『影響力の武器』要約|7つの原理と、私が使っている原理・使っていない原理

『影響力の武器』要約|7つの原理と、私が使っている原理・あえて使っていない原理 法則・原理の検証

『影響力の武器』は、人が「はい」と言ってしまう理由を、7つの原理に整理した本です。著者は社会心理学者のロバート・チャルディーニ。売る技術の本として紹介されることが多いのですが、もともとは、著者自身が「自分はだまされやすい」と感じていたことから始まった、だまされないための本です。

この記事では、7つの原理を先に要約します。そのあとで、私が自分の登録ページ、メール講座、販売ページのどこに、どの原理を入れていて、どの原理を、使っていないかを、実物で見せます。結論を先に言うと、私が使うのは「本当のこと」だけで成立する形に限っています。うその期限、うその残り席、作り物の肩書きは、効くとしても使いません。

1. 『影響力の武器』の要約|7つの原理

日本語版は誠信書房から出ています。長く「6つの原理」として知られてきましたが、2023年の[新版]で「一体性」が加わり、副題は「人を動かす七つの原理」になりました。

原理 ひとことで 本に出てくる代表的な話
1 返報性 何かをもらうと、お返しをしたくなる 先にコーラを1本おごられた人は、そのあと、頼まれたくじを多く買った
2 コミットメントと一貫性 一度とった立場と、食い違う行動をとりにくい 小さなステッカーを貼ることに同意した家は、あとで庭に大きな看板を立てる頼みも受け入れやすかった
3 社会的証明 ほかの人がやっていることを、正しいと感じる 録音の笑い声が入ると、番組は面白く感じられる
4 好意 好きな人の頼みは、断りにくい 知り合いの家で開かれる、ホームパーティー形式の販売
5 権威 肩書きや専門家に、従いやすい 実験者に指示されると、多くの人が電気ショックのスイッチを押し続けた実験
6 希少性 手に入りにくいものほど、欲しくなる 同じクッキーでも、瓶に2枚しか入っていないほうが高く評価された
7 一体性 「私たち」だと感じる相手の頼みは、受け入れやすい 家族、同郷、同じ経験をした仲間

どの原理も、ふだんは役に立つ近道です。お返しをする人、言ったことを守る人のほうが、社会ではうまくやっていけます。問題になるのは、その近道を、だれかが意図して押したときです。各章の終わりに「防衛法」が置かれているのが、この本のいちばんの特徴です。

2. 私の実物では、どこに、どの原理が入っているか

私が動かしているのは、無料のメール講座の登録ページ、14通のメール、29,800円の講座の販売ページです。全体の構成はLPの作り方とステップメールの作り方に書いてあります。

原理 使っているか どこに、どう入れているか
返報性 使っている 無料の14通。案内の前の10通は、買わなくてもそのまま使える内容にしている。登録ページにも「無料の部分だけ受け取って解除していただいても、まったく構いません」と書いてある
一貫性 使っている メールの中で、1文字で返信できる小さな問いを出す。6日目に、元手ゼロでできる70分の課題を出す。申し込みの前に「返金ができないことに同意します」にチェックを入れてもらう
希少性 使っている(本当のものだけ) 受付は72時間。時間が来たら、ページそのものが閉じる。個別の指導は月に2人まで
社会的証明 控えめに 実践した人の記録を3件。上位の例には「上位にあたる例です」と書き、「全員がこの結果になるわけではありません」と続けている
好意 結果として 失敗の話(偽物の財布で1万円と2時間を失った、など)を出している。好かれるためではなく、うまくいった話だけの人は信用されないから
権威 自分のものは使っていない/他人のものは借りている 自分の肩書き、受賞歴、メディア掲載、推薦は置いていない。国の調査や、大きな会社の調査は、引用という形で使っている
一体性 使っている 「組織の中で、自分の判断が通らない」という同じ経験を、登録ページの最初に置いている

原理ごとのくわしい記事:返報性/一貫性/社会的証明/好意(単純接触効果)/権威性/希少性

3. 使っている原理について

返報性|「先に渡す」を、取り立ての道具にしない

返報性は、悪用すると「無料であげたのだから、買ってくれますよね」という圧力になります。私は逆に、お返しをしなくていい、と先に書いています。それでも、この原理は働きます。ただ、働き方が違います。圧力として働くのではなく、「この人は、出し惜しみをしない」という判断の材料として働きます。

無料の部分を薄くして、肝心なことは有料で、という作りにすると、読む人は2通目から読まなくなります。返報性を使うなら、渡すものは本物でなければ意味がありません。無料で渡してもお返しが起きない場合まで含めて、返報性の原理とはにくわしく書きました。

一貫性|小さな「はい」は、相手のために取る

小さな返信や、70分の課題は、たしかに一貫性の原理を使っています。一度手を動かした人は、続きも読みます。ただ、私がこれをやっている理由は、もう1つあります。手を動かさない人に、買ってほしくないからです。70分の課題をやらなかった人が29,800円の講座を買っても、やりません。小さな「はい」は、売るためだけでなく、向いていない人が自分で気づくための場所でもあります。

希少性|うそをつかなくても成立する形だけを使う

売っているのがデータなのに「残り3名」と書くのは、うそです。「本日まで」と書いたページが翌週も開いているのも、うそです。私が使っているのは、本当に閉じる期限(72時間)と、本当に上限がある人数(個別の指導は、私ひとりが見るので月に2人まで)だけです。

期限が過ぎたあとに表示されるページには、「延長はしません。(中略)それをやると次に私が期限を書いたとき、あなたはそれを信じません」と書いてあります。希少性は、一度でもうそに使うと、二度と効かなくなります。

4. 自分のものとしては使っていない原理|権威

権威は、7つの中でいちばん手軽に効きます。肩書きを1行足すだけです。私のページには、私自身の肩書き、受賞歴、メディア掲載、著名人の推薦がありません。顔写真も出していません。

理由は、立派なものではありません。使えるほどの権威を、私がまだ持っていないからです。本を出しているわけでも、講演の依頼が来るわけでもありません。自分の名前や肩書きが、よそで引用されるくらい強くなれば、使うかもしれません。いまは、ないものを、あるように見せていないだけです。

一方で、他人の権威は、借りています。「国の調査では」「メルカリが調査した結果によると」という形で、公的な調査や、大きな会社の調査を、記事や教材の中で引用しています。自分の言葉だけでは信じてもらえない数字を、信じてもらえる出どころに支えてもらう。これは、権威の原理のいちばんふつうの使い方です。

この業界では、実態のない肩書き、お金で買える掲載実績、だれかの推薦文が、いくらでも手に入ります。読む側は、本物の権威と、作られた権威を見分けにくい。だから私は、権威のかわりに、調べれば確かめられることを出しています。法人名、所在地、古物商の許可番号。そして、私がやっていないこと(事業の売却と買収は未経験)。登録ページのプロフィールには、学生時代の偏差値が35だったことを書いています。権威がない個人が、検索のどこで負けて、かわりに何を出しているかは、権威性とはに数字で書きました。

5. 効果は、どのくらいあるのか

正直に言うと、原理ごとの効果を、私は測れていません。同じ条件で、返報性あり・なしを比べるような実験は、私の規模ではできないからです。

分かっているのは、1つだけです。同じ考え方でメールと販売ページを作っても、教える中身を変えたら、個別の指導に申し込む人は、およそ30人に1人から、およそ100人に1人になりました。原理の使い方は変えていません。変わったのは商品です。7つの原理は、買う理由がある人の背中を少し押すことはできても、買う理由のない人に買わせる力はありません。あるとしたら、それは、あとで返金とクレームになって戻ってきます。

6. この本の本来の使い方|だまされない側に回る

私のところには、投資や、ネットワークビジネスや、高額な塾で失敗してから来る人が、少なくありません。その失敗を7つの原理に当てはめると、たとえば、こういう形になります。

  • 「先に無料で、こんなにしてもらったから」(返報性)
  • 「説明会まで来たのだから」「もう頭金を払ったのだから」(一貫性)
  • 「みんな申し込んでいたから」(社会的証明)
  • 「あの人は、いい人だったから」(好意)
  • 「有名な人が勧めていたから」(権威)
  • 「今日だけ、と言われたから」(希少性)
  • 「仲間だと思っていたから」(一体性)

何かを申し込む直前に、「いま、自分は7つのどれを押されているか」を1つだけ数えてください。押されていること自体は、悪いことではありません。私のページも、3つか4つは押しています。見るべきなのは、それが本当かどうかです。期限は本当に閉じるのか。無料の部分は、それだけで使えるのか。実績は、確かめられるのか。売る側がうそを混ぜているかどうかは、だいたいここで分かります。→ 情弱ビジネス一覧|「やる側」にならない基準

7. まとめ

  • 『影響力の武器』は、返報性・一貫性・社会的証明・好意・権威・希少性・一体性の7つの原理の本。もともとは、だまされないための本
  • 私が使っているのは、返報性(本当に使える無料の14通)、一貫性(小さな返信と課題)、希少性(本当に閉じる72時間)
  • 権威は、自分のものとしては使っていない。使えるほどの権威を、まだ持っていないから。公的な調査の引用という形では、借りている。かわりに出しているのは、調べれば確かめられること
  • 原理は、買う理由がある人の背中を押すだけ。商品を変えたら、申し込みは30人に1人から100人に1人になった
  • 申し込む前に、「いま、どれを押されているか」「それは本当か」を数える

関連記事

 

── 無料メール講座(全6章・14通)──
真面目に働いても給料が上がらないのは、
あなたの能力ではなく
買い手が一社しかいないからです。
売り手が多数いて、買い手が一者しかいない市場では、
価格は買い手の内部規則で決まります。
転職しても、買い手が別の一社に変わるだけ。
構造は変わりません。
必要なのは努力の量でも我慢でもなく、
会社以外に
「自分の判断にお金を払う相手」
を一つ持つこと。
月3万円で構いません。
それだけで、組織との距離の取り方が変わります。
動かない録画機器を1,000円以下で仕入れ、
中古ドライブ(部品代2,000円)に交換。
ついでに容量を増やして15,000円で販売。
── 20年の現場から、実例の一部
この無料講座で扱う内容
  • 壊れた商品のどこに価格差が眠るのか
    「歪みの4類型」
  • 手数料・送料・作業時間まで含めた
    「1件の利益計算式」
  • 絶対に手を出してはいけない
    「除外リスト7項目」
  • 6日目には、元手ゼロで
    今週できる実践ワーク(約70分)
※手を動かさずに稼ぐ方法をお探しの方には向きません。
そのことも講座内で明記しています。
20年
現場での実践
全14通・2週間。
1通3〜5分で、通勤中にも読み切れる分量です。
まずは14通の無料講座で、
「第二の買い手」という考え方を確認してください。
登録30秒・無料・いつでも解除できます


「第二の買い手」を作る14通を無料で読む →

※後半に有料商品のご案内があります。
第1通の冒頭で明記します。

にほんブログ村の「せどり」ランキングに参加しています

にほんブログ村 小遣いブログ せどりへ PVアクセスランキング にほんブログ村
法則・原理の検証