「古物商で起業するまでの流れは?」
「許可や資格は必要?」
「どのようなビジネスモデルがある?」
中古品などの古物を扱う「古物商」ですが、本格的に取り組むとなると何から始めればいいか分からなくなることも。
古物商として起業するには、許可をとったりビジネスアイディアを考えたりしなければなりません。
この記事では古物商ビジネスで起業したい方のために、次の内容を解説していきます。
- 古物商許可の概要
- 起業の流れ
- 資金調達の方法
- ビジネスモデルの例
- 注意点
リサイクルショップやせどりで稼ぐのに、ぜひこの記事を参考にしてみてください!
古物商ビジネスの起業で資格は必要?古物商許可をサクッと解説
そもそも古物商とは、ビジネスとして古物(中古品)の売買を行う立場の人を指した言葉です。
メルカリなどの普及により、個人でも簡単に中古品の売買を始められるようになりました。しかしビジネスとして本格的に起業するとなると、許可をとって「古物商」として認めてもらわないといけません。
こちらでは古物商ビジネスでの起業に必須となる「古物商許可」について、次の3つのポイントを解説します。
- 許可が必要な起業ジャンルの例
- 許可が必要な取引の例
- 古物商許可を取得する流れ
まだ古物商許可を取得していない方は、ぜひ内容を確認しておきましょう。
1.古物商許可が必要な起業ジャンルの例
古物商許可は中古品の売買で必要な資格です。しかし古物商許可は、全ての商品ジャンルで取得する必要はありません。
中古品ビジネスの中で、古物商許可がないと起業できないジャンルは、次の13個です。
種別 | 品物 |
美術品類 | 骨董品、アンティーク類、絵画など |
衣類 | 古着、着物、衣装、ファッション小物など |
時計・宝飾品類 | 時計、ジュエリーなど |
自動車 | 四輪自動車、タイヤ、パーツなど |
自動二輪車・原付 | 二輪車(バイク)、原付、タイヤ、パーツなど |
自転車類 | 自転車、タイヤ、パーツなど |
写真機類 | カメラ、レンズなど |
機械工具類 | ゲーム機、家電、ナンバープレートのない建設機器など (電気で動く機械) |
道具類 | インテリア、楽器、おもちゃなど (道具類以外への区分が難しいもの) |
事務機器類 | パソコン・周辺機器、プリンター、電話機など |
皮革・ゴム製品類 | 革・ビニールでできた鞄や靴など |
書籍 | 古本など |
金券類 | 商品券、切符、図書カードなど |
なお消費してなくなる食品や化粧品、リサイクル資源になる空き缶など、古物に該当しない中古品もあります。
2.古物商許可が必要な取引の例
古物(中古品)に関して次のような取引をする際は、古物商許可を取得しなければなりません。
- 古物の売買
- 古物の交換
古物市場の営業や、インターネットを含むオークションを開催する行為でも、許可が必要です。
「古物を売るだけ」「自分が売った古物を買い手から買い戻すこと」の2つは、古物商許可がなくても起業できます。
3.古物商許可を取得する流れ
古物商許可は、営業を予定する地域の警察署で取得できます。
許可を取得するまでの大まかな流れは以下の通りです。
- 警察署の生活安全課で許可申請書をもらう
- 必要書類を準備する(申請者・営業所管理者の住民票など)
- 警察署で必要書類と申請書を提出し、許可証を受け取る
なお古物商許可を受けるには手数料が必要です。手数料の標準額は19,000円ですが、都道府県によって細かな金額は異なります。
古物商許可の詳しい取得方法については関連記事「【誰でもできる】せどりで稼ぐなら古物商許可を受けよう!いらない&バレて逮捕されるケースとは」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
古物商で起業する流れ6ステップ
ここからは起業の流れを6ステップで紹介します。
- ビジネスモデルを考える
- 法人と個人事業主のどちらで起業するか決める
- 古物商ビジネスの起業に必要な資格や許可をとる
- 事業計画書を作る
- 仕入れや販売の環境を整える
- 活動をスタートする
古物商許可を取得する以外にも、計画的に起業の準備を進めましょう。
1.ビジネスモデルを考える
古物商としてどのように稼いでいくのか、ビジネスモデルを考えましょう。
古物の売買では「仕入れ先 × 販売先」の組み合わせを考えると、ビジネスモデルが浮かんできます。
仕入れ先と販売先の例は次の通りです。
<仕入れ先の例>
- 問屋街
- 卸売サイト
- 自社買い取り
- 中国の市場
- 店舗
- ショッピングサイト
<販売先の例>
- Amazon
- 楽天市場
- メルカリ
- オリジナルショッピングサイト
- 店舗
「販売したい商品を安く安定的に仕入れられる場所」と「商品のターゲットユーザーが多く集まる販売先」を探し、ビジネスモデルを考えてみてください。
2.法人と個人事業主のどちらで起業するか決める
起業スタイルを次の2つのうちから選びましょう。
- 法人
- 個人事業主
手間なく起業するなら、個人事業主がおすすめです。古物商許可を取得し、税務署に開業届を出すだけで起業できます。
一方で法人として起業すると、仕入れ相手に会社としての名刺を見せたり、作ったネットショップの連絡先に法人名を載せたりでき、信頼性がアップします。
最初は個人事業主でも問題ありませんが、収入やビジネスの目的に合わせて法人化も検討してみてください。
3.古物商ビジネスの起業に必要な資格や許可をとる
古物を取り扱うには、古物商許可の取得が必須です。
営業する地域の警察署に、申請書や住民票などの書類を提出することで、古物商になれます。ただし許可が下りるまでに40日程度かかるので、早めに準備することをおすすめします。
販売する商品の種類によっては、古物商ではない許可が必要な場合も。
- 化粧品
- 医薬品
- 酒類
なども販売する際は、別途資格を取得しておきましょう。
4.事業計画書を作る
事業計画書とは、起業後にビジネスをどのように展開していくか、具体的な行動計画をまとめたものです。
- 起業の目的
- 事業内容
- 市場分析
- マーケティング計画
- 仕入れ、販売の経路
- 売上計画
などを書面にまとめましょう。
事業計画書は、銀行で融資を受ける際などに相手に見せることがあります。しっかりと作り込むほど起業の説得力が増し、融資が下りる確率が上がります。
融資を受けない場合でも、自分の頭の中を整理するのに役立つでしょう。
5.仕入れや販売の環境を整える
仕入れや販売の環境を整え、いつでも売買を始められるよう準備をします。古物商として活動するには、次のような点を整えておくと安心です。
- 販売・仕入れに関わるサイトに会員登録する
- ネットショップを作る
- 倉庫を借りる
- 梱包材を用意する
- 配送方法を決める
準備すべき内容は、ビジネスモデルの詳細によって変わります。作成しておいた事業計画書を参考にして、必要な行動をピックアップしましょう。
6.活動をスタートする
ここまでステップを踏んだら、本格的な仕入れや販売をスタートできます。古物商には、取引の記録をとることが義務付けられています。
以下のような内容を帳簿に記録しておきましょう。
- 取引をした年月日
- 取引をした品目・数量
- 古物の特徴
- 取引相手の情報
- 取引相手の本人確認をした控え
ただし一部の商品ジャンルでは、帳簿付けが免除されます。
活動が始まってからも、手数料が安い販売先に乗り換えを検討したり、顧客からの意見を反映してより良いショップにしたりと改善を続けてくださいね。
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古物商ビジネスの起業で資金調達する3つの方法
起業資金が貯まっていない方は、古物商許可をとるのと同時に資金調達について考えなければなりません。
資金調達の方法は主に3つです。
- 融資
- 助成金
- 補助金
古物商ビジネスでも利用できる制度が多くあるので、ぜひ活用してみてください。
1.融資
融資は、銀行などからお金を借りて資金調達する方法です。
起業で融資を受ける際は、次のような場所から情報を集めてみましょう。
- 銀行
- 信用金庫
- 日本政策金融公庫
なお、融資を受けるにあたり、担保を用意しなければならないケースがあります。担保とは、万が一融資を返済できなかった時に備えた保証のようなイメージ。
車や土地などの資産を担保としておいて、返済できなくなったらお金の代わりに差し出します。
融資を受けるためにビジネスモデルを審査されることがあるため、事業計画書をよく作り込んで相手への説得材料にすることが重要です。
2.助成金
助成金は、融資と違って返済しなくてもいいお金です。国や地域といった行政や、商工会などの団体から給付されます。
助成金は誰にでも給付されるわけではないので、注意してください。
- 年齢
- 起業ジャンル
- 従業員の人数
など、審査を受けられる条件が細かく決まっています。気になる助成金が古物商ビジネスを対象としているか、まずは確認してみましょう。
3.補助金
補助金も、助成金のように行政などから給付されます。助成金と大きく異なる点は、補助金を受け取れる人数や予算に限りがあること。
応募の要件を満たしても、倍率が高ければ抽選や2次審査により補助金を受け取れない可能性があるのです。
また補助金の受け取りが確定するまでに、プレゼンで起業の概要を説明したり、専門家による経営指導を受けたりしなければならない場合があります。
プレゼンや経営指導のプログラムが終了するまでに、半年以上かかる補助金も。補助金を受け取るまでのスケジュールを逆算してから、申し込みを検討しましょう。
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古物商で起業するビジネスアイディア4選
古物商で起業する前に、ビジネスアイディアを固めておくことをおすすめします。
ビジネスアイディアがないまま行き当たりばったりな起業をしては、事業が上手くいかずお金ばかりを失ってしまう可能性があるからです。
ここでは、古物商を活かせるできるビジネスアイディアの例を紹介します。
古物商といっても、ビジネスのスタイルはさまざま。自分に合った古物商ビジネスを探してみましょう。
ブランドリペア転売
ブランド品をリペア(修理)して、再販売するビジネスです。状態の悪い格安商品を仕入れ、リペアで価値を上乗せさせることで利益を作ります。
自分でリペアできるようになれば、道具代や材料代しかかけずに修理できます。またお客様から商品を預かって修理を行う事も可能になります。
ブランド品のリペアについては関連記事「【2021年】ブランドリペア・リカラー転売は稼げる!違法にならないやり方まで詳しく解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
ECサイト運営
Amazonや楽天市場などの販売プラットフォームに頼らず、オリジナルのECサイトを作る起業方法です。
オリジナルのECサイトであれば、次のようなメリットを受けられます。
- プラットフォームの利用手数料がかからない
- 送料や発送スケジュールを自由に決められる
- 規約変更によるリスクがない
- 規約違反による処分がない
古物市場仕入れ
古物市場は、古物商許可を持った人だけが入れる中古品の売買会場のこと。会場では、オークション形式であらゆる中古品が取引されています。
小売業者の手に渡る前の商品を原価に近い価格で大量に仕入れられることが、古物市場のメリットです。
古物市場の基礎知識については関連記事「【完全版】初心者が古物市場に参加する5ステップ!ネットオークションも解説」にて詳しく解説しています。ぜひ一緒にチェックしてみてください!
無在庫転売
無在庫転売は、購入希望者から注文を受けた後に、商品を仕入れるせどりです。
売れることが確定した量だけ仕入れるので、在庫を余らせるリスクがありません。注文を受けた時点で売上を回収できれば、初期費用がなくても仕入れできます。
ただし販売先によっては、利用規約で無在庫転売を禁止していることもあるので注意しましょう。例えばメルカリやYahoo!オークションでは、無在庫転売ができません。
無在庫転売については関連記事「【今日から始める】無在庫転売のやり方4STEP!おすすめの販売先プラットフォームを紹介」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
買取ビジネス
商品を直接買い取って、それを古物市場やメルカリなどで販売するビジネスです。自分で買取価格を決めることが出来るため、赤字になる事がありません。
買取ビジネスについては、【5分でわかる】買取ビジネスの始め方を徹底解説!メリット・デメリットも紹介【個人OK】を参考にして下さい。
古物商ビジネスの起業では盗品・偽物に注意
偽物の商品や盗品の販売は、法律違反となります。偽物だと知らないまま仕入れ、そのまま販売してしまっても違法です。
特に盗品に気づいた際、古物商には警察署に報告する義務があります。
- ブランド品
- キャラクターグッズ
- 家電・ガジェット
などのジャンルでは、特に偽物が多く流通しています。
極端に安かったり、不自然なほど大量出品されていたりする商品は盗品・偽物の可能性があるので、目利きに注意しましょう。
この記事を参考に、ぜひ古物商許可を取得して起業にチャレンジしてみてください!
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