまかせプランの手数料は「商品代金の5%(最低500円)」です。5%が500円を超えるのは、商品代金が1万円のときです。

商品代金(適用レート換算) 5%の額 実際にかかる手数料 商品代金に対する率
3,000円 150円 500円 16.7%
5,000円 250円 500円 10.0%
10,000円 500円 500円 5.0%
20,000円 1,000円 1,000円 5.0%

3,000円の商品を1点だけ買うと、手数料の実効率は16.7%になります。1点で頼むより、欲しいものをまとめて1回で頼むほうが有利です。ただし出品者の数が4人以上になると手数料率が5%から10%に上がるので、同じ出品者からまとめるのが一番効きます(4-2)。

11. この会社を、どう評価するか

11-1. 毎日レートを出しています

前回の記事で、代行会社を評価する基準を1つ置きました。使う前に、いくら払うことになるかが分かるかどうかです。

その基準に照らすと、この会社は次のようになります。

確認項目 チャイナマート
代行手数料が公開されているか 公開されています(プラン別・出品者数別)
割引の条件が公開されているか 公開されています(金額別・会員ランク別)
適用レートが公開されているか 毎日、サイト下部に表示されています
送料が事前に分かるか 送料計算機が公開されています
買えない商品が公開されているか 6項目が明示されています
責任の分かれ目が公開されているか 規約とFAQに明記されています

前回の比較記事で確認した会社のうち、適用レートの記載を見つけられなかった会社が複数ありました。その基準で見ると、この会社は測れる会社です。

11-2. 「高い」と「測れない」は別のことです

使う前に金額が分かるか 判断
レートを毎日公開している 分かります 高いか安いかを、こちらが判断できます
レートを公開していない 分かりません 1回使ってみるまで判断できません

私は後者のほうを問題だと考えています。金額が高いことは、事前に分かるなら選択の問題です。分からないと、選択そのものができません。

11-3. 免責が書いてあることも、同じ意味で評価できます

8章で見たとおり、この会社は「保証しません」「責任を負いません」を規約とFAQにはっきり書いています。

読むと不安になる書き方ですが、書いていない会社より、書いてある会社のほうが判断できます。後から「そんな話は聞いていない」となるより、先に読めるほうが良いはずです。

11-4. まとめると

評価 内容
料金の水準 この記事の前提での計算では、実質料率は26.6%から38.6%。他社の公開値と比べると高い水準です
情報の開示 料金・レート・買えない商品・責任範囲が、すべて公開されています
設計の性格 1点から受け付け、検品し、日本語で対応する。小口の個人向けです
向いている用途 日本で手に入らない商品を、個人が少量買う
向いていない用途 まとまった量の仕入れ。動作確認が必要な商品

12. 使う前にやる3ステップ

12-1. 手順

やること 参照
1 その日の適用レートと税関の公示値を引き算して、レート差を出す 5-5
2 商品代金・出品者数・プランを決めて、実質でいくらかを出す 6-1
3 同じ商品を日本で買う場合と比べる 10-3

12-2. 注文前のチェックリスト

確認 理由
買付できない6項目に当てはまらないか 7-1
3辺合計160cm・30kgを超えていないか 7-2
動作確認が必要な商品ではないか 8-2。動くかどうかは検品されません
元の中国語ページを見たか 8-3。日本語表示は機械翻訳で、正確性の免責があります
送料計算機で、送料の目安を出したか 8-4。送料は後から請求され、入金後はキャンセルできません
出品者をまとめられないか 4-2。出品者が4人以上になると手数料率が上がります
天猫に絞る選択肢はないか 7-4。不良品のリスクが下がります

12-3. 判定表

あなたの状況 判定
日本で手に入らない商品を、個人で1点欲しい 使う理由があります
中国語ができて、決済手段も持っている 自分で買ったほうが安くなります
日本でも普通に売っている商品が欲しい 日本で買ったほうが早くて安いです
動作確認が必要な商品が欲しい 検品の範囲外です。壊れていても戻せない前提で判断してください
せどりの仕入れに使いたい 実質料率が合いません。9章
まとまった量を継続して仕入れたい 小口向けの設計です。代行の比較

13. 中国の商品を買う経路を、並べておきます

13-1. 5つの経路

経路 向いている目的 払うもの 詰まりやすいところ
チャイナマートなどの買付代行 個人が1点、日本にないものを買う 商品代+実質26〜39%(この記事の前提) 動作確認が必要な商品。まとまった量
中国の販売事業者から直接買う その事業者が日本向けに売っている商品 表示価格+送料 取り扱いのある商品しか買えません
淘宝などを自分で使う 中国語と決済手段がある人 商品代+自分の手間 決済と、日本への発送
仕入れ向けの代行会社 まとまった量の仕入れ、OEM 会社ごとに違います 実質料率が公開されているとは限りません
日本の店・フリマで買う 日本で流通している商品 日本の販売価格 流通していないものは手に入りません

13-2. 順番に確認します

順番 確認 該当したら
1 日本で買えるか 日本で買ってください
2 中国の事業者が日本向けに売っているか そちらで買ってください
3 自分で淘宝を使えるか 自分で買ったほうが安くなります
4 1〜3で手に入らないか 代行を検討します
5 仕入れ目的か 小口向けではなく、仕入れ向けの会社を比べてください

14. 分かったことと、分かっていないこと

14-1. 分かったこと

問い 答え
評判は何を見て判断するか 口コミではなく、料金表・取り扱いできない商品・規約の3つです。3つとも同社が公開しています
手数料はいくらか おまかせプランで出品者3人までは商品代金の5%(最低500円)、4〜10人で10%。一括直送プランは1%(最低100円)
手数料以外に何がかかるか 元を円に換算するときのレートです。2026年9月6日の同社表示は1元29.85円で、同日の税関公示値23.68円との差は6.17円でした
最終的にいくら払うか この記事の前提での計算では、商品代金に対して26.6%から38.6%の上乗せです(国際送料を除く)
手数料1%のプランなら安いか 実質料率は26.6%でした。手数料と割引がほぼ相殺し、残るのはレート差です
不良品だったらどうなるか 検品は外観目視と数量のみ。動作確認はされません。返品交渉は出品者が応じなければ成立しません
せどりの仕入れに使えるか この前提では、売価3,000円・原価1,000円の商品で残りが1,200円から817円に減ります(31.9%減、国際送料を引く前)
個人で買うなら 比べる相手は他の代行会社ではなく、その商品を手に入れる他の方法です。日本で手に入らないなら、比較相手がありません
この会社をどう評価するか 料金の水準は高い部類ですが、料金もレートも責任範囲も公開されています。「高い」と「測れない」は別のことです

14-2. 分かっていないこと

分かっていないこと なぜ分からないか
私が実際に注文したときの請求額 1-3のとおり、前の版を書いた時点で検証していたはずですが、記録が残っていません。この記事に私の利用体験としての数字はありません
適用レートと公示レートの差の内訳 同社は差の内訳を公開していません。利用規約にもレートの決め方の記載を見つけられませんでした。送金コスト・決済コスト・為替の変動リスク・利益のどれがいくらかは分かりません
各社の実際の為替調達コスト どの会社についても分かりません。だから5-4で「差の全部が手数料だ」とは書いていません
他社との厳密な同時点比較 5-3の各社の確認日が揃っていません。同じ日の同じ商品で見積もりを取らないと、正確な比較にはなりません
実際の対応の速さや担当者の質 公開情報からは分かりません。ここは使った人の情報を探してください
国際送料を含めた実質料率 重量で決まるため、6章の計算には含めていません。含めると上乗せは増えます
おまかせプランの検品が、実際にどの程度か 「外観目視と数量検品」と書かれていますが、その運用の実態は分かりません

14-3. この記事の数字の性質

種類 該当するもの
同社が公開している数字と文言 代行手数料、特別割引、送料の目安、適用レート、買付できない商品、検品の範囲、免責の記載、納期の目安。すべて出典と確認日を示しています
公的な公示値 税関の外国為替相場、個人輸入の課税価格の計算方法
私が計算したもの レート差、実質料率、手数料の実効率、粗利の変化。前提は各章の表に書いてあります
私の判断軸 実質料率で比べること、「高い」と「測れない」を分けること、個人と仕入れで比較相手が変わること
私がやっていないこと この記事のための実際の注文

料金とレートは変わります。この記事の数字は2026年9月時点で公開ページを確認したものです。実際に注文するときは、そのときの表示値で計算し直してください。計算の手順は5-5と6-1に置いてあります。

14-4. 出典

内容 出典
2つのプラン、代行手数料、特別割引、送料の目安、注意事項(保証・機械翻訳の免責・入金後のキャンセル・返品送料) CHINAMART「サービスのご案内
買付できない6項目、サイズ・重量の上限 CHINAMART「取り扱いできない商品
納期の目安、支払方法、関税の説明、不良品の扱い、1点からの注文、返品交換、淘宝と天猫の違い、検索の方法 CHINAMART「よくある質問
適用レート(1元=29.85円/2026年9月6日) CHINAMART サイト下部の表示
人民元の公示為替相場(23.68円/2026年9月6日〜12日適用) 税関「外国為替相場(課税価格の換算)
個人輸入の課税価格(海外小売価格×0.6)、課税価格1万円以下の免税 税関「少額輸入貨物の簡易税率
他社の表示レート(イーウーパスポート22.00円/タオバオ新幹線22.65円) イーウーパスポート「私達について」、タオバオ新幹線「手数料について

同社の公開ページはいずれも2026年9月に確認したものです。引用は原文のままです。

14-5. 関連する記事

知りたいこと 記事
代行会社を実質料率で比べる方法 中国輸入代行を比較
そもそも中国輸入で利益が出るのか 中国輸入は儲からない?
OEMという型の損益 中国OEMはオワコンか
個人での輸入と事業での輸入の違い 個人貿易商の年収
利益率と回転率のどちらを見るか せどりの利益率と回転率
独占日数という考え方 トップセラーで儲からない理由

 

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