遺品整理は儲かるのか|遺品整理業者に提携の営業をかけた買取側から見た、お金の出どころ

遺品整理は儲かるのか。お金の出どころは作業代、廃棄物の処理、出てきた物の買取の3つ 古物商・古物市場・卸

「遺品整理は儲かるのか」を調べて来られた方に、先に書いておきます。

私は、遺品整理そのものをやったことはありません。ただ、買取の仕事をしていたころ、遺品整理業者に「本やCDが出たら連絡をください」と提携の営業に行き、実際に連絡をもらった側です。この記事は、その買取の側から見た遺品整理のお金の話です。

結論から言うと、遺品整理で動くお金は「作業代」「廃棄物の処理」「出てきた物の買取」の3つで、どれも遺品整理士の資格では手に入りません。作業代は人手、廃棄物は市区町村の許可を持つ業者との提携、買取は古物商許可と目利きで決まります。儲かるかどうかは、この3つをどう組むかで決まります。

1. 結論:資格より、3つのお金の出どころを押さえる

  • 遺品整理士は民間の資格。一般財団法人 遺品整理士認定協会の認定で、入会金30,000円と、1年ごとの認定料8,000円がかかる。
  • 家庭の廃棄物は、許可がないと運べない。市区町村の一般廃棄物処理業の許可か委託が要る。古物商の許可では回収できない(環境省)。
  • 出てきた物は、思ったほど値段がつかない。私が自分の家の食器を段ボール10箱持ち込んだときは、5,000円だった。
  • 買取から入るなら、遺品整理業者は「物が出てくる入口」になる。私は提携の営業をかけて、実際に連絡が来た。

2. 遺品整理士は民間資格|費用と取り方

遺品整理士は、一般財団法人 遺品整理士認定協会が認定する民間の資格です。法律で持っていることを求められる資格ではありません。

項目 中身
認定する団体 一般財団法人 遺品整理士認定協会
入会金 30,000円
認定料(更新料) 8,000円(1年間有効)
取り方 申し込み→教材と課題が届く→課題を提出→合格通知→認定料を払って認定証
受講期間 2か月以内(延長は無料)

資格で得られるのは、遺品の扱いや法律の知識と、お客さんへの見せ方です。資格を取っただけで、廃棄物を運べるようになったり、物を買い取れるようになったりはしません。

3. 遺品整理で動く3つのお金と、それぞれに要るもの

お金の出どころ 中身 要るもの
作業代 仕分け・搬出・清掃の手間賃 人手と車。1件ごとに人と時間がかかる
廃棄物の処理 捨てる物の回収と処分 市区町村の一般廃棄物処理業の許可か委託。持っていなければ、許可のある業者と組む
出てきた物の買取 売れる物を買い取って転売する 古物商許可と、相場を知っていること

いちばん見落とされやすいのが、廃棄物です。環境省は、家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の「一般廃棄物処理業許可」や委託が必要で、「産業廃棄物処理業の許可」や「古物商の許可」では回収できない、としています。遺品整理の現場で出る物の多くは、売れない物です。それを自分で運べないなら、許可を持つ業者と組む前提で、事業を組み立てることになります。

頼む側は、許可の有無と見積もりを見ている

国民生活センターは、遺品整理を頼む人に向けて、市町村の「一般廃棄物処理業の許可」を受けた業者を選ぶこと、買い取りがあるときは「古物商許可証」を確かめること、複数の業者から見積もりを取ることをすすめています(2025年10月の見守り情報)。上の表の3つのうち、廃棄物と買取の2つを、頼む側は許可があるかどうかで見ているということです。この見守り情報には、遺品整理士などの資格の話は出てきません。

同じセンターには、「当初20万円ぐらいと聞いていたが、作業後に30万円と言われた」「作業当日に追加料金を請求され、最終的に見積金額の2倍を請求された」といった相談が寄せられています。遺品整理サービスの相談は、2013年度の73件から、2017年度には105件になりました(2018年7月の発表)。トラブルの中心は、見積もりと実際の請求の差です。作業代で稼ぐなら、見積もりの中身を先に明確にできるかが、依頼を取れるかどうかにつながります。

4. 買取の側から見た遺品整理

提携の営業をかけたら、本当に連絡が来た

私は、仲間と作った会社で買取の仕事をしていたころ、遺品整理業者を回って「本やCDが出たら連絡をください」と提携の営業をしました。すると、本当に連絡が来ました。

ただ、連絡が来たとき、私はすでにその会社を辞めていました。名刺の連絡先が私のままだったので、私に電話が来てしまい、対応はできませんでした。それでも分かったのは、遺品整理業者の側も、出てきた物を引き取ってくれる先を探しているということです。買取をする側にとって、遺品整理業者は、物がまとまって出てくる仕入れの入口になります。

家の物は、思ったほど値段がつかない

一方で、出てくる物の値段は、期待しすぎないほうがいいと思っています。私が売り手として、自分の家の物を店に持ち込んだときの実測です。

持ち込んだ物 量 ついた値段
食器(親から引き継いだ物) 段ボール10箱 ブックオフで約5,000円/エコリングでは0円
CD 段ボール3箱 約5,000円
テニスラケット 10年前のハイエンドモデル 1本1,000〜2,000円

段ボール10箱を運んで5,000円です。遺品整理で出てくる物も、まとめて売るだけでは大きな額になりにくいと、私はこの実測から考えています。買取で利益を出すには、量を集めることと、その中から値段がつく物を見分ける目利きが要ります(エコリングオークションは儲からない?)。

ただし、これは食器やCDのような日用品の話です。貴金属やブランド品、時計が出てくれば話は別で、そこで差がつくのが目利きです。私が扱っていたブランド品の真贋の見方は、メルカリの偽物の見分け方に書いています。

買い取るときは、相続人の合意を確かめる

遺品を買い取る側として、もう1つ気をつけることがあります。遺品は、亡くなった人の物ではなく、相続人の物です。民法は、相続人が複数いるとき、相続財産はその共有に属するとしています(898条)。相続人の1人が「売っていい」と言っても、ほかの相続人が納得していなければ、あとで揉める原因になります。

古物営業法でも、古物商は物を買い受けるとき、相手の住所・氏名・職業・年齢を確かめなければなりません(15条)。遺品整理業者から物を引き取るときも、依頼主が誰で、処分や売却について相続人の合意があるのかを、先に確かめておくのが安全です。

5. 儲かるかを決めるのは、この4つ

  • 作業を回せる人手があるか:作業代は、1件ごとに人と時間を使って稼ぐお金です。件数を増やすほど、人を増やす必要があります。
  • 廃棄物の許可を持つ業者と組めているか:自分で許可を取れない場合、組む相手がいないと、そもそも仕事が完結しません。
  • 買取の販路と目利きがあるか:出てきた物を、どこでいくらで売れるか分かっていれば、買取が作業代に上乗せされます(古物商許可はせどりに必要か)。
  • 依頼をどこから取るか:自分で依頼を取れるか、ほかの業者から回ってくる仕事を受けるかで、1件あたりに残るお金が変わります。

計算機:1件でいくら残るか

遺品整理で入ってくるお金は、作業の請求額と、出てきた物の買取で残る粗利です。出ていくお金は、人件費、車、廃棄物の処分、集客です。自分の地域の数字を入れて、1件でいくら残るかを確かめてください。

1件の請求額(円)

出てきた物の買取で残る粗利(円)

作業する人数(人)

1人1日あたりの人件費(円)

作業日数(日)

車・燃料など(円)

廃棄物の処分に払うお金(円)

1件を取るための集客費(円)

売上 210,000円/費用 135,000円/1件で残るお金 75,000円(利益率 35.7%)

はじめに入っている数字は、計算のための仮の値です。1件の請求額の20万円は、国民生活センターの相談事例に出てくる「当初20万円ぐらい」という金額を仮に入れたもので、相場ではありません。人件費・処分費・集客費は地域と物量で大きく変わるので、見積もりを取った数字に入れ替えてください。

この計算で分かるのは、請求額よりも、処分費と人件費の比率で残るお金が決まることです。処分を自分でできない(許可がない)なら処分費は外に払い続けることになり、人を増やすほど人件費も増えます。3章の3つのお金のうち、自分で持てるものが多いほど、1件で残るお金は増えます。

開業の手続きと許可(家庭の不用品の回収に要る一般廃棄物の許可、許可業者と組む形、古物商の許可ではできないこと)は、不用品回収・遺品整理の開業に要る許可に分けて書きました。

6. 買取から入って、遺品整理につなげる順番

せどりや買取をしている人なら、いきなり遺品整理業を始めるより、買取から入って遺品整理業者とつながる順番のほうが、手持ちの力を使えます。私がやったのは、遺品整理業者を回って、出てくる本やCDを引き取る提携を持ちかけることでした。物が出てくる入口を先に持ち、そこから作業や廃棄物の側に広げるかどうかを考える。遺品整理士の資格は、その段階で必要になってから取っても遅くありません。

買取の仕事そのものが成り立つかどうかは、買取ビジネスは儲からないのかに、資本のない後発が大手より高く買える理由と一緒に書いています。

よくある質問

遺品整理士の資格がないと、遺品整理の仕事はできませんか?

遺品整理士は民間の資格で、持っていないと仕事ができないものではありません。ただし、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業の許可か委託が、出てきた物を買い取るには古物商許可が、それぞれ別に要ります。

遺品整理の年収はどれくらいですか?

雇われて作業をするのか、自分で依頼を受けるのかで、まったく別の数字になります。この記事では、確かめられる数字がないため、年収の目安は出していません。自分で受ける場合は、作業代・廃棄物・買取の3つのうち、どれを自分で持てるかで決まります。5章の計算機で1件あたりに残るお金を出し、月に何件取れるかを掛けると、目安になります。

遺品整理を頼む人は、業者の何を見ていますか?

国民生活センターは、市町村の一般廃棄物処理業の許可を受けた業者を選ぶこと、買い取りのときは古物商許可証を確かめること、複数の見積もりを比べることをすすめています。相談の多くは、見積もりより高い請求や追加料金です。

遺品を買い取るとき、誰の同意が要りますか?

遺品は相続人の物です。相続人が複数いれば、相続財産は共有になります(民法898条)。依頼主が相続人のうち誰なのか、売却についてほかの相続人の合意があるのかを確かめてから買い取ります。古物商として買い取るなら、相手の本人確認も必要です(古物営業法15条)。

遺品から出てきた物は、いくらで売れますか?

物によりますが、まとめて持ち込むと安くなりがちです。私が自分の家の食器を段ボール10箱持ち込んだときは約5,000円で、エコリングでは0円でした。値段がつく物を見分けて、個別に売れる販路に回せるかどうかで変わります。

関連記事

出典

 

── 無料メール講座(全6章・14通)──
真面目に働いても給料が上がらないのは、
あなたの能力ではなく
買い手が一社しかいないからです。
売り手が多数いて、買い手が一者しかいない市場では、
価格は買い手の内部規則で決まります。
転職しても、買い手が別の一社に変わるだけ。
構造は変わりません。
必要なのは努力の量でも我慢でもなく、
会社以外に
「自分の判断にお金を払う相手」
を一つ持つこと。
月3万円で構いません。
それだけで、組織との距離の取り方が変わります。
動かない録画機器を1,000円以下で仕入れ、
中古ドライブ(部品代2,000円)に交換。
ついでに容量を増やして15,000円で販売。
── 20年の現場から、実例の一部
この無料講座で扱う内容
  • 壊れた商品のどこに価格差が眠るのか
    「歪みの4類型」
  • 手数料・送料・作業時間まで含めた
    「1件の利益計算式」
  • 絶対に手を出してはいけない
    「除外リスト7項目」
  • 6日目には、元手ゼロで
    今週できる実践ワーク(約70分)
※手を動かさずに稼ぐ方法をお探しの方には向きません。
そのことも講座内で明記しています。
20年
現場での実践
全14通・2週間。
1通3〜5分で、通勤中にも読み切れる分量です。
まずは14通の無料講座で、
「第二の買い手」という考え方を確認してください。
登録30秒・無料・いつでも解除できます


「第二の買い手」を作る14通を無料で読む →

※後半に有料商品のご案内があります。
第1通の冒頭で明記します。

にほんブログ村の「せどり」ランキングに参加しています

にほんブログ村 小遣いブログ せどりへ PVアクセスランキング にほんブログ村
古物商・古物市場・卸