「退職証明書」「退職証明書 いつもらえる」「退職証明書 離職票 違い」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。
退職証明書は、辞めた本人が請求したときに、会社が「遅滞なく」交付しなければならない証明書です(労働基準法22条1項)。書けるのは、使用期間・業務の種類・その事業における地位・賃金・退職の事由(解雇ならその理由も)の5つで、本人が請求しない事項は書いてはいけません(同条3項)。請求できるのは退職時から2年が目安で(115条。厚生労働省の説明)、回数の制限はありません。何日以内に出すかは法律に定めがありません。離職票とは別の書類です。離職票は雇用保険の書類で、ハローワークが作り、失業保険の手続きに使います。失業保険の受給資格の決定には通常は離職票が要り、退職証明書では代わりになりませんが、離職票が届かないときにハローワークへ相談するとき、国民健康保険・国民年金の加入(区市町村による)、家族の扶養に入る手続きで、退職したことを示す書類として使えます。厚生労働省のモデル様式は退職の事由に○を付ける形で、使用期間や賃金の欄はないので、ほしい項目は指定して請求します。会社が出さないときは労働基準監督署に申告でき、出さないことは30万円以下の罰金の対象です(120条)。行き先から要る書類、請求の期限と届く日の目安、会社に出す請求の文面、出してくれないときの日程を出す計算機を10章に置きました。
| 知りたいこと | 答え | 章 |
|---|---|---|
| 退職証明書とは | 本人が請求したら会社が遅滞なく出す証明書。使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職の事由のうち、請求した項目だけを書く | 2章 |
| 離職票との違い | 離職票は雇用保険の書類でハローワークが作り、失業保険の手続きに使う。退職証明書は労働基準法の書類で会社が出す | 3章 |
| いつもらえるか | 請求したら遅滞なく。何日以内かの定めはない。請求は退職時から2年が目安、何回でも | 4章 |
| テンプレート・雛形 | 厚生労働省・労働局のモデル様式がある。退職の事由の7つに○を付ける形 | 5章 |
| 自分で作成 | 会社が交付する証明書なので、自分で書いて出すものではない | 5章 |
| 使う場面 | 国民健康保険・国民年金(区市町村による)、任意継続(添付は任意)、家族の扶養、離職票が届かないときのハローワーク | 6章 |
| 解雇されたとき | 解雇の理由も書いてもらえる。予告を受けた日から退職日までも請求できる | 7章 |
| 会社が出さない | 労働基準監督署へ申告、総合労働相談コーナーへ相談。違反は30万円以下の罰金の対象 | 8章 |
| 自分の場合 | 要る書類の判定・期限・届く日の目安・請求の文面・出ないときの日程を計算 | 10章 |
1. 先に、この記事の数字について
この記事の決まりと数字は、労働基準法・雇用保険法施行規則・所得税法の条文(e-Gov法令検索、2026年10月23日時点の現行版)と、厚生労働省・各労働局・ハローワーク・日本年金機構・協会けんぽ・区市町村の公式の資料から取り、計算機にしています。国民健康保険・国民年金で退職証明書を使えるかは区市町村で違うので、東京23区などいくつかの区市町村の案内を例にしています。日付の例は、条文の期間を当てはめて計算したものです。
退職後の手続き全体の順番と期限は、退職後にやること・手続きの順番の記事にまとめています。この記事は、そのうち退職証明書のことだけを詳しく書いたものです。
2. 退職証明書とは:労働基準法22条
退職証明書は、労働基準法22条1項にもとづく証明書です。辞めた本人が次の事項について証明書を請求したら、会社は「遅滞なく」交付しなければなりません。
- 使用期間(働いていた期間)
- 業務の種類
- その事業における地位(役職など)
- 賃金
- 退職の事由(解雇の場合は、その理由を含む)
書くのは、本人が請求した事項だけです。条文は「労働者の請求しない事項を記入してはならない」としています(22条3項)。たとえば「使用期間と退職の事由だけ」と請求すれば、賃金や地位は書かれません。また、会社がほかの会社と示し合わせて、再就職を妨げる目的で証明書に秘密の記号を書くことは禁止されています(22条4項)。
請求されたのに出さないこと(1項〜3項の違反)は30万円以下の罰金の対象で(120条)、4項の違反は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象です(119条)。
本人が請求しなければ、会社に出す義務はありません。厚生労働省は、退職証明書の用途は「次の就職に役立たせるなど」労働者の判断に委ねられている、と説明しています。
3. 離職票との違い
名前が似ていますが、根拠の法律も、作る人も、使い道も違います。
| 退職証明書 | 離職票 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 労働基準法22条 | 雇用保険法施行規則(雇用保険の書類) |
| 作る人 | 会社 | ハローワーク(会社が出した離職証明書をもとに作る) |
| 本人の請求 | 請求したときだけ出る | 会社がハローワークに離職証明書を出すのが原則。59歳未満は本人が離職票を希望しない場合に省略でき、59歳以上は希望の有無にかかわらず出す |
| 期限 | 請求したら遅滞なく(日数の定めはない) | 会社は、被保険者でなくなった日の翌日から10日以内にハローワークへ手続き。本人に届くまでの全国一律の日数はない |
| 主な使い道 | 退職したことの証明(国保・国民年金・家族の扶養など。行き先による) | 失業保険(基本手当)の受給手続き |
| 出さないとき | 労働基準監督署に申告。30万円以下の罰金の対象 | ハローワークに相談。会社が離職証明書を出さないことは罰則の対象(雇用保険法83条) |
失業保険の受給資格の決定には、通常は離職票が要ります。退職証明書や資格喪失証明書では代わりになりません。ただ、離職票が届かないときは、退職証明書など退職したことが分かる書類と身元確認書類を持って、住所地のハローワークに相談するよう厚生労働省が案内しています。兵庫労働局や大阪ハローワークは、離職票の交付が遅れているときに、原則として離職日の翌日から12日目以降、受給資格の仮決定ができる場合があると案内しています(後で離職票が届けば、仮決定の日までさかのぼって扱う)。3月31日に辞めたなら4月12日以降です。仮決定は各地のハローワークの案内で、全国共通の決まりとして書いた資料は見つかりませんでした。離職票が届かないときは、ハローワークに相談して、仮の決定ができるか確かめます。離職票が届かないときの対処は離職票の記事に書いています。
退職証明書の「退職の事由」と、離職票の離職理由は別のものです。退職の事由について会社と本人の見解が違う場合、厚生労働省は、会社が自分の見解を証明書に書いて遅滞なく交付すれば労働基準法の違反にはならない、ただしそれが虚偽なら義務を果たしたことにはならない、と説明しています。一方、離職票の離職理由は、会社と本人の主張を資料で確かめてハローワークが判定します。退職証明書と離職票で理由が違うときは、まず会社に記載を確かめ、雇用保険の離職理由に異議があれば、離職票-2の本人が書く欄と、それを示す資料で、ハローワークに申し出ます。
4. いつもらえるか・いつまで請求できるか
4-1. 請求したら「遅滞なく」
会社は請求を受けたら「遅滞なく」交付します。何日以内かを示した公式の資料は見つかりませんでした。同じ退職のときの決まりでも、賃金や本人の金品の返還(23条)は「7日以内」と日数がありますが、退職証明書にはありません。請求の回数に制限はなく、請求は退職と同時でなくてもかまいません(厚生労働省)。
4-2. 請求できるのは退職時から2年
請求できる期間は、厚生労働省の説明では「退職時から2年」です(労働基準法115条)。2020年4月の改正で賃金の請求権は5年(当分の間3年)に延びましたが、退職証明書を含む賃金以外の請求権は2年のままです(労働政策審議会の報告で、2年を維持するとされた)。厚生労働省は、2年を過ぎると交付を受けられないこともある、と案内しています。
日付で数えると、2026年10月31日に退職した人は2028年10月31日、2026年12月31日に退職した人は2028年12月31日が、2年の目安の日です(期間の数え方を当てはめた計算)。期間の末日が日曜・祝日に当たる場合の扱い(民法142条が当てはまるか)は、公式の資料で確かめられませんでした。2028年12月31日は日曜日なので、前の平日までに請求するのが確実です。
4-3. 退職する前にもらえるか
22条1項の退職証明書は、退職の場合に請求する証明書です。福島県は「退職後においてのみ請求でき」と説明しています。退職前に頼んでおく場合は、退職日以後に出してもらう形になります。例外は解雇の予告を受けた場合で、予告を受けた日から退職日までの間は、解雇の理由の証明書を請求できます(22条2項。7章)。
5. 書いてもらう項目と、厚生労働省のモデル様式(テンプレート)
5-1. モデル様式の中身
厚生労働省と各労働局は「退職事由に係るモデル退職証明書」という様式を出しています。退職の事由だけを証明する様式で、会社が該当する番号に○を付けます。
| 番号 | モデル様式の退職の事由(原文どおり) |
|---|---|
| (1) | あなたの自己都合による退職((2)を除く。) |
| (2) | 当社の勧奨による退職 |
| (3) | 定年による退職 |
| (4) | 契約期間の満了による退職 |
| (5) | 移籍出向による退職 |
| (6) | その他(具体的には )による退職 |
| (7) | 解雇(別紙の理由による。) |
様式の書き出しは「以下の事由により、あなたは当社を 年 月 日に退職したことを証明します。」で、宛名は労働者、証明するのは事業主(事業主氏名又は名称・使用者職氏名)です。解雇の場合の別紙には、ア 天災その他やむを得ない理由、イ 事業縮小等当社の都合、ウ 職務命令に対する重大な違反行為、エ 業務について不正な行為、オ 相当長期間にわたる無断欠勤をしたこと等勤務不良であること、カ その他、の6つがあり、具体的な理由を書きます。解雇された人が理由を請求しない場合は、(7)の「(別紙の理由による。)」を二重線で消し、別紙は渡さない、と注意書きがあります。
様式に「会社都合」という言葉はありません。退職勧奨は(2)、会社の事業縮小による解雇は(7)の別紙イです。失業保険の「会社都合」「自己都合」は、離職票でハローワークが判定する区分で、退職証明書の区分とは別です。退職勧奨については退職勧奨の記事、失業保険の区分ごとの日額と日数は失業保険の記事に書いています。
5-2. 使用期間・業務・地位・賃金がほしいとき
モデル様式には、使用期間・業務の種類・地位・賃金の欄がありません。この4つの欄がある公式の様式は見つかりませんでした。これらを書いてほしいときは、請求の文面で項目を指定します(10章の計算機で文面を作れます)。請求した項目だけが書かれるので、書いてほしくない項目(たとえば賃金)は、請求しなければ書かれません。
5-3. ダウンロードと「自分で作成」
様式は、厚生労働省のPDF(退職事由に係るモデル退職証明書)や、東京労働局の様式集(WordとPDF)から取れます(13章の出典)。ただ、退職証明書は会社が交付する証明書で(22条1項)、様式も事業主が労働者あてに証明する形です。本人が自分で書いて出すものではありません。様式を印刷して会社に渡し、記入してもらうかどうかは会社とのやり取りしだいです。
6. 退職証明書が使える場面
退職証明書が使えるか、ほかの書類で代わりになるかは、行き先ごとに違います。公式の案内に書かれていることを行き先ごとに並べると、次のとおりです。
| 行き先 | 退職証明書の扱い | 公式の案内にあるほかの書類 |
|---|---|---|
| 区市町村(国民健康保険の加入) | 区市町村による。江東区・名古屋市は可。渋谷区・江戸川区・大田区は可だが、扶養していた家族も一緒に入るときは退職証明書・離職票ではできない。中野区は資格喪失証明書だけを例に挙げる | 健康保険資格喪失証明書(会社が出さないときは年金事務所の資格喪失の確認通知書) |
| 区市町村(国民年金の切り替え) | 区市町村による。江東区・中央区・大田区は退職証明書を挙げる。日本年金機構は「資格喪失日を証明できるもの(離職票等)が必要になる場合があります」 | 資格喪失証明書・資格喪失確認通知書・離職票・退職日の書かれた源泉徴収票(江東区の例) |
| 協会けんぽ(任意継続) | 退職日が分かる書類の添付は任意。退職証明書のコピーなどを付けると、日本年金機構からの資格喪失の記録を待たずに進む | 離職票のコピー、健康保険の資格喪失届のコピーなど |
| 家族の勤務先(被扶養者・第3号) | 退職して収入の条件を満たす場合の添付書類に「退職証明書または雇用保険被保険者離職票の写し」(日本年金機構) | 失業保険を受けている間・受け終わった後は雇用保険受給資格者証(受給資格通知)の写し |
| ハローワーク | 受給資格の決定には使えない。離職票が届かないときの相談に持っていく | 離職票-1・-2(通常は離職票が要る。資格喪失証明書でも代わりにならない) |
| 次の会社 | 求めてよいと書いた公式の資料は見つからなかった(会社による) | 源泉徴収票・雇用保険被保険者証・マイナンバーか基礎年金番号 |
国民健康保険・国民年金の届出は退職日の翌日から14日以内です。任意継続は、資格喪失日の前日までに継続して2か月以上健康保険に入っていた人が、20日以内(必着)に申し出られます。退職証明書を待って期限を過ぎないように、間に合わないときは行き先に確かめます。
次の会社に入る場合、退職日の翌日から間をあけずに入るなら、国民年金の手続きは次の会社がします。1日でも間があけば、同じ月のうちに入社しても国民年金(第1号)の加入の届出が要ると、千葉市は説明しています。その月の国民年金の保険料は、月末に厚生年金に入っていればかかりません(国民年金法11条の2)。健康保険も、間があいた日は国民健康保険の対象になります。数日の空白で届出が要るかを書いた公式の説明は見つからなかったので、区市町村に確かめます。保険の選び方は退職後の健康保険の記事、国民年金の切り替えは退職後の国民年金の記事に書いています。
7. 解雇の場合:解雇の理由の証明書
解雇の場合、退職の事由には解雇の理由も含まれます(22条1項)。理由は具体的に示す必要があり、就業規則の条項に当たるとして解雇したなら、その条項の内容と、当たるとした事実関係を書く、と厚生労働省は説明しています。本人が解雇の事実だけを請求した場合は、理由を書いてはいけません。
解雇の予告を受けた日から退職日までの間は、退職の前でも、解雇の理由の証明書を請求できます(22条2項)。ただし予告の後に、本人が解雇以外の理由(自己都合など)で辞めた場合は、その退職日以後は会社に出す義務がありません。退職した後なら、22条1項で解雇の理由を書いた証明書を請求できます。東京労働局は「解雇理由証明書」の様式を別に出しています。
解雇の予告は少なくとも30日前で、予告しない場合は30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を払う決まりです(20条)。予告の日数は、平均賃金を払った日数分だけ短くできます。11月30日付けで解雇するなら、30日前の予告は遅くとも10月31日です(初日を数えない計算)。
解雇予告手当の計算や、解雇が無効になりうる点のチェック、解雇理由証明書の請求文は解雇・雇い止めされたときの記事の計算機で出せます。
8. 会社が出してくれないとき
- まず会社に請求します。いつ・どの方法で請求したかが後から分かる形で出しておきます。
- 出ないときは、労働基準監督署に申告できます(労働基準法104条)。申告したことを理由に解雇などの不利益な扱いをすることは禁止で、違反は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象です(119条)。申告を受けた監督官は事業場を調べ、違反があれば是正を指導します(茨城労働局の説明)。
- 各労働局・労働基準監督署の中にある総合労働相談コーナーは、予約不要・無料で相談でき、法律違反の疑いがあれば行政指導の権限を持つ部署に取り次ぎます(厚生労働省)。
法律に、催促や相談まで何日待つという決まりはありません。交付されなければ、早めに労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談できます。申告してから会社が出すまでの日数の目安を書いた公式の資料は、見つかりませんでした。離職票も届かないときは、並行してハローワークに相談します(3章)。源泉徴収票が届かないときは、税務署に源泉徴収票不交付の届出書を出す方法があります(退職後の住民税の記事に書いています)。
9. 退職のときにもらう書類の比較
| 書類 | 出す人 | 期限 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 退職証明書 | 会社 | 請求したら遅滞なく。請求は退職時から2年が目安 | 労働基準法22条1項・115条 |
| 解雇の理由の証明書 | 会社 | 予告の日から退職日までに請求したら遅滞なく | 労働基準法22条2項 |
| 離職票 | ハローワーク(会社経由かマイナポータル) | 会社は被保険者でなくなった日の翌日から10日以内に手続き | 雇用保険法施行規則7条 |
| 源泉徴収票 | 会社 | 退職の日以後1か月以内 | 所得税法226条 |
| 健康保険資格喪失証明書 | 会社など | 法律で決まった交付の期限・様式は見つからなかった | 会社が出さないときは年金事務所で資格喪失の確認通知書(日本年金機構) |
| 雇用保険被保険者証 | ハローワーク(会社を通じて渡せる) | 雇用保険に入ったときに交付。厚生労働省は「事業主が保管すべきものではありません」 | 雇用保険法施行規則10条 |
雇用保険被保険者証が手元にないときは、会社が預かっていないか確かめます。再発行の方法と被保険者番号の調べ方は雇用保険被保険者証の記事にまとめました。
10. 計算機:要る書類・期限と届く日・請求の文面・出ないときの日程
退職日、今日の日付、年齢、辞めた後の行き先、健康保険の選び方、一緒に国保に入る家族、請求する日、退職の事由、書いてほしい項目、会社名・宛名・氏名・送り先、待つ日数を入れると、次を出します。
- 行き先ごとに、退職証明書・離職票・源泉徴収票・資格喪失証明書のどれが要るか、退職証明書で代わりになるか
- 請求できる期限の目安(退職時から2年)と、届く日の見込みが国保・国民年金・任意継続・扶養の期限に間に合うか
- 書いてほしい項目だけを指定した、会社に出す請求の文面
- 会社が出さないときの、催促・相談の予定の日(法律上の待つ期間はなく、日付は自分で決める予定)
退職証明書が要るかの判定、請求できる期限と届く日の目安、会社に出す請求の文面、出してくれないときの日程
入れた名前や日付は、このページの中で計算に使うだけで、どこにも送られません。初めから入っている内容は入力の例です。自分のものに置き換えてください。
退職日と辞めた後
請求の文面
出してくれないとき
初めから入っている例は、42歳で2026年12月31日に自己都合で辞め、次は決まっておらず、国民健康保険に入る人が、退職日に請求する場合です。退職証明書を使える場面は、国民健康保険と国民年金(どちらも区市町村による)と、離職票が届かないときのハローワークへの相談です。請求できる期限の目安は2028年12月31日(日曜日なので前の平日までに)です。会社が出すまで7日待つと仮定すると、届く見込みは2027年1月7日で、国民健康保険・国民年金の期限(1月14日)に間に合います。文面は、使用期間・業務の種類・退職の事由の3つを指定し、ほかの事項は書かないよう求める形になり、退職の事由はモデル様式の(1)に当たります。出ないときは1月7日に催促し、1月14日に総合労働相談コーナーか労働基準監督署へ相談する予定、という並びになります。7日という日数は法律の定めではなく、入れた日数で並べた予定で、交付されなければこの日を待たずに相談できます。
11. よくある質問
退職証明書はいつもらえますか?
請求したら、会社が遅滞なく交付します。何日以内かの定めはありません。請求しなければ出す義務はないので、要るなら会社に請求します(4章)。
退職証明書は退職前にもらえますか?
退職証明書は退職の場合に請求するもので、福島県は「退職後においてのみ請求でき」と説明しています。退職前に頼むなら、退職日以後に出してもらう形です。解雇の予告を受けているなら、退職前でも解雇の理由の証明書を請求できます(4-3、7章)。
退職証明書は離職票の代わりになりますか?
失業保険の受給資格の決定には通常は離職票が要り、退職証明書では代わりになりません。離職票が届かないときは、退職証明書などを持ってハローワークに相談し、仮の決定ができるか確かめます(3章)。
ハローワークで退職証明書は必要ですか?
離職票が届いていれば、受給手続きに退職証明書は要りません。持ち物は離職票-1・-2、マイナンバーが分かるもの、身元確認書類、写真、本人名義の通帳かキャッシュカードです。退職証明書を持っていくのは、離職票が届かないときの相談です。
退職証明書のテンプレート(雛形)はありますか?
厚生労働省と労働局の「退職事由に係るモデル退職証明書」があり、東京労働局の様式集からWordとPDFで取れます。退職の事由だけの様式なので、使用期間や賃金がほしいときは項目を指定して請求します(5章)。
退職証明書は自分で作成してもいいですか?
退職証明書は、会社が交付する証明書と労働基準法22条が定めているので、本人が自分で書いて出すものではありません。様式を会社に渡して記入してもらうかどうかは、会社とのやり取りしだいです(5-3)。
何年前に辞めた会社でも請求できますか?
退職時から2年が目安です。2年を過ぎると交付を受けられないことがあります(4-2)。
転職先に退職証明書を出す必要はありますか?
次の会社が求めてよいと書いた公式の資料は見つかりませんでした。次の会社で使うのは、源泉徴収票(同じ年に入社した場合の年末調整)、雇用保険被保険者証、マイナンバーか基礎年金番号です。
12. まとめ
- 退職証明書は、本人が請求したら会社が遅滞なく出す証明書(労働基準法22条)。書くのは使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職の事由のうち、請求した項目だけ
- 請求は退職時から2年が目安、回数の制限なし。何日以内に出すかの定めはない
- 離職票は雇用保険の書類で、失業保険の受給資格の決定には通常は離職票が要る。退職証明書は、離職票が届かないときの相談に使える
- 国民健康保険・国民年金で使えるかは区市町村による。扶養していた家族も一緒に国保に入るなら、資格喪失証明書を頼む
- モデル様式は退職の事由の7つに○を付ける形。「会社都合」という言葉はない
- 出ないときは、待つ期間の定めはないので早めに労働基準監督署・総合労働相談コーナーへ。違反は30万円以下の罰金の対象
13. 出典
- 労働基準法(e-Gov法令検索)第20条・第22条・第23条・第104条・第115条・第119条・第120条https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- 雇用保険法施行規則(e-Gov法令検索)第7条・第10条・第19条https://laws.e-gov.go.jp/law/350M50002000003
- 雇用保険法(e-Gov法令検索)第83条https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116
- 所得税法(e-Gov法令検索)第226条https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
- 厚生労働省 確かめよう労働条件 Q&A(退職時の証明)https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/kaiko/q9.html
- 厚生労働省 確かめよう労働条件 Q&A(解雇の理由の証明)https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/kaiko/q5.html
- 厚生労働省「退職事由に係るモデル退職証明書」https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/pdf/130220-1.pdf
- 東京労働局 様式集(退職証明書・解雇理由証明書)https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/hourei_youshikishu/youshikishu_zenkoku.html
- 厚生労働省 労働法の基礎講座 第46回「退職時の証明・金品の返還」(長崎労働局掲載)https://jsite.mhlw.go.jp/nagasaki-roudoukyoku/content/contents/no46-25112501.pdf
- 労働政策審議会労働条件分科会「賃金等請求権の消滅時効の在り方について(報告)」https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000614656.pdf
- 福島県 労働相談Q&A(退職時の証明)https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/65015a/kobetuqa11-3.html
- 東京都 TOKYOはたらくネット『ポケット労働法2026』第9章https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/shiryo/pokerou2026_9.pdf
- 厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139508.html
- 兵庫労働局「失業給付を受けようとする求職者の皆さまへ」https://jsite.mhlw.go.jp/hyogo-roudoukyoku/content/contents/002575096.pdf
- 大阪ハローワーク「離職票が届かない場合の受給資格の仮決定手続きのご案内」https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-hellowork/content/contents/002377355.pdf
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
- 茨城労働局「労働基準監督官の仕事」https://jsite.mhlw.go.jp/ibaraki-roudoukyoku/content/contents/h300302_kantokujob.pdf
- 国民年金法(e-Gov法令検索)第11条の2https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141
- 千葉市 よくある質問(退職して国民年金の加入手続きをし、同月中に就職したとき)https://www.city.chiba.jp/faq/hokenfukushi/iryoeisei/hoken/768.html
- 船橋市 よくある質問(会社を退職したときの年金)https://www.city.funabashi.lg.jp/faq/kurashi/nenkin/002/p010771.html
- 協会けんぽ よくある質問(任意継続の加入条件)https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat650/r315/
- 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140710-04.html
- 日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20141202.html
- 日本年金機構「国民健康保険等へ切り替えるときの手続き」https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha2/20120803-05.html
- 協会けんぽ「任意継続被保険者資格取得申出書」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/application_form/voluntary_continuation/001/index.html
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「雇用保険の手続きはきちんとなされていますか?」https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-hellowork/content/contents/002588973.pdf
- 江東区「国民健康保険に加入するとき」https://www.city.koto.lg.jp/250102/fukushi/kokumin/todokede/5145.html
- 江東区「会社などを退職したとき(国民年金)」https://www.city.koto.lg.jp/060306/kurashi/nenkin/kokumin/todokede/5208.html
- 名古屋市 国民健康保険の加入の手続きhttps://www.city.nagoya.jp/kurashi/hoken/1011736/1011750/1011752.html
- 渋谷区 国民健康保険の手続き・届出https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kurashi/kokuho/kokuho/kokuho_tetsuzuki_todokede.html
- 江戸川区 国民健康保険に加入するときhttps://www.city.edogawa.tokyo.jp/e053/kurashi/iryohoken/kokuho/shikaku/kanyu.html
- 中野区「国民健康保険に加入するとき」https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kurashi/hoken/tetsuduki/kanyu.html
- 大田区「国民年金の加入・喪失」https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/kokunen/nenkin/kanyusoushitsu/kokuminnenkinkanyuusousitu.html
- 中央区 よくある質問(会社を退職したときの国民年金)https://www.city.chuo.lg.jp/a0024/faq/kurashi/nenkin/0024.html
14. あわせて読む
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