卸業者は「探す」ものではありません。「営業をかける」ものです。
私は実際に、テレアポとメールで1週間ほどのうちに100社以上とコンタクトを取り、契約まで到達しました。難しいのは契約することではなく、契約したあとに利益の出る商材を見つけることです。
この記事では、業者リストは載せません。載せても意味がないからです。代わりに、どうやって接触し、どう手間を配分し、契約後に何を管理するかを、当時使っていた項目のまま書きます。
なお、私が実際に開拓したのは家電や車部品など、Amazonで販売できる商材の卸です。当時Amazonで販売していたため、そこで売れるものを探していました。古着やアパレルの相場についてはこの記事では扱いません。
卸業者の探し方は、2つしかない
方法は突き詰めると2ルートです。どちらも、見つけてから営業をかけます。
- ネッシーに登録し、出店している業者に直接営業をかける(出店業者の一覧が、そのまま接触先のリストになる。画面のどこで会社名を拾い、どう外から連絡するかはネッシーの使い方に分けて書きました)
- 仕入れたいジャンル名+「卸」で検索し、出てきた業者に営業をかける
「卸 サイト おすすめ」のような記事を読んでも仕入れ先は増えません。サイトを探す作業と、業者と契約する作業はまったく別のものだからです。前者はいくらやっても契約数が増えませんが、後者は動かした数だけ増えます。
1週間で100社以上とコンタクトが取れる
卸との契約は、多くの人が思っているほど難関ではありません。テレアポとメールを並行して回せば、1週間程度で100社以上に接触でき、そこから契約に至ります。
ここが最大の誤解です。「卸は個人では相手にされない」「紹介がないと無理」という話をよく見かけますが、実際にやってみると、単純に接触した数の問題でした。
ただし私の場合は法人化していたため、それが有利に働いた面はあったと思います。個人事業主で同じ結果が出るかどうかは、業者によって対応が分かれるところです。断定はできません。法人化するかどうかの損益はスーパーデリバリーの記事に回収計算機を置いてあります。
全社に同じ営業をかけてはいけない
100社に同じ熱量で当たると、確実に途中で止まります。欲しい順に4段階に分け、営業の手間を段階的に変えるのが実務です。
| ランク | 業者 | 営業方法 |
|---|---|---|
| A | かなり欲しい | 電話+メール |
| B | 欲しい | メール+電話 |
| C | 条件次第 | メール |
| D | 微妙 | 後回し |
本命であるA・Bには自分で電話をかけ、メールの文面も個別に考えました。コピペだと思わせないように工夫することが、返信率に直結します。相手も毎日大量の営業メールを受け取っているので、定型文はまず読まれません。
一方でC・Dには定型メールを作り、アルバイトを1人入れて、ひたすら送らせました。ここは数の作業なので、自分でやる必要がありません。
つまり、この工程は「自分がやるべき部分」と「人に任せる部分」がはっきり分かれています。全部を自分で丁寧にやろうとすると、100社に届く前に力尽きます。
契約したら、この項目で管理する
契約は始まりです。管理していなければ、100社と契約しても何も残りません。私が当時Excelで作っていた管理項目は以下のとおりです。
| 分類 | 項目 |
|---|---|
| 基本情報 | 業者名/ジャンル/メーカー |
| 取引条件 | 仕入条件/最低ロット/掛率/支払条件 |
| 販路制限 | EC可否/Amazon可否/メルカリ可否 |
| 接触管理 | 担当者/電話/メール/最終接触日/成約状況 |
特に重要なのは販路制限の3項目です。ここを1つの欄にまとめず、EC・Amazon・メルカリで分けて記録してください。理由は次の章に書きます。
「Amazon不可」は、排除条件ではなく選別条件
卸と交渉していると、「Amazonで売られるとブランド力が下がるので不可」という業者が一定数出てきます。
実際には、そういう業者ほど旨味がありました。Amazonで売れないという条件が、そのまま参入障壁になっていて、競合が入ってこないからです。
多くの人はここで候補から外します。しかし外した瞬間に、条件の良い取引先を自分で捨てていることになります。ここをどう扱うかで、卸開拓の成果は正反対になります。
いま同じことをやるなら、私は必ずここを詰めます。
- EC販売が全面的に不可なのか
- Amazonだけが不可で、自社サイトや実店舗ならよいのか
- メルカリなどのフリマは対象に含まれるのか
「ECはダメです」の一言で終わらせず、どこまでがダメなのかを確認する。この解像度が、そのまま利益の差になります。先ほどの管理項目で販路を3つに分けているのは、このためです。
展示会という、もう一つのルート
ネットでの接触以外に、業者が出店する展示会に出向いて、その場で個人と取引できるか直接聞くという方法もあります。
私は書籍関係の展示会に行ったことがあります。結論から言うと、本そのものは割引に限界があり、せどりの目線では成立しませんでした。
ただし収穫はありました。在庫処分をしていた海外のカレンダーを扱う業者から仕入れることができ、まとまった利益が出ました。目当ての商材がダメでも、同じ会場に別の答えがあることがあります。
ここまでが接触と契約の実務です。ただし、この先で必ず詰まります。契約できても、最初の条件では利益が出ないからです。仕入れ値を下げる方向には構造的な限界があるため、単価を上げる方向を先に知っておくと、卸を続けるかどうかの判断が早くなります。
ここまでやって、実際に稼げるのか
先に結論だけ書きます。1ヶ月かけて100〜120社のカタログをAmazonの相場と突き合わせた結果、初期の取引条件では利益が出ませんでした。
理由は割引率の決まり方にあります。掛率は取引実績に連動するため、量を積んだ先にしか利益の出る位置がありません。加えて、条件の良い卸はすでに新規受付を締め切っていることがあります。
ただしこれは「卸は稼げない」という意味ではありません。実績を作れば条件交渉ができるようになるため、そこまで到達する道はあります。
よくある質問
卸業者は個人でも契約できますか?
業者によって対応が分かれます。私は法人で交渉していたため断定できませんが、全社が法人限定というわけではありませんでした。まず接触してみるのが早いです。
卸のサイトを探せば仕入れ先は増えますか?
増えません。サイトを探す作業と、業者と契約する作業は別です。ネッシーの出店業者や検索で出た業者に、直接営業をかけてください。
営業メールは定型文でよいですか?
本命の業者には個別に書いてください。相手は大量の営業メールを受け取っているため、コピペと分かる文面はまず読まれません。数を送る先は定型で構いません。
「Amazon不可」の業者は諦めるべきですか?
むしろ狙い目です。競合が入りにくいため旨味があります。EC全面不可なのか、Amazonのみ不可なのかを必ず確認してください。
契約後に何を記録しておけばよいですか?
掛率、最低ロット、支払条件に加えて、販路制限をEC・Amazon・メルカリで分けて記録してください。ここが後の利益差になります。
※本記事に記載した卸との取引条件、販路制限の運用は、私が実際に交渉した当時のものです。業者ごとの方針は変更されるため、実際の条件は各業者にご確認ください。

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