アリエクの偽物の見分け方|値段で分かるものと、分からないも

アリエク偽物 QOL

先に、私が実際に掴んだ2つを書きます。

USBメモリ 歯のホワイトニング用品
偽装されていたもの 容量 中身の成分(推定)
気づいた手がかり 値段が日本より明らかに安い 効果がなく、刺激もなかった
気づいた時期 使った後 使った後
返金申請したか していません していません

2件とも、返金を受けていません。理由は違います。1つは単価が500円以下で、申請の手間が金額に見合わなかったから。もう1つは、偽物だと立証できないからです。

「偽物を掴んでも返金保証があるから大丈夫」という説明をよく見ます。制度としては、そのとおりです。ただし私は2回とも使っていません。この記事は、そこから書き直したものです。

1. 先に、この記事の前の版を取り下げます

1-1. 事実と違うことを書いていました

このURLには以前、次の体験談を載せていました。

専用ツールで調査した結果、実際の容量はわずか64GBという、悪質な「容量偽装品」だったのです。(中略)調査ツールのスクリーンショットを証拠として提出し、セラーと交渉すること数日。最終的にAliExpressの運営が仲裁に入り、支払った代金は全額返金されました。

USBメモリの偽物を買ったこと自体は事実です。容量が偽装されていて、認識上は大容量。何度か使うと使えなくなりました。

ただし、返金されたという部分が事実と違います。私は返金申請をしていません。単価が500円以下で、しかも使った後だったので、申請の手間に見合わないと判断したからです。

専用ツールで調査した、という部分も違います。値段が日本で買うより明らかに安いので、おかしいと気づきました。ツールを使う前の段階です。

1-2. 根拠のない数字と断定

前の版の記述 問題
「偽物は99%回避できます」 根拠がありません。私自身が2回回避できていません
「万が一偽物を掴まされても、1円も損をすることなく解決できます」 1-1のとおりです。私は2回とも損をしたまま終わっています
「正しい手順を踏めばお金は絶対に取り戻せる」 同上
「AliExpressの担当者は、ほぼ100%あなたの味方をしてくれます」 根拠がありません
「相場を無視した価格設定の商品は、議論の余地なく100%偽物 断定できません
「ポジティブ評価95%以上が安全の最低ライン」「開店2年以上、フォロワー1,000人以上 数字の出どころがありません
Top Brandマーク…偽物の心配は(ない)」 プラットフォームの表示を安全の保証として扱っています

1-3. 返品の説明が、現在は逆でした

前の版には、こう書いてありました。

中国への返品には、追跡可能な国際郵便(EMSなど)を使う必要があり、数千円の送料がかかります。しかも、この返品送料は、多くの場合自己負担

現在は違います。私が壊れたものを返品したときは、佐川急便が自宅まで集荷に来て、回収の翌日には大阪の拠点に届き、そこで返金されました。集荷から返金まで3日ほどで、国際郵便も自己負担も発生していません。

この記事でいちばん実用的だった部分が、そのまま誤りになっていました。詳しくはAliExpressの評判に書いています。

1-4. この記事で答えること

問い どこで答えるか
偽物を掴むと、実際にはどうなるのか 2章・3章
値段で見抜けるのはどこまでか 4章
値段では分からないものは何か 5章・6章
なぜ分からなかったのか 7章
結局、何を見分ければいいのか 8章・9章
見分けられないものはどうするか 10章
返品と返金の実際 11章
税関で止まる場合 12章
売る目的なら 13章

2. 結論:偽物の実害は、返金では消えません

2-1. 返金は「できる」であって「する」ではありません

制度としての返金は機能します。壊れたものが届いたときは3日で戻りましたし、届かなかったときは申請がその場で承認されました(11章)。

それでも、偽物のときは2回とも申請していません。

申請しなかった理由
USBメモリ 単価が500円以下。申請の手間が金額に見合いません。しかも使った後でした
ホワイトニング用品 偽物だと立証できません。メーカーに鑑定してもらったわけではないので、私の推察にとどまります

返金制度があることと、その制度が実際に使われることは、別です。そして偽物は、使われない条件に当てはまりやすい種類のトラブルです。

2-2. だから、見分ける必要が出てきます

ここが、この記事の出発点です。

返金で取り返せるものなら、見分ける必要はありません。掴んでも戻るからです。見分けが必要になるのは、返金が機能しにくいものだけです。

商品 返金は機能するか 見分ける必要
高額で、問題を写真や数値で示せるもの します 低い
単価が安いもの(数百円) 手間が金額に見合いません 高い
成分や効果が問題になるもの 立証できません 最も高い

直感と逆になります。「高いものほど慎重に」と書かれることが多いですが、高いものは返金が効きます。危ないのは安いものです。

2-3. 見分け方は、2種類に分かれます

買う前に分かるもの 使うまで分からないもの
手がかり 値段(4章) 作用の有無(6章)
ブランド品、容量偽装 成分、効能
チェックリストは効くか 効きます 効きません

世の中の「偽物の見分け方」記事は、ほぼ全部が左の列の話です。私が本当に困ったのは、右の列でした。

3. 私が掴んだ2つ

3-1. USBメモリ:容量が偽装されていました

内容
買ったもの USBメモリ
単価 500円以下
症状 認識上は大容量。ただし何度か使うと使えなくなりました
気づいた手がかり 値段が日本で買うより明らかに安い
返金申請 していません(使った後で、単価が安かったため)

容量偽装は、制御情報を書き換えて実際より大きな容量が表示されるようにしたものです。接続した時点では正常に見えます。実容量を超えて書き込もうとしたときに、はじめて壊れます。

ただし私の場合、専用ツールで測る前に気づいていました。値段がおかしかったからです。これは4章で扱う「買う前に分かる」型です。

3-2. 歯のホワイトニング用品:成分が入っていなかったと考えています

内容
買ったもの 海外ブランドの歯のホワイトニング用品(貼るタイプ)
症状① ホワイトニングの効果がありません
症状② 過酸化水素特有の刺激がありません
気づいた時期 使った後
返金申請 していません(立証できないため)

これは推察です。メーカーに鑑定してもらったわけではありません。だから「偽物だった」とは断定しません。

ただし、疑う根拠は2つあります。次章以降で書きます。

3-3. 2件の違い

USBメモリ ホワイトニング用品
偽装されていたもの スペック(容量) 中身(成分)
値段で気づけたか 気づけました 気づけませんでした
証明できるか できます(実容量を測れば数値で出ます) できません
返金しなかった理由 金額が小さすぎる 立証できない

返金しなかった理由が違うのに、結果は同じです。制度は使われず、損失はそのまま残りました。

4. 値段で分かるもの

4-1. 値段は、いちばん強い手がかりです

偽物の見分け方として、店舗の評価やレビュー数がよく挙げられます。私が実際に気づいた手がかりは、どちらでもありませんでした。値段です。

AliExpressの評判にも書きましたが、偽物を買う人の多くは、偽物だと分かったうえで安さを取っています。本物のつもりで買って偽物だった、というケースは、実際にはそれほど多くないのではないかと思います。値段を見れば分かるからです。

4-2. 何と比べるかが問題です

ただし「値段がおかしい」と気づくには、比べる相手が必要です。

比べる相手 気づけるか
日本の相場を知っている 気づけます
定価を知っている 気づけます
そもそも日本で売っていない 気づけません
相場が広い(同じ機能で価格差が大きい) 気づきにくい

USBメモリで気づけたのは、日本で同じ容量がいくらかを知っていたからです。7章に書きますが、ホワイトニング用品ではこれができませんでした。

4-3. 値段で判定できる範囲

商品 値段での判定
有名ブランドのバッグ・時計・スニーカー できます。定価との差が大きすぎれば、それが答えです
記憶媒体(容量が価格に直結するもの) できます。容量あたりの単価を日本の相場と比べます
ノーブランドの雑貨 比べる相手がないので、判定になりません
成分や効能で価値が決まるもの できません(5章)

4-4. ロゴを隠している出品は、自己申告です

商標の監視を避けるために、ブランド名の一部を変えたり、画像のロゴ部分を隠したりしている出品があります。

これは見分ける必要すらありません。隠す理由があるということを、出品側が示しているからです。値段と合わせて見れば、判断は済みます。

5. 値段では分からないもの

5-1. 外見が同じで、値段も不自然でない場合

ここからが本題です。

ホワイトニング用品のときは、値段でも外見でも気づけませんでした。届いた時点でも分かりませんでした。分かったのは使った後です。

段階 気づけたか
商品ページを見た時点 いいえ
届いて箱と外観を見た時点 いいえ
使った時点 はい

購入前のチェックリストは、この型には効きません。チェックする対象が、外から見えないところにあるからです。

5-2. この型が生まれるジャンル

ジャンル 外から見えないもの
化粧品・スキンケア・オーラルケア 有効成分の有無と濃度
サプリメント 含有量
電池・バッテリー 実容量、保護回路の有無
充電器・電源 実出力
記憶媒体 実容量、書き込み耐性
工具・部品 材質、熱処理

共通しているのは、性能が中身で決まり、その中身が外から見えないことです。写真をどれだけ拡大しても写りません。

そして、これらは届いた直後には正常に見えます。容量偽装は実容量を超えるまで正常に動き、成分が入っていない製品も見た目は同じです。問題が出るのは、使い込んだ後です。

いつ問題が出るか そのとき、返金は
届いた直後 間に合います
数日〜数週間使った後 申請期間が過ぎている可能性があります
使い切った後 証拠がありません

この型が厄介なのは、気づくのが遅いことです。気づいた頃には、返金の手段が減っています。

5-3. レビューでも埋まりません

写真つきのレビューを読めば、色や質感の違いは分かります。ただし、成分が入っているかどうかは写真に写りません。

さらに、レビューは届いた直後に書かれます。効果が出るかどうかは、その時点では分かりません。だから「届きました、きれいでした」というレビューは、この型の判定材料にならないのです。

レビューで分かること 分からないこと
色、サイズ、質感、梱包の状態 成分、実容量、実出力、耐久性
届くまでの日数 使い続けた結果

6. 「何も起きない」ことが、手がかりになります

6-1. 効果がないことより、刺激がないことでした

ホワイトニング用品を偽物ではないかと考えた理由は、2つあります。

気づいたこと 手がかりとしての強さ
ホワイトニングの効果が出なかった 弱い。効きにくい体質、使い方、個体差でも説明がつきます
過酸化水素特有の刺激がなかった 強い

①だけなら、判断できません。効かない理由はいくらでもあります。

②が決定的でした。その成分が入っていれば必ず出るはずの反応が、まったく出なかったからです。効きが弱いのではなく、そもそも何も起きていない。

6-2. 作用のあるものは、余計なことも起こします

ここを一般化できます。

何かに作用する成分は、目的の作用だけを起こすわけではありません。目的ではない反応も一緒に起こします。そして、そちらのほうが体感しやすいことが多い。

本物なら起きること それが起きなければ
過酸化水素 → しみる感じ 入っていない可能性があります
唐辛子・カプサイシン → 辛さ、熱さ 同上
アルコール → においと、すぐ乾くこと 同上
研磨剤 → ざらつき 同上
冷感・温感をうたう外用品 → その感覚 同上
メントール → 清涼感 同上

「使い心地が良すぎる」は、疑う理由になります。本物を使ったことがあるなら、そのときの感覚と比べてください。

6-3. 副次反応のほうが、早く分かります

実務上、ここが効きます。

分かるまでの時間
目的の効果が出るかどうか 数日から数週間(使い続けないと分かりません)
副次的な反応が出るかどうか 1回目で分かります

効果を待っていると、返金の申請期間が過ぎます。1回目で異変に気づけば、まだ手が打てる可能性があります。

初めて使う製品では、1回目に「何が起きたか」ではなく「何が起きなかったか」を見てください。

6-4. これは断定ではありません

念のため書いておきます。

私はメーカーに鑑定を依頼していません。だから、あの製品が偽物だったと断定はしません。刺激がなく効果もなかった、という事実から、そう推察しているだけです。

そしてこれが、2-1で書いた「立証できないから返金申請をしなかった」の中身です。本人が確信していても、証拠として提出できるものがありません。

7. なぜ、値段で気づけなかったのか

7-1. 比べる相手がいませんでした

USBメモリでは値段で気づけて、ホワイトニング用品では気づけませんでした。違いはここです。

USBメモリ ホワイトニング用品
日本の店で買えるか 買えます 日常的には買いません
相場を知っているか 知っています 知りません
本物を使ったことがあるか あります ありませんでした
だから値段で 気づけました 気づけませんでした

7-2. 輸入するということは、本物を知らないということです

ここが構造的な部分です。

日本の店で買えるものなら、わざわざ輸入しません。輸入するのは、日本で買えないか、日本で買うと高いからです。そして日本で買えないということは、本物を手に取ったことがないということでもあります。

その商品は 本物を知っているか 偽物が成立するか
日本の店に並んでいる 知っています しにくい(比べられます)
日本では売っていない 知りません しやすい

偽物のリスクが高いのは、有名ブランドではありません。日本で正規に買えないものです。

有名ブランドは、日本に本物があります。定価も知られています。だから4章のとおり、値段で判定できます。判定できないのは、比較対象が国内に存在しないものです。

7-3. そして、そういうものほど輸入する理由があります

やっかいなのはここです。

AliExpressの評判で、日本のECで払っている上乗せを4つに分けました。そのうち「日本にまだ入っていないもの」は、比較対象がないので直接買うしかありません。

つまり、いちばん買う理由がある商品が、いちばん見分けにくい商品でもあります。これは避けようがない構造です。

8. 結局、何を見分ければいいのか

8-1. 見分けが要るものと、要らないものがあります

2-2で書いたことを、もう一度整理します。

商品の性質 返金は機能するか 見分ける必要
高額で、問題を数値や写真で示せる します 低い
単価が安い(数百円) 手間が金額に見合いません 高い
成分・効能が問題になる 立証できません 最も高い
日本に比較対象がない 最も高い

高額なガジェットは、実は優先度が低いです。容量や出力は測れば数値で出るので、証拠を出せます。だから返金が通ります。

8-2. 判定は3つの問いで済みます

順番 問い いいえの場合
1 日本の相場を知っているか 値段では判定できません。2へ
2 届いた後、自分で本物かどうか確かめられるか 確かめられないものは、掴んでも気づけません。3へ
3 問題が起きたとき、証拠を出せるか 出せないなら、返金は期待できません

3つとも「いいえ」なら、経路を変えることを考えます(10章)。

8-3. 店舗の評価やレビュー数は、上位に置きません

前の版は、店舗の評価スコアを最初のチェック項目に置いていました。この記事では上位に置きません。

指標 分かること 分からないこと
店舗の評価スコア 取引全体の満足度 特定の商品の中身
レビュー数 売れている量 同上
プラットフォームのバッジ 運営の基準を満たしていること 同上

評価の高い店でも、扱う商品によって中身は変わります。そして5-3のとおり、レビューは届いた直後に書かれるので、使い続けた結果は入っていません。

使わないという意味ではありません。順番の問題です。8-2の3つを先に通してください。

9. 届いた後、自分で確かめられるか

9-1. 買う前に「確かめる手段」を持っているか見ます

8-2の2番目です。ここを買う前に確認しておくと、掴んだときに手が打てます。

商品 確かめる手段 証拠として出せるか
記憶媒体(SDカード・USBメモリ・SSD) 実容量を測るツールで全域に書き込んで検証 出せます(結果画面が数値で残ります)
充電器・電源 USB電力計などで実出力を測る 出せます
バッテリー 放電させて実容量を測る 出せます
サイズ・重量が問題の商品 定規やはかりを当てて撮影 出せます
互換部品 実際に取り付けて動作を見る 出せます
成分が問題の商品 ありません 出せません

いちばん下だけが違います。個人が成分を分析する手段がなく、メーカーの鑑定を受けたとしても、それを紛争の証拠として扱えるかは別の話です。

9-2. 記憶媒体は、届いたらすぐ全域を確かめます

3-1のUSBメモリは、何度か使ってから壊れました。容量偽装は、実容量を超えるまで正常に見えるからです。

やること 理由
届いたら、すぐ全容量に書き込んで読み出す 実容量を超えた時点で異常が出ます
大事なデータを入れる前にやる データごと失います
結果を保存しておく 証拠になります

先に使ってしまうと、返金の申請期間が過ぎます。私が申請しなかった理由のひとつがこれです。

9-3. 開封時の記録は、証拠として意味があります

ただし、限界もあります。

記録で示せること 示せないこと
届いた時点で壊れていた 中身の成分
注文と違うものが入っていた 実容量(測らないと分かりません)
数量が足りない 効果があるかどうか

開封の記録が効くのは、外から見える問題だけです。この記事で扱っている「使うまで分からない型」には効きません。

10. 確かめられないものは、経路を変えます

10-1. 見分けられないなら、見分けなくていい形にします

8-2の3つが全部「いいえ」になる商品があります。日本に比較対象がなく、中身を自分で確かめられず、証拠も出せないもの。私にとってはホワイトニング用品がそれでした。

この場合、見分ける技術を磨いても解決しません。買う経路のほうを変えます。

10-2. 買付代行という選択

私は次に買うときは、アメリカ本土から買い付けてくれるサービスを使おうと考えています。まだ実行していないので、これは予定です。

直接買う場合 買付代行を使う場合
買う人 自分(出品者から) 代行者(現地の店から)
仕入れ元 分かりません 特定されます
コスト 安い 高くなります
払っているもの 本物かどうかを自分で確認できない、という壁

この構造はアメリカ輸入代行の記事で整理した「買付代行型」と同じです。代行手数料は商品に払うものではなく、自分では越えられない壁に払うものです。

ここでの壁は「日本に送ってくれない」ではありません。「本物かどうかを自分で確認できない」です。

10-3. 使うのは毎回ではなく、最初の1回です

ここが実務上のポイントだと思います。

7章で書いたとおり、私が気づけなかった理由は本物を使ったことがなかったからでした。だとすれば、必要なのは毎回代行を使うことではありません。一度だけ本物を手に入れて、基準を作ることです。

順番 やること 目的
1回目 確実な経路で買う(正規の販売元、または買付代行) 本物の基準を作る
使ったときの感覚を覚えておく(6章の副次反応) 比べる相手を持つ
2回目以降 安い経路で買う 1回目と比べれば、違いに気づけます

代行手数料は1回分で済みます。毎回払うのと、基準を作る1回だけ払うのとでは、意味が変わります。

これは日本で買える商品でも同じです。最初の1個を国内の正規ルートで買っておけば、2個目からは比べられます。4-2で書いた「比べる相手がいるかどうか」を、自分で作るということです。

10-4. 基準が作れない場合

状況 判断
1回目を確実な経路で買える 買って基準を作ります
正規の経路が存在しない 基準が作れません。継続して使うものなら、扱わない判断もあります
1回だけ使えばいいもの 基準を作る意味がありません。確実な経路で1回買って終わりです

「安く買う」と「基準を作る」は、目的が違います。混ぜると、どちらも達成できません。

10-5. ただし、代行でもゼロにはなりません

誤解のないように書きます。

変わること 変わらないこと
仕入れ元が特定される可能性が高くなります 偽物リスクがゼロになるわけではありません
問い合わせる相手ができます 成分を自分で確かめられないことは同じです

払っているのは確実性ではなく、確実性が上がる可能性です。そのぶんの金額が見合うかどうかは、商品の単価と、外したときの損失で決まります。

10-6. もうひとつの選択:買わない

ここも書いておきます。

8-2の3つが全部「いいえ」で、しかも代行のコストが商品代を大きく上回るなら、買わないという判断が残ります。

単価が数百円のものに、数千円の代行手数料をかける意味はありません。そして単価が数百円だからこそ、返金申請もしないことになります(2-1)。この組み合わせは、そもそも成立していません。

11. 返品と返金の実際

11-1. 壊れたもの・違うものが届いた場合

1-3で書いたとおり、前の版の説明は現在の実態と違っていました。実際はこうです。

順番 やること かかった時間
1 返品を申請する
2 佐川急便が自宅まで集荷に来る
3 回収された荷物が大阪の拠点に届く 回収から1日ほど
4 返金される
合計 3日ほど

国際郵便で送り返す必要も、数千円の送料もありませんでした。

11-2. 届かなかった場合

お届け予想日を過ぎると申請できるようになります。私の場合は、申請を押した時点で判定されて承認されました。

ただし、これが誰にでも起きるとは限りません。判定の基準は公開されていないので、理由は分かりません。この点はAliExpressの評判に詳しく書きました。

11-3. それでも、偽物では申請していません

トラブル 申請したか 理由
壊れたものが届いた しました 示せる問題があります
届かなかった しました 事実が明確です
USBメモリの容量偽装 していません 単価500円以下。使った後でした
ホワイトニング用品 していません 立証できません

手続きが簡単になったことと、実際に使うかどうかは別です。これが2章の結論です。

11-4. 返金されても、日数は戻りません

そして、申請して返金された場合でも、商品は手元にありません。待った日数も戻りません。

再注文すれば、また同じ配送日数がかかります。返金の速さが縮めているのは、手続きの3日だけです。この計算はAliExpressの評判にあります。

12. 税関で止まる場合

12-1. 2022年10月に、扱いが変わりました

商標法が改正され、2022年10月1日に施行されています。第2条第7項です。

この法律において、輸入する行為には、外国にある者が外国から日本国内に他人をして持ち込ませる行為が含まれるものとする。

出典:商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第二条(e-Gov法令検索)

改正前 改正後
海外の事業者が、日本の個人へ模倣品を送る 個人使用目的なら、規制の対象になりにくい扱いでした 「輸入」に含まれます
結果 税関で止まります

知的財産を侵害する物品の取扱いは、税関の「知的財産侵害物品の取締り」にまとめられています。

12-2. このケースだけ、再注文しても同じ結果です

トラブル 再注文すれば
壊れていた 届く可能性があります
届かなかった 届く可能性があります
商標を侵害する模倣品 同じ結果になります

止めているのが売り手ではなく制度だからです。何回買い直しても、同じところで止まります。

12-3. ただし、この記事の主題とは別の型です

ここは分けて考えてください。

税関で止まるのは、ブランドの商標を侵害しているものです。4章で書いたとおり、こちらは値段で判定できます。

一方、この記事の主題である「中身が違う型」は、商標を侵害しているとは限りません。成分が入っていない製品は、税関を通ります。止める根拠がないからです。

商標侵害型 中身が違う型
買う前に分かるか 分かります(値段) 分かりません
税関で止まるか 止まります 止まりません
手元に届くか 届きません 届きます

制度が守ってくれるのは左だけです。右は自分で判断するしかありません。

13. 売る目的で買う場合

13-1. 化粧品や医薬部外品は、許可が要ります

この記事で扱ったホワイトニング用品のようなジャンルは、売る目的だと扱いが変わります。

医薬品、医薬部外品又は化粧品の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に定める厚生労働大臣の許可を受けた者でなければ、それぞれ、業として、医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売をしてはならない。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第十二条(e-Gov法令検索)

輸入して販売する場合、輸入する人が製造販売業者にあたります。許可と、品目ごとの承認が必要になります(同法第14条)。

個人使用と販売目的で手続きがどう違うかは、韓国版メルカリの記事に条文つきで整理してあります。

13-2. 中身が分からないものを、売ることはできません

ここが実務上の結論です。

成分が入っているかどうかを自分で確かめられない商品を、売る目的で仕入れることはできません。売った先で問題が起きたとき、責任を負うのは輸入した自分だからです。

自分で使う 売る
中身が違った場合 自分が損をして終わります 買った人に影響が出ます
責任の所在 輸入した自分
返金で解決するか しません

13-3. 電気用品も同じ構造です

バッテリーを内蔵する製品などは、電気用品安全法(PSE)の対象になることがあります。表示義務や届出義務を負うのは、製造事業者または輸入事業者です。

海外の売り手がマークを付けていても、義務が売り手に移るわけではありません。日本に輸入するのは自分です。

この論点は個人貿易商の年収に、経済産業省の解釈例の参照先も含めて書きました。自分の形態がどこに当たるかは、必ず一次資料で確認してください。

13-4. 売る目的なら、判定基準がひとつ増えます

順番 問い
1 日本の相場を知っているか(8-2)
2 届いた後、自分で確かめられるか(8-2)
3 問題が起きたとき、証拠を出せるか(8-2)
4 それを売るのに、許可や届出が必要ではないか

4番目は、返金制度の外側にあります。返金されても、この責任は残ります。

14. 分かったことと、分かっていないこと

14-1. 分かったこと

問い 答え
偽物を掴んだら返金されるのか 制度としては機能します。ただし私は2回とも申請していません(金額が小さい/立証できない)
だから何が必要か 返金で取り返せないものだけ、買う前に見分けます
見分けが必要なのはどれか 単価が安いもの成分・効能が問題になるもの。高額なガジェットは優先度が低いです
値段はどこまで使えるか 比べる相手がいる場合だけです。ブランド品や記憶媒体には効きます
値段で分からないものは 中身が外から見えないもの。成分、実容量、実出力、材質
それはどう気づくのか 本物なら起きるはずの副次的な反応が、起きないことで気づきます
なぜ効果ではなく副次反応を見るのか 効果は数日から数週間かかりますが、副次反応は1回目で分かります
なぜ自分は気づけなかったのか 本物を使ったことがなかったからです。比較対象が国内にありませんでした
偽物リスクが高いのは何か 有名ブランドではありません。日本で正規に買えないものです
店舗の評価やレビューは 使いますが、順番は後です。レビューは届いた直後に書かれるので、使い続けた結果が入っていません
見分けられないものは 経路を変えるか、買わないかです
売る目的なら 判定基準が1つ増えます。許可と届出は、返金制度の外側にあります

14-2. 分かっていないこと

分かっていないこと なぜ分からないか
ホワイトニング用品が本当に偽物だったか メーカーの鑑定を受けていません。効果がなく刺激もなかったという事実からの推察です
USBメモリの実際の容量 専用ツールで測っていません。値段と、使ううちに壊れたことから判断しました
偽物に当たる確率 数えていません。この記事に出てくるのは2件だけです
買付代行を使った結果 まだ実行していません。10-2は予定であって、体験ではありません
AliExpressの紛争規定の原文 公開ページを機械的に取得できませんでした。11章は規約の説明ではなく、私の手続きの記録です
返金申請がその場で承認された理由 判定の基準が公開されていません(11-2)
店舗の評価スコアと偽物の関係 相関を調べていません。だから前の版の「95%以上なら安全」という基準は取り下げました

14-3. この記事の数字の性質

種類 該当するもの
法令の条文 商標法第2条第7項、薬機法第12条・第14条
公的機関の公示 知的財産侵害物品の取締り
私が実際に経験したこと USBメモリとホワイトニング用品を掴んだこと、返金申請をしなかったこと、返品と返金にかかった日数
私の推察であって、断定していないこと ホワイトニング用品が偽物だったかどうか(6-4)
私の判断軸 返金で取り返せるかどうかで見分けの必要性を決めること、効果ではなく副次反応を見ること、比較対象の有無で判定できるかを決めること
私がまだやっていないこと 買付代行での購入(10-2)

サービスの仕様も規定も変わります。この記事は2026年9月時点のものです。そして私の返金体験が誰にでも同じように起きる保証はありません。判定に使ってほしいのは体験談ではなく、8-2の3つの問いです。

14-4. 出典

内容 出典
輸入する行為の定義(第2条第7項) 商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)(e-Gov法令検索)
製造販売業の許可(第12条)、製造販売の承認(第14条) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)(e-Gov法令検索)
知的財産を侵害する物品の取締り 税関「知的財産侵害物品の取締り
電気用品安全法の対象範囲と義務の所在 経済産業省の解釈例。参照先は個人貿易商の年収にまとめています

いずれも2026年9月に確認したものです。引用は原文のままです。

14-5. 関連する記事

知りたいこと 記事
返金の実際と、日本のECとの使い分け AliExpressの評判
実際に何を買っているか AliExpressのおすすめ商品
買付代行という選択肢の構造 アメリカ輸入代行
化粧品を輸入して売る場合の手続き 韓国版メルカリ
修理部品の調達と、PSE・輸入者義務 個人貿易商の年収
部品を輸入して直して売る採算 修理転売は儲からない?
中間流通が消えると何が起きるか 中国輸入は儲からない?
利益額ではなく拘束日数で割る考え方 せどりの利益率と回転率

 

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中古ドライブ(部品代2,000円)に交換。
ついでに容量を増やして15,000円で販売。
── 20年の現場から、実例の一部
この無料講座で扱う内容
  • 壊れた商品のどこに価格差が眠るのか
    「歪みの4類型」
  • 手数料・送料・作業時間まで含めた
    「1件の利益計算式」
  • 絶対に手を出してはいけない
    「除外リスト7項目」
  • 6日目には、元手ゼロで
    今週できる実践ワーク(約70分)
※手を動かさずに稼ぐ方法をお探しの方には向きません。
そのことも講座内で明記しています。
20年
現場での実践
全14通・2週間。
1通3〜5分で、通勤中にも読み切れる分量です。
まずは14通の無料講座で、
「第二の買い手」という考え方を確認してください。
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※後半に有料商品のご案内があります。
第1通の冒頭で明記します。
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