准教授の年収はいくら?大学教授・講師・助教の年収を国立・私立・大学別に比較(任期付き・退職金・計算機つき)

准教授の年収はいくら?大学教員の年収の目安は教授1,082.6万円・准教授876.4万円・講師と助教712.2万円(令和7年賃金構造基本統計調査から計算)、国立7大学の准教授は852万〜1,021万円(令和7年度の公表値)、助教授は2007年から准教授 生き方・キャリア

「准教授 年収」「大学教員 年収」「助教 年収」「助教授 年収」「助教 給料」「特任助教 年収」「大学教員 退職金」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。

大学教員の年収の目安は、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査で、教授1,082.6万円(平均57.5歳)、准教授876.4万円(49.3歳)、講師・助教712.2万円(41.6歳)です(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与。計算)。国立大学が公表した令和7年度の平均年間給与は、7大学で教授1,029万〜1,282万円、准教授852万〜1,021万円、講師774万〜936万円、助教659万〜796万円でした。助教授は、2007年4月から准教授に名前が変わった職です。

私立大学の職名別の年収を全国でまとめた公的な統計は見当たらず、公開している大学の例(福岡工業大学、2024年分)では、教授の平均が1,203万〜1,308万円でした。特任の教員は、令和7年10月1日現在で助教の11.1%(国立大学では21.1%)で、特任の年収の全国平均を示した公的な統計は見当たりません。退職金は、国立大学では国家公務員退職手当法と同じ支給率の規程の例があり、その式で本俸50万円・勤続35年の定年なら、退職手当の基本額が約2,385万円です(計算。調整額は別で、実際には各法人の規程に従います)。職名・設置者別の年収、俸給表の月給、特任・無期転換・退職金、研究職との比較は、9章の計算機で出せます。

知りたいこと 答え 章
准教授の年収 876.4万円(賃金構造基本統計調査、平均49.3歳)。国立7大学の公表値は852万〜1,021万円 2章・3章
教授の年収 1,082.6万円(平均57.5歳)。国立7大学の公表値は1,029万〜1,282万円 2章・3章
講師・助教の年収 712.2万円(講師と助教を合わせた職種、平均41.6歳)。国立7大学の公表値は講師774万〜936万円、助教659万〜796万円 2章・3章
助教授の年収 助教授は2007年4月から准教授。准教授の値で見る 2-4
月給(本俸) 学校教員統計調査の平均給料月額は472.7千円(職名を分けない、本俸だけ)。京都大学の俸給表で教授(5級)の最初の号俸は480,200円 4章
国立と私立 国立大学法人の教員の平均年間給与は990.4万円(令和7年度)。私立の職名別の全国統計はない(公開例:福岡工業大学) 3章・5章
特任・任期付き 特任は助教の11.1%(国立21.1%)。研究大学18校の任期付きは35.6%(2019年)。任期付きの大学教員は通算10年で無期転換を申し込める特例 6章
退職金 国の式で定年・勤続35年の基本額は本俸×47.709(計算。各法人の規程に従う)。私立の公的な統計はない 7章
研究職・会社員との比較 研究者802.0万円(42.5歳)、システムコンサルタント・設計者889.0万円(38.3歳)、高等学校教員666.1万円(43.9歳) 8章
自分の場合 職名・設置者別の年収、俸給表の月給、特任・無期転換・退職金、職種の比較を計算機で 9章

1. 先に、この記事の数字と、書いている人について

私は大学教員として働いたことがありません。この記事の数字は、すべて公的な統計と、各大学が公表している資料・規程から取りました。私の考えは書いていません。

使った資料は次のとおりです。全国の平均は、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(以下 賃金構造調査)の職種別の表(令和7年6月分の給与と、令和6年1〜12月の賞与)です。年齢と人数は、文部科学省の令和7年度学校教員統計調査(中間報告、令和7年10月1日現在。以下 教員統計)です。国立大学の値は、各国立大学法人が毎年公表している「役職員の報酬・給与等について」(令和7年度)と、文部科学省の取りまとめです。俸給表・年俸・退職手当は、京都大学・高知大学などの規程です。

この記事でいう「年収の目安」は、賃金構造調査の「きまって支給する現金給与額」(残業代や手当を含む6月分の給与)×12に、「年間賞与その他特別給与額」を足した額です(計算)。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)も、同じ式で年収を出しています。国立大学の公表値は「平均年間給与額」(時間外手当を除き、賞与を含む)で、式が少し違うので、2つは並べても同じものさしではありません。

2. 大学教員の年収の平均(賃金構造基本統計調査)

2-1. 職名別:教授1,082.6万円・准教授876.4万円・講師と助教712.2万円

賃金構造調査には、「大学教授(高専含む)」「大学准教授(高専含む)」「大学講師・助教(高専含む)」の3つの職種があります。講師と助教は1つの職種で、分けた値はありません。男女計・企業規模計(10人以上)の値です。

職種 平均年齢 勤続年数 きまって支給する現金給与額(6月分) 年間賞与その他特別給与額 年収の目安(計算) 推計の労働者数
大学教授 57.5歳 16.0年 667.8千円 2,812.8千円 1,082.6万円 69,370人
大学准教授 49.3歳 11.2年 555.9千円 2,093.5千円 876.4万円 41,450人
大学講師・助教 41.6歳 7.0年 488.9千円 1,255.0千円 712.2万円 58,690人

教授の年収の目安は、准教授より206.2万円、講師・助教より370.5万円高い一方で、平均年齢も8.2歳・15.9歳上です(計算)。職名の差には、年齢と勤続の差が含まれています。

2-2. 企業規模別・男女別

同じ表を、企業規模と性別に分けます(年収の目安、計算)。

区分 大学教授 大学准教授 大学講師・助教
企業規模計(10人以上) 1,082.6万円(57.5歳) 876.4万円(49.3歳) 712.2万円(41.6歳)
1,000人以上 1,144.8万円(56.6歳) 925.4万円(48.9歳) 744.5万円(41.2歳)
100〜999人 981.7万円(59.0歳) 800.4万円(49.8歳) 625.6万円(42.7歳)
10〜99人 819.4万円(60.6歳) 683.5万円(54.3歳) 550.6万円(46.5歳)
男 1,110.2万円(57.8歳) 892.9万円(49.0歳) 746.5万円(40.7歳)
女 980.9万円(56.6歳) 834.6万円(50.0歳) 644.1万円(43.4歳)

10〜99人の区分は、推計の労働者数が教授920人・准教授680人・講師と助教1,040人と少なく、平均がぶれやすい値です。男女の差には、年齢の差(講師・助教では女性が2.7歳上)も含まれています。

2-3. この調査に国立大学は入っているか

賃金構造調査は、5人以上の常用労働者を雇う民営事業所と10人以上の公営事業所を調べています。結果の概況は、10人以上の常用労働者を雇う民営事業所(52,242事業所)を集計の対象としています。この記事で使った職種別の表の集計範囲と、国立大学法人・公立大学法人の事業所の扱いは、調査の概要・用語・Q&Aのどれにも書かれておらず、確かめられませんでした。私立大学は民営の事業所に入るので、職種別の表の値にも含まれると考えられます(当てはめ)。国立大学の年収は、次の3章の各大学の公表値で見てください。

2-4. 助教授の年収は、准教授で見る

助教授は、平成17年の学校教育法の改正(平成19年4月1日施行)で准教授に変わりました。改正前の条文は「助教授は、教授の職務を助ける。」で、今の学校教育法92条7項では、准教授は「学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。」職です。同じ改正で、助手は助教と助手に分かれました。いまの統計には助教授の区分がないので、助教授の年収は准教授の値で見ます。職名の違いと序列、昇進の年齢は、助教授と准教授の違いは?に書きました。

3. 国立大学の年収:大学ごとの公表値

3-1. 国立大学法人の教員の平均は990.4万円(令和7年度)

国立大学法人は、役職員の報酬と給与の水準を毎年公表していて、文部科学省が全体を取りまとめています(令和8年6月30日公表)。令和7年度の教育職員(大学教員)の平均年間給与は9,904千円で、令和6年度の9,245千円から7.1%増えました。これは対象となった職員全体の平均の前年比で、同じ教員の昇給率ではありません(人の入れ替わりを含みます)。国家公務員との給与水準の比較指標は95.3です。この指標は、法人化前の国の教育職(一)と行政職(一)の年収比率を基礎に、令和7年度の教育職員(大学教員)と国の行政職(一)の年収比率を比べた指数で、国家公務員の平均給与との単純な比ではありません。同じ年度の事務・技術職員は6,430千円でした。この取りまとめには職位別・年齢別の値はありません。

3-2. 職位別の平均年間給与(7大学)

各大学の公表資料の「職位別年間給与の分布状況(教育職員(大学教員))」から、7つの大学の値を並べます(令和7年度、平均年間給与額。時間外手当を除き、賞与を含みます)。

大学 教授 准教授 講師 助教
東京大学 12,823千円(1,192人・55.5歳) 10,211千円(826人・47.0歳) 9,357千円(232人・44.9歳) 7,956千円(665人・40.7歳)
京都大学 11,802千円(796人・54.4歳) 9,427千円(582人・47.0歳) 8,770千円(119人・46.4歳) 7,484千円(483人・41.9歳)
大阪大学 11,868千円(576人・56.2歳) 9,759千円(314人・49.9歳) 9,147千円(70人・49.1歳) 7,758千円(149人・47.8歳)
東北大学 12,082千円(485人・55.8歳) 9,423千円(277人・50.4歳) 8,681千円(32人・50.2歳) 7,474千円(119人・48.7歳)
九州大学 11,618千円(363人・58.3歳) 9,299千円(264人・52.0歳) 8,495千円(26人・55.4歳) 7,397千円(166人・48.8歳)
弘前大学 10,291千円(138人・57.1歳) 8,520千円(135人・52.4歳) 7,738千円(67人・47.7歳) 6,591千円(163人・40.1歳)
鹿児島大学 10,525千円(160人・59.1歳) 8,554千円(167人・53.0歳) 7,976千円(38人・50.0歳) 6,848千円(102人・48.6歳)

7大学の幅は、教授10,291〜12,823千円、准教授8,520〜10,211千円、講師7,738〜9,357千円、助教6,591〜7,956千円です(計算)。表の人数は、各大学の資料で対象になった教員だけです。資料の注には、年俸制の教員・在外職員・任期付職員・再雇用職員を除くといった対象の範囲が書かれていて、範囲は大学ごとに違うので、7大学の平均は出していません。東京大学の資料では、教授の年間給与は最高24,376千円から最低9,297千円まで、助教は9,299千円から6,106千円まで幅がありました。

3-3. 賞与の割合と、前年からの変化

同じ資料の職種別の表では、大学教員の年間給与に占める賞与の割合は、東京大学27.8%・京都大学29.4%・大阪大学29.7%・東北大学27.2%・弘前大学28.1%でした(計算)。月の給与だけを12倍すると、年間給与の7割ほどにしかなりません。

東京大学の令和6年度の資料と比べると、教授は12,280千円から12,823千円(4.4%増)、准教授は9,869千円から10,211千円(3.5%増)、講師は9,057千円から9,357千円(3.3%増)、助教は7,674千円から7,956千円(3.7%増)でした(計算。人が入れ替わった集団の平均どうしの比較です)。

4. 月給と俸給表:本俸はいくらか

4-1. 学校教員統計調査の給料月額は472.7千円(本俸だけ)

教員統計は、大学の本務教員190,359人の令和7年9月分の給料月額を調べています。注に「給料月額は、令和7年9月分の給料(本俸)の額である。諸手当及び調整額は含まない。」とあり、賞与も入りません。×12しても年収にはなりません。職名別の値は、中間報告の表にはありません。

平均給料月額は472.7千円(国立471.9千円、公立474.2千円、私立473.0千円。男487.0千円、女436.4千円)でした。分布は次のとおりです(割合は計算)。

給料月額 人数 割合
15万円未満 3,061人 1.6%
15万〜20万円未満 1,935人 1.0%
20万〜25万円未満 4,274人 2.2%
25万〜30万円未満 7,925人 4.2%
30万〜35万円未満 17,160人 9.0%
35万〜40万円未満 22,506人 11.8%
40万〜45万円未満 28,298人 14.9%
45万〜50万円未満 26,051人 13.7%
50万〜55万円未満 32,167人 16.9%
55万〜60万円未満 14,660人 7.7%
60万〜65万円未満 11,032人 5.8%
65万円以上 21,290人 11.2%

4-2. 国立大学の俸給表(京都大学の例)

国立大学の教員の月給は、それぞれの大学の給与規程の俸給表で決まります。国家公務員の教育職俸給表(一)が今かかっている国の職員は99人(人事院、令和7年)で、国立大学の教員には大学ごとの規程がかかります(当てはめ)。

京都大学の教職員給与規程では、教育職俸給表(令和7年4月1日から適用)が6級に分かれていて、級別標準職務表で2級が助教又は助手、3級が講師、4級が准教授、5級が教授の職務です。各級の最初の号俸(1号俸)の俸給月額は次のとおりです。

級(職務) 1号俸の俸給月額 ×12(本俸だけ。計算)
2級(助教・助手) 275,700円 3,308,400円
3級(講師) 354,200円 4,250,400円
4級(准教授) 408,200円 4,898,400円
5級(教授) 480,200円 5,762,400円

1号俸は級の最初の号俸で、その職名で採用された人の初任給や最低の給与を意味するものではありません。初任給は、学歴・経験年数などをもとに、各大学の基準(京都大学では「初任給、昇格、昇給等の基準に関する細則」)で決まります。号俸が上がると俸給月額は増えます。各級の最高号俸の額は、この記事では確かめていません。地域手当・扶養手当などの手当と、期末手当・勤勉手当(6月30日と12月10日に支給)は、本俸とは別に支給されます。高知大学の細則も、1級が助手、2級が助教、3級が講師、4級が准教授、5級が教授と、級と職名の対応を定めています。

4-3. 年俸制(京都大学の例)

京都大学の年俸制教員給与規程では、年俸は職務給・インセンティブ手当・業績一時金と諸手当です。職務給は職名ごとの定額で、教授720万円・准教授540万円・講師420万円・助教360万円です。インセンティブ手当の上限は職務給と同じ額、業績一時金の上限は教授75万円・准教授60万円・講師50万円・助教45万円です。上限まで足すと、教授1,515万円・准教授1,140万円・講師890万円・助教765万円になります(計算。諸手当は別。手当と一時金は上限の額で、実際に支給される額ではありません)。インセンティブ手当は規程の上限額を使った試算で、規程の第4条第2項ただし書きにより、総長が特に必要と認めた場合は、上限を超える額になることがあります。

5. 私立大学・公立大学の年収

5-1. 私立大学の公開例(福岡工業大学)

私立大学の職名別の年収を全国でまとめた公的な統計は、見当たりませんでした。2章の賃金構造調査の値には、私立大学が民営の事業所として含まれると考えられます(当てはめ。職種別の表の集計範囲は2-3のとおり未確認)。

大学のサイトで専任教員の給与を公開している例として、福岡工業大学の「専任教員の給与(単年度)(表3)」があります。学部などの区分ごとに、職名別の年収の平均と最低を載せています。

区分 教授 准教授 講師 助教
工学部 平均13,077,697円(最低11,044,245円) 平均10,340,396円(最低9,117,030円) 該当なし 平均8,862,367円(最低7,903,650円)
情報工学部 平均12,580,939円(最低9,768,183円) 平均10,174,014円(最低9,205,090円) 該当なし 平均8,947,112円(最低7,920,398円)
社会環境学部 平均12,484,132円(最低10,759,603円) 平均9,575,212円(最低8,710,675円) 該当なし 該当なし
教養力育成センター 平均12,027,283円(最低9,894,465円) 該当なし 該当なし 該当なし

「該当なし」は、表に値が載っていない欄(「-」または空欄)です。表の注によると、年収は諸手当を含めた前年(2024年1〜12月)の支給総額で、期間の途中で採用・退職した人と、無給の期間がある休職者は除き、学長と特任教員は入れていません(国外研修中の教員は入っています)。1つの私立大学の例で、私立大学の平均ではありません。

5-2. 公立大学

公立大学の職名別の年収の公表値は、この記事では確かめていません。教員統計では、公立大学の本務教員は13,287人(教授4,914人・准教授3,845人・講師1,788人・助教2,327人)で、平均給料月額は474.2千円でした。

6. 任期付き・特任の教員の年収

6-1. 特任の教員の人数

教員統計は、各職名のうち特任の教員の数を分けて数えています(令和7年10月1日現在)。

職名 大学全体(うち特任・割合) 国立(うち特任・割合) 特任の平均年齢(全体)
教授 72,525人(4,104人・5.7%) 21,554人(1,440人・6.7%) 64.9歳(教授全体58.4歳)
准教授 44,510人(2,110人・4.7%) 17,488人(1,395人・8.0%) 50.4歳(49.3歳)
講師 23,375人(1,729人・7.4%) 6,016人(921人・15.3%) 45.5歳(45.7歳)
助教 42,416人(4,712人・11.1%) 19,427人(4,092人・21.1%) 38.0歳(39.2歳)
助手 5,549人(599人・10.8%) 633人(162人・25.6%) 39.9歳(36.4歳)

割合は計算です。特任助教は助教の11.1%で、国立大学では21.1%でした。特任教授の平均年齢は64.9歳で、教授全体より6.5歳上です。「特任」は名前に特任が付く教員の数で、任期付きの教員の全部ではありません。

6-2. 任期付きの割合(研究大学18校)

文部科学省と科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の「研究大学における教員の雇用状況に関する調査」(速報版、2020年8月)では、研究大学18校の常勤の教員のうち任期付きは、2019年10月1日時点で35.6%(2013年は34.4%)でした。39歳以下では60.5%、40〜59歳は28.6%、60歳以上は21.7%です。研究大学の値で、全国の大学の割合ではありません。全国の大学の任期付きの割合を示した、これより新しい公的な調査は見当たりませんでした。

6-3. 特任の給与の決め方と、特任助教の年収

特任助教の年収の全国平均を示した公的な統計は見当たりませんでした。給与の決め方は大学ごとで、年俸制の例と月給制の例があります。京都大学の年俸制教員給与規程では、助教の職務給は年360万円、インセンティブ手当は上限360万円(総長が特に必要と認めた場合は上限を超えることがあります)、業績一時金は上限45万円です(4-3)。和歌山大学の特任教職員給与規程は、給与を基本年俸と諸手当とし、基本年俸の12分の1を毎月支給しています。高知大学の特任職員給与規則は、常勤の特任職員の給与を本給と諸手当(月給制)とし、本給は学歴・業績・経歴・予算などを考えて決めるとしています。自分の大学の特任教員の給与規程と、採用時の労働条件通知書で確かめてください。

6-4. 任期付きの大学教員は通算10年で無期転換を申し込める

労働契約法18条では、同じ使用者との有期契約の通算契約期間が5年を超える労働者が、無期労働契約の締結を申し込むと、使用者は承諾したものとみなされます。大学の教員等の任期に関する法律(以下 任期法)7条は、任期を定めた労働契約を結んだ大学の教員について、この「五年」を「十年」と読み替えています。科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律15条の2も、大学等や研究開発法人と有期契約を結ぶ研究者などについて同じ読み替えをしています。どちらも、大学に在学している間の期間は通算しません。

文部科学省の令和7年度の調査は、令和6年4月1日時点で有期労働契約を結んでいた特例の対象者95,330人のうち、令和7年4月1日までに契約を更新していれば通算10年を超えることとなった6,903人について、令和7年5月1日時点の雇用契約の状況をまとめています。無期労働契約を締結した人は598人(8.7%)、有期労働契約を継続した人(無期転換申込権が発生した人)は5,355人(77.6%。うち申込権を行使した人は472人)、労働契約を終了した人は950人(13.8%)でした。無期労働契約を締結した又は締結する権利を得た人は、合わせて5,953人(86.2%)です。対象者には大学教員のほか研究者・研究支援者が含まれます。

7. 大学教員の退職金

7-1. 国立大学:国家公務員と同じ支給率の規程の例

国立大学法人の教員の退職手当は、それぞれの法人の退職手当規程に従うので、この記事の国の式の試算と一致するとは限りません。国家公務員退職手当法と同じ支給率と調整率(100分の83.7)を使う規程の例として、高知大学の職員退職手当規則があり、琉球大学の定年退職者向けの資料も国の支給率の早見表で説明しています。ただし、基本額の上限は国が俸給月額の60倍、高知大学は59.28倍で、細部は大学ごとに違います。

国の式は、退職手当=退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別の支給率×調整率+調整額です。支給率(調整率を含む)は、内閣人事局の早見表で、定年退職の勤続25年が33.27075、30年が40.80375、35年以上が47.709です。自己都合退職は勤続10年5.022、20年19.6695、30年34.7355です(条文から検算して一致。計算)。調整額は在職中の職員の区分ごとの月額の多い順に最大60か月分を足す仕組みで、大学教員の区分はこの記事では確かめていません。

7-2. 例:本俸50万円・勤続35年の定年で基本額は約2,385万円

退職日の本俸が50万円、勤続35年の定年退職なら、基本額は500,000円×47.709=23,854,500円です(計算。退職手当の基本額だけで、調整額は入れていません)。京都大学の教授の最初の号俸480,200円で計算すると、22,909,862円です(式の確認のための計算で、実際の退職時の号俸ではありません)。

国家公務員の常勤職員で、令和6年度に定年退職した人の平均支給額は21,601千円でした(内閣人事局)。国家公務員退職手当法の適用を受ける人の値で、国立大学法人の教員は入っていません。国立大学の教員の退職手当の平均を全国でまとめた公表値は見当たりませんでした。退職金の一般的な平均は、退職金の平均はいくら?に書きました。

7-3. 私立大学:公的な統計はない

私立大学の教員の退職金を全国でまとめた公的な統計は、文部科学省と日本私立学校振興・共済事業団の公表資料では見当たりませんでした。自分の大学の退職金規程の支給率で計算してください。9章の計算機3は国の式で計算するので、私立大学では参考の試算です。

8. 研究職・会社員と比べると

賃金構造調査の同じ表で、大学教員と、理系の人が多い職種や管理職を並べます(男女計・企業規模計、年収の目安は計算)。研究者の年収がなぜ低く感じるのかは、研究職の年収はなぜ低い?に書きました。

職種 年収の目安 平均年齢 1時間あたりの参考値(計算)
その他の経営・金融・保険専門職業従事者 1,134.6万円 39.4歳 5,497円
大学教授 1,082.6万円 57.5歳 5,569円
法務従事者 981.1万円 46.5歳 5,016円
管理的職業従事者 966.8万円 51.5歳 4,883円
システムコンサルタント・設計者 889.0万円 38.3歳 4,026円
大学准教授 876.4万円 49.3歳 4,453円
研究者 802.0万円 42.5歳 4,002円
企画事務員 736.8万円 43.0歳 3,633円
輸送用機器技術者 725.4万円 41.4歳 3,358円
大学講師・助教 712.2万円 41.6歳 3,533円
電気・電子・電気通信技術者 703.9万円 42.1歳 3,352円
高等学校教員 666.1万円 43.9歳 3,246円
機械技術者 659.0万円 42.3歳 3,085円
化学技術者 641.7万円 41.5歳 3,127円
ソフトウェア作成者 578.5万円 37.1歳 2,819円

1時間あたりの参考値は、年収の目安を、6月分の月の労働時間(所定内+超過)を12倍して年に引き延ばした値で割ったものです(計算)。年間の実労働時間で割った時給ではありません。大学教授は平均年齢が高く、平均どうしの比較には年齢と勤続の差が含まれます。職種の平均の比べ方で、同じ人が職を変えたときの年収の変化を示すものではありません。40代の年収の分布は40代の年収の平均はいくら?に、企業の研究所の主任研究員・上席研究員などの職階は主任研究員・主幹・上席・主席研究員の違いに、研究職を続けるか移るかは研究職はやめとけ?に書きました。大学院に進むときの学費と、博士課程の給料(学振・SPRING)は大学院の学費はいくら?にあります。

9. 計算機:職名・国公私立別の年収/国立大学の給与規程から月給/任期付き・特任と退職金/研究職・会社員との比較

4つは別々に使えます。

  • 1. 職名・国公私立別の年収の試算:職名と設置者を選ぶと、賃金構造調査の年収の目安(企業規模別を含む)、国立7大学の公表値と幅、私立大学の公開例、その職名の平均年齢を出します。年齢と自分の年収を入れると、平均と比べます
  • 2. 国立大学の給与規程から月給:職名と、月給制か年俸制かを選ぶと、京都大学の俸給表の級と最初の号俸の月額、または年俸制の職務給と上限の額を出します。自分の本俸を入れると、教員統計の給料月額の分布のどこに入るかを出します
  • 3. 任期付き・特任と退職金:職名と設置者から特任の人数と割合、最初の有期契約の開始日と1回の契約期間から、通算5年・10年を超える契約の期間(特例が当たるかわからないときは両方)、退職の理由・勤続年数・退職日の本俸から、国の式の退職手当の基本額(調整額を入れればその分も足した額)を出します
  • 4. 研究職・会社員との比較:大学教員の職名と比べる職種、性別、企業規模を選ぶと、年収の目安・平均年齢・1時間あたりの参考値を並べます

初めの値は入力の例です。俸給表・年俸・退職金は1つの大学の規程や国の式による例なので、自分の大学の給与規程・退職金規程の値で確かめてください。出てくる金額は平均や規程の例から出した試算で、個人の年収や退職金を示すものではありません。

職名・国公私立別の年収/国立大学の給与規程から月給/任期付き・特任と退職金/研究職・会社員との比較

入れた数字は、このページの中で使うだけで、どこにも送られません。初めから入っている値は入力の例です。4つは別々に使えます。

1. 職名・国公私立別の年収の試算

2. 国立大学の給与規程から月給

3. 任期付き・特任と退職金

4. 研究職・会社員との比較

初めから入っている例では、1は准教授で、賃金構造調査の年収の目安が876.4万円、国立7大学の幅が8,520千円〜10,211千円、福岡工業大学の准教授の平均が9,575,212円〜10,340,396円です。2は教授の月給制で、京都大学の5級の最初の号俸が480,200円、この本俸は教員統計の「45万円以上50万円未満」の区分に入り、上の区分の人が41.6%です。3は助教で、特任は11.1%です。特例が当たるかは初めは「わからない」なので両方を出し、2020年4月1日から1年契約を更新すると、通算が5年を超えるのは6回目の契約(2025年4月1日〜2026年3月31日)、10年を超えるのは11回目の契約(2030年4月1日〜2031年3月31日)です。本俸50万円・勤続35年の定年の退職手当の基本額は23,854,500円です。4は准教授と研究者で、年収の目安の差は約74.4万円、平均年齢の差は6.8歳です。

10. よくある質問

准教授の年収はいくらですか?

賃金構造調査(令和7年)では、大学准教授の年収の目安は876.4万円(平均49.3歳。計算)です。国立7大学の令和7年度の公表値は8,520千円(弘前大学)〜10,211千円(東京大学)でした(2章・3章)。

大学教授の年収はいくらですか?

賃金構造調査では1,082.6万円(平均57.5歳。計算)、1,000人以上の企業規模では1,144.8万円です。国立7大学の公表値は10,291千円〜12,823千円でした(2章・3章)。

助教の年収・給料はいくらですか?

賃金構造調査の「大学講師・助教」は712.2万円(平均41.6歳。講師と合わせた値)です。国立7大学の助教の公表値は6,591千円〜7,956千円でした。京都大学の俸給表では、助教(2級)の最初の号俸の俸給月額は275,700円です(級の最初の号俸で、初任給ではありません。2章〜4章)。

助教授の年収はいくらですか?

助教授は、2007年4月1日から准教授に名前が変わった職です。今の統計に助教授の区分はないので、准教授の値(賃金構造調査876.4万円)で見てください(2-4)。

特任助教の年収はいくらですか?

特任助教の年収の全国平均を示した公的な統計は見当たりませんでした。特任助教は助教の11.1%(国立大学では21.1%)で、給与は大学ごとの規程で、年俸制の例(京都大学の助教の職務給は年360万円)と月給制の例(高知大学)があります(6章)。

国立大学と私立大学では、どちらが高いですか?

両方を同じ式で比べられる公的な統計はありません。国立大学法人の教員の平均年間給与は990.4万円(令和7年度)で、私立大学の職名別の全国統計はありません。賃金構造調査の値は民営事業所の集計で、私立大学は含まれると考えられます(当てはめ。職種別の表の集計範囲は未確認。2-3・3章・5章)。

大学教員の退職金はいくらですか?

国立大学には国家公務員退職手当法と同じ支給率の規程の例があり、その式では、本俸50万円・勤続35年の定年で基本額が23,854,500円です(計算。調整額は別。実際には各法人の規程に従うので、一致するとは限りません)。私立大学の教員の退職金の公的な統計は見当たりませんでした(7章)。

大学教員の年収は低いですか?

賃金構造調査の年収の目安では、大学教授は1,082.6万円で、研究者802.0万円・管理的職業従事者966.8万円より高く、准教授876.4万円は研究者802.0万円とシステムコンサルタント・設計者889.0万円の間、講師・助教712.2万円は輸送用機器技術者725.4万円と電気・電子・電気通信技術者703.9万円の間です。年齢の違う集団の平均どうしの比較で、低いか高いかを一言で決める数字はありません(8章)。

国立大学の教員の給料は、公務員と同じですか?

国家公務員の教育職俸給表(一)がかかっている国の職員は99人で、国立大学の教員には各大学の給与規程の俸給表がかかります。国立大学法人の教員の、国家公務員との給与水準の比較指標は95.3(令和7年度)と公表されています。法人化前の国の教育職(一)と行政職(一)の年収比率を基礎にした指数で、国家公務員の平均給与との単純な比ではありません(3-1・4-2)。

11. まとめ

  • 賃金構造調査(令和7年)の年収の目安は、教授1,082.6万円(57.5歳)、准教授876.4万円(49.3歳)、講師・助教712.2万円(41.6歳)(計算)。国立大学法人が集計に入るかは未確認
  • 国立7大学の令和7年度の平均年間給与は、教授10,291〜12,823千円、准教授8,520〜10,211千円、講師7,738〜9,357千円、助教6,591〜7,956千円。国立大学法人の教員全体は9,904千円(前年度比7.1%増。対象職員全体の平均の比で、昇給率ではない)
  • 助教授は2007年4月から准教授
  • 本俸の平均給料月額は472.7千円(職名を分けない。手当・賞与を含まない)。京都大学の俸給表では、教授(5級)の最初の号俸が480,200円
  • 私立大学の職名別の全国統計はない。公開例(福岡工業大学、2024年分)は教授の平均12,027,283〜13,077,697円(3学部と1センター)
  • 特任は助教の11.1%(国立21.1%)。研究大学18校の任期付きは35.6%(2019年)。任期付きの大学教員は通算10年で無期転換を申し込める特例がある
  • 退職金は国の式で、定年・勤続35年なら基本額が本俸×47.709(計算。各法人の規程に従う)。私立の公的な統計はない

12. 出典

13. あわせて読む

 

── 無料メール講座(全6章・14通)──
真面目に働いても給料が上がらないのは、
あなたの能力ではなく
買い手が一社しかいないからです。
売り手が多数いて、買い手が一者しかいない市場では、
価格は買い手の内部規則で決まります。
転職しても、買い手が別の一社に変わるだけ。
構造は変わりません。
必要なのは努力の量でも我慢でもなく、
会社以外に
「自分の判断にお金を払う相手」
を一つ持つこと。
月3万円で構いません。
それだけで、組織との距離の取り方が変わります。
動かない録画機器を1,000円以下で仕入れ、
中古ドライブ(部品代2,000円)に交換。
ついでに容量を増やして15,000円で販売。
── 20年の現場から、実例の一部
この無料講座で扱う内容
  • 壊れた商品のどこに価格差が眠るのか
    「歪みの4類型」
  • 手数料・送料・作業時間まで含めた
    「1件の利益計算式」
  • 絶対に手を出してはいけない
    「除外リスト7項目」
  • 6日目には、元手ゼロで
    今週できる実践ワーク(約70分)
※手を動かさずに稼ぐ方法をお探しの方には向きません。
そのことも講座内で明記しています。
20年
現場での実践
全14通・2週間。
1通3〜5分で、通勤中にも読み切れる分量です。
まずは14通の無料講座で、
「第二の買い手」という考え方を確認してください。
登録30秒・無料・いつでも解除できます


「第二の買い手」を作る14通を無料で読む →

※後半に有料商品のご案内があります。
第1通の冒頭で明記します。

にほんブログ村の「せどり」ランキングに参加しています

にほんブログ村 小遣いブログ せどりへ PVアクセスランキング にほんブログ村
生き方・キャリア