研究室訪問は必要?怒られる・怖いときに、大学院の事前相談のルールと連絡の仕方・いつまでに・何を聞くか(計算機つき)

研究室訪問は必要?検索で取れた大学院の募集要項・研究科の案内30件では、研究科全体で必須6件・記載なし12件(うち7件は専攻・区分で上乗せ)・不要と接触しない4件(全国の割合ではない)。事前相談の期限は出願開始の11〜61日前の例(計算)、返信がなければ3営業日で再送・電話の例(青山学院大学 社会情報学研究科) 生き方・キャリア

「研究室訪問 怒られる」「研究室訪問 怖い」「研究室訪問 失敗」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。

大学院入試の前に研究室を訪ねる・教員に事前相談をする必要があるかは、研究科・専攻で決まりが大きく違います。この記事で、検索で公式資料が取れた募集要項・研究科の案内30件(国立16・公立3・私立11)を原文の書き方で分けると、研究科全体のルールは「必須」6件、「推奨」3件、必須・推奨と書かずに「相談してください」と求めるもの4件、「問い合わせを受け付ける」1件、「記載なし」12件、「不要」と明記3件、「受験生と個人的に接触しない」1件でした。全国の研究科の割合ではありません。「記載なし」12件のうち7件は、専攻の別表や区分(他大学出身・社会人・留学生)に追加の記載があり、5件は専攻・区分の一部で必須、2件は推奨・「望ましい」でした(計算)。要項の本体だけでなく、志望する専攻の入試案内まで読んで決めます。

「事前相談は合否に影響しない(関係ない)」と書いた公式資料が6件ある一方、九州大学 総合理工学府は「第1志望の教員から出願可の了承を得ていない者の出願は認めません。」と書いています。文部科学省は、事前相談の機会を設ける大学院に「事前相談の範囲等のルールを明確化すること」を求めています(大学院入学者選抜実施要項、令和8年5月27日)。研究室訪問で怒られる理由や、その頻度を書いた公式資料は見つかりませんでした。公式資料から言えるのは、研究科が決めた期限・連絡先・送るものに沿い、入試問題や研究計画書の添削のように「答えない」と書かれていることを頼まない、ということです(当てはめ)。

教員への事前相談・受入確認の期限を書いた7例では、期限は出願開始の11〜61日前、中央値は14日前でした(計算)。この記事で見た理工系の夏の入試は出願開始が5〜7月で、東北大学 情報科学研究科の目途(4月下旬)や東北大学 工学研究科 機械系の目途(6月下旬)を合わせると、夏の入試なら連絡は4〜6月が目安です(当てはめ)。返信を待つ日数を書いた公式の例は少なく、青山学院大学 社会情報学研究科の「休祝日を除く 3 営業日以内に返信がない場合にはメールの再送、もしくはお電話」が数少ない例です。

私は大学院入試を受けておらず、研究室訪問や事前相談をしたこともありません(大学3年のころ研究室に受け入れてもらえず、研究室に入らないまま卒業しました)。この記事は、大学が公表している募集要項・研究科の案内と、文部科学省の資料だけで書きます。

知りたいこと 答え 章
研究室訪問・事前相談は必要か 研究科・専攻で違う。30件(検索で取れた例)では必須6・推奨3・相談の指示4・受付1・記載なし12(うち7件は専攻・区分で上乗せ)・不要3・接触しない1 2章
訪問しないと院試に受からないか 訪問した人が有利になると書いた公式資料はない。「合否に影響しない」と書く資料が6件。ただし必須の研究科で了承なしに出すと、出願を認めない例(九州大学 総合理工学府) 3章
怒られるか 理由・頻度を書いた公式資料はない。研究科が決めた期限・連絡先・送るもの・聞かないことに沿う(当てはめ) 3章
いつまでに連絡するか 教員への事前相談・受入確認の期限を書いた7例は出願開始の11〜61日前、中央値14日前(計算)。研究室のページに「前年10月まで」と書く例も(その研究室の方針) 4章
どう連絡するか 教員に直接、研究室のアドレス、研究科の事務・フォームなど研究科で違う。研究科の指定に従う 5章
返信が来ない 3営業日で再送か電話(青山学院大学 社会情報学研究科)。ほかに日数を書いた公式の例は少ない 5章
何を聞くか 研究テーマが指導の範囲か、研究環境・進め方、指導体制。入試問題・研究計画書の添削・合否の見込みは聞かない 6章
自分の場合 必要かの判定、メールの文面、出願開始からの逆算、聞くことの表を計算機で 8章

1. 先に、この記事の資料と、書いている人について

私は東京電機大学の出身です。大学3年のころ研究室に受け入れてもらえず、研究室に入らないまま卒業しました。大学院入試は受けておらず、研究室訪問や教員への事前相談をしたこともありません。そのため、研究室訪問の体験談は書きません。ここで書くのは、大学が公表している大学院の学生募集要項・入試案内・研究科のFAQ・事前相談の案内・説明会の案内と、文部科学省の通知・資料から取った内容です。知恵袋・note・動画・塾や就職支援会社のサイトは使っていません。研究室が大学のサイトに出しているページは、その研究室の方針の例として7章にだけ置き、ほかの研究室にも当てはまるようには書いていません。

この記事で扱うのは、大学院入試(主に修士課程・博士前期課程)の前に、志望する研究室を訪ねたり、教員に事前相談をしたりすることです。他大学の大学院を受ける場合が中心で、同じ大学の別の研究室を受ける場合も含めます。学部の3〜4年生で研究室に入る「研究室配属」は、研究室配属に落ちたら?に書きました。

要項は2027年度入学(2026年実施)の版を優先しました。30件のうち27件は、この版か、年度の明記がない現行の研究科のページ(4件)です。3件(東北大学 文学研究科・京都大学 文学研究科は2026年度入学の版、立教大学 社会デザイン研究科は前年度以前のFAQ)は、表に「前年度の版」と書きました。30件は検索で公式資料が取れたもので、全国の研究科から選んだ標本ではありません。割合はこの30件の中での数です。分類は原文の書き方に従っただけで、実際の運用は確かめていません。

記事で「計算」と書いた数字は、出典の日付や数字を引き算・割り算しただけのものです。「当てはめ」と書いた部分は、公式資料の文を組み合わせたこの記事の読み取りで、そう書いた公式の文はありません。

2. 研究室訪問・事前相談は必要か:要項30件の書き方

2-1. 研究科全体のルールの分け方と件数

対象は、日本の大学を卒業(見込み)の一般の志願者に向けた、研究科全体のルールです。「必須」は「必ず」連絡・相談・承諾、または了承のない出願を認めない、と書いたもの。「推奨」は「推奨」「強く推奨」「望ましい」「強くおすすめ」と書いたもの。「相談の指示」は、必須とも推奨とも書かずに「相談を行ってください」などと求めるものです。これは原文の書き方での分類で、出願の要件としての強さ(守らないと出願できないか)を判定したものではありません。たとえば広島市立大学 情報科学研究科は、必須・推奨の語はありませんが、「出願前に,指導希望教員(第 1 希望,第 2 希望の両方)と研究内容等の相談を行ってください。」と書き、受付期限を設け、その相談結果をふまえて研究計画書を作るよう求めています。「相談してください」の中にも、こうした強い書き方の例があります。

研究科全体の書き方 件数(30件中) 割合(計算) 例と原文
必須 6件 20.0% 九州大学 総合理工学府「第1志望の教員から出願可の了承を得ていない者の出願は認めません。」/東北大学 薬学研究科「必ず問い合わせてください」/前橋工科大学 工学研究科「必ず、あらかじめ指導教員と連絡を取り、出願することの承諾を得ておいてください」/東京理科大学「必ず連絡を取り、指示を受けてください」/関西学院大学 社会学研究科「出願開始の1カ月前までに指導を希望する教員に必ず事前相談」/青山学院大学 社会情報学研究科「事前相談を必須としています」
推奨 3件 10.0% 早稲田大学 基幹・創造・先進理工学研究科「強く推奨」/早稲田大学 人間科学研究科「強く推奨」「事前の連絡が取れなかった場合でも出願は可能です。」/立命館大学 社会学研究科「必須ではありませんが」「強くおすすめしています」
相談の指示(必須・推奨の語なし) 4件 13.3% 東京海洋大学「研究計画や受入れの可否について相談を行ってください」/大阪大学 人間科学研究科「事前連絡を取ってください」(行動学系・教育学系・共生学系は「事前連絡が必須」)/広島市立大学 情報科学研究科「相談を行ってください」(受付期限つき)/早稲田大学 スポーツ科学研究科「十分に相談してください」
問い合わせを受け付ける 1件 3.3% 東北大学 文学研究科(前年度の版)「各研究室では,志願者の事前の問い合わせを受け付けます。」
記載なし 12件 40.0% 東京大学 工学系研究科、東北大学 工学研究科・理学研究科・情報科学研究科、大阪大学 工学研究科・情報科学研究科、名古屋大学 工学研究科、東京外国語大学、大阪大学 人文学研究科 言語文化学専攻、東京大学 教育学研究科、国際基督教大学、慶應義塾大学 社会学研究科(うち7件は専攻・区分で上乗せ。2-2)
不要と明記 3件 10.0% 京都大学 文学研究科(前年度の版)「出願に際して教員とのコンタクトは不要です。」/東京都立大学 人文科学研究科(説明会の案内のFAQ)「教員の許可を取る必要はありません。」/立教大学 社会デザイン研究科(前年度の版のFAQ)研究室訪問は「必須ではありません。合否にも影響は一切ありません。」
受験生と個人的に接触しない 1件 3.3% 早稲田大学 日本語教育研究科「受験生とは個人的なコンタクトをとらない」(研究科全体の申し合わせ)

研究科全体で必須の6件に、専攻や区分の一部で必須にしている6件(2-2の東京大学 工学系研究科 建築学専攻、東北大学 工学研究科 機械系、東北大学 情報科学研究科 社会人・留学生等、大阪大学 工学研究科 産学官共創コース、大阪大学 情報科学研究科「生物情報」、大阪大学 人間科学研究科の3つの学系)を足すと、全体または一部で必須があるのは30件中12件(40.0%)でした(計算)。

国立の理工系の大きな研究科(東京大学・東北大学・大阪大学・名古屋大学の工学系など)は要項本体に書かず、専攻ごとに決める形が多く、私立・公立や文系は研究科全体で書く例が多い、という傾向が30件の中では見えます。「不要」「接触しない」と書いた4件は、すべて文系の研究科でした。ただし件数が少なく、選び方も無作為ではないので、分野で一般化はできません(当てはめ)。

2-2. 「記載なし」でも、専攻・区分に追加の記載がある例

「記載なし」12件のうち7件は、専攻の別表・専攻の入試案内・区分に追加の記載がありました。いちばん強い書き方で分けると、専攻・区分の一部で必須(「必ず」・了承・受入確認書・受入承諾書、一部の教員への事前の問合せ)5件(東京大学 工学系研究科、東北大学 工学研究科・情報科学研究科、大阪大学 工学研究科・情報科学研究科)、推奨1件(東北大学 理学研究科 地球物理学専攻)、「望ましい」1件(国際基督教大学 理学専攻)でした(計算)。必須がある研究科でも、別の専攻には「相談すること」(東北大学 工学研究科 土木工学・都市・建築学、大阪大学 工学研究科 生物工学ほか)や「問い合わせることができる」(東京大学 工学系研究科 技術経営戦略学専攻)のような、性質の違う書き方が並んでいます。

研究科 専攻・区分 原文
東京大学 工学系研究科 建築学専攻 「留意事項のある教員については事前に問合せを行い、指導方針について確認を行うこと。」
同 技術経営戦略学専攻(修士) 「関連する教員に問い合わせることができる。」「ただし出願後にコンタクトをすることはできない。」
東北大学 工学研究科 機械系4専攻 「本学機械系5コースを卒業(見込)でない志願者は,必ず事前に第一志望研究室の教員へ連絡し,受入確認書を取得すること。」(「出願開始日の2週間前までを目途」)
同 土木工学専攻・都市・建築学専攻 「出願手続き前に,あらかじめ志望する分野の受入れ予定教員に相談すること。」
東北大学 理学研究科 地球物理学専攻 「志望領域・分野の教員に事前に相談することを推奨します。」
東北大学 情報科学研究科 社会人・外国人留学生等/機械・知能系群 「社会人及び外国人留学生等は、選抜区分に関わらず、事前に必ず配属を希望する研究室(分野)の 受入れ予定教員に照会し」/機械・知能系群が第1希望なら「受入承諾書」
大阪大学 工学研究科 生物工学専攻・環境エネルギー工学専攻・精密工学コース・産学官共創コース 出願前に「入学後の研究テーマについて相談してください。」(精密工学コースは学内の特定の在籍者以外)/産学官共創コースは事前相談をし「了承を得ておくことが必要になります。」
大阪大学 情報科学研究科 「生物情報」を選ぶ人 「受験に際しては、必ず受入れ予定教員に連絡してから受験してください。」
国際基督教大学 理学専攻 「事前に研究内容等について本学関係教員とよく相談し、入学後に研究指導を受けられる可能性があるかどうかを確認することが望ましい。」

東北大学 情報科学研究科は、要項本体とは別の「事前相談のご案内」で、事前相談を受け付けていること、目的、期限の目途を書いています。名古屋大学 工学研究科も、要項の前文で「出願に先立ち,志望する系(専攻)の専攻案内及び専攻ウェブサイトを必ず確認して下さい。」と書いています。要項の本体に何も書いていないことは、事前相談が要らないことを意味しません(当てはめ)。

2-3. 他大学から受ける人だけに求める例

東北大学 工学研究科の機械系4専攻は、本学機械系5コースを卒業(見込み)でない志願者にだけ受入確認書を求めています。同じ大学の機械系の学部生には求めず、他大学から来る人と、同じ大学の別のコースから来る人には求める書き方です。大阪大学 工学研究科の精密工学コースも、学内の特定の在籍者以外に出願前の相談を求めています。

外国の大学の出身者には別の手続きがある例もあります。九州大学 総合理工学府は、外国の大学の卒業(見込み)者に「原則、2026年4月22日(水)17時までに」出願前の事前申請を求め、大阪大学 人間科学研究科は、外国籍の志願者(本学の在籍者・卒業者を除く)の指導予定教員へのアポイントを、原則としてアドミッション支援デスクを通すよう書いています。自分がどの区分で受けるかを決めてから、その区分の決まりを読みます。

2-4. 他大学の大学院を受ける人はどれくらいいるか

中央教育審議会 大学院部会の資料集(令和8年5月11日時点)によると、修士課程の入学者に占める自大学出身者の割合は、令和7年で全体71.2%、工学87.2%、社会科学27.6%でした。他大学の出身は全体28.8%、工学12.8%、社会科学72.4%です(計算)。資料集は「理学、工学、農学系の修士課程における自大学出身者割合は、8~9割で推移している。」と書いています。工学系では他大学から入る人は少数で、社会科学系では多数です(計算からの当てはめ)。

「自大学出身」は同じ大学の出身かどうかで、同じ研究室に残ったかどうかではありません。他大学の大学院を受けた人の割合や、事前相談・研究室訪問をした人の割合の公的な統計は見つかりませんでした。

3. 「怒られる」が心配なとき:事前相談のルールと合否の関係

3-1. 文部科学省は「事前相談の範囲等のルールを明確化」を求めている

文部科学省の「大学院入学者選抜実施要項」(令和8年5月27日 8文科高第318号)は、入学者選抜の公平性・公正性確保の項でこう書いています。

「なお、入学後の研究分野の確認等のため入学志願者と入学後に研究指導を希望する教員等との事前相談の機会を出願前などに設ける場合には、公平性・公正性確保の観点から、事前相談の範囲等のルールを明確化すること。」

背景として、文部科学省の協議会資料「大学院の入学者選抜における留意事項」は、大学院の入試では「受験希望者に対する事前相談の機会が設けられることが多い。」としたうえで、問題作成・採点に関わる教員が、事前相談で特定の受験希望者に入試問題と類似する問題事例を事前課題として示し、受験指導をした「事案」を挙げています(大学名・年の記載はありません)。資料は「事前相談において、不適切な行為が行われないように透明性を確保することが重要。」とし、試験の前の工夫として「事前相談のルールを分かりやすく公表し、当該ルールに基づいた対応を行う。」を挙げています。

研究室訪問・事前相談は、教員と受験生が個人的に会う場であると同時に、研究科がルールを決めて公表する入試の手続きの一部、というのが国の資料の書き方です(当てはめ)。

3-2. 事前相談の目的:研究テーマ・研究分野のミスマッチを防ぐ

事前相談の目的を書いた公式資料は、どれも「入学後の研究が合うか」を確かめるため、と書いています。

  • 東北大学 情報科学研究科:入学後の研究活動における「研究テーマのミスマッチを防ぐ」ことを目的とし、「志願者の研究テーマと、希望する教員の研究分野の適合性を確認するために行います」
  • 東北大学 文学研究科:「事前相談は、入学後の研究分野のミスマッチを防ぐ(指導教員の研究分野と志願者の研究テーマが合致しているかどうかを確認する)ために行うものです。」
  • 関西学院大学 社会学研究科:「事前相談は、研究分野及び研究科との親和性をご確認いただくために実施します。」
  • 早稲田大学 基幹・創造・先進理工学研究科:「研究分野に齟齬が無いかなど、出願前マッチングを行うことを推奨します。」

面談で自分の研究テーマや計画について詳しく聞かれるのは、この目的に沿ったことです(当てはめ)。

3-3. 合否との関係:「影響しない」と「了承がないと出願できない」の両方がある

研究科 合否との関係(原文) 事前相談そのもの
東北大学 情報科学研究科 「事前相談の有無や内容は、入試の合否に影響しません。」 受け付けている(案内)
東北大学 文学研究科 「事前相談の有無・相談内容が、入試の合否に影響を及ぼすことはありません。」 受け付けている
関西学院大学 社会学研究科 「事前相談の内容が合否に影響することはありません。」 必須
青山学院大学 社会情報学研究科 「なお、事前相談は合否に関係ありません。」 必須
立教大学 社会デザイン研究科(前年度の版) 「合否にも影響は一切ありません。」 研究室訪問は必須ではない
大学院入試の事前相談フォーム(KIT。30件に入れていない参考) 「研究室の希望状況は入試の合否には一切関係ありません。」 事前の相談をせずに入学すると、希望の研究室に配属されない可能性がある、と書く
九州大学 総合理工学府 「第1志望の教員から出願可の了承を得ていない者の出願は認めません。」 必須(口述試験の対象になるには、出願前の面談が必要)
学習院大学 国際社会科学研究科 学内推薦(参考) 「希望する指導教員の承諾なく出願した場合、不合格となる場合がある。」 内諾が出願資格
東京大学 理学系研究科 生物科学専攻 博士課程(参考) 「希望指導教員が受け入れることができない場合には不合格の扱いとなることがあります。」 出願への了解が必須

「合否に影響しない」は、相談の有無や中身で評価を変えない、という意味で書かれています。関西学院大学・青山学院大学は「影響しない」と書いたうえで、事前相談そのものは必須にしています。「合否に影響しない」と書く研究科でも、相談しないで出願してよいとは限りません(当てはめ)。必須の研究科で相談しないまま出すと、出願を認めない(九州大学)、不合格となる場合がある(学習院大学の学内推薦)、希望の研究室に入れない可能性(KIT)という形の不利が書かれています。一方、研究室訪問をした人が有利になる、と書いた公式資料は見つかりませんでした。

博士課程まで考えている人は、博士課程の出願で希望教員の了解を必須にし、受け入れられない場合は不合格の扱いとなることがあると書く専攻(東京大学 理学系研究科 生物科学専攻)もあることを知っておきます。博士課程の後の進路は、博士課程の就職は厳しい?にまとめました。

3-4. 入試の内容・研究計画書の添削には答えない例

  • 東北大学 文学研究科:「入試に関する情報提供は、試験日程や出題範囲等、募集要項などで公表されている基本的な情報のみとします。」
  • 東北大学 情報科学研究科:入試の情報は「募集要項等本研究科ホームページに掲載されている入試情報を参照してください。」
  • 早稲田大学 日本語教育研究科:「「研究計画へのアドバイス」「出願書類の添削」などについてご質問いただきましても対応・回答はいたしません。」
  • 立教大学 社会デザイン研究科(前年度の版のFAQ):「受験生に対する入学前の研究計画書の指導・添削・コメントは、入試の公平性の観点から一切行っておりません。」
  • 東京大学 工学系研究科 技術経営戦略学専攻:「ただし出願後にコンタクトをすることはできない。」

過去問は、研究室ではなく研究科・専攻の公式の窓口で入手する、と書く大学があります(京都大学 文学研究科は教務掛窓口で閲覧、名古屋大学 工学研究科は専攻ごとの照会先)。研究計画の資料は「相談の材料として持っていく」もの(立命館大学・早稲田大学 理工)で、「添削は頼まない」もの(早稲田大学 日本語教育研究科・立教大学)です(当てはめ)。

3-5. 「怒られる」理由を書いた公式資料はない:手順から外れないための4点

研究室訪問で怒られた・失敗した人の割合や、怒られる理由を書いた公式資料は見つかりませんでした。検索で上位に出る研究室訪問の体験談・注意点は、個人のブログ・Q&Aサイト・動画・民間企業のサイトのもので、この記事では使っていません。公式資料から言えるのは、事前相談は研究科がルールを決める手続きで、そのルールが要項・案内に書いてある、ということです。そこから外れないための点を、次の4つにまとめました(当てはめ)。

  • 期限:要項・専攻の別表・研究室のページにある期限までに連絡する(4章)
  • 連絡先:研究科が指定した連絡先・方法を使う。研究室単位のアドレス、研究科の事務、フォームを通すと決めている研究科もある(5章)
  • 送るもの:氏名・所属・学位・希望指導教員・受験予定の入試と時期・研究テーマと研究計画の概要(5章)
  • 聞かないこと:入試問題・出題の中身、研究計画書の添削、合否の見込み(3-4・6章)

4. いつまでに連絡するか

4-1. 教員への事前相談・受入確認の期限を書いた例:出願開始の11〜61日前(計算)

例 期限の原文 期限(日付) 出願期間 出願開始まで(計算)
東北大学 情報科学研究科 上期(事前相談の案内) 「出願期間初日の2か月前までを目途」 2026年4月26日(計算、目途) 2026年6月26日〜7月8日 61日
東北大学 工学研究科 機械系(受入確認書) 「出願開始日の2週間前までを目途」 2026年6月24日(計算、目途) 2026年7月8日〜7月16日 14日
大阪大学 人間科学研究科 秋期 「原則として、願書等受理期間初日の2週間前までに完了」 2026年7月7日(計算) 2026年7月21日〜7月23日 14日
広島市立大学 情報科学研究科 推薦 「〔事前相談受付期限〕 2026 年 5 月 29 日(金)」 2026年5月29日 2026年6月9日〜6月15日 11日
広島市立大学 情報科学研究科 一般 第1回 「〔事前相談受付期限〕2026 年 7 月 10 日(金)」 2026年7月10日 2026年7月21日〜7月27日 11日
関西学院大学 社会学研究科 第1次 「出願開始の1カ月前までに」 2026年7月24日(計算) 2026年8月24日〜8月31日 31日
早稲田大学 基幹・創造・先進理工学研究科 修士特別選考(2027年4月) 「出願の 1 ヶ月前までを目途」 2026年10月24日(計算、目途) 2026年11月24日〜12月3日 31日

「1か月前」は前の月の同じ日、「2週間前」は14日前、「2か月前」は2か月前の同じ日として日付にしました(原文は「目途」「原則」の書き方です)。7例の期限は出願開始の11〜61日前で、11日前が2例、14日前が2例、1か月前(31日前)が2例、2か月前を目途(61日前)が1例、中央値は14日前でした(計算)。東北大学 薬学研究科、九州大学 総合理工学府の国内の大学の出身者、前橋工科大学、東京理科大学のように、期限を書かず「出願前」「事前に」とだけ書く要項も多くあります。

参考として、教員への事前相談とは性質の違う手続きの期限も並べます。上の7例の範囲・中央値には入れていません。

例 手続き 期限の原文 出願開始まで(計算)
九州大学 総合理工学府 外国の大学の卒業(見込み)者の出願前の事前申請(プレアドミッション・サポートデスク) 「原則、2026年4月22日(水)17時まで」 26日
東京都立大学 人文科学研究科(9月入試) 個別相談の申込(教員の許可は不要とする研究科の、任意の相談) 「申込期間:7月5日(日)まで」 33日
東北大学 情報科学研究科 特別な受験方法を希望する者の問い合わせ 「2026年6月15日までに、必ず…問い合わせてください。」 11日

4-2. 出願期間から見た連絡の時期

大学・研究科(2027年4月入学) 出願期間 試験日
九州大学 総合理工学府 2026年5月18日〜5月27日 口述 7月4日、筆記・面接 7月25〜26日
東京大学 工学系研究科(A日程) 2026年5月29日〜6月4日 8月31日〜9月4日
大阪大学 情報科学研究科 2026年6月22日〜6月26日 8月1日〜8月3日
東北大学 情報科学研究科 上期 2026年6月26日〜7月8日 8月25日〜8月27日
大阪大学 工学研究科 2026年7月6日〜7月17日 8月18日〜8月20日
東北大学 工学研究科(一般) 2026年7月8日〜7月16日 8月25日〜8月27日
慶應義塾大学 社会学研究科 2026年6月30日〜7月10日(出願登録) 一次 9月9日、二次 9月11日
大阪大学 人間科学研究科(秋期) 2026年7月21日〜7月23日 筆記 9月16日、口述 9月18日
関西学院大学 社会学研究科(第1次) 2026年8月24日〜8月31日 9月7日
早稲田大学 基幹・創造・先進理工学研究科 修士特別選考 2026年11月24日〜12月3日 2027年1月9日
大阪大学 人間科学研究科(冬期) 2026年11月16日〜11月18日 筆記 2027年1月27日、口述 1月29日
関西学院大学 社会学研究科(第2次) 2027年2月8日〜2月15日 2月25日

この記事で見た理工系の夏の入試は、出願開始が5〜7月でした。4-1の7例の期限(出願開始の11日〜2か月前)を当てると、東北大学 情報科学研究科の目途は4月下旬、東北大学 工学研究科 機械系の目途は6月下旬で、夏の入試なら連絡は4〜6月が目安になります(当てはめ)。文系・私立の研究科には、8〜9月の入試と1〜2月の入試の2回がある例が多くありました。

募集要項は、文部科学省の実施要項で「遅くとも試験期日の2か月前までに発表するものとする。」とされています。東北大学 情報科学研究科の上期の要項の発行は「2026年6月」で、事前相談の目途(出願期間初日の2か月前=4月26日、計算)より後でした。このように、その年の要項を読む前に期限が来ることもあるので、前年度の要項・研究科の案内で、事前相談の書き方を先に確かめておきます(当てはめ)。出願・試験の日程と、不合格だったときの二次募集・研究生の道は、院試に落ちたら人生終わり?に並べました。

4-3. 研究室のページに、もっと早い期限を書く例

東京大学 森林風致計画学研究室のページは、「4月入学を希望される方は前年10月まで、10月入学を希望される方は4月までに当研究室教員に連絡をとること。」と書いています。入学の約6か月前で、4-1の研究科の期限より早い書き方です。これはその研究室の方針で、ほかの研究室の期限ではありません。志望研究室のページにも、連絡の期限・方法が書いていないか確かめます。

5. 連絡の仕方:連絡先・送るもの・返信が来ないとき

5-1. 連絡先は研究科が決めている

研究科 連絡先 面談の形
東北大学 情報科学研究科 「希望する研究室の指導教員へ、電子メールで直接ご連絡ください。」連絡先が分からないときは教務係 記載なし
東北大学 文学研究科 「多くの研究室では、教員個人ではなく研究室単位で対応しているため、研究室のウェブサイトに掲載されている研究室のメールアドレス等に連絡してください。」 記載なし
九州大学 総合理工学府 専攻事務室または教員 「面談(web面談も可)」
早稲田大学 スポーツ科学研究科 「研究指導内容・コード一覧」に載っている各教員のメールアドレス 現地見学を推奨
立命館大学 社会学研究科 学内生は教員にメール、「他学部生や学外の方の場合には、産業社会学部事務室の大学院担当までご相談ください」 「研究室訪問による面談に限らず、メールやオンラインビデオ会議などを利用した相談を実施する場合もあります。」
青山学院大学 社会情報学研究科 研究科の連絡先へメールで申込 「大学院説明会での個別面談も可」
関西学院大学 社会学研究科 指導教員一覧の連絡先。未掲載なら研究科(社会学部)宛にメール 記載なし
広島市立大学 情報科学研究科 指導希望教員。連絡先が分からないときはアドミッションセンター宛にメール 記載なし
大阪大学 人間科学研究科 指導予定教員(外国籍の志願者はアドミッション支援デスクを通す) 記載なし
東京都立大学 人文科学研究科 個別相談・オンライン説明会に申込(メールの件名の形も指定) 個別相談かオンライン説明会

研究室単位のアドレス、研究科の事務、フォームを通すと決めている研究科で、教員個人に直接メールを送っても、決められた手続になりません(当てはめ)。

5-2. 送るもの・書くこと

資料 送るもの・書くこと(原文・要旨)
青山学院大学 社会情報学研究科 件名・本文に、氏名(フリガナ)、学位の有無、現在の所属、希望指導教員名、受験予定の入試種別・時期、進学後の研究テーマ・研究計画(概要)(要旨)。出願に伴う相談は「必ず全項目記載が必要です。」
早稲田大学 基幹・創造・先進理工学研究科 「研究計画書や CV をご準備の上(いずれも書式自由)、希望指導教員にメールでコンタクトをとり」
立命館大学 社会学研究科 「事前相談の際には、研究計画が具体的に分かる資料(出願書類に添付予定の研究計画書など)をご準備ください。」「できる限りその教員の論文・著書などを読んだ上で教員と連絡をとり」
東京大学 森林風致計画学研究室(その研究室の方針) 「学歴・学位論文概要等・研究計画(志望動機も含む)を教員に提出してください。」
神戸市外国語大学(研修員の募集で、大学院の課程ではない。参考) 氏名、連絡先(メールアドレス・住所・電話番号など)、学歴、その教員の指導を志望する理由、研究内容(要旨)

送るものを書いた公式の例をまとめると、氏名・所属・学歴(学位)・希望指導教員名・受験予定の入試と時期・研究テーマと研究計画の概要(研究計画書・CVがあれば添付)、それに志望教員の論文を読んだうえでの関心です(当てはめ)。事前相談で成績証明書を送るよう書いた公式の例は見つかりませんでした。

今の大学の指導教員の推薦状について、文部科学省の実施要項は「出身大学の指導教員の推薦状…については、原則として入学者選抜の必要資料とはせず、提出するか否かは志願者の任意にゆだねる任意提出資料とすることが適当である。」と書いています。ただし、推薦書による特別選考(早稲田大学 社会科学研究科の特別選考制度)や学内推薦のように、推薦が出願資格になる入試もあります。

研究テーマ自体がまだ決まっていないときは、研究テーマが決まらない・思いつかないに、大学の資料が書く探し方と候補の比べ方を並べました。

5-3. 返信が来ないとき

  • 青山学院大学 社会情報学研究科:「メール送信後、休祝日を除く 3 営業日以内に返信がない場合にはメールの再送、もしくはお電話…にてご連絡ください。」「事務窓口停止日についてはお取り扱いができませんので、ご注意ください。」
  • 神戸市外国語大学(研修員の募集で、大学院の課程ではない。参考):「送信後7 日以上経過しても、教員から連絡がない場合は」大学院担当に連絡する(要旨)
  • 東京大学 森林風致計画学研究室(その研究室の方針):「※一両日中に返信がない場合は当研究室教員までメールをお願いします」
  • KIT の事前相談フォーム(参考):受け付けた旨のメールが届かない場合は、別のE-mailを入力して送り直すよう書いています(フリーメールで返信が届かない場合)

再送の目安を日数で書いた公式の例は、この記事で見た範囲では「3営業日」(青山学院大学)と「7日以上」(神戸市外国語大学の研修員)の2件だけでした。どちらも、その研究科・その募集の決まりで、ほかの研究科の基準ではありません(当てはめ)。

5-4. メールの書き方:大学が学生向けに出している案内

大学が学生向けに出しているメールの書き方の案内は、件名を書く(旧 東京工業大学の学生向け資料は、件名なしのメールは「読まれずに削除されてしまう可能性があります」と書いています。2021年の資料)、本文の最初に相手の名前を書く(同じ資料)、最後に大学名・学部・学籍番号・氏名・メールアドレスを書く(聖隷クリストファー大学のサイトの資料)、どのメールへの返信か分かるように書く(東北大学 理学部の資料)、といった形です。東京大学 情報基盤センターの教材は、宛先が正しくても「迷惑メールとして振り分けられてしまう場合もあります。」と書いています。これらの案内に、返信を待つ日数を書いたものはありませんでした。指導教員から返信が来ないときの考え方は、教授・指導教員と合わないにも書きました。

6. 何を聞くか:調べておくことと、訪問・面談で聞くこと

6-1. 公式資料が挙げる確認事項

  • 青山学院大学 社会情報学研究科:「事前相談では、受験の意図、様々な研究活動の可能性、研究科の指導内容や指導体制のマッチングについて、ご相談いただけます。」「ご自身の研究テーマや計画が指導分野と合致しているか、必ず事前に確認を行ってください。」
  • 早稲田大学 スポーツ科学研究科:「研究内容に加え研究環境や入学後の具体的な研究活動の進め方…について十分に相談し確認するようにしてください。」
  • 学習院大学 国際社会科学研究科 学内推薦(参考):「教員の退職・異動・長期研修参加などの理由により、指導できない場合があるため、必ず出願期間前に希望する指導教員に連絡を取り、研究・指導体制の確認を終えるようにすること。」
  • 早稲田大学 基幹・創造・先進理工学研究科:同じ教員が複数の研究指導の主担当の場合「副担当が指導教員となる可能性があります。出願前に両教員に問い合わせてください。」
  • 東京大学 工学系研究科 建築学専攻:留意事項のある教員には「指導方針について確認を行うこと。」

公式資料が挙げる確認事項は、研究テーマが指導できる範囲か、研究環境と研究の進め方、指導体制(退職・異動・研修などで指導できない可能性)の3つにまとまります(当てはめ)。

6-2. 事前に調べておくこと/訪問・面談で聞くこと/聞かないこと

項目 分かる場所 訪問・面談で
出願資格・出願期間・試験日・試験科目・出題範囲 募集要項 調べておく(東北大学 文学研究科は、入試の情報提供を公表されている基本的な情報のみとしている)
過去問 研究科・専攻の窓口(京都大学 文学研究科、名古屋大学 工学研究科) 研究室では聞かない
事前相談が要るか・期限・連絡先 要項の本体、専攻の別表・入試案内、研究科の事前相談の案内 調べておく(計算機1・3)
教員の研究分野 要項の教員一覧、研究室のページ 調べておく
教員の論文・著書 論文データベース 読んでおく(立命館大学 社会学研究科)
自分の研究テーマが指導の範囲か 公開資料だけでは分からない 聞く(3-2・6-1)
研究環境・入学後の研究の進め方 研究室のページで一部分かることがある 聞く(早稲田大学 スポーツ科学研究科)
指導体制(退職・異動・研修、副担当) 公開資料だけでは分からない 聞く(学習院大学の学内推薦・早稲田大学 理工)
研究計画書の添削、入試問題の中身、合否の見込み — 聞かない(3-4)

学費や奨学金は、研究室で聞く前に、大学・研究科の公開しているページで確かめられます。修士・博士の学費と奨学金は大学院の学費はいくら?に、修了後に就職するときの修士1年からの日程は大学院生の就活はいつから?に並べました。入学後の研究の進め方を聞くときに、就職活動の時期との兼ね合いを聞くのは、公式資料の確認事項(研究の進め方)の範囲です(当てはめ)。

6-3. 説明会・オープンラボ・研究室見学

大学・研究科 催し(2027年4月入学向け、終わったものを含む) 申込・位置づけ
京都大学 農学研究科 応用生命科学専攻 入試説明会 2026年2月21日、オンライン。第1希望の研究室に移動して説明を受ける形 事前登録
東京大学 工学系研究科 技術経営戦略学専攻 入試説明会 2026年4月20日・4月25日 「入試説明会への出席は受験するために必須ではありません。」
東京大学 理学系研究科 生物科学専攻 入試説明会 2026年4月29日(Zoom)。第二部はPIと学生との面談会(要旨) 研究室を訪ねるときは「前もって当該教員にメール等で予約をとってください。」
東北大学 理学研究科 天文学専攻 大学院入試説明会 2026年5月12日(Zoom) 申込は5月7日まで。「研究室訪問については専攻長または各教員までお気軽にご相談ください。」
電気通信大学 情報理工学研究科 大学院オープンラボ2026 5月24日。各研究室の公開(対面・ハイブリッド・オンライン) 遠方・国外在住者はオンラインの相談を予約
東洋大学 総合情報学研究科 進学説明会 6月20日・11月21日、相談会 7月4日・11月28日 「学外の方は事前にお申込み下さい。」
東京都立大学 人文科学研究科 個別相談・オンライン説明会(7月4日〜、教室ごと) 申込は7月5日まで。教員からメールで7月中旬までに回答予定
早稲田大学 日本語教育研究科 2027年1月 オンライン入試説明会。個別セッションで教員・在校生・職員に質問 1人あたりの質問時間は最大5分程度が目安(要旨)

早稲田大学 人間科学研究科の臨床心理学研究領域のように、希望する教員の説明会への出席を必須とする例があります(「各自が希望する教員の臨床心理学説明会に必ずご出席いただく必要があります。」)。出席しなかったときの扱いは、この記事で確かめた範囲では書かれていませんでした。研究室訪問や説明会への参加そのものを合否の条件と書いた公式資料は見つかりませんでした。出願前の相談・了承を必須とする研究科でも、その形は面談・web面談・メール・オンラインでもよいとする例があります(九州大学 総合理工学府、立命館大学 社会学研究科、電気通信大学のオープンラボ。6-4)。

6-4. 訪問の形:対面でなくてもよい例

九州大学 総合理工学府は、口述試験の対象になるための面談を「web面談も可」としています。立命館大学 社会学研究科は、研究室訪問による面談に限らず「メールやオンラインビデオ会議などを利用した相談を実施する場合もあります。」と書き、電気通信大学のオープンラボは遠方・国外在住者にオンラインの相談の予約を案内していました。早稲田大学 基幹・創造・先進理工学研究科は、遠方に住む人に、出願前に面接の実施方法を確かめるよう勧めています。

研究室訪問が怖い・緊張するときに、対面とオンラインのどちらを選んでよいかは、志望教員の返信と研究科の案内に沿って決めます。質問の時間が短い場(早稲田大学 日本語教育研究科の個別セッションは1人あたり最大5分程度が目安)もあるので、聞くことを1〜2個に絞って紙に書いておく、というのがこの記事の整理です(当てはめ)。

7. 研究室のページに書かれた受け入れ方針(その研究室の方針の例)

次の6つは、大学のドメインにある研究室のページの書き方です。どれもその研究室の方針で、ほかの研究室に当てはまるものではありません。

研究室(大学) 方針の原文 ページの日付
光駆動固体物性研究室(京都大学 化学研究所) 「他大学からの受験も大歓迎です。」「研究室見学も随時受け付けています。」「見学をご希望の方は、事前に上記のメールアドレスまでご連絡ください。」 記載なし
森林風致計画学研究室(東京大学 農学生命科学研究科) 「4月入学を希望される方は前年10月まで、10月入学を希望される方は4月までに当研究室教員に連絡をとること。」「研究室ゼミに聴講参加を希望される場合は当研究室教員までご相談ください。」 フッター「©2006 – 2022」(古い可能性)
宮下研究室(早稲田大学 理工) 「研究分野の整合性をホームページから確認してください.」「取り組みたい課題を参考文献の明示の上,明確に連絡してください.」 記載なし
応用分子画像科学分野(北海道大学 アイソトープ総合センター) 「研究室の見学も随時受け付けています。」受験前に、あらかじめ研究室に問い合わせるよう書いています(要旨) 「copyright©2009」のみ(古い可能性)
東北大学 理学研究科 地球物理学専攻のページ(研究室名の明記なし) 「受験を考えている方は是非一度、研究室訪問においでください。学内・学外問わず、歓迎いたします。」 記載なし
次世代インフラシステム研究室(東京大学 工学系研究科 社会基盤学専攻) 「大学院進学に興味がある方は,遠慮なく訪問してください.」「人数把握のため,希望者は3月13日(月)までに…事前連絡をお願いします.」 2023年3月(古い)

6つのページには、他大学からの受験・見学を歓迎する、訪問・見学は事前にメールで連絡する、取り組みたい課題や研究計画を具体的に伝える、といった書き方が見られました(3つがすべてのページにあるわけではありません。当てはめ)。研究室のページの期限(例:前年10月まで)は、研究科の要項の期限より早いことがあります。

8. 計算機:訪問・事前相談が必要かの判定/連絡メールの文面/出願開始から逆算する日程/聞くこと・調べておくことの表

4つは別々に使えます。

  • 1. 訪問・事前相談が必要かの判定:募集要項の本体の書き方(必須/推奨/相談してください/受け付ける/記載なし/不要/接触しない/まだ読んでいない)、志望専攻の別表・入試案内を読んだか、自分の区分(他大学から/同じ大学の別の学科・コースから/同じ学科・コースから/社会人・外国の大学の出身)を選ぶと、要項の書き方から言えること、同じ書き方の例と原文、次に確かめることを出します。合否や有利・不利は出しません
  • 2. 連絡メールの文面:初めての連絡・日程の調整・お礼・返信がないときの再送の4種類から選び、宛名・名前・所属・研究テーマ・受験予定の入試・希望日を入れると、件名と本文、送る前に確かめることを出します。研究計画書の添削や入試問題を頼む文面は出しません
  • 3. 出願開始から逆算する日程:出願開始日、試験日、要項の事前相談の期限(空欄なら出願開始の1か月前)を入れると、準備を始める日、最初のメールを送る日、再送の目安、期限を日付の順に並べます。期限を空欄にすると、要項に期限が書かれていないときの仮の期限(出願開始の1か月前)で計算し、結果にもそう書きます。期限が土曜日・日曜日に当たるときは、前の平日を期限として逆算します。返信を待つ日数の初期値3営業日は、青山学院大学 社会情報学研究科の例です。ただし計算機は土曜日・日曜日だけを除いて数え、祝日や大学の休業日も営業日として数えています。青山学院大学の「休祝日を除く3営業日」とは数え方が違います。仮の期限の1か月前と、準備の30日は置き値・入力例で、公式の基準ではありません
  • 4. 聞くこと・調べておくことの表:課程、面談の形、研究計画の進み具合、ほかに気になることを選ぶと、事前に調べておくこと(調べる場所つき)、訪問・面談で聞くこと、聞かないこと、持っていくものを出します

日付は「2027-06-22」「2027/6/22」「2027年6月22日」、全角の数字や「(月)」のような曜日のかっこ書きつきでも読めます。日付が読めないとき、試験日が出願開始日より前のとき、期限が出願開始日と同じか後のとき、出願開始日が今日か今日より前のときは、日程を出しません。結果は、入れた値と、この記事で見た大学・文部科学省の資料の例だけによる目安です。

訪問・事前相談が必要かの判定/連絡メールの文面/出願開始から逆算する日程/聞くこと・調べておくことの表

入れた値は、このページの中で使うだけで、どこにも送られません。初めから入っている値は入力の例です。4つは別々に使えます。

1. 訪問・事前相談が必要かの判定

2. 連絡メールの文面

3. 出願開始から逆算する日程

4. 聞くこと・調べておくことの表

初めから入っている例では、計算機1は要項の本体に「記載なし」・専攻の案内は「まだ読んでいない」・他大学から受ける場合で、「まだ決められません」と出ます。計算機3は、ページを開いた日の120日後を出願開始日、200日後を試験日にしています(端末の日付から入れています)。これは逆算の計算例で、実際の出願期間ではありません。

9. よくある質問

研究室訪問は行くべきですか?

研究科・専攻の決まりで違います。この記事で見た30件(検索で取れた例)では、研究科全体で必須6件・推奨3件・相談の指示4件、不要と明記3件・個人的に接触しない1件で、記載なし12件のうち7件は専攻・区分で上乗せがありました。要項の本体と志望専攻の別表・入試案内を読み、必須や相談の指示があれば期限までに連絡します。不要・接触しないと書く研究科では、説明会や個別相談など研究科が用意した場を使います。

研究室訪問をしていないと院試に受かりませんか?

研究室訪問をした人が有利になる、と書いた公式資料は見つかりませんでした。東北大学 情報科学研究科・文学研究科、関西学院大学 社会学研究科、青山学院大学 社会情報学研究科などは、事前相談が合否に影響しない(関係ない)と書いています。ただし、事前相談を必須にしている研究科で相談しないまま出すと、九州大学 総合理工学府のように出願を認めない例があります。相談の形は、面談・web面談・メールでもよいとする例があります(6-4)。

研究室訪問で怒られることはありますか?

研究室訪問で怒られた人の割合や、怒られる理由を書いた公式資料は見つかりませんでした。公式資料から言えるのは、研究科が事前相談のルール(期限・連絡先・送るもの・答えない範囲)を決めていて、文部科学省もルールの明確化を求めている、ということです。期限までに、指定の連絡先へ、氏名・所属・研究テーマなどを書いて連絡し、入試問題や研究計画書の添削を頼まない、という手順に沿うのがこの記事の整理です(当てはめ)。

研究室訪問の連絡は、いつまでにすればいいですか?

要項に期限があれば、それに従います。教員への事前相談・受入確認の期限を書いた7例では、出願開始の11〜61日前で、中央値は14日前でした(計算。広島市立大学 11日前、東北大学 工学研究科 機械系・大阪大学 人間科学研究科 2週間前、関西学院大学 社会学研究科・早稲田大学 理工 1か月前、東北大学 情報科学研究科 2か月前を目途)。研究室のページに、もっと早い期限を書く例もあります(東京大学 森林風致計画学研究室は、4月入学なら前年10月まで)。

教授に送ったメールの返信が来ません。何日待てばいいですか?

青山学院大学 社会情報学研究科は、休祝日を除く3営業日以内に返信がなければ再送か電話、と書いています。ほかに日数を書いた公式の例は少なく、研究科で決まりがあればそれに従います。研究科の手順が、研究室単位のアドレスや事務・フォームを通す形になっていないかも確かめます。

研究計画書を見てもらってもいいですか?

研究計画の資料を事前相談に持っていくよう書く研究科(立命館大学 社会学研究科、早稲田大学 基幹・創造・先進理工学研究科)がある一方、早稲田大学 日本語教育研究科・立教大学 社会デザイン研究科は、研究計画書の添削・アドバイスには応じないと書いています。資料は相談の材料として見せるもので、添削は頼まない、というのがこの記事の整理です(当てはめ)。

過去問は研究室で聞いてもいいですか?

過去問は研究科・専攻の窓口で閲覧・照会する、と書く大学があります(京都大学 文学研究科は教務掛窓口、名古屋大学 工学研究科は専攻ごとの照会先)。東北大学 文学研究科は、入試の情報提供を「募集要項などで公表されている基本的な情報のみ」としています。

今の指導教員の推薦状は必要ですか?

文部科学省の大学院入学者選抜実施要項は、出身大学の指導教員の推薦状を「原則として入学者選抜の必要資料とはせず」、志願者の任意の提出資料とするのが適当としています。推薦書による特別選考や学内推薦のように、推薦が出願資格になる入試もあるので、受ける入試の要項で確かめます。

同じ大学の大学院に進むときも、事前相談は要りますか?

研究科全体で必須なら、同じ大学の学生も対象です(九州大学 総合理工学府は「日本国内の大学を卒業(見込み)の志願者」に相談を求めています)。他大学や、同じ大学の別のコースから来る人だけに求める例もあります(東北大学 工学研究科の機械系4専攻)。修士課程の入学者の71.2%は自大学の出身です(令和7年。工学87.2%・社会科学27.6%)。

研究室訪問が怖いです。オンラインでもいいですか?

九州大学 総合理工学府は面談を「web面談も可」とし、立命館大学 社会学研究科もメールやオンラインビデオ会議での相談を書いています。電気通信大学のオープンラボは、遠方・国外在住者にオンラインの相談の予約を案内していました。面談の形は、志望教員の返信と研究科の案内に沿って決めます。

10. まとめ

  • 研究室訪問・事前相談が要るかは研究科・専攻で違う。検索で取れた30件では、研究科全体で必須6件・推奨3件・相談の指示4件・受付1件・記載なし12件・不要3件・接触しない1件(全国の割合ではない)
  • 「記載なし」12件のうち7件は、専攻の別表・区分に追加の記載があった(一部で必須5件、推奨・「望ましい」2件)。要項の本体と志望専攻の入試案内の両方を読む
  • 「合否に影響しない」と書く資料が6件ある一方、了承のない出願を認めない研究科(九州大学 総合理工学府)もある。訪問した人が有利になると書いた公式資料はない
  • 文部科学省は、事前相談の機会を設ける大学院に「事前相談の範囲等のルールを明確化すること」を求めている。怒られる理由を書いた公式資料はなく、期限・連絡先・送るもの・聞かないことという研究科のルールに沿う(当てはめ)
  • 教員への事前相談・受入確認の期限を書いた7例は出願開始の11〜61日前、中央値14日前(計算)。夏の入試なら連絡は4〜6月が目安(当てはめ)。研究室のページにもっと早い期限を書く例もある
  • 送るものは、氏名・所属・学位・希望指導教員・受験予定の入試と時期・研究テーマと計画の概要。返信がなければ3営業日で再送か電話とする例(青山学院大学)
  • 聞くことは、研究テーマが指導の範囲か、研究環境・進め方、指導体制。入試問題・研究計画書の添削・合否の見込みは聞かない

11. 出典

12. あわせて読む

 

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