届いた商品に傷があった。説明と違う。写真に写っていなかった不備がある。
そこで出品者に連絡したら、「返品ではなく、○○円お返しするのでこのまま受け取っていただけませんか」と一部返金を持ちかけられた。あるいは、こちらが返品を申し出たのに「返送は不要です、その代わり値引きで手を打ちましょう」と言われた。
この記事は、その提案に納得できない人、断っていいのか分からない人のために書いています。
先に結論を言うと、メルカリには事務局を介した一部返金の正式な手続きがあります。ただし、正式な手続きであることと、あなたがそれに応じるべきかどうかは別の話です。一部返金には「受取評価ができなくなる」「取引メッセージが使えなくなる」「返金額は出品者の販売利益を超えられない」という3つの制約があり、この制約を知らずに合意すると、あとから「納得できない」が確定します。
この記事では、公式ルールを正確に押さえたうえで、私自身が出品者として一部返金を受けたときの実際の流れ、応じる・断るの判断基準、返金額の決め方、断り方の例文、返品ルート(2026年3月に始まった匿名返品サービスを含む)までまとめます。
【結論】一部返金の提案に応じる義務はない。ただし「公式の手続き」は存在する
最初に、この記事の以前の版を読んだ方への訂正です。以前は「メルカリに一部返金の正規機能はない」「一部返金は非公式なローカルルール」と書いていましたが、現在のメルカリガイドには購入者への一部返金手順が正式に案内されています。返金用の出品ページを作る必要も、銀行口座を教え合う必要もありません。この点は現在の仕様に合わせて書き直しました。
そのうえで、結論は変わりません。
- 出品者から一部返金を提案されても、購入者が応じる義務はありません。合意しなければ手続きは始まりません。
- 一部返金は「双方が金額に合意していること」が前提条件です。つまり、納得できない金額なら断って、返品・キャンセル(全額返金)を選ぶことができます。
- 逆に、商品を手元に置きたくて、不備の大きさに見合う金額で合意できるなら、一部返金は返送の手間がない合理的な選択肢です。
つまりこの記事の立場は「一部返金は危険だから拒否しろ」ではなく、「制約を知ったうえで、納得できる場合だけ応じる。納得できないなら返品を選ぶ」です。
メルカリ公式「一部返金」の仕組みと3つの制約
まず公式ルールを正確に押さえます。以下はメルカリガイド「購入者への一部返金手順」に基づく整理です。
一部返金とは何か
公式の定義は「事務局を介して、出品者へ反映される販売利益の一部を購入者へ返金すること」です。出品者が自分で返金操作をするのではなく、双方が合意した金額を事務局に伝え、事務局が処理します。
そのため、購入者が銀行口座を出品者に教える工程はありません。「一部返金 銀行口座 不要」で検索している方はここが答えです。返金先を個別にやり取りする手順は公式手順に存在せず、事務局側で処理されます。
制約①:受取評価ができなくなり、取引メッセージも閉じる
一部返金の処理では、事務局が取引完了を代行します。その結果、出品者・購入者ともに評価はできません。処理完了後は取引メッセージも使用できなくなります。
「一部返金 評価できなくなる」「取引メッセージ 使えなくなる」で検索している方が多いのは、この点が合意後に判明して戸惑うからだと思います。購入者側にとっての意味は2つあります。
- 不誠実な相手に「残念だった」評価をつけることはできない。
- 処理完了後に別の不備が見つかっても、取引メッセージで再交渉する手段がなくなる。
合意する前に、商品を隅々まで確認しておく必要があるのはこのためです。
制約②:金額は「○○円」と数字で明示する
「半額」「20%」のような表現ではなく、「1,500円」のように円単位の数字で明示し、双方が合意していることが必要です。曖昧なまま申請しても処理されません。
制約③:返金額の上限は「その取引での出品者の販売利益」
ここがこの記事で一番重要な制約です。返金額は、その取引で出品者に反映される販売利益(メルペイ残高または売上金に反映される金額)を超えることができません。
販売利益は、販売価格から販売手数料と(出品者負担の場合)送料を引いた金額です。式にすると次のようになります。
一部返金の上限 = 販売価格 − 販売手数料 − 出品者負担の送料
この式が意味するのは、「安い商品ほど、一部返金で取り戻せる金額の天井が低い」ということです。たとえば販売手数料が10%、送料が出品者負担で仮に500円だったとします(送料は配送方法とサイズで変わるので、あくまで計算例です)。
| 販売価格 | 手数料(10%) | 送料(仮に500円) | 一部返金の上限 | 上限が価格に占める割合 |
|---|---|---|---|---|
| 1,500円 | 150円 | 500円 | 850円 | 約57% |
| 3,000円 | 300円 | 500円 | 2,200円 | 約73% |
| 10,000円 | 1,000円 | 500円 | 8,500円 | 85% |
| 30,000円 | 3,000円 | 500円 | 26,500円 | 約88% |
数千円の商品で「説明と全然違う、実質的に価値がない」というケースでは、一部返金の上限がそもそも低く、返品・キャンセル(全額返金)のほうが取り戻せる金額が大きくなります。逆に数万円の商品なら上限に余裕があり、不備の程度に応じた減額で合意しやすくなります。
「一部返金の金額に納得できない」という状況の一部は、出品者がケチっているのではなく、この上限に引っかかっていることがあります。安い商品で大きな不備があるなら、金額交渉を続けるより返品に切り替えたほうが早い、というのがこの式から出る結論です。
申請の流れ
- 取引メッセージで双方が返金額(○○円)に合意する。
- 出品者・購入者のどちらか一方が、ガイドページ下部の「お問い合わせはこちら」から事務局に申請する。
- 申請後は、受取評価をせず、取引中のまま待つ。評価してしまうと取引が完了し、一部返金の対象外になります。
- 事務局が返金と取引完了を処理する。
出品者側から見た一部返金:私が実際に受けたときの流れ
私は長年、中古品の修理と販売をしてきました。購入者としてではなく、出品者として一部返金を受けた経験があります。購入者の方には、提案する側・受ける側がどう考えているのかを知っておいてほしいので、そのまま書きます。
商品はスマホでした。購入者から、商品の状態について指摘が来ました。正直に言うと、いちゃもんに近い内容でしたが、こちらにも落ち度がありました。説明が不足していた部分、写真で伝え切れていなかった部分があったからです。
相手は慣れていました。返送は望まず、「返品はしないが、値引きはしろ」という主張で、金額まで自分から提示してきました。転売目的の人だったのかもしれません。私は面倒だったので、「それでいいですよ」と受けました。
手続きは拍子抜けするほど簡単で、「双方で合意した」と伝えて、やり取りの内容をメルカリ運営に伝えるだけでした。それで処理されました。
そして、手続きが終わったあとに私はその購入者をブロックしました。二度と取引したくないと思ったからです。一部返金では評価がつかないので、評価で意思表示する手段はありません。ブロックはできます。
この経験から、購入者の方に伝えたいことは4つです。
- 出品者が一部返金を受けるのは「面倒を避けたい」からです。返送を受けて再出品する手間、返送料の負担、事務局とのやり取り。これを避けられるなら少額の返金で済ませたい、というのが出品者側の本音です。あなたへの配慮ではありません。
- 出品者に落ち度の自覚があるときは、一部返金は通りやすい。説明不足・写真不足を自覚している出品者は、争うより金額で済ませようとします。逆に「説明どおりだ」と考えている出品者は、そもそも一部返金に応じないか、返品を求めてきます。
- 慣れた購入者は金額を先に出す。「いくらか返してほしい」ではなく「○○円の返金で受け取ります」と具体的に言われると、出品者は判断しやすい。この記事の後半で、金額の決め方を書きます。
- 一部返金のあとにブロックされることはある。評価はつかないので、あなたの評価欄に傷はつきません。ただし、その出品者から再び買うことはできなくなる可能性があります。気に入った出品者から今後も買いたい場合は、この点も考慮してください。
もう一つ。私の場合、相手が返送を望まなかったから一部返金で終わりましたが、もし相手が返品を主張していたら、私は返品を受けていました。落ち度がある側は返品を拒否できないからです。出品者側に落ち度があると分かっているケースでは、購入者は返品と一部返金のどちらでも選べる立場にいます。それを知らずに、出品者が提示した金額で手を打つのはもったいない。
今振り返って思うこと:個別交渉せず、事務局に仲介させればよかった
この取引を今振り返ると、面倒だからと相手の言い値を受けたのは最善ではありませんでした。こういう相手とは取引メッセージで個別にやり取りをせず、最初から事務局に仲介させるのが一番よかったと思っています。
理由は、事務局を通すと処理が中立になるからです。当事者同士の交渉は、慣れている側・強く出る側が有利になります。事務局が間に入れば、商品の状態を事務局が確認したうえで判断され、相手の押しの強さは関係なくなります。
私のケースで言えば、一部返金で値引きするより、返品を受けてスマホを取り返し、ヤフオクで1円スタートにかけて損切りしたほうが、損失は小さかった可能性があります。値引き額は相手が決めた数字でしたが、ヤフオクの落札額は市場が決める数字だからです。
これは購入者側にもそのまま当てはまります。出品者が面倒な相手で、取引メッセージでの交渉が消耗戦になりそうなら、個別交渉を打ち切って事務局に相談するという選択肢があります。次の章で、その仕組みを説明します。
個別交渉をやめて事務局に判断させるルート:全額補償サポートプログラム
「出品者と話がつかない」「相手が一部返金の金額を押しつけてくる」「そもそもやり取りしたくない」という場合、当事者間の合意を諦めて事務局に判断を委ねるルートがあります。メルカリガイド「届いた商品が説明文と違う/壊れている」と「全額補償サポートプログラム」に基づく整理です。
仕組み
- 購入者が受取評価をせず、商品到着から14日以内に事務局へ連絡する。事務局が利用状況に応じて補償対応の可否を調査する。
- 問題箇所の画像を添付して申請。事務局が取引状況を確認して判定する。
- 承認された場合、購入者は商品を事務局指定の「商品回収センター」へ送る(送付先は事務局から案内される)。指定期日までの対応が必要。
- 購入者には支払い代金(クーポン利用分を除く)が補償される。上限金額はない。梱包資材費や手数料は対象外。
つまり、出品者と合意できなくても、出品者に商品を送り返さなくても、事務局が商品を回収して判断し、返金する形が用意されています。出品者側も別途、販売利益が補償の対象になるため、どちらか一方が泣く仕組みではありません。私が「中立的な処理が期待できる」と書いたのはこの意味です。
適用条件(すべて満たす必要がある)
- アプリでの本人確認(eKYC)を完了していること
- メルカリ便(らくらく・ゆうゆう・エコ)を利用した取引であること
- 配達完了日の翌日から14日以内に申請すること
- 出品者・購入者ガイドラインを遵守していること(過去の取引を含む)
- 2025年7月1日以降の取引であること。メルカリShopsの商品は対象外
メルカリ便以外で届いた場合や、本人確認をしていない場合はこのルートに乗れません。その場合は、前述の返品ルート(出品者の同意を得て返送)で進めることになります。
使いどころ
このルートは、一部返金や返品の交渉が「うまくいかない」ときの保険ではなく、面倒な相手に対して最初から選べる正規ルートです。取引メッセージで相手のペースに巻き込まれる前に、事務局に相談してよい。個別交渉で消耗するより、事務局の判定に任せたほうが結果が中立になります。
私は、フリマでもオークションでも、面倒な相手はそもそも相手にしないのが一番だと考えています。出品者としては、購入前のコメントの段階で面倒な空気を出してくる人はブロックしてコメントも消します。放置すると、それを見た他の人が「この出品者は雑に扱っていい人だ」と勘違いするからです。いじめと同じ構造で、最初の一人を許すと連鎖します。購入者の立場なら、相手にするかどうかを選ぶ手段が「事務局に委ねる」です。面倒な相手の見分け方はメルカリで遭遇するめんどくさい人の対処法にまとめています。
一部返金に応じる?返品する?判断基準
ここが、この記事で持ち帰ってほしい部分です。判断の軸は3つです。
- 商品を手元に置きたいか(不備があってもこのまま使うか)
- 不備の大きさ(軽微か、商品の価値を根本から損なうか)
- 納得できる金額が、一部返金の上限(販売利益)に収まるか
| 状況 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| 小さな傷・汚れで使用に問題なし、商品自体は欲しい | 一部返金 | 返送・買い直しの手間のほうが大きい |
| 付属品が1点欠品、単品で買い足せる | 一部返金(買い足し費用相当) | 金額の根拠が明確で合意しやすい |
| 数千円以内の修理で使える | 一部返金(修理費相当) | 同上。ただし上限に収まるか確認 |
| 説明と大きく違う、欲しかった物と違う | 返品・キャンセル | 手元に置く理由がない |
| 動作しない、使用できない | 返品・キャンセル | 一部返金では損失を回収できない |
| 安い商品で不備が大きい | 返品・キャンセル | 一部返金の上限が低く、全額返金のほうが取り戻せる |
| 偽物の疑い | 事務局へ相談 | 当事者間で解決する問題ではない |
| 配送中の破損の可能性 | 事務局へ相談 | メルカリ便なら補償の対象になりうる |
| 出品者と金額で合意できない | 返品に切り替え、応じなければ事務局へ | 合意なしに一部返金は成立しない |
| 出品者が一部返金も返品も拒否 | 事務局へ相談 | 受取評価をせずに相談する |
| 出品者が面倒な相手で、交渉が消耗戦になりそう | 個別交渉をやめて事務局へ(全額補償サポートプログラム) | メルカリ便・本人確認済み・14日以内なら、商品回収センター経由で事務局が判定 |
一部返金と返品を、手間の面で比べると次のようになります。
| 一部返金 | 返品・キャンセル | |
|---|---|---|
| 商品 | 手元に残る | 手放す(欲しければ買い直し) |
| 返送作業 | 不要 | 必要(梱包・発送) |
| 返送料 | なし | 匿名返品サービス対象なら無料。対象外なら双方で取り決め |
| 取り戻せる金額 | 合意額(上限は販売利益) | 全額 |
| 評価 | 双方できない | キャンセル完了で取引終了(評価なし) |
| 処理後の再交渉 | 不可(取引メッセージが閉じる) | 取引自体が終了 |
一部返金はいくらが妥当?返金額の決め方
「一部返金 相場」で検索する方がいますが、相場と呼べるものはありません。商品と不備の内容で決まるからです。ただし、根拠のある決め方は3パターンに整理できます。根拠があると出品者も納得しやすく、合意が早くなります。
パターン1:修理費・補修費を基準にする
使える状態にするために必要な費用を、そのまま返金額にします。たとえば、液晶に説明のない傷があり、保護フィルムや部品交換で対処できるなら、その費用です。
この場合、修理費が販売価格に対して大きすぎるなら(目安として販売利益の上限を超えるなら)、一部返金ではなく返品を選ぶべきです。
パターン2:欠品した付属品の調達費を基準にする
説明にあった付属品(ケーブル、箱、説明書、リモコンなど)が入っていなかったなら、それを単品で買った場合の費用です。メルカリやフリマアプリで同じ付属品を検索すれば、すぐに金額が出ます。根拠として一番分かりやすいパターンです。
パターン3:状態の差による価値の下落を基準にする
「美品」として買ったが実際は使用感が強い、というような場合は、次の式で考えます。
返金額 = 購入価格 − 「実際の状態」で出品されていたら払ったであろう価格
後半の価格は、同じ商品で同程度の状態の出品を探せば見当がつきます。この差額が販売利益の上限を超えるなら、一部返金では足りないということなので返品を選びます。
どのパターンでも最後に確認すること
- 希望額が「販売価格 − 手数料 − 出品者負担の送料」を超えていないか。超えていれば一部返金は成立しないので、返品に切り替える。
- 金額は「○○円」と数字で伝える。
- 合意する前に、商品を隅々まで確認する。処理後は再交渉できない。
納得できないときの断り方・交渉例文
感情的な文面は、こじれるだけで得がありません。事実と希望だけを書きます。
例文A:一部返金を断り、返品・全額返金を希望する
ご提案ありがとうございます。
ただ、届いた商品は商品説明に記載のなかった○○(具体的な不備)があり、この状態では使用が難しいため、一部返金ではなく返品・取引キャンセルでお願いしたいです。
お手数ですが、キャンセル申請をお願いできますでしょうか。メルカリ便でお送りいただいているので、匿名返品サービスでの返送を希望します。
よろしくお願いいたします。
例文B:商品は欲しいので、根拠を示して金額を再提示する
ご提案ありがとうございます。
商品自体はこのまま使用したいと考えています。ただ、○○(不備の内容)の対応に○○円ほどかかる見込みのため、ご提示の△△円ではなく、○○円の一部返金でご検討いただけないでしょうか。
ご了承いただけましたら、メルカリ事務局を通した一部返金の手続きで進めたいと思います。
難しい場合は、返品・キャンセルでの対応をお願いいたします。
例文C:「返金用ページを作って」「直接振り込む」と言われたとき
ご提案ありがとうございます。
一部返金については、メルカリ事務局を通した正式な手続きがありますので、そちらでお願いしたいです。返金用の出品や直接のお振込みは、メルカリの規約上問題になる可能性があるため、お受けできません。
事務局経由の手続きでご了承いただけましたら、合意した金額で申請いたします。
返金用ページを別に出品する方法は、事務局ルートがなかった時代の名残です。現在は正式な手続きがある以上、あえて規約上グレーな方法を使う理由はありません。相手がそれに固執する場合は、事務局経由でしか応じないと伝えてください。
例文D:合意できたので事務局に申請するとき
【取引メッセージで】
それでは、○○円の一部返金で合意ということでお願いいたします。私のほうから事務局に申請いたします。受取評価は行わず、事務局の処理をお待ちください。
【事務局への問い合わせで】
取引ID:○○○○
商品に商品説明にない○○(不備)があり、出品者と取引メッセージ上で○○円の一部返金で合意しました。一部返金の処理をお願いいたします。
例文E:出品者が一部返金も返品も拒否、または返信がないとき
【事務局への問い合わせで】
取引ID:○○○○
届いた商品に商品説明と異なる○○(不備)がありました(写真あり)。出品者に取引メッセージで○月○日に連絡しましたが、返品・一部返金のいずれにも応じていただけない(または返信がない)状況です。受取評価はしていません。対応をお願いいたします。
返品・全額返金を選ぶときの手順
メルカリガイド「商品の返品手順」に沿って進めます。
出品者の同意なく返送しない
公式ガイドには「出品者の同意なく、商品の返品やキャンセル申請をしないでください」と明記されています。勝手に送り返すと、こちらが不利になります。まず取引メッセージで返品の意思を伝え、出品者にキャンセル申請をしてもらいます。
受取評価をしない
取引完了後はキャンセルできません。不備に気づいたら、評価をせず、まず取引メッセージで連絡します。これは一部返金でも返品でも共通です。
匿名返品サービス(2026年3月開始)
以前この記事では「返品すると住所・氏名を相手に伝える必要がある」と書いていましたが、現在は変わっています。メルカリガイド「匿名返品サービス」によると、2026年3月2日から対象の取引で順次利用できるようになりました。要点は次のとおりです。
- 対象は、らくらくメルカリ便・ゆうゆうメルカリ便・エコメルカリ便で発送された取引(たのメル便、メルカリShopsの商品は対象外)。
- キャンセル申請時に返品方法として「無料で匿名返品」を選び、取引相手が承諾していること。申請者のアプリが最新版であること。
- 返品時の送料は無料。
- 返送はヤマト運輸、セブン-イレブン、ファミリーマートから。
- 返品はキャンセル申請の承諾から3日を目安に。手続きの有効期間は承諾から10日間。
つまり、メルカリ便で届いた商品なら、氏名・住所を出品者に伝えずに、送料無料で返品できます。以前の「返送料をどちらが持つか」「着払いで送っていいか」という論点は、メルカリ便の取引に関しては解消されています。
匿名返品サービスの対象外のとき
普通郵便など匿名配送以外で届いた場合、返送料は出品者・購入者間で取り決めることになっています。出品者側に落ち度(説明と違う、不備の記載漏れ)があるなら、返送料は出品者負担が筋なので、その旨を伝えて合意を取ります。公式ガイドは追跡サービス付きの配送方法を推奨しており、追跡番号は取引メッセージで相手に伝えます。追跡なしで送って「届いていない」と言われると、証明する手段がなくなります。
キャンセルの流れ
- 出品者がキャンセル申請、購入者が同意。
- 購入者が商品を返送(匿名返品サービス、または追跡付きの配送方法)。
- 出品者が「返送された商品を受け取った」をタップ。
- キャンセル完了。商品代金は支払い方法に応じて購入者に戻る。
一部返金・返品でやってはいけないこと
- 先に受取評価をする。取引完了後は一部返金も返品もできません。
- 金額を曖昧にしたまま申請する。「半額」「少し」は処理されません。数字で合意します。
- 不備の写真を残さない。事務局に相談する段階で、写真が唯一の証拠になります。開封時から撮っておきます。
- 返金用ページの出品や直接振込に応じる。事務局ルートがある以上、使う理由がありません。
- 出品者の同意なく返送する。公式ガイドで明確に禁止されています。
- 処理後に別の不備を見つける。一部返金の処理後は取引メッセージが閉じ、再交渉できません。合意前に全部確認します。
- 感情的な文面を送る。争いになると、出品者は返品に応じる動機を失います。事実と希望だけを書きます。
よくある疑問
一部返金をすると評価はどうなる?
事務局が取引完了を代行するため、出品者・購入者ともに評価はできません。評価欄には何も残りません。
一部返金にペナルティはある?
事務局を介した正式な手続きなので、公式ガイドにペナルティの記載はありません。ペナルティのリスクがあるのは、返金用ページの出品や外部決済への誘導など、事務局を通さない方法のほうです。
一部返金の申請は出品者と購入者のどちらがする?
どちらか一方が申請すれば足ります。申請後は評価をせず、取引中のまま待ちます。
一部返金の相場はいくら?
相場はありません。修理費・欠品の調達費・状態差による価値の下落のいずれかを根拠に決め、販売利益の上限に収まるか確認します(この記事の「返金額の決め方」参照)。
一部返金に合意したあとで、別の不備に気づいたら?
処理完了後は取引メッセージが使えず、再交渉はできません。処理前なら、取引メッセージで合意内容を修正するか、返品に切り替えます。
出品者が一部返金を拒否したら?
一部返金は双方の合意が前提なので、拒否されれば成立しません。返品・キャンセルを求め、それにも応じない場合は受取評価をせずに事務局へ相談します。メルカリ便・本人確認済み・配達完了翌日から14日以内なら、全額補償サポートプログラムの対象になりえます。
出品者とやり取りしたくない。最初から事務局に任せられる?
条件(メルカリ便・本人確認済み・14日以内・ガイドライン遵守)を満たせば、事務局に相談して判定を委ねることができます。承認されれば商品を商品回収センターへ送り、支払い代金が補償されます。出品者に商品を送り返す必要はありません。
受取評価をしてしまったあとに一部返金はできる?
できません。取引完了後はキャンセルも一部返金も対象外です。
一部返金の受け取りに銀行口座は必要?
出品者に口座を伝える手順はありません。事務局が処理します。
まとめ:制約を知ったうえで、納得できる場合だけ応じる
メルカリの一部返金は正式な手続きです。ただし、評価ができない、取引メッセージが閉じる、返金額は出品者の販売利益が上限、という3つの制約があります。
出品者が一部返金を提案するのは、返送を受けて再出品する手間と返送料を避けたいからです。私自身、出品者としてそうしました。出品者に落ち度があるケースでは、購入者は返品と一部返金のどちらでも選べる立場にいます。
商品を手元に置きたくて、不備に見合う金額が上限内で合意できるなら一部返金。そうでなければ返品。安い商品で不備が大きいなら、上限の計算をするまでもなく返品。そして、相手が面倒で交渉が消耗戦になりそうなら、個別交渉をやめて事務局に判定を委ねる。判断はこれだけです。納得できない金額で手を打つ必要はありません。
参考(メルカリガイド)
本記事の公式仕様に関する記述は2026年9月時点のメルカリガイドに基づきます。仕様は変更されることがあるため、手続きの際は上記ガイドで最新の内容をご確認ください。

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