「研究職 年収 低い」「理系 年収 低い」「研究職 転職 難しい」で調べて来られた方に、先に結論を書きます。
統計で見ると、研究職の年収は低くありません。厚生労働省の2025年の調査で、研究者の平均は年802万円(平均42.5歳)で、働く人全体の546万円(平均44.4歳)より256万円高い数字です。それでも「低い」と感じるのは、比べる相手のほうが高いからだと読めます。研究者全体の平均は、同じ年齢の大学院卒(全職種)の平均より30〜34歳で49万円、40〜44歳で82万円低く、システムコンサルタント・設計者より30〜34歳で205万円低い。研究者の7割は1,000人以上の会社にいて、10〜99人の会社では平均627万円です。私の考えは、理系の大学や大学院を出たからその専門を使わなければいけないわけではなく、まず「コンコルド効果で今の仕事を続けていないか」を疑うこと、そして大学院より学部で就職して実務を2年積んだほうが伸びる、というものです。ただし後者は、研究職の経験がない私の価値判断で、比べたデータはありません。統計では、大学院卒の平均のほうが大学卒の平均より年収は高くなっています。
| 知りたいこと | 答え | 章 |
|---|---|---|
| 研究職の年収は本当に低いか | 平均802万円(42.5歳)で、全体の546万円より高い。ただし平均は一部の高い人に引っぱられる。研究者の所定内給与(月)は、平均49.2万円に対して真ん中の値が44.0万円。年収の真ん中の値は公表された表からは分からない | 2章 |
| 年齢別、会社の規模別の年収 | 30〜34歳で661万円、40〜44歳で881万円。1,000人以上の会社は837万円、10〜99人は627万円 | 2章 |
| なぜ低いと感じるのか | 同じ年齢の大学院卒(全職種)の平均より低い、会社の規模で差が大きい、若い年齢の階級ほど低い、裁量労働制では働いた時間が給料に出にくい、博士・ポスドクは期間の決まった職と支援が多い | 3章 |
| 理系のほかの職種と比べると | 機械・化学・電気の技術者より高く、システムコンサルタント・設計者より低い | 2章 |
| 大学院(修士・博士)に行くと得か | 平均どうしでは院卒が高い。修士2年の費用約903万円は、学歴ごとの平均の差を機械的に足すと33歳ごろに超えるが、同じ人が進学した場合としなかった場合の差ではない。私の考えは「実務2年のほうが伸びる」。大学院に行く価値があるのは、特待生で入学し、飛び級で学部を1〜2年以上短縮できるような卓越した人だと考えている | 4章 |
| 研究職の転職は難しいか | 研究職の転職のしやすさを示す公的な統計は見つからなかった。転職した人(全職種)に限れば、40代前半までは賃金が増えた人のほうが多い。私の考えでは、難しさの正体は「社内でしか通じない仕事」 | 5章 |
| 残るか、移るか | 会社の規模、職位、職種を変えた場合の平均の差を並べた。どれも別の人たちの平均で、移った人の結果ではない | 6章 |
| 自分の年収は低いのか | 計算機で、同じ年齢・同じ規模の研究者、大学院卒、大学卒の平均と比べられる | 8章 |
この記事は、会社や研究機関で働く研究職の年収の話です。大学教員の公募や、公務員の研究職の給料表の話は扱っていません。
1. 先に、立場を書きます
私は研究職に就いたことがありません。大学(東京電機大学)は卒業研究が必修ではなく、研究室に所属しないまま卒業しました。就職もせず、学生のころから続けていた中古品の売買で独立し、それから20年近く、中古品の売買と、講座・コンサルの仕事をしています。
ですから、この記事の年収の数字は、2章からの公的な統計で書きます。私の考えとして書くのは、会社に入らずに働いてきた側から見た「専門と仕事の結びつけ方」で、研究の現場を知ったうえでの意見ではありません。研究職の人は尊敬しています。ただ、出世すると判子を押す仕事が増えて、「お金はいいが仕事がつまらない」という悩みを持つ人がいることも知っているので、研究職が一概に正解だとも思っていません。
この記事のために、私は次のように答えました。選択肢から選んだ答えは、私が選んだ選択肢の説明もカッコで添えます。
| 研究職に就いた同世代・知人の年収や待遇で、実際に聞いた・見たこと | 「博士・ポスドクで苦労」(博士課程やポスドク・任期付きで、収入や身分が不安定だった人がいる)、「出世して高いがつまらない」(管理職になって年収は上がったが、判子を押すだけで研究しなくなった) |
| 研究職の「転職が難しい」の正体は | 「社内でしか通じない仕事」(年数がたつほど、その会社の設備・製品でしか使えない仕事が増える) |
| 年収が低いと感じている20〜30代の研究職に、最初にしてほしいこと | 「コンコルド効果で今の仕事を続けていないか。理系の大学や大学院を出たからその専門を使わないといけないと決まってるわけではない。」 |
| 博士課程に進むか迷っている学生に、お金の面で伝えたいこと | 「専門に固執しても部門閉鎖でリストラされることもある。院は時間の無駄だと私は思う。学部卒で就職して実務経験をさっさと積んだほうが力はつくと思う」 |
| 平均では大学院卒の年収が高い(ただし院卒は大企業に偏る)。それでも「院は時間の無駄」と言ういちばんの理由 | 「実務2年のほうが伸びる」(同じ2年なら、研究室より仕事の現場のほうが力がつく) |
| 「博士・ポスドクで苦労」していた知人の苦労の中身(複数) | 「任期が切れる不安」「年収が低い」「民間に移れない」「結婚・家を先送り」 |
| コンコルド効果で続けているのか、続ける価値があるのかを分けるとき、何で判断するか | 「親が自分のために運用をしてくれてお金のために民間に魂を売らなくても生活が破綻しない」 |
| 「社内でしか通じない仕事」を「社外でも通じる仕事」に変えるために、今の会社にいながら最初にできること | 「大学で学んだことを就職先でも使うという前提がズレてる。会社の寿命、それに依存した人の末路を調べるべき」 |
| (この記事の下書きを読んで)「民間に魂を売る」とは、どういう意味か | 「民間に行く人を見下す意志はない」。全文は4-5に載せました |
| (同じく)お金のために研究をあきらめる人は多いと思うか | 「データがないかもしれないが該当する人は多いと思う」。理由と続きは4-6に載せました |
知人の話は、本人から聞いた話です。私が給与明細を見たわけではありません。
2. 研究職の年収の平均:802万円。ただし会社の規模で200万円違う
2-1. 平均と、真ん中の値
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」は、10人以上の事業所で働く人の2025年の賃金を職種別に出しています。その中の「研究者」の数字が下の表です。年収は「毎月決まって支給される給与×12+年間の賞与など」で出した概算で、手取りではありません。
| 会社の規模 | 平均年収 | 平均年齢 | 所定内給与(月)の平均 | 所定内給与(月)の真ん中の値 | 研究者に占める割合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 企業規模計(10人以上) | 802万円 | 42.5歳 | 49.2万円 | 44.0万円 | 100% |
| 1,000人以上 | 837万円 | 42.8歳 | 51.4万円 | 46.7万円 | 71.5% |
| 100〜999人 | 732万円 | 41.4歳 | 44.5万円 | 39.5万円 | 23.8% |
| 10〜99人 | 627万円 | 43.9歳 | 39.3万円 | 36.3万円 | 4.7% |
| (参考)働く人全体 | 546万円 | 44.4歳 | 34.1万円 | ― | ― |
「研究職の年収は低い」という声と、この表の数字が食い違う理由は二つ読めます。一つは、研究者の71.5%が1,000人以上の会社にいて、平均を押し上げていることです。もう一つは、平均は一部の高い人に引っぱられることです。研究者の所定内給与(残業代や賞与を除いた月の給与)で見ると、真ん中の人は平均の約9割(44.0万円÷49.2万円)です。賞与まで入れた年収の真ん中の値は、公表された表からは分かりません。
なお、規模ごとの平均の差には、年齢、業種、学歴、職位の違いも混ざっています。差のすべてが会社の規模そのものから来ているとは言えません。
2-2. 年齢の階級ごとの平均
同じ調査の年齢別の数字です。単位は万円です。2025年にそれぞれの年齢にいる別の人たちの平均で、同じ人が年をとってこの額になる、という記録ではありません。
| 年齢 | 研究者(規模計) | 1,000人以上 | 100〜999人 | 10〜99人 | (参考)働く人全体 |
|---|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 382 | 390 | 369 | 354 | 361 |
| 25〜29歳 | 539 | 554 | 511 | 451 | 448 |
| 30〜34歳 | 661 | 672 | 642 | 573 | 507 |
| 35〜39歳 | 763 | 797 | 702 | 565 | 557 |
| 40〜44歳 | 881 | 926 | 823 | 595 | 595 |
| 45〜49歳 | 940 | 983 | 858 | 711 | 614 |
| 50〜54歳 | 996 | 1,030 | 961 | 760 | 634 |
| 55〜59歳 | 1,084 | 1,109 | 1,033 | 784 | 641 |
| 60〜64歳 | 779 | 768 | 868 | 677 | 506 |
10〜99人の研究者は、どの年齢でも推計の人数が1,500人に届かず、平均がぶれやすい数字です。研究者の平均は、年齢の高い階級ほど高く、25〜29歳の539万円と55〜59歳の1,084万円では約2倍です。
2-3. 理系のほかの職種と比べる
同じ調査で、研究者と、理系の人が多い職種を並べます(企業規模計、単位は万円)。
| 職種 | 平均年収(平均年齢) | 30〜34歳 | 40〜44歳 |
|---|---|---|---|
| 研究者 | 802(42.5歳) | 661 | 881 |
| システムコンサルタント・設計者 | 889(38.3歳) | 866 | 1,189 |
| 電気・電子・電気通信技術者 | 704(42.1歳) | 668 | 826 |
| 機械技術者 | 659(42.3歳) | 592 | 739 |
| 化学技術者 | 642(41.5歳) | 599 | 696 |
| ソフトウェア作成者 | 578(37.1歳) | 560 | 686 |
| 大学講師・助教 | 712(41.6歳) | ― | ― |
| 大学准教授 | 876(49.3歳) | ― | ― |
| 大学教授 | 1,083(57.5歳) | ― | ― |
研究者は、メーカーの技術者より高く、システムコンサルタント・設計者より低い位置にいます。統計には「理系」という区分はないので、「理系の年収は低いか」には、職種で答えるしかありません。
2-4. 職位で見ると
人事院の「令和8年職種別民間給与実態調査」には、研究所の職位ごとの月の給与があります(企業規模100人以上かつ事業所規模50人以上、2026年4月分。賞与は入っていません)。
| 職位 | 平均年齢 | 月の給与(きまって支給する給与) | うち時間外手当 |
|---|---|---|---|
| 研究員 | 37.3歳 | 44.2万円 | 5.4万円 |
| 主任研究員 | 44.7歳 | 55.2万円 | 4.9万円 |
| 研究室(係)長 | 47.0歳 | 60.5万円 | 3.3万円 |
| 研究部(課)長 | 50.5歳 | 73.4万円 | 2.0万円 |
| 研究所長 | 55.6歳 | 90.7万円 | 1.3万円 |
職位が上がるほど、月の給与は高くなります。この表からは、職位が上がると研究の仕事がどれだけ減るかまでは分かりません。私の知人の「出世して高いがつまらない」は、この表の下の段に上がって、判子を押すだけで研究しなくなった、という一人の話です。管理職を降りる場合の給与の下がり方は、管理職を降りたいときの記事で、人事院の数字で計算しています。
3. なぜ「低い」と感じるのか
3-1. 大学院卒(全職種)の平均と比べると、研究者は低い
大学院を出て研究職に就いた人が、同じ学歴の人と比べると、研究者の平均は低く見えます。同じ調査の、全職種の大学院卒・大学卒の平均と並べます(企業規模計、単位は万円)。
| 年齢 | 大学院卒(全職種) | 研究者 | 大学卒(全職種) | 研究者と大学院卒の差 |
|---|---|---|---|---|
| 25〜29歳 | 567 | 539 | 485 | −28 |
| 30〜34歳 | 710 | 661 | 564 | −49 |
| 35〜39歳 | 808 | 763 | 634 | −45 |
| 40〜44歳 | 963 | 881 | 707 | −82 |
| 45〜49歳 | 1,051 | 940 | 755 | −111 |
| 50〜54歳 | 1,086 | 996 | 829 | −90 |
| 55〜59歳 | 1,123 | 1,084 | 880 | −39 |
研究者全体の平均は、大学卒の平均よりは高く、大学院卒の平均よりは低い位置にいます。1,000人以上の会社どうしで比べても、30〜34歳で研究者672万円、大学院卒761万円です。大学の同期で、ほかの職種に進んだ大学院卒の人と比べて「低い」と感じるなら、この表の差がそれにあたると考えられます。
ただし、この比べ方は条件がそろっていません。研究者には大学卒の人もいて、この統計では研究者の学歴の内訳は分かりません。大学院卒の平均には、研究者のほか、管理職やIT、金融などの人も入っています。ですから「修士卒の研究者は、修士卒のほかの職種の人より低い」とまでは言えず、言えるのは「研究者全体の平均は、同じ年齢の大学院卒全体の平均より低い」までです。
3-2. 会社の規模で差が大きい
2-1の表のとおり、研究者の平均は1,000人以上で837万円、10〜99人で627万円です。30〜34歳でも672万円と573万円で、約100万円違います。研究者の7割は大企業にいるので、ネットや統計で見る「研究職の平均年収」は大企業の数字に近くなります。中小の会社の研究職の人が平均と比べて「低い」と感じるときは、この差が効いていると考えられます。業界ごとの研究者の年収は、この調査の公表された表にはないので、業界の差は数字で示せません。
3-3. 若い年齢の階級ほど低い
研究者の平均は、25〜29歳で539万円、40〜44歳で881万円です(2-2)。人事院の調査でも、研究員(平均37.3歳)の月44.2万円から、研究部(課)長(平均50.5歳)の73.4万円まで、職位とともに高くなります(2-4)。20代・30代前半で、職種全体の平均802万円(平均42.5歳)と比べて「低い」と感じるなら、年齢の差が混ざっています。計算機では、同じ年齢の階級どうしで比べられます。
3-4. 裁量労働制では、働いた時間が給料に出にくい
厚生労働省によると、専門業務型裁量労働制の対象業務の一つ目は「新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務」です。この制度では、実際の労働時間と関係なく、労使協定で決めた時間を働いたものとみなします。ただし、休日や深夜に働いた場合は、みなしの時間ではなく実際に働いた時間に応じて割増賃金を払う必要があり、会社には労働時間の状況の把握や、健康・福祉を確保する措置も求められます。
決めた時間より長く働いても、その分は残業代として増えにくい形です。そのため、年収が同じでも、長く働いている人は時給で見ると低く感じます。人事院の調査では、研究員の月の給与44.2万円のうち5.4万円が時間外手当でしたが、これは裁量労働制で働く人だけの数字ではありません。裁量労働制そのものが年収を低くしている、という統計もありません。8章の計算機に、1か月の実際の労働時間を入れると、時給でも比べられます。
3-5. 博士・ポスドクは、期間の決まった職と支援が多い
博士課程の学生の生活費の支援として、日本学術振興会の特別研究員(DC1・DC2)の研究奨励金は月額20万〜23万円(支給予定額)で、DC1は3年間、DC2は2年間です。博士号を取ったあとの特別研究員(PD)は月額36.2万円で3年間です。どちらも期間が決まっています。
私の知人で博士・ポスドクに進んだ人の苦労は「任期が切れる不安」「年収が低い」「民間に移れない」「結婚・家を先送り」でした。なお、科学技術・学術政策研究所の「博士人材追跡調査」第3次報告書(2019年の調査)では、博士課程の修了者の雇用先は大学等が50%を超え、民間企業は約25%で、民間企業に雇われた人の所得は大学や公的研究機関より高い、とまとめています。最新の数字ではないので、年は添えておきます。
4. 大学院に行くと得か:平均では院卒が高い。私の考えは「実務2年のほうが伸びる」
4-1. 初任給の差は月3.3万円
人事院の調査(2026年4月)の初任給は、技術者で修士課程修了28.2万円、大学卒24.9万円で、差は月3.3万円(13%)です。研究員は修士課程修了の28.7万円が載っています。この表で新卒の研究員として載っているのは修士課程修了の行だけで、大学卒の行はありません。大学卒の研究員がいないという意味ではありませんが、大学卒の研究員の初任給は、この表からは分かりません。
4-2. 修士2年の費用と、学歴ごとの平均の差(機械的な足し算)
修士に2年行くと、その2年は学部卒で働いた場合の収入が入りません。その代わりとして大学卒の20〜24歳の平均(384万円)を2年分とると768万円です。国立大学の標準額の授業料(年53万5,800円)2年分と入学料(28万2,000円)を足すと、約903万円になります。
一方、大学院卒と大学卒の平均の差は、25〜29歳で年82万円、30〜34歳で年146万円、40〜44歳で年256万円です(3-1の表)。25歳からこの差を機械的に足していくと、29歳までで410万円、33歳ごろに903万円を超えます。
ただし、これは学歴の違う二つの集団の平均を足しただけで、同じ人が進学した場合としなかった場合の差ではありません。税や社会保険料、奨学金、在学中の生活費、昇給のしかたも入れていません。
4-3. その差は、大学院のおかげか
大学院卒の64.2%は1,000人以上の会社で働いていて、大学卒の40.8%より大企業に偏っています。どの大学を出たか、どの職種に就いたかの差も混ざっています。1,000人以上の会社どうしで比べても30〜34歳で年122万円の差はありますが、それが大学院で身についた力の差なのか、大学院に行く人がもともと持っていたものの差なのかは、この統計では分けられません。学歴が「力」と「選ばれた印」のどちらとして効くかは、シグナリングの記事で書いています。
4-4. 私の考え:実務2年のほうが伸びる
私は「院は時間の無駄だと思う。学部卒で就職して実務経験をさっさと積んだほうが力はつく」と考えています。いちばんの理由は「実務2年のほうが伸びる」です。さらに、専門に固執しても、部門閉鎖でリストラされることがあります(5章)。
ただ、これは研究室にも研究職にもいたことのない私の価値判断で、修士の2年と実務の2年で身につく力を比べたデータは、この記事にはありません。4-2の平均の数字とは反対の向きです。修士の2年で、実験の計画や解析、論文の読み方を身につけて研究職に就いた人から見れば、別の答えになるはずです。学部卒で同じ研究職に就けたかどうかも、人によって違います。
大学院に行くかは、平均の差、自分が行ける大学院と会社、2年の使い道(機会費用)を並べて決めることになります。返済のいらない奨学金で学費を下げる方法は、給付型奨学金の記事にまとめています。
4-5. 私の考え:大学院に行く価値があるのは「卓越した人」
この記事の下書きを読んで、私は次のように補足しました(誤字だけ直しています)。
民間に行く人を見下す意志はない。想定しているのは次のようなケース。私は大学院に現代社会で行く価値がある人は卓越した人だと思う。卓越している人とは特待生で入学し飛び級で1年から2年以上の学部期間をショートカット出来る人である。これぐらいの位置であれば素質があると思うし、専攻に固執していいと思う。でも実際はモラトリアムや大学院に行くと収入が上がる、メーカーに雇ってもらえるという理由の人が多いと思う。それはその瞬間において幸福を生み出すかもしれないけれど、長期的にはリストラや部門閉鎖のリスクがあるわけで誰にもわからない。だから素質がない人が大学院に行く価値は希薄。素質があっても収入的に破綻するから仕方なく民間の研究開発でやりたくもない仕事をやってお金に魂を売っている状態が重大な社会損失だと私は考えている。お金の問題だから親がライフラインを整えて数億の資産を彼または彼女のために22歳の段階で用意できていればポスドクで稼げないから諦める、人生設計が破綻するという人はいなくなる。重要だがお金にならない研究に従事する人が増え、それが30年後や40年後にノーベル賞という形で成果を残すかもしれない。それこそが基礎研究の本質であり、お金だけでは片付けるべきでない本質的なところなんだ。
この線がどれくらい高いかを、数字で見ておきます。学年を飛ばす制度としては、高校2年から大学に入る「大学への飛び入学」と、学部3年から大学院に入る「大学院への飛び入学」が学校教育法にあります。文部科学省によると、大学への飛び入学を実施している大学は2026年度で10校、これまでの入学者は累計161人です。大学院への飛び入学で何人が入ったかの最新の公的な数字は、見つけられませんでした。一方、2025年3月に大学を卒業して大学院などに進んだ人は、1年で7万4,329人(卒業者の12.7%)います。
私の考えでは、実際に大学院に進む人には、モラトリアムや収入、メーカーに雇ってもらえることを理由にした人が多く、素質がない人にとって大学院の価値は薄い。逆に、卓越した人が研究を続けられずに、お金のためにやりたくない仕事を選ばざるを得ないことを、私は社会の損失だと見ています。モラトリアムとして進学を選ぶことについては、モラトリアムの記事で、就職せずに5つ試した私の話を書いています。
4-6. お金の面で、博士に進まない人はどれくらいいるか
4-5の「素質があっても収入的に破綻するから仕方なく民間の研究開発で」という人について、私は「データがないかもしれないが該当する人は多いと思う」と考えています。理由は「大学院進学説明会の時に経済的に困るのでそれを覚悟して大学院やその先に進むなら覚悟しろと説明を受けたことがある」からで、それが20年前のことです。
統計で近いものとして、科学技術・学術政策研究所が修士課程の学生を追いかけている調査があります(2021年度に修了する予定だった人が対象、2022年1〜3月、回答1万7,525人)。修士のあとに就職を選んだ人(就職が決まった人と就職活動中の人)に、博士課程に進まなかった理由を聞いた結果が次の表です(複数回答)。
| 博士課程に進まず就職を選んだ理由 | 割合 |
|---|---|
| 経済的に自立したい | 66.2% |
| 社会に出て仕事がしたい | 59.9% |
| 博士課程に進学すると生活の経済的見通しが立たない | 38.4% |
| 博士課程に進学すると修了後の就職が心配である | 31.1% |
| 博士課程の進学のコストに対して生涯賃金などのパフォーマンスが悪い | 30.4% |
同じ調査で、博士課程への進学を考えるのに重要な条件としていちばん多かったのは「博士課程在籍者に対する経済的支援を拡充する」(65.6%)でした。また、返済が必要な奨学金や借入がある修士の学生は33.7%(社会人・留学生・6年制学科を除く学生では43.6%)で、借りている人の45.2%は300万円以上でした。この調査からは、素質のある人がどれだけお金を理由に研究をあきらめたかまでは分かりません。ただ、お金を理由に博士に進まない人が少なくないことは読めます。
そのうえで私は「今のインフレで生活がさらに成立しなくなり、奨学金で私立を学部卒業している人だともっとこれが無理ゲーになるのでは」と考えています。数字で確かめられるのは、物価が2020年を100として2025年平均で111.9まで上がったこと(総務省)と、私立大学の授業料の平均が年96万8,069円(2025年度入学者)で、国立の標準額53万5,800円の約1.8倍であることです。上の調査は2022年のもので、その後の物価の上がり方の影響を測った数字ではありません。
一方で、国は博士課程の学生への生活費の支援を広げています。第6期科学技術・イノベーション基本計画では、生活費に相当する額を年180万円以上とし、2025年度までに約2万2,500人に届ける目標を置いていました(2022年度は合わせて約1万6,000人)。3-5の特別研究員(DC)は月20万〜23万円で、年に直すと240万〜276万円です。
5. 研究職の転職は難しいか
5-1. 統計:転職した人に限れば、40代前半までは賃金が増えた人が多い
研究職の転職のしやすさ(応募して決まる割合など)を示す公的な統計は、見つかりませんでした。参考になるのは、厚生労働省の「令和7年雇用動向調査」で、実際に転職した人の賃金の変わり方です(全職種、単位は%)。研究職だけの数字ではなく、応募して決まらなかった人は入っていません。
| 年齢 | 増えた | うち1割以上 | 変わらない | 減った | うち1割以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 55.2 | 44.2 | 19.9 | 17.5 | 10.2 |
| 25〜29歳 | 49.8 | 34.2 | 25.0 | 23.9 | 16.5 |
| 30〜34歳 | 48.6 | 32.8 | 20.8 | 29.0 | 19.0 |
| 35〜39歳 | 43.5 | 32.8 | 28.1 | 23.9 | 16.1 |
| 40〜44歳 | 44.9 | 29.9 | 24.6 | 27.4 | 17.6 |
転職した人に限れば、40代前半までは、どの年齢でも「増えた」が「減った」を上回っています。50代になると逆転して、50〜54歳では増えた人29.4%、減った人42.0%です(早期退職のその後の記事で詳しく書いています)。
5-2. 私の考え:難しさの正体は「社内でしか通じない仕事」
私は、研究職の転職が難しい正体は「社内でしか通じない仕事」、つまり年数がたつほど、その会社の設備・製品でしか使えない仕事が増えることだと考えています。研究の仕事にも、実験の計画や統計解析のように、会社が変わっても使える部分はあります。問題にしているのは、その割合が年数とともにどう変わるか、です。
そのうえで、私は「大学で学んだことを就職先でも使うという前提がズレてる。会社の寿命、それに依存した人の末路を調べるべき」と考えています。私の同世代でも、専攻にこだわって就職した人が、就職先の業績が悪くなって部署を閉じられ、配置転換されて苦しそうにしている例を見てきました。
5-3. 会社と事業が閉じることを、数字で見る
東京商工リサーチの集計では、2025年に倒産した会社の平均寿命(業歴)は23.5年、産業別でいちばん長い製造業でも36.9年でした。これは倒産した会社だけの平均で、会社全体の寿命でも、ある会社に勤めた人がその会社の倒産に遭う確率でもありません。会社が倒産したり事業を閉じたりすることがある、という背景として読む数字です。
会社が続いていても、事業や部門は閉じられます。2025年に早期・希望退職を募った上場企業は43社・1万7,875人で、業種では電気機器が18社でいちばん多い(東京商工リサーチ)。研究者がその中に何人いたかは分かりません。
6. 残るか、移るかを比べる材料(統計の範囲で)
この記事の統計から並べられるのは、次の差です。どれも、それぞれの場所にいる別の人たちの平均の差で、移った人がその額になった、という記録ではありません。
| 変えるもの | 平均の差(統計) | 出典 |
|---|---|---|
| 同じ研究職で、会社の規模を変える(100〜999人と1,000人以上) | 30〜34歳で642万円と672万円(30万円)、40〜44歳で823万円と926万円(103万円) | 2-2 |
| 同じ研究所で、職位を上げる | 研究員44.2万円、主任研究員55.2万円、研究室(係)長60.5万円(月の給与) | 2-4 |
| 職種を変える(研究者とシステムコンサルタント・設計者) | 30〜34歳で661万円と866万円(205万円) | 2-3 |
| 転職した人の賃金 | 30〜34歳で増えた48.6%、減った29.0%(全職種) | 5-1 |
研究職のまま年収を上げる道(大きい会社へ移る、職位を上げる)と、職種を変える道の、平均の差の大きさはこの程度です。実際の求人の年収や、自分の専門を高く買う会社がどこにあるかは、この統計では分かりません。
7. コンコルド効果で、今の仕事を続けていないか
コンコルド効果は、それまでにかけたお金や時間がもったいなくて、やめるべきものをやめられなくなることです(コンコルド効果の記事)。研究職でいえば、「大学院まで出て、この分野を何年もやってきたのだから」という理由だけで今の仕事を続けている状態です。
私が年収の低さに悩む20〜30代の研究職に最初に問いたいのは、ここです。理系の大学や大学院を出たからといって、その専門を使わなければいけないと決まっているわけではありません。ただ、年収に不満があることと、コンコルド効果は別のことです。研究そのものにやりがいがあって続けている人もいます。問いは、続ける理由が「もったいない」だけになっていないか、です。
続けているのか、続ける価値があるのかを分けるときの私の基準は「親が自分のために運用をしてくれてお金のために民間に魂を売らなくても生活が破綻しない」かどうかです。4-5に書いたとおり、民間に行く人を見下す意味ではありません。私が問題にしているのは、研究の素質がある人が、収入の面で生活が破綻するからと、やりたくもない研究開発の仕事を続けている状態です。これは生活が成り立つかという側の条件で、コンコルド効果かどうかの判定そのものではありません。判定は、それまでにかけた年数や学費を外して、これからの年収、仕事の中身、続けたい気持ちで比べることです。
この記事の数字で確かめられる順番の例です。
- 8章の計算機で、自分の年収を同じ年齢・同じ規模の研究者と比べる。同じ年齢・同じ規模の平均と比べても低いなら、理由は年齢と規模の外にある可能性がある
- 6章の表で、規模・職位・職種を変えた場合の平均の差の大きさを見る
- 自分の仕事のうち、会社の外でも説明できる部分がどれだけあるかを書き出す(5-2)
- それでも続けるなら、その理由が「もったいない」ではないかを確かめる
8. 自分の年収を、同じ年齢・同じ規模の研究者と比べる計算機
自分の年収を、同じ年齢・同じ規模の研究者の平均と比べる
年齢、会社の規模、今の年収(額面・賞与込み)を入れて「計算する」を押してください。1か月の実際の労働時間を入れると、時給でも比べます(空欄なら、同じ年齢の研究者の平均の時間で計算します)。
8-1. 例で計算すると
初期値(30歳、1,000人以上の会社、年収600万円、月180時間)では、同じ年齢・同じ規模の研究者の平均672万円の89.3%です。大学院卒(全職種)の平均761万円と比べると78.8%で、大学卒の平均639万円とは93.9%です。時給の概算では、研究者の平均3,314円(月169時間)に対して2,778円で、平均より月11時間長く働いている分、年収の比率より低くなります。
29歳、100〜999人の会社、年収520万円、月190時間なら、同じ年齢・同じ規模の研究者の平均511万円の101.8%で、年収では平均を上回ります。ただ、時給の概算では研究者の平均2,490円(月171時間)に対して2,281円です。年収で見るか時給で見るかで、答えが変わる例です。
9. よくある質問
研究職の年収が低いのはなぜですか?
統計の平均では低くありません(研究者802万円、全体546万円)。低く感じる理由として数字で言えるのは、同じ年齢の大学院卒(全職種)の平均より低いこと、会社の規模で差が大きいこと、若い年齢の階級ほど低いこと、裁量労働制では働いた時間が給料に出にくいことです(3章)。
研究職は勝ち組ですか?
比べる相手によります。働く人全体と比べれば平均は高く、大学院卒の平均やシステムコンサルタント・設計者と比べれば低くなります(2章・3章)。
34歳で年収360万円は低いですか?
2025年の30〜34歳の平均は、働く人全体で507万円、大学卒で564万円、研究者で661万円です。10〜99人の会社の全体の平均は430万円です。360万円は、全体の平均の71%にあたります。平均は一部の高い人に引っぱられるので、真ん中の人との差は、これより小さい可能性があります。
理系の平均年収はいくらですか?
賃金構造基本統計調査には「理系」という区分はありません。理系の人が多い職種では、研究者802万円、システムコンサルタント・設計者889万円、電気・電子・電気通信技術者704万円、機械技術者659万円、化学技術者642万円、ソフトウェア作成者578万円です(2-3)。
研究職で年収1,000万円は可能ですか?
平均では、1,000人以上の会社の研究者が50〜54歳で1,030万円、55〜59歳で1,109万円です(2-2)。人事院の調査では、研究部(課)長の月の給与が73.4万円(賞与は別)です。平均で見れば、50代・管理職の年齢の数字です。
研究職は潰しがきかない、転職が難しいと言われるのはなぜですか?
研究職の転職のしやすさを示す公的な統計は、見つかりませんでした。転職した人(全職種)に限れば、40代前半までは賃金が増えた人のほうが多くなっています(5-1)。私の考えでは、難しさの正体は、その会社の設備・製品でしか使えない仕事が年数とともに増えることです(5-2)。
修士から博士課程に進まない人が多いのはなぜですか?
科学技術・学術政策研究所の調査(2022年)で、修士のあとに就職を選んだ人の理由は「経済的に自立したい」66.2%、「社会に出て仕事がしたい」59.9%、「博士課程に進学すると生活の経済的見通しが立たない」38.4%などでした。博士進学を考えるのに重要な条件のいちばんは「経済的支援の拡充」(65.6%)です(4-6)。
博士に進むと年収は上がりますか?
賃金構造基本統計調査の「大学院」は修士と博士を分けていません。人事院の初任給の表で博士課程修了の行があるのは新卒の大学助教(月31.6万円)だけで、これは調べた事業所が10以下の数字です。公的な統計で、博士と修士の年収を分けて比べられる最新の数字は見つかりませんでした。博士課程の生活費の支援(特別研究員DC)は月額20万〜23万円で、期間が決まっています(3-5)。
10. まとめ
- 研究者の平均年収は802万円(42.5歳)で、働く人全体の546万円より高い。ただし研究者の7割は1,000人以上の会社にいて、10〜99人では627万円
- 「低い」と感じる理由として数字で言えるのは、同じ年齢の大学院卒(全職種)の平均より低いこと(30〜34歳で49万円)、会社の規模の差、若い年齢の階級ほど低いこと、裁量労働制
- 大学院は、平均どうしでは院卒が高い。ただし差がすべて大学院のおかげとは言えない。私の考えは「実務2年のほうが伸びる」で、これは比べたデータのない価値判断。大学院に行く価値があるのは、特待生で入学し飛び級で学部を短縮できるような卓越した人で、その人がお金のために研究をあきらめるのは社会の損失だと考えている
- 修士のあと就職を選んだ人の38.4%が「博士課程に進学すると生活の経済的見通しが立たない」を理由に挙げている(2022年の調査)。物価の上昇と私立の学費・奨学金を考えると、さらに厳しくなっているというのが私の見方
- 研究職の転職のしやすさを示す公的な統計はない。転職した人(全職種)に限れば、40代前半まで賃金が増えた人が多い。私の考えでは、難しさの正体は社内でしか通じない仕事で、会社の寿命とそれに依存した人の末路を調べるべき
- 年収への不満とコンコルド効果は別。続ける理由が「もったいない」だけになっていないかを確かめ、計算機で同じ年齢・同じ規模の平均と比べる
11. 参考資料
- 厚生労働省・e-Stat「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種(第1表、第5表、職種別の所定内給与額の分布特性値)・産業大分類(学歴、年齢階級別)https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450091&tstat=000001011429
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/index.html
- 人事院「令和8年人事院勧告 各種調査等の結果詳細」(民間給与関係:職種別民間給与実態調査 目次・資料)https://www.jinji.go.jp/seisaku/kankoku/archive/r8/r8_kekkashosai.html
- 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/gaikyou.pdf
- 厚生労働省「専門業務型裁量労働制とは」https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/study/roudousya_tayou_senmon.html
- 日本学術振興会「特別研究員 申請資格・支給経費・採用期間」https://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_oubo.html
- 文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」https://www.mext.go.jp/content/20211224-mxt_sigakujo-000019681_4.pdf
- 文部科学省「修士課程在籍者を起点とした追跡調査(令和3年度修了(卒業)予定者)について」(科学技術・学術政策研究所、2023年1月31日)https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2020/1422310_00022.htm、概要 https://www.nistep.go.jp/wp/wp-content/uploads/NISTEP-RM323-SummaryJ.pdf
- 総務省統計局「消費者物価指数 全国(最新の年平均結果の概要)」https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/nen/index-z.html
- 科学技術振興機構「博士後期課程学生への支援」https://www.jst.go.jp/jisedai/spring/support-doctoral/
- 文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1412031_00006.htm
- 文部科学省「飛び入学について」https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/07111318.htm
- 文部科学省「飛び入学実施大学一覧」(令和8年7月時点)https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/07111318/001/002.htm
- 文部科学省「令和7年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値」https://www.mext.go.jp/content/20260327-mxt_chousa01-000048552_10.pdf
- 科学技術・学術政策研究所「博士人材追跡調査 第3次報告書」https://nistep.repo.nii.ac.jp/records/6714
- 東京商工リサーチ「倒産企業の『平均寿命』23.5年に延びる」(2026年2月28日)https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202542_1527.html
- 東京商工リサーチ「2025年 上場企業の早期・希望退職募集」https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202373_1527.html
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13. この記事について
| 書いた人 | 研究職に就いたことはない。大学では研究室に所属せず、就職せずに中古品の売買で独立して20年近く。講座・コンサルの仕事もしている |
| 一次情報 | 1章の答えと、4-5・4-6の補足(大学院の進学説明会で受けた説明を含む。知人の話は本人から聞いたもので、給与明細は見ていない) |
| 確かめた日 | 2026年10月11日(厚生労働省・e-Stat、人事院、日本学術振興会、文部科学省〔授業料、飛び入学、学校基本統計〕、総務省、科学技術振興機構、科学技術・学術政策研究所、東京商工リサーチ) |
| 年収の出し方 | 賃金構造基本統計調査の「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」(2025年、一般労働者、男女計)。手取りではない |
| 計算機 | 入れた年齢・規模・年収を、同じ年齢階級・同じ規模の研究者、大学院卒、大学卒、全体の平均と比べる単純な計算。業界や職位の差は入っていない。年齢の階級ごとの額は参考値で、将来の予測ではない |
| 校閲 | 公開前にChatGPTに反論の形で校閲させ、確かめられた指摘(修士2年の費用の計算が同じ人の比較ではないこと、「院は時間の無駄」が比べたデータのない価値判断であること、研究者と大学院卒の比べ方の条件、雇用動向調査が転職した人だけの数字であること、所定内給与の真ん中の値と年収の真ん中の値の違い、規模の差に混ざるもの、倒産企業の平均寿命の読み方、年齢別の平均が同じ人の推移ではないこと、裁量労働制の割増賃金と健康確保の措置、年収への不満とコンコルド効果の区別、残るか移るかを比べる材料)を直した |

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