解雇・雇い止めされたら?解雇予告手当の計算、不当解雇かのチェック、解雇理由証明書、失業保険(計算機つき)

解雇・雇い止め 予告手当と失業保険 生き方・キャリア

「解雇」「解雇予告手当」「雇い止め」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。

解雇は、会社が一方的に労働契約を終わらせることで、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められなければ無効です(労働契約法16条)。有効か無効かを最後に決めるのは裁判所です。会社は解雇の少なくとも30日前に予告するか、足りない日数分の平均賃金(解雇予告手当)を払う決まりで(労働基準法20条)、予告した日は数えないので、9月30日付けの解雇なら遅くとも8月31日に告げる必要があります。平均賃金は、解雇を告げた日の直前の賃金締切日から3か月の賃金の合計を、その期間の暦日数で割った額で、月給30万円・月末締めの人が10月23日に即時解雇を告げられたなら、9,782円60銭×30日=293,478円です。業務上のけがの療養中や産前産後の休業中とその後30日は解雇できず、育児休業の申出や労働基準監督署への申告などを理由とする解雇は法律で禁じられています。解雇の理由は、請求すれば会社が証明書を出す決まりです(22条)。雇い止め(有期契約を更新しないこと)は、反復して更新されてきた、または更新を期待する合理的な理由がある場合、合理的な理由がなければ認められず、それまでと同じ条件で更新したとみなされます(19条)。ただし、本人が満了までに更新を申し込むか、満了後遅滞なく締結を申し込む(雇止めに反対の意思を会社に伝える)ことが前提です。3回以上更新した人などには満了日の30日前までの予告が求められますが(あらかじめ更新しないと明示した契約は除く)、これは解雇予告手当とは別の決まりで、予告が遅れても予告手当が当然に払われるわけではありません。失業保険では、解雇(自分の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)は会社都合の区分(特定受給資格者)で給付制限がなく、重大な理由による解雇(重責解雇)は給付制限が3か月です。告げられた日と賃金から、解雇予告手当、争える点、証明書の請求の文面と日程、失業保険を出す計算機を10章に置きました。

知りたいこと 答え 章
解雇とは・種類 会社による一方的な契約の解約。普通解雇・整理解雇・懲戒解雇の3つ。退職勧奨は応じなければ契約は続く 2章
解雇できない場合 業務上の傷病の療養中・産前産後とその後30日。育児休業・申告・公益通報などを理由とする解雇の禁止 3章
解雇予告・予告手当 30日前に予告か、足りない日数×平均賃金。予告した日は数えない。試用期間で14日以内などは不要 4章
解雇通知書・解雇理由証明書 口頭でも有効だが書面が望ましい。理由は請求すれば会社が証明書を出す(退職から2年) 5章
雇い止め 反復更新・更新の期待がある契約は、本人が更新を申し込めば(反対の意思を伝えればよい)、合理的な理由がなければ更新したとみなされる。3回以上更新か1年を超えて働いた人には30日前の予告(更新しないと明示した契約を除く。予告手当の決まりではない) 6章
失業保険 解雇は会社都合(特定受給資格者)で給付制限なし。重責解雇は3か月。雇止めは更新の回数・年数・約束で区分が変わる。65歳以上は高年齢求職者給付金 7章
相談先 総合労働相談コーナー(無料・予約不要)、助言・指導、あっせん、労働審判、訴訟 8章
自分の場合 予告手当・争える点・証明書の請求の文面と日程・失業保険を計算 10章

1. 先に、この記事の数字について

この記事の決まりと数字は、労働契約法・労働基準法・男女雇用機会均等法・育児介護休業法・労働組合法・公益通報者保護法・雇用保険法などの条文(e-Gov法令検索、2026年10月23日時点の現行版)と、厚生労働省・各労働局・ハローワーク・裁判所・東京都の資料、最高裁の判例から取っています。解雇や雇い止めが有効か無効かは、個別の事情を見て最終的には裁判所が判断するので、この記事と計算機は、決まりと計算と、争点になりうる事情を示すところまでにしています。失業保険の区分を最後に決めるのはハローワークです。

2. 解雇とは:3つの種類と、退職勧奨との違い

2-1. 解雇は「会社による一方的な解約」

解雇は、労働者の意思と関係なく、会社が一方的に労働契約を終わらせることです。どの種類の解雇でも、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められなければ、権利の濫用として無効になります(労働契約法16条)。有期契約(契約社員・パートなどで期間が決まっている契約)の期間の途中で解雇するには、さらに「やむを得ない事由」が要り、厚生労働省の施行通達は、これは16条の場合より狭く、立証の責任は会社が負うとしています(17条)。

2-2. 普通解雇・整理解雇・懲戒解雇

種類 どんな解雇か(厚生労働省・東京労働局の説明) 判断のポイント
普通解雇 労働契約を続けるのが難しい事情がある場合の解雇。例:勤務成績が著しく悪く改善の見込みがない、健康上の理由で長く職場に戻れない、著しく協調性を欠く 労働契約法16条(合理的な理由・社会通念上の相当性)
整理解雇 経営の悪化で人員整理をするための解雇 (1)人員削減の必要性(2)解雇を避ける努力(配置転換・希望退職の募集など)(3)対象者を選ぶ基準の合理性(4)労働者への説明・協議、の4つの事項
懲戒解雇 重大・悪質な服務規律違反を理由とする、懲戒処分としての解雇 就業規則に懲戒の種別と事由が定められ、周知されていること(フジ興産事件・最高裁)。懲戒が合理的な理由を欠き相当でなければ無効(労働契約法15条)

整理解雇の4つの事項は、以前は1つでも欠ければ無効とする「4要件」の考え方が有力でしたが、厚生労働省のスタートアップ労働条件は、近年は4つを考慮すべき視点とする「4要素」の考え方が有力だとしています。労働局の資料には「4要件すべてを満たす必要がある」と書いた古いページも残っているので、この記事では「4つの事項を総合的に見て判断される」と書いています。懲戒解雇でも、労働基準監督署長の除外認定を受けなければ、30日前の予告か予告手当が要ります(4章)。

2-3. 退職勧奨は「辞めてほしい」というお願い

退職勧奨は、会社が「辞めてほしい」と働きかけることで、応じるかどうかは労働者の自由です。応じなければ労働契約は続き、応じて辞めた場合は合意による退職になります。厚生労働省は、退職勧奨に応じた退職は自己都合による退職にはならないとし、自由な意思決定を妨げる勧奨は違法な権利侵害になる場合があるとしています。口頭でのやりとりでは解雇との区別があいまいになりやすい(東京都)ので、「解雇なのか、退職のお願いなのか」を確かめます。勧奨に応じるかの考え方は退職勧奨の記事に書いています。

3. 解雇できない場合

次の期間と理由による解雇は、法律で禁じられています。

期間・理由 決まり
業務上のけが・病気で療養のため休業する期間とその後30日 解雇できない(労働基準法19条。療養開始から3年たって打切補償を払う場合、天災などで事業が続けられず労働基準監督署長の認定を受けた場合を除く)。療養開始から3年たった日に労災保険の傷病補償年金を受けている(その後受けることになった)場合は、打切補償を払ったものとみなされる(労災保険法19条)。私傷病(業務外)の休業は対象外
産前産後の休業期間とその後30日 解雇できない(同19条)
妊娠中・出産後1年以内 解雇は無効。ただし会社が、妊娠・出産などを理由とする解雇でないことを証明したときを除く(男女雇用機会均等法9条4項)
結婚(女性労働者)、性別 結婚を理由とする解雇の禁止(同9条2項)、性別による解雇の差別の禁止(同6条4号)
育児休業・介護休業の申出や取得 解雇その他の不利益な取扱いの禁止(育児介護休業法10条・16条)
労働基準監督署への申告 申告を理由とする解雇の禁止(労働基準法104条2項)
労働組合の組合員であること・組合の活動 不当労働行為として禁止(労働組合法7条)
公益通報 解雇は無効(公益通報者保護法3条)
国籍・信条・社会的身分 差別的取扱いの禁止(労働基準法3条)
待遇差の説明を求めたこと(パート・有期) 解雇その他の不利益な取扱いの禁止(パートタイム・有期雇用労働法14条3項)
個別労働紛争解決制度の利用 不利益な取扱いの禁止(厚生労働省の説明)

厚生労働省の「確かめよう労働条件」は、パワハラの相談を理由とする解雇の禁止も挙げています。なお、上の期間や理由に当たらない解雇でも、解雇が認められるかは別に、合理的な理由と社会通念上の相当性があるか(労働契約法16条)で判断されます。

4. 解雇予告と解雇予告手当

4-1. 30日前の予告か、足りない日数分の手当

会社は解雇の少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金を払う決まりです。予告の日数は、1日分の平均賃金を払うごとに短くできます(労働基準法20条)。たとえば20日前に予告したなら、足りない10日分を払います。予告した日は数えず、翌日から休日も含めた暦日で数えるので、厚生労働省の例では、9月30日の終了をもって解雇する場合は遅くとも8月31日に予告します。予告は解雇の日を特定して行うもので、「30日以上たったら」のような不確定な予告は認められません(厚生労働省 労働法の基礎講座)。予告の期間中に働いた日や有給の日の賃金は払われます。

4-2. 予告が要らない人と、除外認定

予告が要らない人(労働基準法21条) 予告が要るようになる場合
日々雇い入れられる人 1か月を超えて続けて使われた
2か月以内の期間を定めて使われる人 その期間を超えて続けて使われた
季節的な仕事に4か月以内の期間を定めて使われる人 その期間を超えて続けて使われた
試用期間中の人 14日を超えて続けて使われた

天災などで事業が続けられない場合や、労働者の責めに帰すべき事由による解雇は、労働基準監督署長の認定(除外認定)を受ければ予告も手当も要りません。認定は監督署長が、地位・職責・勤務年数・勤務状況などを総合的に見て判断し、労働局の資料は、事業場内の盗取・横領・傷害などの刑法犯、採用の条件になる経歴の詐称、正当な理由なく2週間以上の無断欠勤で出勤の督促に応じないこと、などを例に挙げています。認定は、解雇が民事上有効かどうかには影響しません(岩手労働局)。

4-3. 平均賃金の計算

平均賃金は、解雇を告げた日(解雇の日ではありません)の直前の賃金締切日から3か月の賃金の合計を、その期間の暦日数で割った額です(労働基準法12条、千葉・宮城労働局)。残業代・通勤手当・家族手当などは含め、税や社会保険料を引く前の額で数えます。賞与など3か月を超える期間ごとの賃金や、結婚手当・見舞金などの臨時の賃金は入れません。業務上の傷病の休業・産前産後の休業・会社の責めによる休業・育児介護休業・試用期間があれば、その日数と賃金を除きます。入社から3か月たっていなければ、入社してからの期間で数えます(12条6項)。この場合も締切日があれば直前の締切日から数えますが、入社日から直前の締切日までが1賃金締切期間に満たないときは、告げた日の前日までの期間で計算すると千葉労働局の資料は説明しています。入社日と締切日の組み合わせで計算が変わるので、入社3か月未満の人は労働基準監督署で確かめてください。日給・時給・出来高の部分は、その賃金を労働日数で割った額の60%が最低保障です(12条1項1号)。月給など決まった額の部分と日給・時給の部分が混ざっているときは、決まった額の部分の合計を期間の暦日数で割った額に、日給・時給の部分の60%の額を足したものが最低保障です(同2号)。どちらも原則の額と比べて高いほうを使います。平均賃金は銭未満を切り捨て、払う手当は円未満を四捨五入します。

10月中に告げられた、毎月同じ月給の人(月末締め)なら、直前の3か月は7月1日〜9月30日の92日で、手当の額は次のとおりです(計算)。

月給(毎月同じ額、月末締め) 平均賃金(7〜9月の92日で割る) 即時解雇(30日分) 20日前に予告(10日分) 10日前に予告(20日分)
20万円 6,521円73銭 195,652円 65,217円 130,435円
25万円 8,152円17銭 244,565円 81,522円 163,043円
30万円 9,782円60銭 293,478円 97,826円 195,652円
40万円 13,043円47銭 391,304円 130,435円 260,869円
50万円 16,304円34銭 489,130円 163,043円 326,087円

月給÷30(30万円なら1万円)×30日にはならず、31日の月が入る期間では月給1か月分より少し少なくなります。時給1,200円で1日5時間、3か月(92日)に36日働いて21万6,000円の人なら、原則の額は2,347円82銭ですが、最低保障が216,000円÷36日×60%=3,600円なので、3,600円×30日=108,000円です(計算)。宮城労働局の例(休業手当の計算)では、89日に41日働き、日給の基本給348,500円と月額の通勤手当18,000円を受けた人の原則の額は366,500円÷89日=4,117円97銭、最低保障は18,000円÷89日=202円24銭と348,500円÷41日×60%=5,100円00銭を足した5,302円24銭なので、5,302円24銭を使います。

4-4. いつ払われるか、払われないとき

予告なしの即時解雇なら、解雇予告手当は解雇を告げるのと同時に払うべきものとされています(昭和23年の通達、厚生労働省の説明)。予告と手当を組み合わせる場合は、遅くとも解雇の日までに払うと東京労働局の資料は書いています。払われなければ労働基準監督署に申告でき、裁判で請求すると、未払いの額と同じ額の付加金を命じられることがあります(労働基準法114条)。予告も手当もない解雇は、即時の解雇としては効力がなく、会社が即時解雇にこだわらない限り、告げてから30日たった時か手当を払った時のどちらか早い時から効力が生じる、という考え方を厚生労働省の講座資料は示しています(合理的な理由と社会的な相当性があることが前提)。

試用期間中の本採用拒否も解雇に当たり、働き始めてから14日を超えていれば予告か予告手当が要ります。試用期間中に自分から辞めるときの日程や失業保険は試用期間中の退職の記事にまとめました。

5. 解雇通知書と解雇理由証明書

5-1. 解雇通知書

解雇の予告は口頭でも有効ですが、厚生労働省・労働局の資料はそろって、解雇の日と理由を書いた書面(解雇通知書)を作ることが望ましいとしています。解雇通知書・解雇予告通知書の法律で決まった書式は、労働基準法の様式や労働局の様式集には見当たりませんでした。ハローワークは、解雇の場合に持っていく資料として就業規則や解雇予告通知書を挙げています(北海道のハローワーク)。

5-2. 解雇理由証明書(請求すれば会社が出す)

解雇の予告を受けた日から退職の日までは労働基準法22条2項で、退職した後は22条1項(退職の事由として解雇の理由)で、解雇の理由を書いた証明書を請求でき、会社は遅滞なく出す決まりです。厚生労働省は、就業規則の条項に当たるとして解雇したなら、その条項の内容と当たるとした事実関係を具体的に書く必要があるとしています。退職の時から2年までは何回でも請求でき、出さなければ労働基準監督署に申告できます(罰則は30万円以下の罰金)。証明書には、労働者が請求しない事項を書いてはいけません。東京労働局が様式を公開しています。退職証明書のもらい方は退職証明書の記事に書いています。

6. 雇い止め(有期契約の更新をしないこと)

6-1. 雇止め法理:更新したとみなされる場合

有期契約は期間が満了すれば終わるのが原則ですが、次のどちらかに当たる契約で、会社が更新を拒むことに合理的な理由がなく社会通念上相当でない場合は、それまでと同じ条件で更新したとみなされます(労働契約法19条)。

  • 過去に反復して更新され、更新しないことが期間の定めのない契約の解雇と社会通念上同じと見られる(東芝柳町工場事件の考え方)
  • 満了のときに更新されると期待することに合理的な理由がある(日立メディコ事件の考え方)

労働者が満了までに更新を申し込むか、満了後遅滞なく締結を申し込むことが前提ですが、施行通達は、申込みは決まった形でなくてよく、雇止めに反対の意思が会社に伝わればよいとしています。期待に合理的な理由があるかは、最初の契約から満了までのあらゆる事情を総合的に見て判断され、いったん生じた期待を、会社が期間の途中で更新の上限を一方的に宣言しただけでは否定されないとされています。「契約満了」と「雇止め」は言い方の違いで、満了で終わる契約でも、上の2つに当たるかが問題になります。

6-2. 雇止めの予告と理由の証明書

厚生労働省の告示「有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準」は、3回以上更新した人、または雇われた日から1年を超えて続けて働いている人の契約を更新しないときは、満了日の30日前までに予告するよう定めています(あらかじめ更新しないと明示した契約は除く)。予告の後や更新しなかった後に、更新しない理由の証明書を請求されたら、会社は遅滞なく出す決まりで、理由は「契約期間の満了」とは別の理由を示すものとされています。この予告は、解雇予告手当(労働基準法20条)とは別の決まりで、告示は監督署の助言・指導の対象(労働基準法14条3項)なので、予告が遅れても予告手当が当然に払われるわけではありません。2024年4月からは、契約を結ぶときと更新のたびに、更新の上限(通算の期間か更新の回数)の有無と内容を明示し、上限を新しく設けたり短くしたりするときは、あらかじめ理由を説明する決まりになりました。

6-3. 通算5年を超えたら無期転換

同じ会社との有期契約の通算期間が5年を超えた人が、今の契約期間中に無期契約への転換を申し込むと、会社は承諾したものとみなされ、今の契約の満了日の翌日から期間の定めのない契約になります(労働契約法18条)。契約と契約の間に契約のない期間(空白期間)が6か月以上あると、その前の契約期間は通算されません(18条2項)。空白期間の前に続いていた契約期間が1年未満の場合は、6か月より短い空白期間でも通算されなくなります(長さは厚生労働省の無期転換の案内で確かめる)。厚生労働省は、無期転換を避ける目的で申込みができる前に雇い止めをすることは望ましくないとしています。

7. 解雇・雇い止めと失業保険

離職のしかた 雇用保険の区分(離職理由コード) 給付制限 所定給付日数
解雇(自分の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く) 特定受給資格者(11・12) なし 年齢と加入期間で90〜330日
1回以上更新して3年以上続けて雇われた人の雇止め(本人は更新を希望) 特定受給資格者(21) なし 同上
更新すると明示されていた契約の雇止め(本人は更新を希望) 特定受給資格者(22) なし 同上
「更新する場合がある」など確約のない契約の雇止め(本人は更新を希望) 特定理由離職者(23) なし 離職日が2027年3月31日までなら特定受給資格者と同じ日数の特例
重責解雇 一般の離職者(50・55) 3か月 90・120・150日
あらかじめ更新しないと明示された契約の満了、本人が更新を希望しない満了など 一般の離職者(24) なし 90・120・150日

特定受給資格者と特定理由離職者は、離職前1年に被保険者期間が6か月以上あれば受給資格があります(一般は2年に12か月)。国民健康保険料の軽減(前の年の給与所得を30/100として計算)は、区市町村の案内(新宿区など)では離職理由コードが11・12・21・22・31・32・23・33・34で、離職日に65歳未満の人が対象で、重責解雇(50・55)や24は対象外です。65歳以上で離職した人は、基本手当ではなく高年齢求職者給付金(一時金)の対象です(高年齢求職者給付金の記事)。障害のある人など就職困難者は、所定給付日数が別の表で決まります。病気・けが・妊娠・出産・育児・介護などで、離職の日の翌日から引き続き30日以上働けないときは、すぐには受けられないので、受給期間の延長(雇用保険法20条1項)をハローワークに申し出ます。日額と日数から出す総額は、被保険者期間・離職前6か月の賃金の総額・受給期間(原則1年)で変わる概算です。重責解雇は、ハローワークの北海道の資料では、刑法の規定違反、故意または重過失による設備の破壊、事業所の信用の失墜、就業規則違反などで解雇された場合とされ、懲戒解雇だから必ず重責解雇になるわけではなく、ハローワークが事実で判断します。区分に納得できないときは、離職票の離職者本人の欄に異議を書き、資料を持ってハローワークに申し出ます。解雇の効力を争っている間の失業保険の扱いを説明した公式の資料は見つからなかったので、ハローワークに相談してください。会社都合と自己都合の違い全体は会社都合と自己都合の記事、日額と日数の計算は失業保険の記事、離職票の確かめ方は離職票の記事に書いています。

8. 解雇されたら:相談先と手続き

相談先・手続き 内容
総合労働相談コーナー 各労働局と全国の労働基準監督署の中など378か所。解雇・雇止めなど労働問題の相談。無料・予約不要、面談か電話
労働基準監督署への申告 予告手当の不払い、解雇理由証明書を出さないなど、労働基準法の違反
労働局長の助言・指導 問題点を指摘し、解決の方向を示して話し合いを促す(無料)
紛争調整委員会のあっせん 弁護士などの委員が間に入る話し合い(無料・非公開)。あっせん案の受諾は強制されず、相手が参加しなければ打ち切り
労働審判(地方裁判所) 裁判官1人と労働審判員2人が原則3回以内の期日で審理。異議があれば2週間以内に申し立て、訴訟に移る
訴訟 解雇が有効かを最終的に判断する

労働基準法の違反は労働基準監督署、解雇や雇止めの効力のような民事の問題は総合労働相談コーナー、という使い分けを厚生労働省は案内しています。厚生労働省の「個別労働紛争解決制度の施行状況」(令和7年度、2026年7月公表)では、件数は次のとおりです(内訳は延べ件数)。

内容 相談(件) 助言・指導の申出(件) あっせんの申請(件)
解雇 32,651(普通解雇25,967・整理解雇3,039・懲戒解雇3,645) 849 892
雇止め 15,775 590 475
退職勧奨 26,022 637 362

あっせんで合意が成立したのは、処理が終わった4,220件のうち1,141件(27.0%)です。

9. 辞めた後の手続き

解雇の日の翌日に健康保険・厚生年金の資格を失うので、次の会社が決まっていなければ、14日以内に区市町村で国民健康保険の加入と国民年金の切り替えを、任意継続にするなら資格を失った日から20日以内に協会けんぽへ申し出ます。国民健康保険・国民年金の届出の期限が区市町村の休日(土日・祝日・年末年始など)に当たれば翌開庁日(地方自治法4条の2第4項)、協会けんぽの任意継続は20日目が土日・祝日なら翌営業日です。会社がハローワークに出す雇用保険の資格喪失届と離職証明書の期限(離職の翌々日から10日以内)も、行政機関の休日(土日・祝日・年末年始)に当たれば翌開庁日です(行政機関の休日に関する法律2条)。手続きの順番は退職後にやることの記事、退職金の額と税金は退職金の記事に書いています。

10. 計算機:解雇予告手当・争える点・証明書の請求・失業保険

告げられた日と解雇の日、賃金の締切日、直前3か月の賃金、解雇の種類と事情、有期契約の更新の回数・年数・書き方、年齢、雇用保険の加入期間、月給を入れると、次を出します。

  • 平均賃金(最低保障つき)と、足りない日数から出す解雇予告手当。雇い止めなら30日前の予告の対象か
  • 不当解雇・雇止め法理で争点になりうる事情と、相談先(有効か無効かは判定しません)
  • 解雇理由証明書(雇い止めなら更新しない理由の証明書)の請求の文面と、根拠の条文、解雇後の日程
  • 解雇・雇い止め後の失業保険の区分の見込み、給付制限、日数、日額と総額の概算(65歳以上・すぐに働けない・就職困難者は日数と総額を出さず案内)、国民健康保険料の軽減の見込み

解雇予告手当の計算、不当解雇・雇止め法理のチェック、解雇理由証明書の請求の文面と日程、解雇・雇止め後の失業保険

入れた数字や名前は、このページの中で計算に使うだけで、どこにも送られません。初めから入っている数字は入力の例です。自分の数字に置き換えてください。解雇・雇止めが有効か無効かは判定しません(最後に決めるのは裁判所です)。

1. 告げられた内容と賃金

2. 解雇・雇止めの事情

3. 証明書の請求

4. 失業保険

初めから入っている例は、2016年4月1日に入社した42歳・月給30万円(月末締め)の人が、2026年10月23日に即時解雇を告げられた場合です。平均賃金は7月1日〜9月30日の92日で割って9,782円60銭、解雇予告手当は30日分で293,478円で、解雇を告げるのと同時に払われるべきものです。解雇理由証明書は、即時解雇なので労働基準法22条1項で請求します。失業保険は、重責解雇でなければ特定受給資格者で給付制限がなく、加入12年・42歳なら240日、月給÷30から出した日額6,307円で総額1,513,680円の概算です(被保険者期間・離職前6か月の賃金の総額・受給期間で変わり、日額と日数を最後に決めるのはハローワーク)。

11. よくある質問

解雇されたら会社都合になりますか?

雇用保険では、解雇(自分の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)は特定受給資格者で、いわゆる会社都合の扱いです。重責解雇とされると一般の離職者と同じで、給付制限が3か月つきます。区分を最後に決めるのはハローワークです(7章)。

解雇予告手当はいくらですか?

平均賃金×足りない日数です。即時解雇なら30日分、20日前に告げられたなら10日分です。月給30万円・月末締めで10月中に告げられたなら、平均賃金は9,782円60銭で、30日分は293,478円です(4章)。

解雇は何日前に言われる決まりですか?

少なくとも30日前です。告げた日は数えないので、9月30日付けの解雇なら8月31日まで、11月30日付けなら10月31日までに告げる必要があります。足りない日数は手当で払われます(4-1)。

解雇通知書は必ずもらえますか?

解雇の予告は口頭でも有効で、解雇通知書を出す義務を定めた条文は見当たりませんでした。解雇の理由は、請求すれば会社が解雇理由証明書を出す決まりなので、書面で残したいときは証明書を請求します(5章)。

試用期間中でも解雇予告手当はもらえますか?

試用期間中で働き始めてから14日以内なら、予告も手当も要りません。14日を超えて働いていれば、30日前の予告か手当が要ります(労働基準法21条)。

雇い止めと契約満了は違いますか?

有期契約が更新されずに終わることを、会社の側から見て雇い止めと呼びます。満了で終わる契約でも、反復して更新されてきたか、更新を期待する合理的な理由があれば、合理的な理由のない雇い止めは認められず、更新したとみなされます。本人が満了までに更新を申し込むか、満了後遅滞なく締結を申し込む(反対の意思を伝える)ことが前提です(6章)。失業保険では、更新の回数・年数・契約書の書き方と本人の希望で区分が変わります(7章)。

解雇されたら退職金はもらえますか?

退職金は法律で義務づけられたものではなく、会社が退職金を設けるなら、対象になる人の範囲や計算と支払いの方法を就業規則に書く決まりです(労働基準法89条)。就業規則などに定めがあれば、賃金として請求できると大阪労働局は説明しています。解雇の場合にいくら払われるかは、自分の会社の退職金規程で確かめます(退職金の記事)。

解雇を争っている間、失業保険はもらえますか?

解雇の効力を争っている間の扱いを説明した公式の資料は、厚生労働省のQ&Aやハローワークの案内では見つかりませんでした。ハローワークに事情を話して相談してください。

12. まとめ

  • 解雇は会社による一方的な解約。合理的な理由と社会通念上の相当性がなければ無効(労働契約法16条)。最後に決めるのは裁判所
  • 業務上の傷病・産前産後の休業とその後30日は解雇できない。育児休業・申告・公益通報などを理由とする解雇は禁止
  • 30日前の予告か、足りない日数×平均賃金の手当。告げた日は数えない。平均賃金の基準の日は告げた日
  • 解雇の理由は解雇理由証明書で確かめる(予告期間中は22条2項、退職後は22条1項、2年まで)
  • 雇い止めは、反復更新や更新の期待があり、本人が更新を申し込めば(反対の意思を伝えればよい)、合理的な理由が要る(19条)。3回以上更新か1年超の人には30日前の予告(更新しないと明示した契約を除く。解雇予告手当とは別の決まりで、遅れても予告手当が当然に出るわけではない)。通算5年超で無期転換
  • 失業保険は、解雇(重責解雇を除く)は特定受給資格者で給付制限なし。重責解雇は3か月。65歳以上は高年齢求職者給付金。額は条件つきの概算。相談は総合労働相談コーナーから

13. 出典

14. あわせて読む

 

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