結論から書きます。オンライン古物市場は、2社あれば足ります。14社に登録する必要はありません。
私が実際に使い続けたのは「エコリング the Auction」と「オークネット」の2社だけです。この2社で毎週100万〜200万円分の仕入れをしていました。他の市場にも登録して落札まで試しましたが、残らなかった。残った2社と残らなかった市場の差は、料金でも品質でもなく出品点数でした。
そして残らなかった理由は「入会金が高かったから」ではありません。入会金が無料の市場で赤字を出したことがあります。この記事では、その失敗を先に書きます。市場の一覧表は最後に置きました。
失敗①:入会金無料の市場で、利益2,000円の商品が赤字になった
アプレオークション(APRE)で、商品自体は黒字なのに、トータルで赤字になったことがあります。原因は落札後にかかる大会参加費3,000円でした。
アプレは入会金も年会費も無料です。私も「登録だけしておいても損はない」と考えていました。実際、登録するだけなら損はしません。
問題は落札したときです。アプレは取引が成立した場合に参加費3,000円がかかります。ある回、私は利益が2,000円前後出るはずの商品を落札しました。仕入れ判断としては間違っていません。落札額も適正でした。
しかしそこに参加費3,000円が乗ります。
| 商品の想定利益 | +2,000円前後 |
|---|---|
| 大会参加費 | −3,000円 |
| 結果 | 約1,000円の赤字 |
金額としては小さい失敗です。ただ、失敗の構造が悪い。仕入れを間違えたのではなく、落札後にかかる固定費を計算に入れていなかったのです。
ここから学んだのは、入会金の有無は市場を選ぶ基準にならないということです。見るべきなのは、落札したときに何が引かれるか。特に固定額で引かれるタイプは、薄利の商品を1点だけ落とすと粗利が丸ごと消えます。
入会金無料でも、穴場だった市場もある
誤解のないように書いておくと、入会金無料の市場が全部だめなわけではありません。
スターバイヤーズオークション(STAR BUYERS AUCTION)は、入会金も年会費も無料で、なおかつ穴場でした。参加者が少なく、相場よりも安く落札できたことが何度もあります。出品数も多く、状態の良い品が回ってきます。
アプレとスターバイヤーズは、どちらも入会金・年会費が無料です。それでも片方は赤字、片方は穴場だった。「無料かどうか」で市場を分類しても、何もわかりません。
失敗②:オーディオ一式を落札して、3日で損切りした
オーディオコンポーネント一式を落札しましたが、出品して3日で「これは動かない」と判断し、ハードオフに持ち込んで損切りしました。相場分析が甘かったのが原因です。
落札した時点では利益が出る計算でした。しかし販売に出してみると、引きが悪い。値段を下げても反応が変わりませんでした。
オーディオコンポーネントは場所を取ります。売れないまま置いておくと、次に仕入れる商品のスペースが埋まる。だから3日で判断して、ハードオフに持ち込みました。損は出ましたが、抱え続けるよりましです。
この件で決まったのが、今も使っている回転のルールです。
| タイミング | 判断 |
|---|---|
| 出品から3日 | 引きの良し悪しはここでわかる。反応がなければ値下げしても変わらないことが多い |
| 2週間 | 売り切る目標ライン |
| 3週間超 | 損切り候補。実際に切っていました |
この基準は、業者としてはかなり短い方だと思います。ただし商売のやり方によって変わります。
- 横流し(仕入れてそのまま売る):損切りは速い方がいい。手を加えないので、時間をかけても価値が上がりません
- リペア(修理して売る):もう少し長い目線で見てよい。ただし置き場所との兼ね合いで決まります(ブランド品のリペアの採算はブランドリペア転売は稼げないのか)
ハードオフへの持ち込みは損切り先として使えます。詳しくはハードオフの記事にまとめています。
失敗③:トレファクで理論値2万円のモニター10台を3,400円で落として、1円でも売れなかった
トレファクオークションの道具市で、業務用モニター10台のロットを落札しました。落札相場は1台2,000円前後、5,000円以上で売れた履歴があったので、理論値2万円で入札したところ3,400円で落ちました。1台340円です。このときは爆益だと思いました。
ヤフオクとメルカリに出して、アクセスもいいねもつかず、1円で出しても落札されませんでした。液晶モニターは自治体の粗大ごみで出せないので、10台を車でハードオフに運び、買取は全部で1,000円になりませんでした。全損です。
理論値の6分の1で誰にも競られずに落ちた時点で、他の参加者全員が「売れない」と知っていた商品だった、というのが後から分かった答えです。業者間の市場で相場より大幅に安く落ちるのは、自分だけが気づいた歪みか、自分だけが気づいていないリスクかのどちらかで、後者が圧倒的に多い。
もう一つ、トレファクの道具市には開催ごとの参加費2,000円があります。何点落ちるか分からない状態で払う固定費なので、「1点しか落ちなくても吸収できる価格差」の商品にしか入札できず、入札先が安すぎる理由のある商品に偏ります。この構造と費用の分解はトレファクオークションの記事に計算機つきで書きました。
入会したが、一度も落札しなかった市場もある
当時の入会メールを検索して分かったのですが、monobankオークションとKOMEHYOオークションにも入会していました。どちらも取引履歴がありません。
monobankは、当時は物量が少なく、維持費を払ってまで参加する価値がないと判断して落札に至りませんでした。KOMEHYOは取引履歴がゼロで、理由の記憶もないのですが、当時の判断基準からすると同じく物量だったのだと思います。
ここで言いたいのは「この2社が悪い市場だ」ではありません。現在のKOMEHYOは月3万点前後の出品を公称していて、当時とは規模が違うはずです。言いたいのは、入会金を払って入っても、出品点数が自分の仕入れ量に届かなければ落札まで行かないということです。入会金3万円・月会費3,000円は、一度も落札しない市場に払うと丸ごと損失になります。
オンライン古物市場を選ぶ4つの基準
これらの失敗から、私が市場を見るときの基準はこうなりました。入会金の額は入っていません。
1. 落札したときに何が引かれるかを先に確認する
入会金・年会費は先に払う固定費なので、誰でも比較します。見落とされるのは落札時のコストです。
特に「取引成立時のみ○○円」「1開催○○円」というタイプは、単価の低い商品を1点だけ落とすと粗利を食い潰します。逆に言えば、同じ回でまとめて落札するなら1点あたりの負担は下がる。試しに1点だけ落としてみる、という使い方が一番高くつく構造です。
2. 出品数が少ない市場は、参加者が同じ商品に集中する
私が残した2社は、当時から出品数が多い市場でした。エコリングは毎週5,000〜1万点が出ていて、オークネットもそれに近い量がありました。それ以外の市場は1回の開催で1,000点にも届かないレベルで、話になりませんでした。
点数が少ないと何が起きるかというと、参加者全員が同じ少数の商品を見るので、競りで相場が上がり、利益が取れません。店舗せどりで回る店の数が少ないと取れないのと同じ構造です。出品数が多い市場ほど、自分だけが見ている商品が生まれます。
これは2019〜2022年の実測なので、現在の各市場の点数は公式が公開している数字を見てください。下の一覧表に、2026年9月時点で各社が公称している点数を入れてあります。判断の式は変わりません。自分が毎週何点仕入れたいかに対して、その市場の出品数が何倍あるかで見ます。
3. 広告を出稿している市場を選ぶ
広告を出せるのは、それだけ品物と資金が回っているからです。品が集まっている市場ほど、仕入れられる可能性が高い。逆に、集客に金をかけられない市場は出品数も細ります。
4. 仮IDを発行して中を見せてくれるか
問い合わせの段階で、1回の平均出品数と、自分が狙う商材の相場を聞いてください。稼げる市場は仮IDを発行して内部を全部見せてくれます。取扱量と相場に自信があるからです。
逆に相場を公開しない、点数を答えない市場は、入会してから判断することになります。1ヶ月も競りを見ていれば稼げるかどうかはわかるので、合わなければ退会届を出しましょう。
ここまでが市場の選び方です。市場を決めたあと、次に必ず詰まるのが「では何を仕入れるのか」という商材の話です。仕入れるジャンルを間違えると、どの市場を選んでも結果は同じになります。
私が使い続けた市場①:エコリング the Auction
エコリングは、私のメインの仕入れ先でした。ブランド品・家電・スポーツ用品(テニスラケット)・オーディオ・服を落札していました。
エコリングにはブランド品を扱う「エコオク」と、ゲーム・パソコンなどの電子機器からフィギュアまで扱う「エコトレ」があります。取扱量が多く、開催も毎週あります。
リアルタイムで競り落とす方式のほかに、終了時間が決まっている「タイムリミットオークション」があります。あらかじめ終了時間が決まっているので、事前に入札しておける。平日に仕事のある会社員や、日中パソコンの前にいられない人でも参加できます。
入会金5万円は、商品1〜3個で回収できる
エコリングは入会金30,000円+年会費20,000円で、合計5万円かかります。ここで踏みとどまる人が多い。
私の場合、回収に1ヶ月かかっていません。毎週100万〜200万円動かしていれば、商品1〜3個売れば終わる金額だからです。
ただしこれは仕入れ規模に依存する話です。初月に3万円しか仕入れない人が、同じ速度で回収できるわけではありません。逆に言えば、5万円は「参加規模を決めれば逆算できる固定費」でしかないということです。年間いくら仕入れるつもりなのかを先に決めれば、高いか安いかは自分で計算できます。
もう一つ、エコリングは年会費制で落札手数料が落札額の帯ごとの定額(3万円の落札で1,000円、10万円で4,000円・税抜、2026年8月時点の公開情報)なので、2年目以降の固定費は年2万円で済み、単価が上がるほど率で取られる市場より有利になります。
エコリングで結果が出ない人についてはエコリングオークションで儲からない人が出る理由と対策方法で別に書いています。
私が使い続けた市場②:オークネット
オークネットは国内最大級のネット古物市場です。私はブランド品と家電に絞って見ていました。
取扱ジャンルは車・バイク・花・デジタル機器・医療機器まで非常に広いのですが、全部を見る必要はありません。自分の商材だけに絞った方が判断が速くなります。
エコリングとの使い分けは、質の差ではなく量の補完でした。エコリングだけで十分に稼げていましたが、当時は仕入れ量を増やす必要があり、エコリングだけでは点数が足りなかった。それを埋めたのがオークネットです。競り負けるジャンル・価格帯と拾えるジャンル・価格帯が2社で逆転していたので、併用の意味はありました。
私が会員だったころのオークネットは年会費形式でしたが、現在は月額課金に変わっています。ブランド品の場合はレギュラー会員が月3,800円、プレミアム会員が月9,800円で、レギュラーは別途情報提供料が半年ごとにかかります(2026年9月時点)。私はレギュラー会員で契約していました。
いまから入るなら、出品点数の面では入る価値がありますが、月額課金になったことでコスト感は重くなりました。年会費制で1か月あたりの固定費が安いエコリングを先に入り、点数が足りなくなってからオークネットを足す、というのが私が実際にたどった順番です。オークネットの入会条件・手数料・偽物の有無についてはオークネットの記事に、エコリングと同じ条件で並べた料金比較と計算機つきで書いています。
※料金体系はコースにより変わります。最新の条件は公式サイトで確認してください。
この2社に絞った理由
私はこの2社とヤフオク仕入れで、月利200万円まで到達しました。他の市場を開拓する動機がなくなった、というのが正直なところです。
市場を増やすと、開催日を追いかける手間、精算の手間、引き取りの手間がそれぞれ増えます。仕入れ先を増やしても、扱える点数と保管スペースは増えません。だとすれば、出品数の多い市場を2つ押さえて、そこを深く見た方が効率がいい。
これから始める人も、まず1社に登録して、そこで利益が出せるようになってから2社目を考えれば十分です。
オフラインの古物市場に行かなくなった理由
私は元々、店舗せどりから始めて、古物市場もオフラインから入りました。今は一切行っていません。
理由は単純で、割に合わなかったからです。
- 朝から夕方まで鉄パイプの椅子に座らされて、腰が痛くなる
- 声を上げているのに無視される(新参者は席次と顔で決まる部分がある)
- 移動時間、搬入作業など、収益に直結しない作業が大量に発生する
- 顔を覚えてもらうまで融通が利かない=自分以外の人に任せられない
半年、1年と通えば融通が利くようになるのかもしれません。ただ、私はさっさと稼げるようになりたかった。人に教えていても、この形式は続かない人が多かったです。
オンラインなら、住んでいる場所に関係なく参加できます。ただしその裏返しとして、全国の業者が同じ商品を見るのでライバルは増えます。参入障壁がない分、普通の商品の価格は収斂しやすい。だからこそ、検品・相場判定・修理・販売チャネルのどこかで自分の優位性を作れるかどうかが分かれ目になります。
関東以外に住んでいる方は、そもそも通える範囲に市場がないケースも多いので、オンライン一択で問題ありません。
【参考】オンライン参加できる古物市場の一覧
ここから下は、私が使っていない市場を含む参考資料です。私が継続して使ったのはエコリングとオークネットの2社、落札まで試したのがスターバイヤーズ・アプレ・トレファク、入会したが落札しなかったのがmonobankとKOMEHYOです。それ以外の市場については、料金と扱いジャンルを調べただけで、実際の仕入れ実績はありません。
【重要】以下の料金・点数は2026年9月に各社公式サイトと買取メディアの調べを確認したものです。税抜表記が中心で、キャンペーンや入会月で変わる項目があります。実際に申し込む前に、必ず各公式サイトで最新の条件をご確認ください。「出品点数」は各社の公称値で、集計単位(週・月)が揃っていません。
| 市場名 | 入会金 | 年会費・月会費 | 落札時の費用 | 出品点数(公称) | 主なジャンル | 私の利用 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| エコリング the Auction | 30,000円 | 年20,000円(2〜7月入会は10,000円) | 落札額の帯ごとに定額500〜10,000円(ブランド市)/10%(道具市) | エコオク 月約45,000点 | ブランド・時計・宝石・アパレル・カメラ/PC・ゲーム・スマホ | メイン |
| オークネット(ブランド) | なし | 月3,800円(レギュラー)/9,800円(プレミアム)。レギュラーは情報提供料 半年4,800円 | 落札額の6%/4% | 週約20,000点 | ブランド・時計・貴金属 | メイン |
| STAR BUYERS AUCTION | 無料 | 無料 | 落札額の5〜10% | 月25,000点以上 | ブランド・時計・宝石・アパレル | 落札あり(穴場) |
| アプレオークション | 無料 | 無料 | 参加費3,000円(成立時のみ)+3〜5% | — | 宝石・貴金属・時計・ブランド | 落札あり(赤字経験) |
| トレファク ライブネットオークション | 初回参加料30,000円 | 年間更新料10,000円 | 道具市:参加費2,000円/回+10%。ブランド市:参加費なし・5%(20万円未満) | — | 家具・家電・雑貨・ブランド | 落札あり(全損経験) |
| monobankオークション | 20,000円 | 年12,000円 | 3〜5% | — | ブランド・時計・宝飾・家電・骨董 | 入会・落札なし |
| KOMEHYOオークション | 30,000円 | 月3,000円 | 1点ごとの手数料は非公開(要問合せ)+商材ごと事務経費1,000円 | 月約33,000点(公式) | 時計・バッグ・宝石・アパレル | 入会・落札なし |
| JBAリアルライブネットオークション | 30,000円(キャンペーン中無料) | 月3,000円/年33,000円 | 500〜5,000円(帯別) | 週約2,000点 | ブランド品 | 未使用 |
| TIMELESS AUCTION | 無料 | 無料 | 参加費無料。落札手数料は要確認 | オンライン 月約7,000点 | 時計・ルース・ジュエリー・バッグ | 未使用 |
| バッタヤライブオークション | 40,000円 | — | 参加費2,000円(落札時)+落札1,000円/点 | 週2,000点以上 | 家電・家具・工具・ゲーム・カメラ | 未使用 |
| 大吉オークション | 無料 | 無料 | 参加費3,000円+3〜5% | 3,000点以上/回 | 時計・ブランド・宝石 | 未使用 |
| Rs-Auction | 33,000円 | 年11,000円 | 参加費1,100円+2〜3% | — | 時計・宝石・バッグ | 未使用 |
| 日本流通勉強会オークション | 30,000円 | 年10,000円(2年目以降11,000円) | 10% | — | ブランド・時計・宝飾 | 未使用 |
この表で見てほしいのは、入会金の列ではなく、「落札時の費用」と「出品点数」の2列です。落札時の費用が固定額のタイプ(参加費○○円、1点○○円)は、1点だけ落とす使い方に弱い。出品点数が自分の仕入れ量に対して小さい市場は、入会しても落札まで行きません。この2つの掛け算で、自分の規模でどの市場が成立するかが決まります。1点あたりの実効費用を出す計算機は、オークネットの記事(月額制・率型)とトレファクの記事(参加費型・処分コストあり)にそれぞれ置いてあります。
まとめ:入会金より、出品点数と落札後のコストを見る
オンライン古物市場を選ぶときに、私が見ているのは次の4点です。
- 1回の出品数が、自分が毎週仕入れたい点数に対して十分にあるか(少ないと参加者が同じ商品に集中する)
- 落札したときに何が引かれるか(固定額型は薄利・1点落札に弱い)
- 広告を出稿しているか
- 仮IDを発行して中を見せてくれるか
そして仕入れたあとは、出品3日で引きを見て、2週間で売り切り、3週間を超えたら損切り。これを守れば、在庫と置き場所で詰まることはありません。
市場は2社あれば足ります。14社を比較するより、1社を深く使い込んだ方が早く結果が出ます。私はエコリングから入り、点数が足りなくなってからオークネットを足しました。
古物市場への参加には古物商許可証が必要です。

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