「Keepa」で調べて来られた方に、先に立場を明かします。
私はAmazonで出品していた期間があり、Keepaの有料プランを契約していました。いまは中古品の買取・修理・販売が中心です。20年ほどこの商売を続けています。
この記事に、使い方の手順は書きません。手順は検索すればいくらでも出てきますし、拡張機能を入れれば画面に出ます。
代わりに書くのは、入れる前と払う前に確認しておくことです。危険なのか、いくらかかるのか、通知は当てにできるのか。この3つです。
結論を先に3行で
- マルウェアではありません。実在するドイツ法人が運営していて、要求する権限も公開されています。ただしCookieにアクセスする権限があり、個人を特定できる情報を扱うと申告されています
- 料金はユーロ建てです。円での金額は為替で動くので、記事に書かれた数字を信用しないでください
- ランキングの推移を見るなら、有料です。以前この記事で「無料で見られる選択肢」として挙げたERESAの無料プランは、2025年11月30日で終わっています
Keepaは危険なのか
拡張機能なので、この不安は当然です。推測ではなく、公開されている情報で確認します。
運営元は実在します
Chromeウェブストアの記載では、デベロッパーはKeepa GmbH。所在地はドイツで、住所とD-U-N-S番号まで開示されています。
利用者は約400万人、評価は5,121件で4.7。拡張機能のサイズは55.2KiB、バージョンは5.64で、直近の更新は2026年8月23日です。
更新日は見ておいてください。拡張機能で本当に危ないのは、悪意のあるものより、放置されているものです。更新が止まったまま権限だけ持ち続けている拡張機能は、後から所有者が変わることがあります。Keepaはその状態ではありません。
要求している権限も、公開されています
ストアの説明には、何の権限を何のために使うかが書かれています。
- keepa.comとAmazonのドメイン……グラフをAmazonのページ上に表示するため
- declarativeNetRequestWithHostAccess と Cookies……「hidden MAPs and third-party merchant stock counts」、つまり表に出ていない価格や第三者出品者の在庫数を取り出す処理のため
- Storage……設定をブラウザ内に保存するため
- ContextMenus……初期状態では無効。複数商品をまとめて開くための任意機能
読み飛ばしてほしくないのは2つ目です。Cookieにアクセスする権限があります。そして、その用途も書かれています。Amazonのページで普通には見えない在庫数を出せるのは、この権限があるからです。
つまり「便利さ」と「渡している権限」は同じものの表と裏です。在庫数が見えることを便利だと思うなら、その仕組みも受け入れていることになります。
Googleのデータ開示欄には、こう出ています
「個人を特定できる情報」を扱うと申告されています。あわせて、承認された以外の用途で第三者に販売しないこと、中心機能と関係のない目的で使用・転送しないこと、信用力の判断や融資目的で使用・転送しないことが宣言されています。
もう1つ、自己開示があります。「When you click an eBay link in the Keepa Box, it’s routed through the eBay affiliate program.」KeepaのボックスからeBayのリンクを踏むと、アフィリエイト経由になる、という記載です。
これは隠されていません。書いてあります。無料で使えるものには収益源があり、ここではそれが開示されている、というだけの話です。
結論:危険かどうかではなく、何を渡すかの話です
マルウェアではありません。実在の法人、400万ユーザー、継続的な更新、権限の開示。この4つが揃っているものを危険とは呼びません。
そのうえで、Cookieにアクセスする拡張機能をブラウザに入れる、という判断はしています。気になるなら、方法は1つです。Amazonの買い物や出品に使うブラウザと、それ以外を分けてください。拡張機能を入れないという選択より、入れる範囲を決めるほうが現実的です。
いくらかかるのか
ここは正直に書きます。この記事に金額を書きません。
理由は1つです。Keepaの料金はユーロ建てだからです。円での支払額は為替で動きます。
「Keepaは月◯円」と書いてある記事は、書かれた時点の為替で止まっています。そして、そう書いてある記事はたくさんあります。金額は公式サイトで確認してください。
私も有料プランを契約していましたが、いくら払っていたかは覚えていません。当時はユーロの相場もいまと違い、途中で値上げもあったと思います。覚えていたとしても、いまの参考にはなりません。
消費税の扱いについて調べて来られた方もいると思いますが、ここは自分が事業者かどうかで扱いが変わる領域です。実際の請求内容を確認して、必要なら税理士に聞いてください。この記事の説明で判断しないでください。
それより先に確認すべきこと
金額そのものより重要な性質があります。ツールの利用料は固定費です。1件も売れなくても、毎月出ていきます。
そして固定費が増えると、必要な売上が増えます。
必要な月商 =(手元に残したい額 + 月の固定費)÷ 利益率
利益率10%なら、月2,000円の固定費を吸収するだけで月商が2万円分増えます。「安いから入れておく」を3つ重ねると、必要な月商が数万円動きます。
自分の数字で試せるようにしたものをAmazon刈り取りの損益分岐点を計算した記事に置きました。契約する前に、固定費の欄にその金額を入れてみてください。
有料プランは必要なのか
ここが、この記事でいちばん認識を改めた部分です。
Keepaの有料プランを契約する主な理由は、多くの場合ランキングの推移を見るためです。価格だけなら無料で見られるからです。
訂正:以前この記事では、ここで「ランキングの推移を無料で見られる選択肢として、ERESAの無料プランがある」と書いていました。ERESAの無料プランは、2025年11月30日で終わっています。新しいERESA AIは無料会員では使えず、料金のページではProが月額5,980円(税込)です(2026年10月6日に確認)。お詫びして訂正します。ERESAのいまの料金とログイン先はERESA(イーリサ)は無料で使える?に、無料で価格の推移を見る方法はAmazonの価格推移の調べ方にまとめました。
ERESAはKeepaの外にはいません
ここは押さえておいてください。ERESAの公式FAQに、そのままの説明があります。
「ERESAはKeepaからAPIを経由して情報を取得していますので、同様のデータにアクセスすることが可能です。しかし、ERESAは各種グラフデータを簡略化して表示しているため、Keepaの利用方法によっては、そのまま使用することが望ましい場合もあります。」
Keepaがデータの卸で、ERESAはその小売です。店を変えても、仕入先は同じです。
だから、判断はこう分かれます。
- ランキングの推移を見たい……Keepaの有料プランか、ERESAの有料プランです。どちらも毎月の固定費です
- グラフを簡略化せず、元のまま読みたい……Keepaの有料プランです。ERESA公式が簡略表示だと明記しています
- Keepaへの依存自体をやめたい……これはできません
両方契約する前に、簡略化された表示で判断できない場面が実際にあるかを確かめてください。なければ、固定費が二重になるだけです。
トラッキングの通知は、当てにできるのか
「通知が遅い」で来られた方向けに書きます。
まず構造の話をします。通知は、契約している人全員に届きます。つまり、通知を受け取れること自体は差になりません。
同じ通知を見た人の間での競争になります。そして、そこで勝つのは通知を早く受け取った人ではなく、通知を見られる状態で待っていた人です。
ここが、この手の手法の弱点です。24時間画面の前にいることはできません。通知の速さを詰めても、受け取る側の待機時間が有限である限り、取りこぼしは減りません。
速さで勝とうとすると、必ずこの壁に当たります。私は店舗せどりでも同じ構造に当たりました。整理はビームせどりで終わったのは何だったのかにあります。誰でも同じ道具を持てるようになった時点で、道具は差になりません。
実際、通知が届いた時点で在庫がもう消えている、ということはよくありました。通知で仕入れる方法は、言われているほど取れるものではありません。
グラフを読むところは、別に書いています
この記事では手順を扱いませんが、読み方でつまずく場所はだいたい決まっています。
特に中古を扱う場合、価格の線だけを見ていると外します。同じ商品でも、状態と付属品で別の商品として動くからです。どこを見るかはKeepaの使い方(グラフで見る4つと、中古の見方)に整理しました。
そしてグラフに出ないものが1つあります。売れるまでに何日かかったか、です。利益額が同じでも、2週間で戻る資金と半年戻らない資金はまったく別の商売になります。この見方は利益を拘束日数で割って検算した記事に書きました。
よくある質問
Keepaはマルウェアですか
違います。運営はドイツ法人のKeepa GmbHで、住所とD-U-N-S番号が公開されています。利用者は約400万人、評価は4.7、直近の更新は2026年8月です。ただしCookieにアクセスする権限があり、個人を特定できる情報を扱うと申告されています。知ったうえで使うかどうかの話です。
アカウント登録しないと使えませんか
ストアの説明には「No account required to start tracking」とあります。価格を追うだけなら登録なしで始められます。
日本のAmazonに対応していますか
対応しています。ストアに記載されている対応ドメインは .com, .co.uk, .de, .co.jp, .fr, .ca, .it, .es, .in, .mx です。
通知が遅いのですが
通知の速さを詰めても、この手法の弱点は解消しません。同じ通知が契約者全員に届くので、差になるのは受け取れる状態で待っていられる時間のほうです。速さで勝つ前提の手法は、そこに上限があります。
プライスターなどの価格改定ソフトと、Keepaは役割が違いますか
違います。Keepaは仕入れの判断に使うもので、価格改定ソフトは出品後の運用に使うものです。両方を契約すると、その分だけ固定費が増えます。出品数が少ないうちは、価格改定ソフトのほうを後回しにできます。
無料版だけで足りますか
価格を見るだけなら足ります。ランキングの推移まで見るなら有料です(ERESAの無料プランは2025年11月30日で終わっています)。有料が必要になるのは、扱う点数が増えて、1件ずつ見ていられなくなってからです。
結局、最初に何を入れればいいですか
まず無料で始めてください。そして無料で判断できない場面が実際に出てから、有料を検討してください。順番を逆にすると、使い切れない機能に固定費を払うことになります。
まとめ
- Keepaはマルウェアではない。ドイツ法人Keepa GmbHが運営、約400万ユーザー、評価4.7、直近更新2026年8月23日、権限も公開されている
- ただしCookieにアクセスする権限がある。用途も公開されていて、表に出ない価格や第三者出品者の在庫数を取り出すためと書かれている
- Googleのデータ開示欄では「個人を特定できる情報」を扱うと申告されている。eBayリンクがアフィリエイト経由であることも自己開示されている
- 拡張機能で本当に危ないのは、悪意より放置。更新日を見る習慣をつけたほうがいい
- 料金はユーロ建て。円での金額は為替で動くので、記事に書かれた数字を信用しない
- ツールの利用料は固定費。利益率10%なら、月2,000円を吸収するのに月商が2万円分増える
- ランキングの推移を見るなら有料。ERESAの無料プランは2025年11月30日で終わった
- ただしERESAのデータはKeepaのAPI経由。Keepaがデータの卸で、ERESAはその小売。依存はなくならない
- 通知は契約者全員に届くので、差にならない。速さで勝つ前提の手法には上限がある
「使い方」を調べにきた方には、ここまで読んで拍子抜けかもしれません。ただ、操作は画面を見れば分かります。分からないのは、入れていいのかと、払っていいのかのほうです。
その2つは、使い始めてからでは判断しにくくなります。だから先に置きました。
Sources:Chromeウェブストア「Keepa – Amazon Price Tracker」(デベロッパー情報・権限の説明・対応ドメイン・データ開示)/ERESA公式「よくある質問|ERESA PROを契約していれば、Keepa(有料版)は解約してもいいのか?」/ERESA「【重要】無料プラン提供終了と次世代プラットフォーム「ERESA.AI」への移行について」(2025年10月20日)/ERESA「【重要】ERESA AIへの切り替えのお願い」(2026年4月21日)/ERESA AI「料金プラン」(2026年10月6日確認)
