腕時計の修理・電池交換は自分でできる?|カシオ・シチズン・シャネルの料金と、自分で替えてよい時計の線引き(計算機つき)

腕時計の電池交換は自分でできる?できるが防水に注意、メーカーは店を推奨 修理転売・リペア

「腕時計 電池交換 自分で」「腕時計 修理 自分で」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。

腕時計の電池交換は、裏蓋を開ける道具があれば自分でもできます。私は転売で仕入れた時計と自分の時計で、G-SHOCK・カシオ、セイコー・シチズン、シャネルなどの高級ブランドの電池交換をしてきました(自分で替えたのは10本未満です)。ただし、カシオ・セイコー・日本時計協会は、そろって自分で替えずに販売店・時計店に頼むよう案内しています。大きな理由の一つが防水です。セイコーは「裏ぶたを開けると当初の防水性能が維持できなくなる場合があります」とし、カシオは防水検査をしない電池交換を受け付けていません。私も、裏蓋の締めが甘いまま防水を過信して水に当て、1本を止めて壊しました。私がしているのは、転売で仕入れた時計は自分で替えて出品文に「防水検査はしていない」と書く、自分で使う高級ブランドは正規に出す、という分け方です。メーカーに出す料金は、カシオが防水の表示で1,650〜5,500円(MR-G・OCEANUSなどは8,800円)、シチズンが機種番号ごとで、電池交換の料金が出る機種の多くは4,400円、シャネルが保証期間後7,700円で、どれも防水検査を含みます。セイコーは料金表を公表していません(2026年10月16日に確認)。自分で替えるか店に出すかを判定し、何年分かの費用を比べる計算機を9章に付けました。

知りたいこと 答え 章
電池切れかどうか セイコーの予告は、アナログは秒針が2秒ごとに動く、デジタルは表示全体の点滅。カシオは時刻のずれ・表示が薄い・消えるなど 2章
ソーラーの時計が止まった ふつうの電池交換ではない。明るい場所で光に当てる。充電式の電池は自分で外さない 2章
メーカーに出すといくらか カシオ1,650〜5,500円(一部8,800円)、シチズン多くは4,400円、シャネル保証期間後7,700円。セイコーはオンラインで見積もり 3章
自分で替えてよいか メーカーは時計店へと案内。この記事では、防水が要る時計・保証期間内・自分で使う高級ブランド・ひびや水の跡がある時計は店へ、と分ける 4章
道具・100均でできるか 私は100均の工具も使ったが、オープナー系は弱くて使えず、傷を付けたこともある 5章
替えても動かない カシオはボタン操作のリセットで動いた。動かないままの物はジャンクで売った 6章
防水・パッキン 劣化したパッキンは交換した。締めが甘いまま水に当てて1本壊した 7章
転売で仕入れた時計 自分で替えて、「電池交換済み・動作確認済み」「防水検査はしていない」と書いて売った 8章
電池交換以外の修理 カシオは保証期間内の駒詰めが無償。シチズンはバンド・バネ棒などが4,400円+部品、分解掃除が16,500〜30,800円 3章
自分で替えるか、店に出すか 判定と、何年分かの費用を比べる計算機 9章

1. 先に、立場を書きます

私は中古品の売買を20年近く続けている古物商です。腕時計は、転売で仕入れた時計の電池を替えて売ってきました。特定の種類の腕時計にしぼった自社サイトを運営していた話はニッチ市場の記事に書きました。時計を直す専門の職人ではないので、この記事で書く私の経験は電池交換とパッキンまでです。分解掃除(オーバーホール)や部品の修理は扱いません。

この記事を作るにあたって、次の問いに答えました。

電池交換をした時計 「G-SHOCK・カシオ」「セイコー・シチズン」「高級ブランド」「シャネル」
どんな場面で 「転売で仕入れた時計」「自分の時計」
自分で電池を替えた本数 「10本未満」
使った工具 「Amazonなどの工具セット」「専門メーカーの工具」「100均(ダイソー等)の工具」
100均の工具はどうだったか 「100均で傷を付けた」「オープナー系は弱くて使えない」
困ったこと 「電池を替えても動かない」「防水・パッキン」
替えても動かなかったとき 「カシオのAC(リセット)で動いた」「動かないままジャンクで売った」。リセットは「ボタン操作でリセットした」
防水・パッキンで困ったこと 「パッキンが劣化して交換した」「替えた後に水が入った・曇った」
水が入った時計はどうなったか 「止まって壊れた」。原因は「裏蓋の締めが甘かった」「防水を過信して水に当てた」
高級ブランドの電池交換 「転売用は自分、自分用は正規」
転売用を自分で替えて売るときの出品文 「電池交換済み・動作確認済み」「防水検査はしていないと書いた」

2. まず確かめること:電池切れか、電池交換で直る時計か

2-1. 電池切れのサイン

セイコーは、一部の機種に「電池寿命切れ予告機能」があり、アナログのクオーツは秒針が2秒ごとに動く、デジタルは表示全体が点滅する、としています。予告が始まると、1日〜数日のうちに止まります。カシオは、電池が減ったときのサインとして、表示が薄くなる・消える、針が止まる、時刻が狂う(リセットがかかる)、ボタンを押すと表示が消える、アラームやライトなどの機能に制限がかかる、電池交換マークが出る、を挙げています。

電池の寿命は機種で違います。セイコーは約1年〜10年とし、シャネルは2〜7年としています。新品で買った時計に最初から入っている電池は、機能を確かめるための「モニター電池」で、取扱説明書の年数より早く切れることがあります(セイコー、日本時計協会)。

2-2. ソーラーと機械式は、ふつうの電池交換ではない

光で充電する時計(ソーラー・電波ソーラー)は、充電式の電池(二次電池)で動いています。カシオは二次電池をユーザーが取り外さないよう案内し、日本時計協会は、太陽電池時計を普通の電池に替えると破損の危険があるとしています。シチズンのエコ・ドライブなど充電池を積んだ時計は、一部のGPSウオッチを除いて電池交換の対象外です。止まったときは、まず十分に明るい場所で光に当てます。日本時計協会は、長く使っていなかった時計は充電に時間がかかることがあり、十分に光を当てても動かないときは故障の可能性があるので各社に相談するよう案内しています。充電式の電池も消耗はします。カシオは、長く使ったり使う環境によって二次電池の容量や充電の効率が下がることがあり、使える時間が短くなったと感じたら修理窓口か販売店に相談するよう案内しています(保証期間後は、希望すれば有料の充電点検調整)。ソーラー時計の寿命と、止まった時計を直すか捨てるかの判断はソーラー時計の寿命の記事にまとめました。

機械式(自動巻き・手巻き)は電池を使いません。カシオは、機械式が動かないときはりゅうずを回してぜんまいを巻くよう案内しています。

2-3. 止まったまま置いておかない

日本時計協会は、電池が切れて止まった時計も回路はつながったままで小さな電流が流れ続け、過放電になると漏液しやすくなるので、止まったら早めに替えるよう案内しています。シャネルは、クォーツウォッチが止まったら3か月以内に電池を替えるよう求めています。

3. メーカーに出すといくらか

メーカー 電池交換の料金(税込) 含まれるもの・日数
カシオ 非防水・日常生活用防水 1,650円/5気圧 2,750円/10気圧・20気圧 3,850円/ダイバーズ(200m潜水用)5,500円/MR-G・OCEANUS・PROTREK MANASLU・MT-G 8,800円 技術料・防水検査料金・内部部品の消費分を含む。送料・梱包費・交通費は別で、有償修理の返送料は770円。持ち込みは窓口により約60分のクイックサービス(混雑や本数で翌日以降になる場合あり)、送付は到着から約7〜10日(ダイバーズは約2週間、プレミアムブランド専用修理の機種は約3週間)
シチズン 機種番号ごと。料金ページで料金が出る598件のうち、4,400円が226件、6,600円が19件、二次電池のため交換対象外が286件(機種番号の件数で、出回っている時計の数の割合ではない)。オーナーズクラブ対象の機種は7,700円。自分の時計は機種番号で引く パッキン交換と防水検査を含む(非防水を除く)。シチズンに直接頼んだ場合の金額で、ほかに頼むと違うことがある
セイコー 料金表なし。オンライン修理受付の見積もり機能で概算を確かめる。保証期間内でも電池交換は有料 パッキンの点検・交換を必ず依頼するよう案内。10気圧以上の日常生活用強化防水とダイバーズは防水検査を勧める。預かりは2週間程度
シャネル 保証期間内は無料、保証期間後は7,700円 電池のチェック、作動点検、電池交換、クリーニング、パッキン交換、防水性検査、48時間の作動点検など9工程

シチズンの料金ページには、ほかに「部品保有期間が過ぎたため、修理できません。」と出る機種番号が1,339件あります。カシオも、樹脂の部品(ケース・ベゼル・バンドなど)にひび割れなどがあると作業中に壊れるおそれがあるため、作業せずに返す場合があるとし、電池の生産終了で受けられない機種を挙げています。古い時計は、メーカーに出しても電池交換を受けてもらえないことがあります。

依頼先は、カシオは購入した販売店かカシオテクノ、セイコーは近くの時計販売店、シャネルはブティックか正規販売店です。シチズンの料金は、シチズンに直接頼んだ場合の金額です。量販店や街の時計店の料金は店ごとに違うので、この表には入れていません。タグ・ホイヤー・ブルガリ・エルメスなど海外ブランドの正規の料金はブランド時計の電池交換の記事にまとめました。

電池交換以外では、カシオは保証期間内の金属バンドの駒詰めを無償、駒足しは追加の駒の部品代がかかるとしています。金属ベルトのコマ詰めの頼み先ごとの料金と、自分で外すときの工具・失敗は時計のベルト調整の記事にまとめました。シチズンは、バンド・中留・バネ棒交換などの「指定箇所修理」を4,400円+部品料金、裏蓋を開ける修理などの「外装修理」を7,700円+部品料金、止まり・遅れなどの「内装修理(分解掃除)」を16,500〜30,800円(料金が出る598件のうち597件)としています。分解掃除の料金には、電池交換・防水検査・パッキン交換が含まれます。

4. 自分で替えてよい時計、店に出す時計

4-1. メーカーと日本時計協会は「時計店へ」

カシオは、一次電池の時計の電池交換は電池交換の受付先か販売店に頼むよう案内し、電池は指定の専用電池に替えるよう求めています。同じページで「電池交換の際、防水検査を行ないます。」としています。セイコーは、電池交換には専門知識と技術が要るとして、自分で替えることを勧めていません。日本時計協会も、腕時計の電池交換は専門的な技術と知識が要るので時計店に頼むよう案内しています。

防水のほかにも、電池の扱いと外装の破損があります。セイコーは電池について、充電・ショート・分解・加熱・火への投入をしないよう求め、カシオは樹脂の部品にひび割れなどがある時計は作業中に壊れるおそれがあるとしています。

保証にも関わります。セイコーは「不当な修理や、改造による故障または損傷」を保証の対象外にしています。開けたことそのものではなく、不当な修理や改造で起きた故障・損傷が対象外という書き方で、電池交換そのものは保証期間内でも有料です。シャネルは、シャネルまたはシャネルが認定したウォッチ アトリエ以外で行われた修理や点検は、国際保証の適用対象外となる損傷を引き起こすおそれがあるとしています。

4-2. この記事の線引き

メーカーの案内と、私の経験(転売で仕入れた時計は自分で替える、自分で使う高級ブランドは正規に出す、締めが甘いまま水に当てて1本壊した)から、この記事では次のように分けます。

時計 どうするか 根拠
ソーラー・電波ソーラー 電池を替えない。光に当てて、動かなければメーカーへ カシオ、日本時計協会、シチズン
機械式 電池はない。巻いて動かなければ点検へ カシオ
保証期間内 開けずに販売店・メーカーへ セイコー、シャネルの保証の規定
中に水・曇り・サビ・電池の液漏れの跡がある 使うのをやめて、点検・修理へ 日本時計協会
樹脂のひび・劣化、裏蓋やネジの傷みがある 開けずに店・メーカーに相談 カシオ(作業中に壊れるおそれ)
取扱説明書で指定の電池が確かめられない 店・メーカーへ カシオ・セイコー(指定・純正の電池)
水に濡れる使い方をする(手洗い・雨・水仕事・水泳など) 防水検査をする店・メーカーへ セイコー・カシオの案内と、私が壊した1本
10気圧以上・ダイバーズで、自分で使う 防水検査をする店・メーカーへ セイコーは10気圧防水以上は防水検査が必要とする
自分で使う高級ブランド 正規に出す 私がしていること
転売で仕入れた時計 自分で替えて、出品文に「電池交換済み・動作確認済み」「防水検査はしていない」と書く 私がしていること
売る時計のうち、防水を売りにする時計(10気圧以上・ダイバーズ)や高級ブランド 店・メーカーで電池交換と防水検査を済ませてから売る方法もある 買う人が水に当てる使い方をするかもしれないのは、自分で使う時計と同じ
上のどれにも当たらない、防水を求めない使い方の自分の時計 自分で替えられる。替えた後は防水検査をしていない時計として扱う セイコーの「当初の防水性能が維持できなくなる場合」

5. 自分で替えるときの道具と手順

5-1. 道具:100均のオープナーは使えなかった

私が使った工具は、Amazonなどで売っている腕時計の工具セット、専門メーカーの工具、100均(ダイソーなど)の工具です。100均の工具は、裏蓋を開けるオープナー系が弱くて使えず、傷を付けたこともあります。カシオも、多くの機種で裏ぶたの開け閉めに専用の工具が要るとしています。

5-2. 裏蓋の作りで、要る工具が違う

裏蓋の作り 見分け方 要る物
ネジ留め 裏蓋の四隅などに小さなネジがある ネジに合う精密ドライバー
回して開ける(スクリューバック) 裏蓋のふちにギザギザの溝がある 溝にかけて回すオープナー
はめ込み ケースとのすき間に、こじ開けるための切り欠きがある こじ開け用の工具と、閉めるときに押し込む道具

どれか分からない時計を、道具をそろえないまま力で開けようとすると、私のように傷を付けます。裏蓋を見て作りを確かめてから、工具を選んでください。裏蓋の種類ごとの開け方・閉め方と、閉まらないときは時計の裏蓋の開け方の記事に書きました。

5-3. 電池の型番を合わせる

電池の型番は、まず取扱説明書の仕様の欄(指定の電池)で確かめます。外した電池に刻まれた型番は参考です。中古の時計は、前の持ち主や店が違う電池を入れている場合もあるからです。取扱説明書が見つからず、指定の電池が確かめられないときは、店・メーカーに出してください。たとえば「SR626SW」はパナソニックの仕様で、酸化銀電池、1.55V、直径約6.8mm×高さ約2.6mmです。カシオは指定以外の電池は故障の原因になることがあるとし、セイコーは、同じJISコードの電池でも自社の要求性能を満たすか独自に確かめた純正電池を勧めています。日本時計協会は、形の似た空気亜鉛電池を誤って使うと破裂のおそれがあるとしています。SR626SWの相当品やダイソーの電池、SWとWの違いはSR626SWの互換の記事にまとめました。

5-4. 手順

先に、作業をやめる条件を決めておきます。裏蓋が固くて開かない、樹脂にひびがある、中に水・サビ・液漏れの跡がある、電池を押さえる金具の外し方が分からない、のどれかに当たったら、そこで閉じて店・メーカーに出します。ただし、カシオは修理を受けられない場合として、分解された状態やベゼルなどの外装部品が外された状態の時計、当社以外の者によって分解された痕跡がある時計を挙げています。自分で開けて失敗した後に、メーカーに出せば直るとは限りません。作業中は、電池の+と−に金属のピンセットなどで同時に触れない(ショートさせない)、金具や接点を曲げない、の2つに気をつけます。

  1. 裏蓋の作りに合った工具で、傷を付けないように裏蓋を開ける
  2. 電池を押さえる金具があれば外して、古い電池を取り出す
  3. 型番を確かめて、新しい電池を同じ向きで入れ、金具を戻す
  4. 動くかを確かめる。カシオで動かなかったとき、私は取扱説明書のボタン操作のリセットで動いた(リセットの操作と、何が初期化されるかは機種で違う)
  5. パッキンを見て、硬くなった・つぶれた・切れた物は交換する(私は劣化したパッキンを交換した)
  6. パッキンがずれないように、裏蓋を最後まで閉める(私は締めが甘く、水が入って1本壊した)
  7. 防水検査はしていないので、水に当てない

パッキンを見て替え、裏蓋を最後まで閉めても、それで防水が保たれているかは確かめられません。パッキンは裏蓋だけでなく、りゅうずやガラスにも使われています。防水が要る時計は、パッキン交換と防水検査を店・メーカーに頼んでください。

5-5. 外した電池の捨て方

日本時計協会は、使い終わった電池でもショートすると発熱・発火・破裂のおそれがあるので、+と−の端子をセロハンテープなどで覆うよう案内しています。ボタン電池(型式SR・LR)は、ごみ箱に捨てずに時計店に置かれた電池回収箱へ、コイン形リチウム電池(CR・BR)は自治体の指示に従って捨てます。ボタン電池は、乳幼児が飲み込むと短時間で消化管が傷つくおそれがあり、日本時計協会は、飲み込んだ・飲み込んだおそれがあるときはすぐ医師に相談するよう案内しています。

6. 電池を替えても動かないとき

私の場合、カシオは電池を替えた後に動かず、取扱説明書のボタン操作のリセットで動きました。リセットの操作は機種で違うので、取扱説明書で確かめてください。リセットしても動かない物は、直さずにジャンクとして売りました(ジャンクの値段の付き方はジャンク品がなぜ売れるのかの記事に書きました)。

電池以外の原因について、メーカーと日本時計協会は次のことを書いています。

  • 電池の型番が合っているか。カシオは指定以外の電池は故障の原因になることがあるとしています
  • 電池の向きと入り方、押さえる金具や接点が曲がっていないか。交換の作業そのものが原因のこともあります
  • 機械の中の摩耗・汚れ・油切れ。日本時計協会は、どの方式の時計でも、機械の動く部分で摩耗・汚れ・油切れが起きて正常に動かなくなることがあるとし、2〜3年に一度の点検(有償)を勧めています
  • 電池の液漏れ。止まったまま置いた時計は、漏液で機械が傷むことがあります(2章)
  • シチズンは、「止まり/時刻遅れ、進み」「各種機能が働かない」という症状を「内装修理(分解掃除)」の区分に入れていて、料金は16,500〜30,800円です(3章)。ただし、止まったからといって分解掃除が要るとは限りません

自分で確かめて動かないときは、それ以上分解せずに、原因が分からない時計として店・メーカーに点検を頼みます。5-4のとおり、自分で開けた時計はメーカーに修理を断られる場合があります。

7. 防水とパッキン:私が壊した1本

私は電池を替えた後、裏蓋の締めが甘いまま、防水を過信して水に当てました。水が入って時計は止まり、そのまま壊れました。劣化したパッキンを交換したこともあります。

水が入ったときについて、日本時計協会は、中に水が入ったら使うのをやめてすぐ修理を受けるよう案内しています。放っておくと、機械や電子部品、文字板が傷むおそれがあるからです。シャネルも、ガラスの内側に結露が見えたら早めに点検を頼むよう勧めています。動いていても、曇ったまま置かないでください。

防水の表示 カシオが挙げる使える場面
WATER RESISTANT(BARの表示なし) 弱い雨、洗顔のときの水はね、汗、手洗い程度
5BAR 水遊び、釣り、水まき、園芸など。シャワーなど強い水圧には耐えられない場合がある
10BAR プールや川での水しぶき、水泳
20BAR 水上スキー、サーフィン、素潜りなど。スクーバダイビングは不可
ダイバーズ(AIR DIVER’S 200mなど) スクーバダイビング

この表は、メーカーが防水を保っている状態の話です。自分で裏蓋を開けた時計は、セイコーの言う「当初の防水性能が維持できなくなる場合」に当たるかもしれず、それを確かめる防水検査は自分ではできません。日本時計協会は、ダイバーズウオッチの防水性能の検査には専用の特殊試験機が要るとしています。

パッキンについては、日本時計協会は、裏ぶた・りゅうず・ガラスのパッキンは汗や水分で弾力が落ちたり割れやすくなったりするので、電池交換や定期点検のときに交換を頼むよう案内しています。シャネルは、使い始めてから2年ごとのパッキン交換と、海やプールで使ったときは毎年の防水機能の点検を勧めています。セイコーは、防水の性能を問わず入浴やサウナでは時計を外すよう案内しています。

8. 転売で仕入れた時計の電池交換

私は、転売で仕入れた時計は自分で電池を替えて売り、自分で使う高級ブランドは正規に出しています。自分で替えて売るときは、出品文に「電池交換済み・動作確認済み」と書き、「防水検査はしていない」ことも書きました。自分で替えた時計は防水検査を通っていません。出品文の「防水検査はしていない」は、そのことを買う人に伝える一文です。「動作確認済み」は、何を確かめたか(何日動かしたか、時刻の進み遅れ、ボタンやライトなどどの機能を確かめたか)まで書くと、買う人の期待とずれにくくなります。

買う人が雨や水仕事、水泳で使うかもしれないのは、自分で使う時計と同じです。防水を売りにする時計(10気圧以上・ダイバーズ)や高額な時計は、店・メーカーで電池交換と防水検査を済ませてから売る方法もあります。

高級ブランドは、シャネルのように、シャネルや認定のアトリエ以外での修理や点検が国際保証の対象外となる損傷を招くおそれがあると書いているメーカーがあります。シャネルの正規のバッテリーサービスは保証期間後7,700円で、パッキン交換と防水性検査まで入っています。

電池を替えても動かない物は、私は直さずにジャンクとして売りました。壊れた物を直して売ることを始める順番は修理転売の始め方の記事に、ロレックスの転売の話はロレックス転売の記事に書きました。

9. 計算機:自分で替えるか、店・メーカーに出すか

メーカー・防水の表示・動く仕組み・裏蓋の作り・外装と中の状態・使い方を選ぶと、4章の線引きで判定し、何年分かの電池交換の費用を、店・メーカーに出す場合と自分で替える場合で比べます。カシオ・シチズン・シャネルは、料金を空欄にするとメーカー公表の料金で計算します。自分で替える費用には、防水検査・パッキン交換・作動点検と、失敗したときの修理代は入っていません。交換の回数と料金は、電池の寿命が毎回同じで、いまの料金が続き、毎回受け付けてもらえる前提の参考計算です。

腕時計の電池を自分で替えるか、店・メーカーに出すかの判定と、費用の比べ方

入力した数字は、このページの中で計算に使うだけで、どこにも送られません。店・メーカーの料金を空欄にすると、カシオ・シチズン・シャネルはメーカーが公表している料金(2026年10月16日に確認)で計算します。セイコーは料金表を公表していないので、見積もりの額を入れてください。工具代・電池代の初期値は入力例です。

10. よくある質問

腕時計の電池交換は、自分でできますか?

裏蓋を開ける工具があれば、できます。ただし、カシオ・セイコー・日本時計協会は、そろって販売店・時計店に頼むよう案内しています。大きな理由の一つが防水で、自分で替えると防水検査ができません。私は転売で仕入れた時計は自分で替え、自分で使う高級ブランドは正規に出しています。

裏蓋はどうやって開けますか?

作りで違います。小さなネジで留めてある物は精密ドライバー、ふちにギザギザの溝がある物は溝にかけて回すオープナー、すき間に切り欠きがあるはめ込みの物はこじ開け用の工具を使います(5章)。

自分で電池交換できる時計はありますか?

この記事では、保証期間を過ぎていて、水に濡れる使い方をしない、ソーラーでも機械式でもない電池式の時計で、外装にひびや傷みがなく、中に水やサビの跡がなく、取扱説明書で指定の電池が確かめられるなら、自分で替えられるとしています。10気圧以上・ダイバーズで自分で使う時計と、自分で使う高級ブランドは、店・メーカーに出す側に入れています(4章)。

100均(ダイソー)の工具でできますか?

私は100均の工具も使いましたが、裏蓋を開けるオープナー系は弱くて使えず、傷を付けたこともあります。

腕時計の電池交換の値段はいくらですか?

メーカーに出すと、カシオは防水の表示で1,650〜5,500円(MR-G・OCEANUS・PROTREK MANASLU・MT-Gは8,800円)、シチズンは多くの機種で4,400円、シャネルは保証期間後7,700円です。セイコーは料金表を公表しておらず、オンライン修理受付で見積もれます(2026年10月16日に確認)。

電池交換はどこでできますか?

カシオは購入した販売店かカシオテクノ、セイコーは近くの時計販売店、シャネルはブティックか正規販売店に頼むよう案内しています。シチズンの料金表は、シチズンに直接頼んだ場合の金額です。

電池を替えたのに動かないのはなぜですか?

私の場合、カシオは取扱説明書のボタン操作のリセットで動きました。電池の型番違い、機械の中の摩耗・汚れ・油切れ、止まったまま置いたことによる液漏れも原因になります。止まり・遅れの修理は分解掃除で、シチズンは16,500〜30,800円です(6章)。

ソーラーの腕時計が止まったら、電池交換ですか?

ふつうの電池交換ではありません。十分に明るい場所で光に当てます。長く使っていなかった時計は時間がかかることがあり、それでも動かなければメーカーに相談します。充電式の電池を自分で外したり、普通の電池に替えたりはしません。充電しても使える時間が短くなったときは、充電式の電池が弱っていることがあるので、メーカーか販売店に相談します(2章)。

G-SHOCKの電池交換は自分でできますか?

私はG-SHOCK・カシオの電池を替えてきました。カシオに出すと、20BARの表示なら3,850円です。ただし、MR-G・MT-Gなどプレミアムブランド専用修理の対象機種は8,800円で、ソーラーのG-SHOCKはふつうの電池交換ではありません(2章)。カシオは、樹脂の部品にひび割れなどがあると作業中に壊れるおそれがあるので、作業せずに返す場合があるとしています。自分で開ける場合も、古い樹脂の時計は割れに気をつけてください。G-SHOCKの型番ごとの電池の寿命、タフソーラー、電池切れを仕入れて売るときの計算はG-SHOCKの電池交換の記事にまとめました。ベルト・ベゼルの交換はG-SHOCKのベルト交換・ベゼル交換の記事に書きました。

11. まとめ

  • 電池式の時計の電池交換は、裏蓋を開ける工具があれば自分でもできる。ただしカシオ・セイコー・日本時計協会は販売店・時計店へと案内している
  • 大きな理由の一つが防水。自分で替えると防水検査ができず、私は締めが甘いまま水に当てて1本壊した
  • ソーラーは光に当てる、機械式は巻く。どちらもふつうの電池交換ではない
  • メーカーの料金は、カシオ1,650〜5,500円(一部8,800円)、シチズン多くは4,400円、シャネル保証期間後7,700円で、防水検査を含む
  • 100均のオープナー系は弱くて使えず、傷を付けたことがある
  • 転売で仕入れた時計は自分で替え、出品文に「防水検査はしていない」と書く。自分で使う高級ブランドは正規に出す

12. 参考資料

13. あわせて読む

14. この記事について

書いた人 中古品の売買を20年近く続けている古物商。転売で仕入れた時計と自分の時計で、G-SHOCK・カシオ、セイコー・シチズン、シャネルなどの高級ブランドの電池交換をしてきた(自分で替えたのは10本未満)。時計の分解掃除や部品の修理はしていない
この記事の読み手 腕時計が止まって、電池を自分で替えるか、店・メーカーに出すかを決めたい人。転売で仕入れた時計の電池を替えて売りたい人
一次情報 1章の答え(電池交換をした時計と場面、本数、工具、100均の工具、替えても動かなかったときの対処、防水・パッキンの失敗と原因、高級ブランドの分け方、出品文)
一次資料 カシオ・セイコーウオッチ・シチズン・シャネルの公式サイト、日本時計協会、パナソニック(12章)。料金は2026年10月16日に確認
扱わないこと 分解掃除・部品交換の手順、量販店や街の時計店の料金、ソーラー時計の二次電池の交換

 

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