「定年 何歳」「65歳 定年」「再雇用 給料」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。
定年は、法律で60歳以上と決まっていて(高年齢者雇用安定法8条)、何歳にするかは会社が決めます。令和7年の厚生労働省の集計(従業員21人以上の企業を社数で数えた割合)では、定年を60歳とする企業が62.2%、65歳とする企業が27.2%で、まだ60歳が多数です。301人以上の企業に限ると、60歳が71.4%でした。ただし、定年が65歳未満の会社には、65歳まで働ける措置を置くことが義務づけられていて(同法9条)、99.9%の企業が実施しています。実施している企業の65.1%は、定年のあとも雇い続ける「継続雇用制度」(再雇用など)で、2025年4月からは原則として希望者全員が対象です。70歳までの就業機会の確保は2021年4月からの努力義務で、実施している企業は34.8%でした。労働政策研究・研修機構の2019年の企業調査では、継続雇用で61歳になったときの年収は、平均的な水準の人で60歳直前の78.7%、従業員1,000人以上の企業では70.9%と、企業が答えていました。私の考えは「外部に出るよりも再雇用のほうがハードルも低く条件も良いのでは?」で、外に出るなら「試算、見積もりを取る。ゼロベースで仕事を再び覚える負担も考慮」です。60〜65歳の年収と高年齢雇用継続給付の目安を出す計算機を10章に置きました。
この記事は、民間の会社員の定年の話です。50代で管理職を外れる役職定年は役職定年の記事に、定年前に辞める早期退職は早期退職のその後の記事に書きました。年金の受け取り方は扱っていません。
| 知りたいこと | 答え | 章 |
|---|---|---|
| 定年は何歳か | 法律は60歳以上とだけ決めていて、会社が決める。65歳までは働ける措置が義務 | 2章 |
| 60歳と65歳どちらが多いか | 60歳62.2%、65歳27.2%(令和7年、21人以上の企業の社数の割合)。301人以上の企業では60歳71.4% | 3章 |
| 定年後はどうなるか | 措置を実施している企業の65.1%が継続雇用(再雇用など)。2025年4月から原則として希望者全員が対象。ただし条件は希望どおりとは限らない | 4章 |
| 再雇用の給料はいくらか | 61歳時点で60歳直前の78.7%(平均的な人、2019年の企業調査)。1,000人以上の企業は70.9% | 5章 |
| 下がった給料を補う制度は | 高年齢雇用継続給付。月給が60歳時点の75%未満に下がると、月給の最大10%。賞与は計算に入らない | 6章 |
| 70歳定年はいつからか | 義務ではない。70歳までの就業機会の確保は2021年4月からの努力義務で、実施は34.8% | 7章 |
1. 先に、立場を書きます
私は会社に勤めたことがなく、定年や再雇用を経験していません。周りで再雇用で働いている人を見聞きしたこともありません。ですから、定年の法律と数字は、厚生労働省・人事院・労働政策研究・研修機構の資料で書きます。
このテーマを書くのは、役職定年の記事を書いたあと、「定年 何歳」で調べる人が役職定年よりずっと多いと分かったからです。
この記事のために、私は次のように答えました。
| 問い | 私の答え |
|---|---|
| 「60歳で定年→再雇用で65歳まで」という流れについて | 外部に出るよりも再雇用のほうがハードルも低く条件も良いのでは? |
| 継続雇用で年収が60歳直前の約8割に下がることについて | 外部に出た場合の試算、見積もりを取る。ゼロベースで仕事を再び覚える負担も考慮 |
| 周りで定年後に再雇用で働いている人を見聞きしたことは | ない |
2. 定年は何歳か:法律が決めていること
| 年齢 | 法律の決まり | 条文 |
|---|---|---|
| 60歳 | 定年を決めるなら、60歳を下回ってはいけない | 高年齢者雇用安定法8条 |
| 65歳 | 定年が65歳未満の会社は、定年の引上げ、継続雇用制度、定年の廃止のどれかで、65歳までの雇用を確保しなければならない(義務) | 同9条 |
| 70歳 | 定年が65歳以上70歳未満の会社などは、65歳から70歳までの就業機会を確保するよう努めなければならない(努力義務) | 同10条の2 |
つまり、法律は「定年は何歳」と決めてはいません。決めているのは、定年を置くなら60歳以上、65歳までは働ける仕組みを置く、70歳までは努める、の3つです。継続雇用制度は、本人が希望すれば定年のあとも引き続いて雇う制度です。2012年度までに労使協定で対象者を限る基準を決めていた会社には、基準を使える経過措置がありましたが、2025年3月31日で終わり、2025年度からは希望者全員が65歳まで対象になりました。
ただし、9条は会社に制度を置くことを義務づけるもので、個々の人を65歳まで雇う義務を直接課すものではありません(厚生労働省「高年齢者雇用安定法Q&A」Q1-3)。制度を置いていない会社には、ハローワークを通じて助言や指導、勧告が行われます。
3. 60歳と65歳、どちらが多いか
| 定年 | 企業の割合 |
|---|---|
| 60歳 | 62.2% |
| 61〜64歳 | 2.9% |
| 65歳 | 27.2% |
| 66〜69歳 | 1.2% |
| 70歳以上 | 2.5% |
| 定年制の廃止 | 3.9% |
出典:厚生労働省「令和7年『高年齢者雇用状況等報告』の集計結果」(2025年6月1日時点、常時雇用する労働者21人以上の企業237,739社)
定年を65歳以上とする企業(廃止を含む)は34.9%で、前の年から2.3ポイント増えました。従業員が数万人の会社も21人の会社も1社と数えた割合なので、働いている人の割合とは違います。
同じ集計で301人以上の企業(17,273社)に限ると、定年60歳が71.4%、65歳が21.5%で、65歳以上(廃止を含む)は23.4%でした(別表 表5)。従業員の多い会社ほど、60歳定年の割合が高くなっています。
4. 定年のあとはどうなるか
4-1. 65.1%の企業は継続雇用制度
65歳までの雇用確保措置を実施している企業は99.9%で、実施している企業(237,457社)の内訳は、継続雇用制度65.1%、定年の引上げ31.0%、定年の廃止3.9%でした。これは会社がどの制度を選んだかの割合で、定年を迎えた人の65.1%が再雇用される、という意味ではありません。定年が60歳の会社は、65歳までの措置として継続雇用制度を置くことになるので、60歳でいったん定年を迎え、希望すれば継続雇用で65歳まで働く形になります。
継続雇用には、定年でいったん退職させてから雇い直す「再雇用」と、退職させずに雇い続ける「勤務延長」があります(厚生労働省「就労条件総合調査」の定義)。
継続雇用制度は原則として希望者全員が対象ですが、心身の故障のため業務に堪えられない、勤務状況が著しく不良で職責を果たせないなど、就業規則の解雇事由・退職事由(年齢に係るものを除く)に当たる場合は、継続雇用しないことができます(厚生労働省Q&A Q1-1)。また、法律は、本人の希望に合った労働条件で雇うことまでは会社に義務づけていません。会社が合理的な範囲の条件を示していれば、賃金や労働時間の条件が合わずに継続雇用にならなくても、法違反にはなりません(同Q1-7)。定年の前に、会社が示す雇用形態、賃金、仕事の中身、契約の更新の仕方を書面で確かめてください。
4-2. 雇用形態と仕事の中身
労働政策研究・研修機構の企業調査(2019年)では、60代前半の継続雇用者の雇用形態は「嘱託・契約社員」が57.9%、「正社員」が41.6%でした。仕事の中身は、「定年前とまったく同じ仕事」が44.2%、「定年前と同じ仕事であるが、責任の重さが軽くなる」が38.4%です。どちらも企業に代表的な状況を聞いた割合で、継続雇用者の人数の割合ではありません。仕事は同じでも、責任の重さが軽くなると答えた企業が4割近くありました。再雇用で役職を外れ、年下の上司の下で働くことになる場面は、年下上司の記事に書きました。
5. 再雇用で給料はどれくらい下がるか
5-1. 61歳時点の年収は60歳直前の78.7%
同じ調査で、フルタイムの継続雇用者の61歳時点の年間賃金(賃金と賞与の合計)を、60歳直前を100として企業に答えてもらった結果です。
| 区分 | 最も高い水準の人 | 平均的な水準の人 | 最も低い水準の人 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 89.6 | 78.7 | 70.8 |
| 従業員1,000人以上 | 91.4 | 70.9 | 59.8 |
| 300〜999人 | 88.0 | 74.7 | 66.0 |
| 100〜299人 | 89.4 | 78.2 | 70.0 |
| 100人未満 | 90.0 | 80.5 | 73.7 |
| 定年60歳の企業 | 87.2 | 75.2 | 66.8 |
| 定年65歳の企業 | 96.3 | 90.2 | 84.5 |
| 定年なしの企業 | 95.3 | 83.8 | 73.8 |
出典:労働政策研究・研修機構「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」調査シリーズNo.198(2020年3月、2019年5〜6月調査)図表5-4・5-5。60歳直前の年間賃金=100とした指数
平均的な人で、年収はおよそ8割になります。従業員規模別では、規模が大きいほど指数が低く、1,000人以上では約7割でした。ただし、60歳直前の賃金の水準や業種などが違う企業どうしの比較で、規模が大きいから下がる、という因果までは分かりません。下がる割合が大きくても、下がったあとの金額が低いとは限りません。業種では、製造業が74〜75台、金融・保険業が72.1と低めでした。
これは2019年に企業が答えた指数で、継続雇用者一人ひとりの年収を集めたものでも、これから60歳になる人の年収を予測するものでもありません。自分の会社の再雇用の賃金規程で確かめてください。
5-2. 年齢別の平均で見ると
令和7年の賃金構造基本統計調査で、毎月の所定内給与(残業代などを除く)の平均は、55〜59歳が39.6万円、60〜64歳が32.9万円でした。男性は44.6万円から35.9万円、大企業(男女計)は46.6万円から35.8万円です。年齢層ごとに別の人を集計した数字で、60〜64歳には再雇用の人だけでなく、定年が65歳以上の会社で働き続ける人や転職した人も含まれます。60歳を境に平均が下がっていますが、再雇用で一人ひとりの給与がどれだけ下がるかを示すものではありません。20代から60代までの年齢ごとの平均と、毎年の昇給の平均は、昇給の平均の記事に書きました。
6. 高年齢雇用継続給付:下がった給料の一部を補う
雇用保険の高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満で働き続ける人の各月の賃金が、60歳時点の賃金の75%未満に下がったときに支給されます。雇用保険に入っていた期間が5年以上あることが条件です(基本手当を受けたことがある人は、受けたあとの期間で数えます)。2025年4月1日以降に60歳になる人は、支給率が次のとおりです(2025年3月31日以前に60歳になった人は最大15%。60歳の時点で雇用保険の期間が5年に満たなかった人は、5年を満たした日で判断します)。
| 60歳時点と比べた各月の賃金 | 支給額 |
|---|---|
| 64%以下 | 各月の賃金の10% |
| 64%超75%未満 | 各月の賃金の10%から0%の間(下がり方に応じて、賃金と給付の合計が75%を超えない範囲) |
| 75%以上 | 支給されない |
出典:厚生労働省・ハローワーク「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」、「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」
例えば、60歳時点の賃金が月30万円で、60歳以降の賃金が18万円(60%)なら、1か月あたり18万円の10%の1万8千円になります。支給の申請は原則として2か月に1度で、各暦月の初日から末日まで雇用保険の被保険者である月が対象です。支給される期間は、60歳に達した月から65歳に達する月までです。60歳時点の賃金は60歳になる前の6か月の平均で、522,000円を超える場合は522,000円として計算します。各月の賃金が397,369円以上だと支給されず、計算した額が2,562円以下でも支給されません。これらの金額は2027年7月31日までの額で、毎年8月1日に改定されます。
給付は月ごとの賃金で決まり、年2回の賞与のように3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は入りません(雇用保険法17条1項・61条)。年収が7割に下がっても、月給が60歳時点の75%以上なら給付はありません。特別支給の老齢厚生年金を受けている期間は、年金の一部が止まる場合があります。
なお、60歳以降に基本手当(失業給付)を受けてから再就職した人は、高年齢再就職給付金という別の給付になり、支給される期間は1年か2年です。この記事と10章の計算機は、同じ会社で働き続ける人(高年齢雇用継続基本給付金)を前提にしています。
7. 70歳まで働けるか、公務員の定年は
7-1. 70歳までは努力義務
70歳までの就業機会の確保(高年齢者就業確保措置)は、2021年4月1日施行の改正で加わった努力義務です。措置には、定年の廃止、定年の引上げ、継続雇用制度のほか、業務委託契約や社会貢献事業に従事できる制度もあります。令和7年に実施していた企業は34.8%で、中小企業35.2%、大企業29.5%でした。報告した企業全体に対する内訳は、継続雇用制度28.3%、定年の廃止3.9%、定年の引上げ2.5%、業務委託・社会貢献事業の制度(創業支援等措置)0.1%です。70歳までの継続雇用制度は、労使で協議して対象者を限る基準を設けることもできます(厚生労働省「高年齢者雇用安定法Q&A(高年齢者就業確保措置関係)」)。会社に制度があっても70歳まで雇われると約束されるわけではなく、「70歳定年」が義務になったわけでもありません。
7-2. 国家公務員は2031年度に65歳
国家公務員の定年は、2023年度の61歳から2年に1歳ずつ上がり、2031年度(令和13年度)から65歳になります。また、61歳に達する年度以後、基本給(俸給月額)は当分の間7割の水準になります。地域手当や期末・勤勉手当なども7割の水準になりますが、住居手当、扶養手当、通勤手当などは7割になりません。
| 年度 | 国家公務員の定年 |
|---|---|
| 2022年度まで | 60歳 |
| 2023〜2024年度 | 61歳 |
| 2025〜2026年度 | 62歳 |
| 2027〜2028年度 | 63歳 |
| 2029〜2030年度 | 64歳 |
| 2031年度から | 65歳 |
出典:人事院・内閣官房内閣人事局「国家公務員の60歳以降の働き方について(概要)」令和8年4月
8. 65歳になる前に辞めるか、後に辞めるか
雇用保険の失業給付は、辞めたときの年齢で仕組みが変わります。65歳未満で辞めれば、基本手当を所定給付日数(自己都合などで雇用保険の期間が20年以上なら150日)の範囲で受けます。65歳以上で辞めれば、高年齢求職者給付金として、基本手当日額の30日分(雇用保険の期間1年未満)か50日分(1年以上)を一時金で受けます。どちらも、働く意思と能力があって、ハローワークで求職の申込みをした人が対象で、仕事を辞めて働くつもりがない人には支給されません。受けるには、基本手当は原則として辞める前の2年間に12か月以上、高年齢求職者給付金は辞める前の1年間に6か月以上、雇用保険の期間が必要です。
雇用保険では、年齢は「年齢計算に関する法律」の原則で数え、65歳の誕生日の前日に65歳になったものとして扱われます。誕生日の前日に辞めると65歳以上の扱いになるので、辞める日を決める前に、生年月日と辞める予定日をハローワークで確かめてください。
65歳になる前に特別支給の老齢厚生年金を受けている人は、ハローワークで求職の申込みをすると、その翌月から、失業給付の受給期間が過ぎるか所定給付日数を受け終わる月まで、年金が全額止まります(日本年金機構)。どちらが得かは、辞めたあとすぐ働くか、年金をいつ受け取るか、退職金の扱いなどで変わるので、ハローワークと年金事務所で自分の条件で確かめてください。退職金の平均と税金・手取りは退職金の平均の記事にまとめました。
9. 私の考え:再雇用と、外に出る場合を比べる
私の考えは「外部に出るよりも再雇用のほうがハードルも低く条件も良いのでは?」です。そして、年収が下がることについては「外部に出た場合の試算、見積もりを取る。ゼロベースで仕事を再び覚える負担も考慮」と考えています。
外の数字も置いておきます。令和7年の雇用動向調査で、60〜64歳で転職した人の賃金は、前の職場より「増えた」が21.1%、「減った」が54.3%(1割以上減ったのが47.6%)でした。55〜59歳でも、増えた25.5%に対して減った38.9%です。転職した人全体の数字で、仕事の中身や雇用形態の違いも混ざっていますが、60歳前後で外に出ると賃金が下がる人のほうが多いことは分かります。
ただし、再雇用の数字(2019年の企業調査)と転職の数字(2025年に転職した人)は、調査の年も対象も測り方も違い、再雇用と転職のどちらが有利かを直接比べた数字ではありません。転職先が決まらなかった人も入っていません。結局は、自分に示された再雇用の条件と、外の求人の条件を並べて比べることになります。
再雇用の側も、2019年の企業調査では、年収は平均的な人で約8割、1,000人以上の企業では約7割でした。どちらを選ぶにしても、下がったあとの年収で家計が回るかを、60歳になる前に計算しておくことです。50代のうちに役職定年で一度下がる会社もあるので、役職定年の記事の計算と合わせて見てください。
10. 計算機:60〜65歳の年収と、高年齢雇用継続給付の目安
今の年齢、会社の定年、60歳直前の月給と賞与の見込み、60歳以降に月給と賞与がそれぞれ何%になるかを入れると、60〜64歳の年収、高年齢雇用継続給付の月額と5年間の合計、5年間の年収の合計を出します。給付は、2025年4月1日以降に60歳になる人の支給率と、2027年7月31日までの上限・下限で計算します。今の制度と金額を将来もそのまま使った参考の計算で、将来受け取る額を示すものではありません。同じ会社で60歳から65歳まで働き続け、毎月同じ賃金が続く前提です。
60〜65歳の年収と、高年齢雇用継続給付の目安
入力した数字は、このページの中で計算に使うだけで、どこにも送られません。給付の金額は、2025年4月1日以降に60歳になる人の支給率と、2027年7月31日までの上限・下限で計算します。同じ会社で働き続ける前提の参考の計算で、将来の制度や金額は変わることがあります。
10-1. 例で計算すると
60歳直前の月給45万円、賞与150万円(年収690万円)の人が、60歳以降に月給も賞与も7割(2019年の企業調査で、1,000人以上の企業の平均的な人の水準に近い)になった場合です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 60〜64歳の年収 | 483万円(月給31.5万円、賞与105万円) |
| 高年齢雇用継続給付 | 月13,104円(支給率4.16%)、60か月とも支給された場合で約78.6万円 |
| 5年間の合計 | 2,415万円+給付約78.6万円 |
| 60歳直前の年収が続いた場合 | 3,450万円 |
給付があっても、5年間で約956万円の差です。給付は下がった分の一部を補うもので、下がる分を埋めるものではありません。賞与だけが下がって月給が60歳時点の75%以上に保たれる場合は、年収が下がっても給付はありません。
11. よくある質問
定年は60歳と65歳、どっちが多いですか?
令和7年の集計(21人以上の企業の社数の割合)では、60歳が62.2%、65歳が27.2%で、60歳が多いです。301人以上の企業では60歳が71.4%です。65歳以上(廃止を含む)は34.9%で、増えています。
定年70歳になるのはいつからですか?
70歳定年は義務になっていません。2021年4月から、70歳までの就業機会の確保が努力義務になっただけです。実施している企業は34.8%で、会社に制度があっても、対象者を限る基準が設けられることがあります。
定年後の再雇用の給料はどれくらいですか?
労働政策研究・研修機構の2019年の企業調査では、61歳時点の年収は60歳直前の78.7%(平均的な人)でした。1,000人以上の企業では70.9%です。企業が答えた指数で、個人の将来の年収の予測ではないので、自分の会社の再雇用の賃金規程で確かめてください。
再雇用は断られることがありますか?
継続雇用制度は、本人が希望すれば定年後も雇う制度で、2025年4月からは原則として希望者全員が65歳まで対象です。ただし、心身の故障や著しい勤務不良など、就業規則の解雇事由・退職事由に当たる場合は、継続雇用しないことができます。また、会社が合理的な範囲の条件を示していれば、賃金や労働時間の条件が合わずに継続雇用にならなくても、法違反にはなりません(厚生労働省Q&A)。定年の前に、示される条件を書面で確かめてください。
定年延長と再雇用の違いは?
定年延長(定年の引上げ)は、定年そのものを上げることです。再雇用は、定年でいったん退職し、嘱託・契約社員などとして雇い直されることです。労働政策研究・研修機構の2019年の企業調査では、定年が65歳の企業の61歳時点の年収は60歳直前の90.2%、60歳の企業では75.2%でした(平均的な人)。
64歳11か月で辞めると得ですか?
65歳未満で辞めれば基本手当、65歳以上なら高年齢求職者給付金(基本手当日額の30日分か50日分の一時金)と、仕組みが変わります。雇用保険では65歳の誕生日の前日に65歳になったものとして扱われ、どちらも働く意思と能力があってハローワークで求職の申込みをした人が対象です。どちらが得かは、辞めたあとすぐ働くかや年金の受け取り方などで変わるので、ハローワークと年金事務所で確かめてください。
12. まとめ
- 定年は法律で60歳以上。何歳にするかは会社が決める。65歳までは働ける措置が義務、70歳までは努力義務。
- 令和7年の企業の割合(21人以上の企業の社数)は、定年60歳62.2%、65歳27.2%。301人以上の企業では60歳が71.4%。65歳以上(廃止を含む)は34.9%で増えている。
- 65歳までの措置は99.9%の企業が実施し、実施企業の65.1%は継続雇用制度。2025年4月から原則として希望者全員が対象だが、条件が希望どおりになるとは限らない。
- 継続雇用の61歳時点の年収は60歳直前の78.7%(平均的な人、2019年の企業調査)、1,000人以上の企業は70.9%。
- 高年齢雇用継続給付は、月給が60歳時点の75%未満に下がると最大で月給の10%(2025年4月以降に60歳になる人)。賞与は計算に入らない。
- 65歳前後で辞めるときは、65歳の誕生日の前日に65歳として扱われることと、求職の申込みで特別支給の老齢厚生年金が止まることに気をつける。
- 国家公務員の定年は2031年度に65歳。
- 私の考えは「外部に出るよりも再雇用のほうがハードルも低く条件も良いのでは?」。外に出るなら、試算と見積もりを取り、仕事を覚え直す負担も考える。
13. 出典
- e-Gov法令検索「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」8条・9条・10条の2、「雇用保険法」17条・61条
- 厚生労働省「高年齢者雇用安定法Q&A(高年齢者雇用確保措置関係)」Q1-1・Q1-3・Q1-7、「高年齢者雇用安定法Q&A(高年齢者就業確保措置関係)」
- 厚生労働省「令和7年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果」(2025年12月19日公表)、「別表」表5
- 厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~」
- 労働政策研究・研修機構「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」調査シリーズNo.198(2020年)、「記者発表資料」(2020年3月31日)
- 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」第2表・第4表
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」、ハローワーク「雇用継続給付」「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」
- ハローワーク「基本手当について」(受給要件、高年齢求職者給付金)
- 沖縄労働局「高年齢雇用継続給付について」(雇用保険法での年齢の計算)
- 日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」
- 人事院・内閣官房内閣人事局「国家公務員の60歳以降の働き方について(概要)」令和8年4月
- 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」表6

コメント