「買取 集客」「買取店 集客方法」「出張買取 チラシ」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。
買取の集客方法には、チラシの手配り・ポスティング・新聞折込・看板・ホームページ(SEO)・Googleビジネスプロフィール・検索広告・DMがあります。どれが効くかを比べる公的な基準値(反響率・成約率・費用の相場)は、見つかりませんでした。比べられるのは、自分の数字で出した「問い合わせ1件の費用」と「成約1件の費用」です。
筆者は2010年前後、チラシを自分で配り、ポスティング業者と新聞折込も使いました。反響は、効果は明確に低いものでした。当時の結果は「問い合わせの件数が少なく費用対効果は当時2010年前後でSEOやアドワーズに負けていた。」です。ただし十数年前の一つの事例で、いまの地域や商材に当てはまるとは限りません。新聞の部数とインターネットの利用率は、この間に変わっています(3章)。
出張買取の広告には、特定商取引法の「訪問購入」の決まりがかかりえます。電話での勧誘やDMの送付そのものは妨げられない、と消費者庁の解説にあります(チラシも同じ「広告等」と読めます)。ただし、業者から電話をかけて取り付けた「要請」で訪ねて勧誘すること、訪ねて勧誘する前に「不用品」とだけ告げて物品の種類を明らかにしないこと、頼まれた物以外を勧誘することは問題になる、と消費者庁の解説にあります(4章)。広告の「地域No.1」「何でも買取り」には景品表示法、集合住宅へのポスティングには住居侵入の判例、看板には屋外広告物の条例、ホームページには古物営業法の届出と表示がかかります(5・6章)。
方法を選ぶ前に決めることがある、というのが筆者の考えです(8章)。
| 知りたいこと | 答え | 章 |
|---|---|---|
| 買取の集客方法は何がある? | チラシの手配り・ポスティング業者・新聞折込・看板とのぼり・ホームページ(SEO)・Googleビジネスプロフィール・検索広告・DM。方法ごとにかかる決まりが違う | 2章 |
| どれがいちばん効く? | 比べる公的な基準値は見つからなかった。自分の数字で、問い合わせ1件・成約1件の費用を比べる | 2章・7章 |
| チラシ・ポスティング・折込は効く? | 筆者の2010年前後の結果は、問い合わせが少なく、費用対効果でSEOやアドワーズ(Googleの検索広告)に負けた。新聞の部数は全国で2010年から2025年に約半分。一方、80歳以上の62.9%はインターネットを利用していない。どちらも全国の数字で、今も効かないとも効くとも、この数字からは言えない | 3章 |
| 出張買取のチラシは配っていい? | 電話での勧誘・DMの送付そのものは、訪問購入の不招請勧誘の禁止(58条の6第1項)で妨げられない(消費者庁の解説。チラシも同じと読める)。広告を見た人から「○○を売りたいので、契約について話を聞きたい」という具体的な要請があれば、勧誘の要請があったといえる。査定や価格の照会だけの依頼、業者からの電話で取り付けた「要請」は、要請にならない | 4章 |
| 広告に「不用品買取」と書いていい? | チラシにそう書くだけで、直ちに違反になるわけではない。ただし訪ねて勧誘する前には具体的な物品の種類を告げる決まりがあり、「不用品」では種類を明示したことにならない(消費者庁の解説) | 4-2 |
| 「地域No.1」「何でも買取り」は? | 競合の買取価格を調べずに「地域No.1」と書くと有利誤認として問題、実際は断るのに「何でも買取り」と書くと優良誤認のおそれ(消費者庁) | 5章 |
| ポスティング・看板・ホームページの決まりは? | 立入りを禁じる掲示がある集合住宅への投かん目的の立入りで住居侵入罪とした最高裁の判決(政治ビラの事件)、看板は都道府県の条例(許可が要らない面積でも、禁止物件などの決まりは別)、ホームページは古物営業法のURLの届出と許可証の番号などの表示 | 6章 |
| 自分の場合 | 集客方法ごとの1件の費用、チラシの枚数と損益分岐、出張買取の広告の決まりチェック、地域を絞ったホームページの試算を計算機で | 9章 |
1. 先に、この記事の資料と筆者の立場について
この記事は、次の公式の資料だけで書いています。
- 法令(e-Gov 法令検索):特定商取引法と施行令、景品表示法、刑法、屋外広告物法、古物営業法と施行規則。条文は2026年10月28日時点の現行のものです
- 国の資料:消費者庁(特定商取引法の解説・ガイド、行政処分の公表、買取サービスとNo.1表示の調査報告書)、総務省(通信利用動向調査)、警察庁・警視庁
- 自治体:東京都(屋外広告物)
- 裁判所:最高裁判所の判決(裁判所ウェブサイト)
- 相談の件数:国民生活センター
- Googleのヘルプ(ビジネスプロフィールと広告のポリシー)は、Googleの決まりの説明にだけ使いました
- 新聞の発行部数は、業界団体である日本新聞協会の公表値です
集客の代行会社、ポスティング・折込の業者の料金表、フランチャイズの募集ページ、比較サイト、個人のブログは、出典にも数字の参考にもしていません。そのため、反響率・成約率・費用の「相場」は書いていません。公的な基準値が見つからなかったからです。
筆者は個人で古物商の許可を取り、東京都中央区で買取をしていました。仲間と作った会社(長野県佐久市)で買取の拠点を持っていたこともあります(筆者はいまは退社していて、その会社とは関わっていません)。この記事に書く筆者の体験は、3章のチラシ・ポスティング・新聞折込の話と、別の記事に書いたホームページの話だけです。看板や検索広告の運用の体験談は書いていません。
2. 買取の集客方法と、それぞれにかかる決まり
集客の方法ごとに、お金と時間がかかるところ、かかる決まり、公的な数字があるかを並べます。「効く順」の表ではありません。効き方は地域・商材・店の形で変わり、比べる公的な基準値は見つかりませんでした。
| 方法 | お金と時間がかかるところ | かかる決まり(章) | 公的な数字 |
|---|---|---|---|
| チラシの手配り | 印刷代と、配る自分の時間 | 集合住宅の共用部分への立入り(6-1)、電柱などへのはり紙(6-2)、出張買取の広告なら特定商取引法(4章)、表示は景品表示法(5章) | 反響率の公的な数字は見つからない |
| ポスティング業者 | 印刷代と配布の料金 | 手配りと同じ | 費用の公的な相場は見つからない |
| 新聞折込 | 印刷代と折込の料金 | 出張買取の広告なら特定商取引法(4章)、表示は景品表示法(5章) | 新聞の発行部数(全国)は2010年から2025年で約半分(日本新聞協会)。配る地域の部数は別 |
| 看板・のぼり | 製作・設置の費用、許可の手数料 | 屋外広告物の条例(6-2) | 東京都の自家用の広告物は合計5㎡以下・10㎡以下なら許可不要(地域による。禁止物件などの決まりは別) |
| ホームページ(SEO) | サーバー・ドメインの費用と、作って更新する時間 | 古物営業法のURLの届出と表示(6-3)、表示は景品表示法(5章) | 検索の順位ごとのクリック率の公式の数字は見つからない |
| Googleビジネスプロフィール | 登録・更新の時間 | Googleのガイドライン(6-4) | サービス提供地域は最大20か所(Google) |
| 検索広告 | クリックごとの広告費と、運用の時間 | Google広告のポリシー(6-4)、表示は景品表示法(5章) | 検索数の見積もりはキーワードプランナーで確かめられる(Google) |
| DM(郵送)・電話 | 郵送料、電話をかける時間 | DM・電話そのものは訪問購入の不招請勧誘の禁止で妨げられないが、業者からの電話で取り付けた「要請」で訪ねて勧誘するのは問題(4-3) | — |
方法によって、決まりの重さが違います。とくに出張買取(相手の自宅などに行って買い取る形)を広告するときは、特定商取引法の訪問購入の決まりが、チラシの書き方と電話のかけ方にまで関わります(4章)。店頭での買取だけなら、訪問購入の決まりはかかりません。
3. 筆者がやったこと:チラシ・ポスティング・新聞折込(2010年前後)
3-1. やったことと結果
2010年前後、私は買取の集客で、チラシを自分で配りました。ポスティング業者と新聞折込も使いました。
反響は、効果は明確に低いものでした。当時の結果を、そのまま書きます。
「問い合わせの件数が少なく費用対効果は当時2010年前後でSEOやアドワーズに負けていた。」
アドワーズは、Googleの検索広告のことです。ここで比べたのは、問い合わせの件数と、かけた費用に対する効果です。反響率や1件の費用の数字は、この記事には書いていません。
この結果は、2010年前後の一つの事例です。地域も商材も時代も違えば、結果は変わりえます。だからこの記事は「チラシは効かない」とは書きません。かわりに、自分の数字で比べるための計算機(9章)を置きました。
3-2. ホームページとSEO(別の記事に書いた話)
買取の拠点の集客は、ホームページとSEOでやっていました。買い取った商品と値段を書いて公開する、という単純な方法です。やり方と、いまから同じ方法を勧めない理由は、買取ビジネスの仕組みの記事の「集客はホームページでやっていました」に書きました。その記事に書いたとおり、条件付きで成立するのは、地域を絞って、同じエリアに競合がいない場合だと考えています。9章の計算機4は、その「地域を絞る」を数字で確かめるためのものです。
3-3. 2010年前後と今で変わったこと(公的な数字)
筆者の体験は2010年前後のものです。今との違いを、公的な数字で見ます。
新聞の発行部数(日本新聞協会の公表値。各年10月、朝夕刊セットを1部として計算)は、次のとおりです。日本新聞協会は業界団体です。
| 年 | 発行部数(合計) | 1世帯あたり |
|---|---|---|
| 2010年 | 49,321,840部 | 0.92部 |
| 2020年 | 35,091,944部 | 0.61部 |
| 2025年 | 24,868,122部 | 0.42部 |
2010年から2025年で、全国の部数は約49.6%減りました(24,868,122 ÷ 49,321,840 は約0.504、で計算)。ただし、これは全国の数字です。特定の地域で新聞折込が届く世帯の数は、全国の部数の減り方からは出せません。折込を頼むなら、配る地域の部数を別に確かめてください(地域ごとの部数は、この記事では確かめていません)。
インターネットの利用率(総務省「令和7年通信利用動向調査」。調査時点は令和7年8月末)は、全体で85.7%です。年代別では、次のように上がっています。
| 調査年 | 60〜69歳 | 70〜79歳 | 80歳以上 |
|---|---|---|---|
| 令和3年 | 84.4% | 59.4% | 27.6% |
| 令和4年 | 86.8% | 65.5% | 33.2% |
| 令和5年 | 90.2% | 67.0% | 36.4% |
| 令和6年 | 90.4% | 69.8% | 33.1% |
| 令和7年 | 91.2% | 71.9% | 37.1% |
同じ調査で、令和7年の20〜59歳の各年代は96〜99%です。一方、100%から引くと、令和7年にインターネットを利用していない人の割合は、70〜79歳で28.1%、80歳以上で62.9%です。2010年前後の同じ年代の利用率は、この記事では確かめていません。
読めるのは、全国の新聞の部数が減ったこと、高い年代ほどインターネットを利用しない人の割合が高いこと、の2つです。どちらも全国の数字で、自分の地域でチラシや折込がどれだけ届くかは、ここからは出せません。この数字だけでは、今のチラシや折込が効くとも効かないとも言えません。決めるのは、自分の地域で配って数えた数字です。
4. 出張買取の広告と電話の決まり(特定商取引法の訪問購入)
4-1. 出張買取は「訪問購入」に当たりうる
特定商取引法の訪問購入は、物品の購入業者が「営業所等以外の場所において、売買契約の申込みを受け」たり契約を結んだりして行う物品の購入です(58条の4)。一般の消費者の自宅に行って物を買い取る出張買取は、これに当たりえます。
ただし、次の物品は訪問購入の対象から外れています(施行令34条)。
- 自動車
- 家庭用電気機械器具(持ち運びが容易なものを除く)
- 家具
- 書籍
- 有価証券
- レコード・CD・DVD・ゲームソフトのように、音・影像・プログラムを記録した物
58条の17第1項は「この章の規定は、次の訪問購入については、適用しない。」とし、1号に「売買契約で、第五十八条の四に規定する売買契約の申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又はその売買契約の相手方が営業のために若しくは営業として締結するものに係る訪問購入」を挙げています(ほかに、2号 本邦外、3号 国・地方公共団体、4号 組合等の構成員、5号 事業者がその従業者に対するもの)。つまり、今回の売買契約を、売る側が営業のために、または営業として結ぶなら、訪問購入の章は適用されません。売る人が事業者かどうかという属性だけでは決まりません。たとえば個人事業主でも、家庭で使っていた物を売るなら、営業のための契約とは限りません(当てはめ)。
対象外の物でも、古物営業法の決まりは別にかかります。書籍・家庭用ゲームソフト・CDやDVDなどは、1万円未満でも相手の確認と記録が要る品目です(古物営業法施行規則16条2項)。どの品目で何を記録するかは、古物台帳の記事に書いています。なお、古物営業法は、営業所と相手方の住所・居所以外の場所で古物商以外から古物を受け取ることを禁じていますが(14条1項)、相手の自宅での買取はこの制限に当たりません。
4-2. 勧誘の前に名乗る:名称と物の種類(58条の5)
訪問購入をしようとするときは、勧誘に先立って、購入業者の氏名または名称、契約の締結について勧誘をする目的であること、勧誘に係る物品の種類を告げます(58条の5)。消費者庁の解説(印刷頁407〜408)は、次の2点を挙げています。
- 架空の名称や通称のみを告げることは、名称を告げたことにならない(正式な名称が「(株)○○商事」なのに「××買取センター」とだけ名乗る、などの例)
- 「不用品」「不必要な物品」と告げても、具体的な物品の種類を明示したことにはならない
広告の段階と、訪ねて勧誘する段階を分けて考えます。チラシに「不用品買取」と書くだけで、直ちに58条の5の違反になるわけではありません。58条の5が求めるのは、実際に勧誘する前に、相手に物品の種類を告げることです。ただし、チラシや電話で「不用品」とだけ伝えて訪ね、訪問先でも具体的な物品の種類を告げないまま勧誘すれば、物品の種類を明らかにしたことにならないおそれがあります。勧誘の前に「金・プラチナ」「腕時計」のように具体的な物品の種類を告げる必要があり、広告の段階から具体的に書いておけば、広告と訪問先の説明が食い違いにくくなります。なお、家庭の不用品を料金をもらって回収・処分するのは、買取とは別の許可の話です。不用品回収・遺品整理の開業の記事に書きました。
4-3. チラシ・DM・電話と「勧誘の要請」(58条の6第1項)
購入業者は、訪問購入に係る契約の締結について「勧誘の要請をしていない者に対し、営業所等以外の場所において」勧誘したり、勧誘を受ける意思の有無を確認したりしてはなりません(58条の6第1項)。消費者庁の解説は、これにより、いわゆる「飛び込み勧誘」は訪問購入を行う場合禁止されることになる、としています。
チラシと電話については、同じ解説(PDF 7ページ)に、次の説明があります。
| 場面 | 消費者庁の解説 |
|---|---|
| 電話での勧誘、DMの送付 | この規定は「営業所等以外の場所において」勧誘することを禁止する規定なので、電話での勧誘行為や、ダイレクトメールを相手方に送付する等の行為は妨げられない |
| 要請の有無の判断 | 勧誘の要請の有無は、購入業者と相手方の言動や行為の状況等を総合的に考慮しつつ判断される |
| 広告を見た人からの連絡 | 広告等を見た相手方から、電話等で「○○を売りたいので、契約について話を聞きたい。」と話があったときなどは、「勧誘の要請」があったといえる |
| 査定だけの依頼 | 単に査定のみを依頼した場合や、一般的な事項に関する照会や資料の郵送の依頼等があったことをもって、「勧誘の要請」があったとすることはできない |
| 業者からの電話で取り付けた「要請」 | 購入業者から電話をかけ、訪問して勧誘を行ってよいか否かを積極的に尋ねて、相手方から「勧誘の要請」を取り付けるような場合も同様(要請があったとはできない) |
| 査定を勧める言い方 | 「無料で査定を行っていますが、いかがですか。」などと物品の査定を勧める場合でも、契約締結の意思の形成に影響を与えるものとなる場合には、勧誘とみなし得る |
解説には「チラシ」「ポスティング」「折込」という語は出てきません。この記事では、チラシ・ポスティング・新聞折込を、解説の「広告等」に当たるものとして読んでいます(当てはめ)。そう読むと、チラシを配ること自体は禁じられておらず、チラシを見た人から「○○を売りたいので、契約について話を聞きたい」という具体的な要請があれば、その物について勧誘の要請があったといえる、という形になります。チラシを見て査定や価格の照会だけを頼んできた人の家で売ることを勧めるのは、要請していない人への勧誘になりえます。
4-4. 頼まれた物以外の勧誘、訪ねた先での確認、断った人
- 頼まれた物以外:「不要な食器を売りたいので、契約について話を聞きたい。」と頼まれて訪ねた場合でも、訪ねた先で「いらない指輪もあれば、売ってくれないか。」などとほかの物品を勧誘したり、勧誘を受ける意思の有無を確かめたりすることは禁止される(消費者庁の解説 PDF 7ページ)
- 訪ねた先での確認:勧誘に先立って、相手に勧誘を受ける意思があることを確かめずに勧誘してはならない(58条の6第2項)。消費者庁の解説は、電話などで確かめるだけでは足りないとしている(印刷頁410)
- 断った人:売らないと意思を示した人に、勧誘してはならない(58条の6第3項)
4-5. 自分から自宅での契約を請求した人(58条の17第2項1号)
58条の17第2項は「第五十八条の六第一項及び第五十八条の七から前条までの規定は、次の訪問購入については、適用しない。」とし、1号に「その住居において売買契約の申込みをし又は売買契約を締結することを請求した者に対して行う訪問購入」を挙げています(2号は政令で定めるもの。施行令37条)。適用されないのは58条の6第1項と、書面の交付・クーリング・オフなどの58条の7〜58条の16で、58条の5(勧誘の前の名乗り)と58条の6第2項・第3項は残ります。
58条の6第1項の「勧誘の要請」と、58条の17第2項1号の「請求」は、別の言葉で、別の概念です。「○○を売りたいので、契約について話を聞きたい」という勧誘の要請があっても、それだけで自宅での契約の申込み・締結を請求したことになるとは限りません。請求があったと確かめられないときは、適用除外として扱わず、58条の6第1項以下の決まりがかかるものとして考えます(当てはめ)。
査定のために来てほしいという依頼だけで、この「請求」に当たるかは、この記事では確かめられませんでした。消費者庁の解説の該当箇所を、この記事の資料では読めていないからです。ほかにも、引越しで住居を出るときに相手から取引を誘った場合、いわゆる御用聞き取引、いわゆる常連取引では、一部の規定が適用されない、と消費者庁の特定商取引法ガイドにあります(施行令37条)。
4-6. 罰則・処分と、処分の例
58条の5・58条の6には、違反を直接罰する条文はありません。違反すると、指示(58条の12)や、2年以内の業務停止(58条の13)の対象になり、業務停止命令に違反すると3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(70条)、指示に違反すると6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(71条)です。契約したら法律で決められた書面を渡す決まりもあり(58条の7・58条の8)、相手は書面を受け取った日から数えて8日以内ならクーリング・オフができます(消費者庁の特定商取引法ガイド)。
処分の例を2つ挙げます。会社名は、この記事では書きません。
- 消費者庁は2025年11月27日、宝石・貴金属・時計・ブランドバッグなどを買い取る訪問購入業者に、訪問購入の業務の一部(勧誘・申込受付・契約締結)を9か月停止するよう命じ、再発防止策などを指示したと公表しました(消費者庁の公表)。公表資料によると、最初の接触は業者から消費者宅への電話でした
- 2025年8月28日には、東北経済産業局が訪問購入業者3社に6か月の業務停止を命じたと公表されています(消費者庁の公表)。公表資料によると、電話では不要品の話だけで訪問の承諾を取り、訪ねると貴金属を勧誘していました
どちらも、チラシではなく電話から始まった事例です。電話で「不要品」の話をして訪ね、別の物を勧誘する流れは、4-2と4-4の決まりにそのまま当たります。
4-7. 相談の件数
国民生活センターによると、訪問購入の相談件数(消費生活センター等からの経由相談を含まない)は、2023年度 8,623件、2024年度 7,909件、2025年度 7,523件でした(2026年5月31日現在)。2023年9月27日の発表では、契約した人は60歳以上が「全体の8割近く」を占め、消費者に「購入業者から電話がかかってきても、安易に訪問を承諾しないようにしましょう。」と呼びかけています。
買い取る側から見ると、電話からの訪問は、消費者が警戒するように呼びかけられている形です。
5. 広告の表示:景品表示法
5-1. 買取も景品表示法の対象になりうる
景品表示法5条は、自己の供給する商品または役務の取引について、実際のものよりも著しく優良であると示す表示(優良誤認)や、取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示(有利誤認)を禁じています。
消費者庁の「買取サービスに関する実態調査報告書」(2025年4月30日)によると、消費者庁は2024年4月18日に景品類等の指定の告示の運用基準を改め、物品を査定して金銭と引き換える役務を提供していると認められる買取は「自己の供給する役務の取引」に当たると定めました。報告書は、これで「買取サービスも景品表示法の規制対象になり得ることを明確化した。」としています。
5-2. 消費者庁の調査の数字
同じ報告書の消費者アンケート(1,037名、2024年12月6日〜7日)の数字です。
| 項目 | 数字 | 報告書のページ |
|---|---|---|
| 店頭での買取を利用したことがある | 66.0% | 6ページ |
| 店舗以外(訪問・出張・宅配など)の買取を利用したことがない | 72.4% | 6ページ |
| 買取参考価格・買取実績価格・買取価格アップなどの表示を見て利用した人のうち、実際の買取価格が表示や期待を下回った | 46.6〜49.5% | 11ページ |
| 「何でも買取り」の表示を見て利用した人のうち、実際には買取を断られた | 55.6% | 11ページ |
| 買取価格保証の例外の表示が「なかった・見づらかった」 | 87.8% | 17ページ |
| 何でも買取りの例外の表示が「なかった・見づらかった」 | 87.4% | 19ページ |
5-3. 「地域No.1」「何でも買取り」「買取価格保証」
報告書の考え方(26〜29ページ)から、集客の広告に関わるものを挙げます。
- 地域No.1・どこよりも高く:「買取価格地域No.1」と表示しながら、競合他社の買取価格を何ら調査していない場合には、不当表示(有利誤認表示)として問題となる
- 何でも買取り:実際には断るのに表示する場合は、不当表示(優良誤認表示)に該当するおそれがある
- 買取価格保証:保証の額を下回る場合は、有利誤認表示のおそれがある
- 買取参考価格・買取実績価格・買取価格アップ:実際の買取価格や実績を大きく上回る価格の表示、実際には上がっていない「アップ」の表示は、有利誤認表示のおそれがある
- 例外がある表示は、例外を分かりやすく表示する必要がある
No.1の表示一般についても、消費者庁は「No.1表示に関する実態調査報告書」(2024年9月26日)で、合理的な根拠に基づかず事実と異なる場合には不当表示として問題になる、としています。チラシ・看板・ホームページのどれでも、表示の決まりは同じです。
6. ポスティング・看板・ホームページ・地図の決まり
古物商の許可のほかに罰則がある法律は、せどり・転売の違法性の記事にもまとめています。ここでは集客の方法ごとに見ます。
6-1. ポスティング:集合住宅の共用部分と住居侵入
刑法130条は、正当な理由がないのに人の住居や、人の看守する邸宅などに侵入した者を、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金としています。
ビラの投かんのために集合住宅の共用部分に入った行為について、住居侵入罪を認めた最高裁の判決が2件あります。
- 最高裁 平成20年4月11日判決(刑集62巻5号1217頁):公務員宿舎の各室玄関ドアの新聞受けに、政治的意見を記載したビラを投かんする目的で、管理権者の意思に反して立ち入った事例。判決文に、関係者以外の立入りやビラ貼り・配りなどを禁じる表示があったことが出てきます
- 最高裁 平成21年11月30日判決(刑集63巻9号1765頁):分譲マンションの各住戸にビラを投かんする目的で共用部分に立ち入った事例。そのような目的での立入りを禁じたはり紙が、玄関ホールの掲示板に貼られていた状況などの下で、刑法130条前段の罪が成立するとされた
2件とも政治的なビラの事件で、商業チラシのポスティングについての最高裁の判断は見つかりませんでした。判決は、立入りを禁じる掲示や、管理者・管理組合の意思に反したことなど、個別の事実関係を前提にしています。配る前に、集合住宅の入口の掲示を確かめる、というのが判決から読める最低限のことです(当てはめ)。ポスティング業者に頼む場合も、配る先は同じです。
6-2. 看板・のぼり:屋外広告物の条例(東京都の例)
屋外広告物法は、看板・立看板・はり紙などを屋外広告物とし(2条1項)、都道府県が条例で表示を制限できるとしています(4条)。決まりは都道府県ごとに違うので、ここでは東京都の例を挙げます。
- 都内では、屋外広告物を表示するには原則として許可が必要(東京都都市整備局)
- 自分の住所・事業所・営業所などに出す自家用の広告物は、合計5㎡以下(住居専用の地域など)または合計10㎡以下(商業系の地域など)なら、許可が要らない(東京都「屋外広告物のしおり」令和7年7月。地域の区分はしおりの表で確かめる)
- 電柱・街路灯柱・消火栓標識などには、はり紙・広告旗(のぼり)・立看板等を出せない(同)
- 条例に違反すると、30万円以下または20万円以下の罰金、5万円以下の過料(同)
許可が要らない面積でも、禁止区域・禁止物件・表示の方法などの決まりは、別に確かめる必要があります。店の外に出す看板・のぼりの大きさと場所は、出す前に都道府県・市区町村の担当に確かめてください。
6-3. ホームページ:古物営業法の届出と表示
- ホームページなどで古物に関する事項を公開して取引の申込みを受けるなら、許可の申請書にそのURLを書きます(5条1項6号)。URLを追加・変更したら届け出ます(7条2項)。警視庁の案内では、変更の届出は変更の日から14日以内(登記事項証明書を付ける場合は20日以内)です
- 古物の売買などの申込みを誘っていない、会社案内だけのホームページは、URLの届出の対象外とされています(警察庁「古物営業法等の解釈運用基準」12ページ)
- 古物商は、事業の規模が著しく小さい場合などを除き、氏名または名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号をネットで公開します(12条2項)。URLを届け出てネットで取引する特定古物商は、この除外がなく、扱う古物に関する事項も公開します(12条3項)。警視庁の案内では、規模の除外の例は常時使用する従業者が5人以下の場合などです
許可を取る前の条件と費用は、古物商の許可の記事に書いています。
6-4. Googleビジネスプロフィールと検索広告
Googleのヘルプにある決まりのうち、買取の集客に関わるものです。出張買取のような訪問型の買取を名指しした記述はありませんでした。
- 店で接客しない(客先に出向いてサービスを提供する)非店舗型のビジネスは、顧客に対して住所を非表示にする必要がある
- サービス提供地域は最大20か所まで指定でき、ビジネス拠点から車で2時間以内の範囲に収めるようにする(業種によっては広いほうが適切な場合もある、とも書かれている)
- 遠隔地にある私書箱は住所に使えない。ビジネス名に不要な情報を含めることはできない
- Google広告の個人ローンのポリシーの例に「質店」がある。「買取」そのものを名指しした広告のポリシーは見つからなかった。質屋の融資と買取の違いは質屋の仕組みの記事に書いています
- キーワードプランナーで、キーワードが1か月に獲得する検索数の見積もりを確かめられる
7. 費用対効果の比べ方
7-1. 問い合わせ1件の費用と成約1件の費用
集客の方法を比べるときは、同じ期間の数字で、次の2つを出します。費用は、件数に関係なく出る固定費(デザイン・ホームページの制作費・看板・月額の費用など)と、件数や枚数に応じて増える追加費用(変動費。印刷・配布・クリックごとの広告費など)に分けておきます。自分で配る時間や、ホームページを作る時間も、時給を掛けて費用に入れます。
- 問い合わせ1件の費用 =(固定費 + 追加費用 + 自分の作業時間 × 時給)÷ 問い合わせの件数
- 成約1件の費用 =(固定費 + 追加費用 + 自分の作業時間 × 時給)÷ 成約の件数
成約1件の費用が、成約1件の平均の粗利(買い取った物を売った額から、買取額と売るときの手数料などを引いた額)を上回っていれば、その期間の集客の収支は赤字です。ただし、成約が増えたときに損益がどう変わるかは、固定費と追加費用で変わります。成約1件あたりの追加費用が粗利より小さければ、成約が増えるほど赤字は縮み、粗利以上なら赤字は増えます。
- 固定費をまかなう成約の件数 =(固定費 + 自分の作業時間 × 時給)÷(成約1件の粗利 - 成約1件あたりの追加費用)
チラシは、配る枚数と反響率(問い合わせの件数 ÷ 配った枚数)で考えます。費用と粗利が同じになる反響率は、次の式です。
- 損益分岐の反響率 = 費用 ÷(枚数 × 成約になる割合 × 成約1件の粗利)
7-2. 公的な基準値がない数字
次の数字は、この記事の資料では公的な基準値が見つかりませんでした。計算機では入力の例として置いているだけで、相場ではありません。
- チラシ・ポスティング・新聞折込の反響率と、問い合わせから成約になる割合
- ポスティング・新聞折込の費用の相場(業者の料金表は出典にしていません)
- 検索の順位ごとのクリック率(Googleの公式の数字は見つかりませんでした)
- 1年に売りたい物が出る人の割合
自分の数字がないなら、少ない枚数・短い期間で試して、問い合わせと成約を数えるところからです。筆者が2010年前後に比べたのも、問い合わせの件数と、かけた費用に対する効果でした。
8. 方法より先に決めること(筆者の考え)
ここは、集客について私が考えていることです。言葉をそのまま書きます。
「ライバル型でレッドオーシャンであることを知って入ってくること。あなたの比較競争優位性は何か?それが答えられないならこのビジネスで結果を出すのは無理。FCは解決策に一切ならない」
上の言葉は筆者の見方で、調査で出した結論ではありません。この記事の計算に置き換えると、集客の方法で主に変わるのは問い合わせの件数で、7章の「成約になる割合」と「成約1件の粗利」は、来た人が近くのほかの店ではなく自分に売るかどうかに左右されます。
フランチャイズの加盟金・ロイヤリティの数字と、加盟する前に計算することは、買取フランチャイズの記事に書いています。
9. 計算機:集客方法ごとの1件の費用/チラシの枚数と損益分岐/出張買取の広告の決まりチェック/地域を絞ったホームページの試算
4つは別々に使えます。
- 1. 集客方法ごとの1件の費用:方法を5つまで選び、同じ期間の固定費・追加費用・自分の作業時間・問い合わせ・成約の件数を入れると、問い合わせ1件と成約1件の費用、その期間の集客の収支、成約が1件増えたときの損益の変化、固定費をまかなう成約の件数、成約1件の費用が低い順を出します
- 2. チラシの枚数と損益分岐:配り方・枚数・1枚あたりの費用・反響率・成約になる割合・粗利から、費用と粗利の差、損益分岐の反響率、反響率が半分・2倍のときを出します
- 3. 出張買取の広告の決まりチェック:出張買取の有無、今回の売買契約を売る側が営業のために結ぶか、買う物、最初の接触、相手が言った内容(勧誘の要請)、自宅での契約の申込み・締結の請求(別の質問)、広告の書き方、名乗り、表示、ホームページ、ポスティング、看板を選ぶと、この記事で見た条文と消費者庁などの資料に当てはめた「確認すること」を出します(当てはめ)
- 4. 地域を絞ったホームページの試算:対象の地域の年代別の人口に、総務省の年代別のインターネット利用率を掛け、売りたい人・検索する人・サイトを開く人・問い合わせ・成約と、費用と粗利の差、損益分岐の「サイトを開く人の割合」を出します。この割合は試算の中の年間の到達率で、検索の順位ごとのクリック率とは別物です。インターネットを利用しない人の数は、総務省の利用率を当てはめた概算です
初めから入っている数字は入力の例で、相場でも筆者の当時の数字でもありません。
集客方法ごとの1件の費用/チラシの枚数と損益分岐/出張買取の広告の決まりチェック/地域を絞ったホームページの試算
入れた値は、このページの中で使うだけで、どこにも送られません。初めから入っている数字は入力の例で、相場でも筆者の当時の数字でもありません。4つは別々に使えます。
1. 集客方法ごとの1件の費用
同じ期間(たとえば3か月)の数字を、方法ごとに入れます。使わない行は「使わない」のままにします。費用は、件数に関係なく出た固定費と、件数や枚数に応じて増えた追加費用に分けて入れます。自分の作業時間は固定費の側に入れて計算するので、配る時間のように件数に応じて増える作業は、時給を掛けた額を追加費用に入れてください。
1行目
2行目
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2. チラシの枚数と損益分岐
3. 出張買取の広告の決まりチェック
4. 地域を絞ったホームページの試算
対象にする地域の年代別の人口を入れます(市区町村の統計で確かめた数字)。年代ごとのインターネット利用率は、総務省「令和7年通信利用動向調査」の値を計算機の中で使います。
10. よくある質問
買取店の集客で、いちばん効く方法は何ですか?
比べる公的な基準値は見つかりませんでした。地域・商材・店の形で変わるので、自分の数字で、問い合わせ1件と成約1件の費用を比べてください(7章・計算機1)。筆者の2010年前後の結果は、チラシ・ポスティング・新聞折込が、問い合わせの件数と費用対効果でSEOやアドワーズ(Googleの検索広告)に負けた、というものでした(3章)。
チラシやポスティングは、もう効きませんか?
この記事の数字からは、どちらとも言えません。新聞の発行部数は、全国で2010年から2025年に約半分になりました(日本新聞協会)。ただし、特定の地域で折込が届く世帯の数は、全国の部数からは出せません。一方で、令和7年に80歳以上の62.9%、70〜79歳の28.1%はインターネットを利用していません(総務省の利用率を100%から引いた値)。自分の地域で配って数えた数字で決めてください(3-3)。
出張買取のチラシを配るのは、法律違反ですか?
チラシを配ること自体は禁じられていません。消費者庁の解説は、訪問購入の不招請勧誘の禁止(58条の6第1項)は営業所等以外の場所での勧誘を禁止する規定なので、電話での勧誘やDMの送付は妨げられないとしています(この記事はチラシを解説の「広告等」に当たるものとして読んでいます)。チラシを見た人から「○○を売りたいので、契約について話を聞きたい」という具体的な要請があれば、その物について勧誘の要請があったといえます。査定や価格の照会だけの依頼では、勧誘の要請があったとはいえません。要請の有無は、当事者の言動や状況を総合的に考慮して判断される、と解説にあります(4-3)。
電話をかけて、訪問の約束を取ってもいいですか?
電話での勧誘そのものは58条の6第1項で妨げられませんが、業者から電話をかけて訪問・勧誘してよいかを積極的に尋ねて取り付けた「要請」は、勧誘の要請があったことになりません(消費者庁の解説)。その「要請」で訪ねて勧誘すると、要請していない人への訪問勧誘になりえます。2025年に公表された業務停止命令の2件は、どちらも電話から始まった事例でした(4-6)。
「不用品買取」と書いたチラシは問題ですか?
チラシにそう書くだけで、直ちに58条の5の違反になるわけではありません。58条の5は、実際に勧誘する前に、物品の種類を相手に告げることを求めています。消費者庁の解説は「不用品」「不必要な物品」では具体的な物品の種類を明示したことにならないとしているので、チラシや電話で「不用品」とだけ伝えた相手には、訪ねて勧誘する前に具体的な物品の種類を告げてください(4-2)。
広告に「地域No.1」と書いてもいいですか?
競合他社の買取価格を何ら調べずに「買取価格地域No.1」と表示すれば、不当表示(有利誤認表示)として問題となる、と消費者庁の報告書にあります。No.1の表示には合理的な根拠が要ります(5-3)。
ホームページに、古物商の許可証の番号を載せる必要はありますか?
事業の規模が著しく小さい場合などを除き、氏名または名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号をネットで公開します(古物営業法12条2項)。ホームページで古物の取引の申込みを受けるなら、そのURLの届出も要ります(5条1項6号・7条2項)。会社案内だけで取引の申込みを誘わないホームページは、URLの届出の対象外とされています(6-3)。
店の看板に許可は要りますか?
都道府県の条例で決まります。東京都では原則として許可が必要で、自分の店・事務所に出す自家用の広告物は、合計5㎡以下(住居専用の地域など)または10㎡以下(商業系の地域など)なら許可が要りません。許可が要らない面積でも、禁止区域・禁止物件・表示の方法などの決まりは別に確かめる必要があります。電柱などには、はり紙・のぼり・立看板等を出せません(6-2)。
11. まとめ
- 買取の集客方法を比べる公的な基準値(反響率・成約率・費用の相場)は見つからなかった。自分の数字で、問い合わせ1件・成約1件の費用を比べる
- 筆者は2010年前後、チラシを自分で配り、ポスティング業者と新聞折込も使った。効果は明確に低く、問い合わせの件数と費用対効果でSEOやアドワーズ(Googleの検索広告)に負けた
- 新聞の発行部数は全国で2010年から2025年に約半分(日本新聞協会)。令和7年に80歳以上の62.9%はインターネットを利用していない(総務省)。どちらも全国の数字で、自分の地域でどれだけ届くかや、今のチラシが効くかどうかは、この数字だけでは言えない
- 出張買取は訪問購入に当たりうる(売る側が営業のために結ぶ売買契約は適用除外。属性だけでは決まらない)。電話での勧誘・DMの送付そのものは58条の6第1項で妨げられない(チラシも同じと読める当てはめ)。「○○を売りたいので、契約について話を聞きたい」という具体的な要請があれば勧誘の要請があったといえるが、査定や価格の照会だけの依頼、業者からの電話で取り付けた「要請」は当たらない(消費者庁の解説)。58条の17第2項1号の「請求」は、勧誘の要請とは別の概念
- 勧誘の前に名称と物品の種類を告げる。「不用品」や通称だけでは足りない(チラシに「不用品買取」と書くこと自体が直ちに違反になるわけではない)。頼まれた物以外の勧誘は禁止。2025年の業務停止命令2件は、どちらも電話から始まった事例
- 「地域No.1」は競合を調べた根拠が要り、「何でも買取り」「買取価格保証」は例外を分かりやすく書く(景品表示法)
- 集合住宅へのビラの投かん目的の立入りで住居侵入罪とした最高裁の判決が2件(政治ビラの事件)。看板は都道府県の条例(許可が要らない面積でも、禁止物件などの決まりは別)。ホームページは古物営業法のURLの届出と許可証の番号などの表示
- 方法より先に「あなたの比較競争優位性は何か?」に答えられるか、というのが筆者の考え(8章)
12. 出典
- 特定商取引に関する法律(e-Gov 法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057
- 特定商取引に関する法律施行令(e-Gov 法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/351CO0000000295
- 消費者庁「特定商取引に関する法律の解説(令和7年6月1日時点版)」第5章の2 訪問購入 https://www.no-trouble.caa.go.jp/pdf/20250601la03_10.pdf
- 消費者庁「訪問購入|特定商取引法ガイド」(更新日の記載なし)https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorpurchases/
- 消費者庁 訪問購入業者に対する行政処分(2025年11月27日)https://www.caa.go.jp/notice/entry/044257/
- 消費者庁 訪問購入業者3社に対する行政処分(東北経済産業局、2025年8月28日)https://www.caa.go.jp/notice/entry/043371/
- 国民生活センター「訪問購入」(2026年7月31日更新)https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/doorstep_purchase.html
- 国民生活センター 報道発表(2023年9月27日)https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230927_1.html
- 不当景品類及び不当表示防止法(e-Gov 法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000134
- 消費者庁「買取サービスに関する実態調査報告書」(2025年4月30日)https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/survey/assets/representation_cms201_250430_02.pdf
- 消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」公表資料(2024年9月26日)https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/survey/assets/representation_cms216_240926_01.pdf
- 刑法(e-Gov 法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045
- 最高裁判所第二小法廷 平成20年4月11日判決(平成17(あ)2652)https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=36282
- 最高裁判所第二小法廷 平成21年11月30日判決(平成20(あ)13)https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=38200
- 屋外広告物法(e-Gov 法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000189
- 東京都都市整備局「屋外広告物の定義、規制のしくみ」https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/ryokuchi_keikan/kekan_kese/koukoku/jourei
- 東京都「屋外広告物のしおり」(令和7年7月)https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/toshiseibi/pdf_kenchiku_koukoku_pdf_kou_2025siori
- 古物営業法(e-Gov 法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108
- 古物営業法施行規則(e-Gov 法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/407M50400000010
- 警察庁「古物営業法等の解釈運用基準について(通達)」(令和8年5月14日)https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/seiki/20260514kobutsukaishaku.pdf
- 警視庁「古物営業法の一部改正について(令和6年4月1日施行)」(2024年4月17日更新)https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/kaisetsu/kobutu_eigyo_r6.html
- 警視庁「書換申請・変更届出」(2025年9月5日更新)https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/tetsuzuki/kakikae.html
- 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」(令和8年5月29日)https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000183.html/概要 https://www.soumu.go.jp/main_content/001074768.pdf
- 日本新聞協会(業界団体)「新聞の発行部数と世帯数の推移」https://www.pressnet.or.jp/data/circulation/circulation01.php
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」https://support.google.com/business/answer/3038177?hl=ja
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「非店舗型ビジネスとハイブリッド型ビジネスのサービス提供地域を管理する」https://support.google.com/business/answer/9157481?hl=ja
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネスの適格性とオーナー権限に関するガイドライン」https://support.google.com/business/answer/13763036?hl=ja
- Google 広告ポリシー ヘルプ「金融商品およびサービス:個人ローン」https://support.google.com/adspolicy/answer/15188216?hl=ja
- Google 広告 ヘルプ「キーワード プランナー」https://support.google.com/google-ads/answer/7337243?hl=ja
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