「ヤフオク 複数アカウント バレる」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。
心配する前提が、ひとつずれています。
Yahoo!オークションのガイドラインは、複数のYahoo! JAPAN IDを使うことを前提にして書かれています。禁止されているのはアカウントの数ではなく、そのIDを使ってやる行為のほうです。しかも、その行為は細則に名指しで並んでいます。
私の立場も書いておきます。私はヤフオクのアカウントを複数持っていて、いま管理できているのは2つです。どちらも評価は数千あります。メインは20歳の誕生日に作ったもので、20年以上使っています。
そして2回、止められています。2回とも戻りました。止まった原因は、どちらも「複数持っていたこと」ではありません。
ガイドラインは、複数IDの利用を前提に書かれています
推測ではなく、原文があります。Yahoo!オークションガイドラインの「利用資格」に、こう書かれています。
「本サービスを利用するには、出品する場合、入札する場合それぞれに応じて以下の利用資格を全て満たし、かつ、本サービスの利用期間中、これを継続して維持する必要があります。また、複数のYahoo! JAPAN IDを利用する場合は、Yahoo! JAPAN IDごとに以下資格を満たしていることが必要です。」
後半を読んでください。「複数のYahoo! JAPAN IDを利用する場合は」という書き出しになっています。
禁止する条文なら、こういう書き方にはなりません。複数利用があり得るものとして扱ったうえで、「IDごとに資格を満たしてください」と条件を付けている形です。
ここが、他のプラットフォームと決定的に違うところです。Amazonの出品用アカウントは原則1つで、例外に条件が付きます。整理はAmazonの複数アカウントはバレるのかに書きました。ヤフオクの考え方を、そのままAmazonに持ち込まないでください。
禁止されているのは、数ではなく行為です
ではガイドライン細則が何を禁止しているのか。この記事に関係する2つを引きます。
- 「20. 自身の出品したオークションに入札行為を行うこと。なお、入札の成否を問いません。」
- 「8. 商品の現物が手元にない状態で出品すること」
20番は、自分の出品に自分で入札する行為です。「入札の成否を問いません」と書かれているのが重要で、落札まで至らなくても違反になります。
8番は、いわゆる無在庫出品です。売れてから仕入れる形は、この時点で成立していません。
複数のIDを持っている人に直接関係する条文が、ほかに2つあります。
- 出品者の禁止行為「3. 同じ商品を、他社のサービスやその他の方法によって、二重に出品すること」
- 入札者の禁止行為「(8) 入札の成否を問わず、1つの商品に対して複数のYahoo! JAPAN IDを用いて入札を行ったと当社が合理的に判断する行為」
同じ商品を2つのIDから同時に出すのは、上の3番の「その他の方法によって、二重に出品すること」に当たります。1つの商品に2つのIDで入札するのは、(8)にそのまま当たります。こちらも「成否を問わず」です。
そして、複数のIDを持つこと自体は、この禁止リストに入っていません。
私が止められた2回は、両方ともこの2つでした
正直に書きます。私は、この2つを両方ともやって、両方とも止められました。
1回目:自分の出品に、自分の別アカウントで入札しました
無在庫でやるためにアカウントを増やしたのが最初です。そのうちの1つを使って、自分の出品に入札し、値段を吊り上げました。細則20番に、そのまま当たります。
バレました。そして止められました。
やり方は書きません。禁止行為の手順を書けば、読んだ人が同じ結末に向かうだけだからです。
ちなみに、この行為は買う側からも見抜かれます。私は後年、見抜く側の記事も書いています。ヤフオクの吊り上げを見抜く方法にまとめました。やった側なので、どこに痕跡が出るかは分かります。
2回目:無在庫で出していた商品に、発送が遅いとクレームが入りました
細則8番のほうです。売れてから仕入れる形なので、発送までに時間がかかります。そこにクレームが入り、利用制限を受けました。
これは運が悪かったのではありません。構造的に、必ずそうなります。ガイドラインには数字も書かれています。
「落札者がYahoo!かんたん決済の支払手続きを完了してから288時間(12日間に相当する時間)が経過するときまでに、出品者が商品を発送したことを当社が確認できない場合」、Yahoo!側で売買契約を解除できる、という規定です。
売れてから仕入れて発送するのに、12日は長くありません。仕入先の在庫が切れていれば、そこで終わります。無在庫が制度と噛み合わないのは、こういう理由です。
2回とも、対応して戻りました
どちらも謝罪して対応したところ、復旧しました。
ただし、これを一般化しないでください。前提があります。
- 20年以上使っているアカウントでした。20歳の誕生日に作ったものです(当時はヤフオクが20歳からで、それまでは18歳から使えたビッダーズを使っていました)
- 評価が数千ありました。取引の実績が積み上がっている状態です
- 偽造品を売ったわけでも、代金を持ち逃げしたわけでもありません
この3つが揃っていない状態で同じことをやれば、同じ結果にはなりません。「謝れば戻る」ではなく、「戻る余地が残っていた」という話です。
だから、「バレない工夫」は要りません
ここが、この記事でいちばん言いたいことです。
複数アカウントについて調べると、接続元を分ける、回線を分ける、認証用の番号を用意するといった話が出てきます。
私が止められた原因は、そのどれでもありません。やった行為のほうです。
逆から見てください。細則に並んでいる行為をやれば、環境をどれだけ分けても止まります。吊り上げは入札の履歴に残りますし、発送の遅れは取引の記録に残ります。どちらも接続元とは無関係な場所に痕跡が出ます。
そして20年やってきての実感を書きます。
偽造品を売って持ち逃げする、無在庫で出す。このレベルのことをやらない限り、アカウントはそう簡単には止まりません。止まるときは、よほどのことをしています。
「バレるか」を心配して環境を作り込む労力は、たいてい無駄になります。禁止行為をやらなければ、隠すものがありません。
当時といまでは、条件が違います
時期を明示しておきます。
私がアカウントを増やした当時は、本人確認がありませんでした。実質、いくつでも作れる状態でした。
いまは条件が違います。この記事の説明で判断せず、最新のガイドラインとガイドライン細則、それに本人確認まわりの案内を自分で確認してください(本人確認のいまの決まりはヤフオク・Yahoo!フリマの本人確認にまとめました)。ここは変わる部分です。
いまの条件:電話番号、Yahoo!フリマ、止められたとき
前の章で「自分で確認してください」と書いた部分のうち、いま公式ヘルプで確かめられることを並べます。
| 項目 | 公式ヘルプに書かれていること | 出典 |
|---|---|---|
| 電話番号 | 1つの携帯電話番号は、1つのYahoo! JAPAN IDにしか設定できない。ほかのIDに設定済みの番号を入れると「別のYahoo! JAPAN IDに設定されている携帯電話番号です」と出る。使うには、元のIDから番号を削除してから設定し直す | SMS認証を設定できない |
| Yahoo!フリマ | ガイドラインの利用資格はヤフオクと同じ「複数のYahoo! JAPAN IDを利用する場合は」という書き方。ただしヘルプでは「原則、Yahoo!フリマは1つのYahoo! JAPAN IDでご利用ください」。1つのPayPayアカウントに何度も違うIDを連携すると、連携が制限される場合がある。アプリにログアウトの機能はない | 別のYahoo! JAPAN IDで利用したい |
| 止められたとき | 利用停止中は、出品・入札・評価・取引ナビへの投稿・出品者への質問ができず、出品中のオークションはすべて取り消される。解除は専用の「出品制限・利用停止の解除依頼フォーム」から頼む。通常のお問い合わせからでは解除できない | 出品制限・利用停止・登録削除について |
ヤフオクとYahoo!フリマは、同じYahoo! JAPAN IDを使うのに、案内が違います。ヤフオクの感覚でYahoo!フリマのIDを分けないでください。
そして3行目です。私が2回とも戻ったのは、新しいIDを作ったからではなく、止められたIDのまま対応したからです。止められたら、まず解除依頼フォームです。新しいIDは、評価ゼロからの出直しになります(次の章)。
そして、管理できない数は資産になりません
ここは自分の失敗として書きます。
私は、当時いくつ作ったのか覚えていません。IDとパスワードを管理していなかったからです。
いま管理できているのは2つだけです。残りは、存在しているかもしれませんが、使えません。
そこにあるはずの評価も、取引の履歴も、取り出せません。アカウントを増やすことと、資産を増やすことは、別のことでした。
増やす前に、増やしたものを10年後も開けるかを考えてください。私は考えていませんでした。
増やすなら、横ではなく縦に増やす
いま残っている2つは、どちらも評価が数千あります。これは年数で作られたもので、買えません。
新しいIDは、評価ゼロから始まります。同じ商品を同じ価格で出しても、評価数千のアカウントと同じようには売れません。
つまりアカウントを増やすというのは、持っている資産を使わずに、ゼロから並行してもう1本育てるということです。育てる時間を払えないなら、増やしても薄まるだけです。
この構造はメルカリでも同じでした。整理はメルカリの複数アカウントが結局詰む理由に書いています。プラットフォームの規約は違っても、評価が年数でしか作れない点は共通です。
それでも分けたい場合の、現実的な基準
分けること自体は、ヤフオクでは否定されていません。問題になるのは使い方です。判断の基準を3つ置きます。
- 分けたIDのそれぞれが、単独で利用資格を満たしているか。ガイドラインが要求しているのはここです
- 分けたIDの間で、取引が発生しないか。自分の出品に自分で入札する形は、成否を問わず禁止されています
- 同じ商品を、2つのIDに同時に出していないか。1つの商品に2つのIDで入札していないか。どちらも細則で禁止されています
- 10年後も、そのIDにログインできるか。できないなら、それは資産ではありません
3つ目を満たせないなら、増やさないほうがいいです。私はそこで失敗しました。
よくある質問
複数アカウントはバレますか
「バレる」という前提が、ヤフオクでは少しずれています。ガイドラインは複数IDの利用を前提に書かれていて、禁止されているのは行為のほうです。隠す必要があるのは、隠さないといけないことをしているときだけです。
入札用と出品用で分けるのはどうですか
分けること自体は否定されていません。ただし、その2つの間で取引をしないでください。自分の出品に自分で入札する行為は、細則で名指しされていて、しかも成否を問いません。同じ商品に2つのIDで入札すること、同じ商品を2つのIDで同時に出品することも禁止です。
止まったら戻りますか
私は2回とも戻りました。ただし20年以上使ったアカウントで、評価が数千あり、偽造品や持ち逃げではありませんでした。この条件が揃っていない場合に同じ結果になるとは限りません。戻る前提で行動しないでください。
家族が同じ家からヤフオクを使っても問題ありませんか
それぞれが自分のIDで、自分の取引をしているなら、通常の利用です。問題になるのは、実質的に1人が複数のIDを使って、禁止行為に当たることをしている場合です。
無在庫での出品は本当にダメなのですか
細則に「商品の現物が手元にない状態で出品すること」と明記されています。加えて、支払い完了から288時間で発送が確認できない場合の規定もあります。制度の両側から成立しない形です。
Yahoo!フリマでも、IDを分けていいですか
ヘルプの案内は「原則、Yahoo!フリマは1つのYahoo! JAPAN IDでご利用ください」です。ヤフオクと同じIDの仕組みでも、Yahoo!フリマは1つが前提です。PayPayアカウントへの連携を何度も付け替えると、連携が制限される場合もあります(別のYahoo! JAPAN IDで利用したい)。
電話番号1つで、2つ目のIDは作れますか
1つの携帯電話番号は、1つのIDにしか設定できません。すでに別のIDに設定されている番号は、そのIDから削除しないと使えません(SMS認証を設定できない)。
止められました。新しいIDを作るべきですか
先に、止められたIDの解除を頼んでください。解除依頼は専用のフォームからで、通常のお問い合わせからでは解除できないと案内されています(出品制限・利用停止・登録削除について)。私は2回とも、そのIDのまま戻りました。新しいIDを作ると、評価はゼロからです。
アカウントを増やせば売上は増えますか
出品できる数は増えますが、評価はゼロから始まります。増えるのは出品枠と管理の手間で、信用は増えません。増やす前に、いま持っている1つで出品数を増やせないかを確かめてください。
まとめ
- ガイドラインは複数IDの利用を前提に書かれている。「複数のYahoo! JAPAN IDを利用する場合は、IDごとに以下資格を満たしていることが必要です」
- 禁止されているのは数ではなく行為。細則20「自身の出品したオークションに入札行為を行うこと。なお、入札の成否を問いません」/細則8「商品の現物が手元にない状態で出品すること」
- 私は2回止められた。原因はこの2つで、アカウント数ではない
- 2回とも戻ったが、20年以上のアカウントで評価が数千あった。戻る前提で行動しないこと
- だから接続元や回線を分ける工夫は要らない。吊り上げは入札履歴に、発送遅れは取引記録に残る。どちらも接続元と無関係
- 支払い完了から288時間で発送が確認できないと、Yahoo!側で売買契約を解除できる。無在庫が制度と噛み合わない理由
- 当時は本人確認がなく、いくつでも作れた。いまは条件が違うので最新の規定を自分で確認すること
- 管理できない数は資産にならない。私は作った数を覚えておらず、いま使えるのは2つだけ
- 増やすなら横ではなく縦に。評価数千は年数でしか作れず、新しいIDはゼロから
複数アカウントの記事を読むと、隠すための工夫がたくさん出てきます。その工夫が必要になるのは、隠さないといけないことをしているときだけです。
禁止行為のリストは公開されています。そこに書かれていることをやらなければ、環境を作り込む必要はありません。私が2回止められて分かったのは、それだけです。
Sources:Yahoo!オークションガイドライン「利用資格」「当社による売買契約の解除」(auctions.yahoo.co.jp)/Yahoo!オークションガイドライン細則 A.出品者の禁止行為 第3項・第8項・第20項、入札者の禁止行為 (8)(guide-ec.yahoo.co.jp)/Yahoo! JAPANヘルプセンター「SMS認証を設定できない」「別のYahoo! JAPAN IDで利用したい(Yahoo!フリマ)」「出品制限・利用停止・登録削除について」

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