メルカリの出品制限(事務局による出品停止)や利用制限を解除したくて来られた方に、先に結論を書きます。
解除の手続きより先に、なぜ大量出品が必要になっているかを見てください。そこを変えないと、解除されてもまた同じところに戻ります。
私は中古品の売買を20年やっていますが、大量出品を理由とした制限は一度も受けていません。運用が上手いからではありません。大量に出品しなくても成立する商材を選んでいるからです。
- 出品数の制限:メルカリは出品数に上限を設けていて、超えると新規出品が止まることがある。上限は利用状況で変わり、数は公表されていない。止まっても出品済みの商品の編集はできる
- 解除の条件:出品制限後の一定期間の経過と、売却率(売れた商品÷出品した商品)。削除や公開停止した商品も「出品した商品」に数える。見られるのは主に直近1か月程度
- アカウントの利用制限:期間が決まっているもの(最大24時間程度のもの、日数が決まっているもの)、本人確認やヒアリングで判断するもの、無期限(アカウントの利用停止)の3段階。無期限は解除されない
- 最初に見る場所:アプリの「お知らせ」にある【事務局から個別メッセージ】
まず、どの制限かを確認する|出品数の制限と、アカウントの利用制限
ひとくちに制限といっても、メルカリの公式ヘルプでは、出品数の制限とアカウントの利用制限は別のページで説明されています。最初に読むのは、「お知らせ」のお知らせタブ内メッセージ一覧にある【事務局から個別メッセージ】です。公式ヘルプによると、利用制限がかかると出品時やコメント時に警告が出て、事務局から個別メッセージが届きます。解除のために必要な対応が書かれていることもあります。
| 項目 | 出品数の制限 | アカウントの利用制限 |
|---|---|---|
| 止まるもの | 新規出品。出品済みの商品の編集はできる | 出品・購入・入札・値下げ依頼・コメント・いいねなど。タイムラインを見ることと、進行中の取引への対応はできる |
| かかる理由 | 出品数の上限を超えた場合や、利用規約違反・禁止行為が確認された場合 | 禁止されている出品物・行為などの違反。登録内容によっては、取引の前にかかることもある(代理登録、複数アカウントの作成など) |
| 解除 | 出品制限後の一定期間の経過と、売却率に応じて解除される。基準の詳細は個別に回答しない | 期間が決まっているもの(最大24時間程度、日数が決まっているもの)/本人確認やヒアリングで判断するもの/無期限(アカウントの利用停止)。無期限は解除されない |
| 売上金 | 出品数の制限のページには書かれていない | 無期限の場合、売上金とメルペイ残高は返金、有償ポイントは払い戻し。現金にするには自分で振込申請をする |
期間が明示されているのか、無期限なのか。出品だけが止まっているのか、アカウント全体が止まっているのか。ここを取り違えたまま問い合わせると、噛み合わない回答が返ってきます。
そして重要な前提があります。制限がかかったことと、規約違反をしたことは、必ずしも同じではありません。運用上の閾値に触れただけの場合があります。逆に、心当たりがあるなら先にそれを書くべきです。
私が受けた制限は、大量出品が理由ではありませんでした
立場を明かしておきます。私は過去に2回、アカウントに措置を受けています。
- 無在庫での出品が発覚したとき……これは明確に規約違反でした。その後、本人確認の仕組みが導入された段階で確認を通したところ、利用できる状態に戻りました
- 複数の住所を登録した状態で出金を申請したとき……登録情報の不整合が理由でした
どちらも「売りすぎた」ことが理由ではありません。そして20年のあいだ、出品数が理由で止められたことはありません。
この差が、この記事で言いたいことのほぼ全部です。
大量出品が必要になるのは、単価が低いからです
制限に触れる人の多くは、真面目に売っています。問題は姿勢ではなく、点数を出さないと成立しない商材を選んでいることです。
分かりやすいのが衣類です。1点あたりの利益が小さいので、月に何百と出品しないと生活できる金額になりません。そして何百と出品すると、運営から見て個人の使い方から外れて見えます。結果として制限に触れます。
つまりこうなっています。
- 単価が低い → 点数で稼ぐしかない → 出品数が増える → 制限に触れる
- 単価が高い → 点数が要らない → 出品数が少ない → 触れない
制限は運用の失敗ではなく、商材選択の結果として現れています。だから解除の作文を書いても、商材が同じなら同じところに戻ります。
ただし、これは出品数の上限に触れた場合の話です。複数アカウントや代理登録、登録情報の不整合、回線などが理由の制限は、商材とは関係がありません。私が受けた2回も、出品数ではなく、無在庫と登録情報が理由でした。
私が衣類を扱わない判断をしているのは、この点も理由のひとつです。単価とかさばり方で組み合わせると、どこが割に合わないかが見えます。整理はアパレルせどりで失敗した理由に書きました。
出品数の制限の解除は、期間と売却率しだい
公式ヘルプ「出品数の制限について」は、解除の条件を2つ挙げています。出品制限後の一定期間が過ぎることと、出品した商品の売却率です。
- 売却率は「売れた商品÷出品した商品」
- 「売れた商品」に、取引キャンセルになった商品は入らない
- 「出品した商品」には、削除や公開停止した商品も入る
- 主に直近1か月程度のデータを見る
ここから言えるのは、売れない商品を削除して出し直すと、その時点で売却率は下がるということです。ヘルプの定義どおりに数えると、削除した商品も出し直した商品も「出品した商品」に入り、売れた数は出し直した商品が売れるまで変わらないからです。ヘルプは、制限中でも出品済みの商品は編集できるとして、説明や価格の見直しを勧めています。私は売れない商品を削除して出し直さず、値下げで対応しています(メルカリの商品削除と出品停止)。
何%で解除されるかは公開されていないので、出せません。計算機で出せるのは、いまの売却率と、出し直したときにどれだけ下がるかです。
最初に入っている数字は例です(100件出して20件売れた人が、30件を出し直す場合)。売却率は20%から15.4%に下がります。
解除を申請するときに書くこと
出品数の制限は、上の2つ(期間の経過と売却率)に応じて解除されます。申請の文章で早まるとは、ヘルプには書かれていません。ここから書くのは、アカウントの利用制限で事務局から対応を求められたときや、事務局に問い合わせるときの話です。
謝罪の文章を長く書くことに意味はありません。事務局が見ているのは反省の度合いではなく、同じことが繰り返されない状態になったかどうかです。書くべきなのは次の3つで、この順序です。
- 何をしたか……心当たりがあるなら、事実として書きます。隠したまま解除されても、次で止まります
- なぜそうなったか……手順のどこに原因があったか。「知らなかった」で終わらせず、どの工程が抜けていたかまで書きます
- 何を変えたか……これがいちばん重要です。意思ではなく、変えた仕組みを書いてください。「気をつけます」ではなく「この工程を追加しました」
登録情報に不整合がある場合は、先に直してから申請してください。私が受けた2回目の措置は、住所の登録が原因でした。ここが揃っていないと、内容以前の話になります。
解除された後、同じ売り方を続けるのか
ここが本題です。分岐は3つあります。
1. 商材を変える
点数を出さなくても成立する商材に移ります。単価を上げれば、同じ利益を少ない出品数で作れます。出品数が減れば、そもそも閾値に近づきません。
ただし単価を上げると、1点あたりの判断が重くなります。安いものを数で回すのと、高いものを少数で回すのは、必要な能力が違います。相場を読む力と、状態を判断する力が要ります。
2. 事業として売る形に移す
メルカリには、事業として売るための枠組みが別に用意されています。アプリの「マイページ > サービス > メルカリShops」から申し込みができます。個人の会員として大量に売り続けるのではなく、最初から事業者の側に立つという選択です。2025年10月22日の規約改定で、メルカリが指定した法人以外の事業者は、個人のアカウントでメルカリを使えなくなりました(メルカリの規約改定)。
要件や手数料は変わることがあるので、実行前に公式のガイドで現在の条件を確認してください。
3. 販路を分ける
1つのプラットフォームに全部を乗せていると、そこが止まった時点で売上がゼロになります。メルカリで売れるものとヤフオクで売れるものは違いますし、買い手に有利な場と売り手に有利な場という違いもあります。
私は両方を使っています。併売すると売れるまでの速度も上がります。そして片方が止まっても、もう片方は動き続けます。これは制限対策としてではなく、単に事業として当たり前の形です。
併売について。私はフリマアシストを使って併売していて、売れるまでの速度が露骨に上がりました。これには高い満足を得ています。ただし、規約を確かめると、ヤフオクとYahoo!フリマは、同じ商品を他社の売り場にも出す「二重出品」を、ガイドライン細則で出品者の禁止行為にしています。私がやっているメルカリとYahoo!フリマの併売は、Yahoo!フリマの側で禁止されている出し方で、同じようにすることは勧めません。メルカリとラクマには併売を禁止する記載はありませんが、両方で売れて片方を取り消すと、メルカリの禁止行為(出品者の自己都合によるキャンセル)にあたります。売り場ごとの決まりはフリマアシストの記事にまとめました(2026年9月30日に確認)。
やってはいけないこと
新しいアカウントを作り直す
これは最も損な選択です。いちばん時間のかかる資産である評価を、ゼロから作り直すことになります。そして登録情報が同じなら、同じところで止まります。
そもそも、作り直す前に確認すべきことがあります。登録している住所や本人確認の情報に不整合がないかです。私の2回目の措置はここが原因でしたし、情報を整えたら復旧しました。判断の材料はアカウントを作り直す前に確認することに書きました。
古物商許可を取らずに続ける
中古品を繰り返し仕入れて売るなら、古物商許可が必要です。これは制限とは別の話ですが、事業として続けるつもりなら避けて通れません。私は保有しています。取っていない状態で規模を大きくするのは、制限より重いリスクを抱えることになります。
よくある質問
どのくらいの出品数で制限がかかりますか
上限の数は公開されていません。公式ヘルプ「出品数の制限について」は、アカウントの利用状況に応じた上限があること、上限は変わることがあること、上限数の問い合わせには個別に答えないことを書いています。数字を挙げている解説を見かけますが、出所を確認できたものがありません。数字を避けるのではなく、数字に近づかなくて済む商材を選ぶほうが確実です。
反省文のテンプレートはありますか
用意していません。文面を整えることで解除される類のものではないと考えているからです。上に書いた3点を、自分の言葉で事実として書いてください。テンプレートを流用した文章は、同じものが大量に届いている可能性があります。
解除されるまでどのくらいかかりますか
どの制限かで違います。出品数の制限は、出品制限後の一定期間の経過と売却率に応じて解除されます(期間の長さはヘルプに書かれていません)。アカウントの利用制限は、期間が決まっているもの(最大24時間程度のもの、日数が決まっているもの)、本人確認やヒアリングのあとで判断するもの、無期限の3段階で、無期限は解除されません。本人確認やヒアリングのあとで判断するものは、確認のあとで解除すべきと判断された場合に限り解除されます。自分がどれかは【事務局から個別メッセージ】で確かめます。無期限になったあとのことはメルカリのアカウント停止に書きました。待っている期間にできるのは、登録情報を整えることと、次にどう売るかを決めることです。問い合わせを繰り返しても早くはなりません。
制限中に売上金はどうなりますか
制限の内容によって扱いが違うので、通知の文面を確認してください。公式ヘルプによると、無期限の利用制限などになった場合、売上金とメルペイ残高は返金、有償ポイントは払い戻しになります(法令に違反する場合やその恐れがある場合を除く)。返金された売上金やメルペイ残高を現金で受け取るには、自分で振込申請をします。出金まで止まっている場合は、そこが最優先の確認事項になります。ふだんの売上金の期限や振込申請の仕組みはメルカリの売上金にまとめました。
Shopsに移せば制限されませんか
形式を変えれば違反が消えるわけではありません。Shopsは「事業として売る人が、最初からその形で売る」ための枠組みであって、制限の回避策ではありません。移すこと自体は合理的ですが、目的を取り違えると同じことが起きます。
制限中でも、出品中の商品は売れますか
出品数の制限で止まるのは新規出品です。公式ヘルプは、制限中でも出品済みの商品は編集できるとして、売れやすくするために説明や価格の見直しを勧めています。アカウントの利用制限のときに出品中の商品がどう扱われるかは、ヘルプには書かれていません。進行中の取引への対応はできます。
「このユーザーは制限されています」と出ます
違反に心当たりがないなら、つないでいる回線を疑います。公式ヘルプによると、メルカリは外部環境を経由したアクセスや国外からのアクセスを制限していて、検知するとこの警告が出ます。挙げられているのは、プロバイダーの「レンタルサーバーサービス」に入っている、回線が日本国外からのアクセスになっている、VPNでつないでいる、の3つです。VPNを切るなどしてから、もう一度ログインします。
自分で出品を止める「出品停止」とは違いますか
違います。出品者が自分で商品の公開を止める操作は「公開停止」で、この記事の出品制限(事務局が新規出品を止めるもの)とは別です。ただし、自分で公開停止した商品も、売却率の計算では「出品した商品」に数えられます。公開停止と削除の違いはメルカリの商品削除と出品停止に書きました。
まとめ
- 出品数の制限と、アカウントの利用制限は別物。出品数の制限は新規出品だけが止まり、期間の経過と売却率に応じて解除される。利用制限は3段階で、無期限は解除されない
- 売れない商品を削除して出し直すと、売却率は下がる。削除や公開停止した商品も「出品した商品」に数えられるから
- 制限がかかったことと、規約違反をしたことは同じではない。まず通知の文面で、内容と期間を確認する
- 私は20年やって大量出品を理由とした制限は一度も受けていない。受けた2回は、無在庫と、登録情報の不整合が理由だった
- 大量出品が必要になるのは、単価が低いから。点数で稼ぐしかない商材を選んだ結果として、閾値に触れている
- だから解除は入口で、出口は商材のほう。同じ売り方に戻れば、同じところで止まる
- 申請に書くのは何をしたか/なぜそうなったか/何を変えたか。意思ではなく、変えた仕組みを書く
- 分岐は3つ。単価を上げる/事業者の形に移す/販路を分ける
- 作り直しは最も損。いちばん時間のかかる評価をゼロから積み直すことになる
止められると、運営に対する怒りが先に来ます。ただ、止まったこと自体は、売り方を見直す機会でもあります。点数を出さないと成立しない売り方は、制限がなかったとしても、いずれ体力のほうが先に尽きます。
出典
- メルカリ ヘルプセンター「出品数の制限について」 https://help.jp.mercari.com/guide/articles/1866/
- メルカリ ヘルプセンター「アカウントの利用制限」 https://help.jp.mercari.com/guide/articles/1331/
- メルカリ ヘルプセンター「アカウントが利用制限になった場合の返金または払い戻しについて」 https://help.jp.mercari.com/guide/articles/1284/
(いずれも2026年9月28日に確認)
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| メルカリの規約改定 | 2025年10月22日から、事業者は個人のアカウントを使えずメルカリShopsへ。どこからが事業者かの目安 |
| メルカリのアカウント停止|作り直しより先に確認すること | 無期限の利用制限になったあと。作り直しを考える前に確かめること |
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| メルカリで複数アカウントは持てる? | 複数アカウントの作成は、取引の前でも利用制限の理由になる |
| メルカリの売上金 | 振込申請と期限。返金された売上金を現金にするのも振込申請 |
| アパレルせどり・古着転売は儲からないのか | 点数で稼ぐしかない商材の計算。出品数が増える理由 |
